2017年12月31日

ごあいさつ2017→2018 附:「検索できないネットに意味あるんですか?」


 2017年中もいろいろとお世話になりありがとうございました。
 2018年もどうぞよろしくお願いいたします。

 今年、拙著『本棚の中のニッポン』がオープンアクセス化されました。

 笠間書院版
 http://kasamashoin.jp/2017/11/pdf_24.html
 日文研オープンアクセス版
 http://id.nii.ac.jp/1368/00006806/

 やっとこのフェーズまで、このステージまで来たな、という感じでおります。ここまで来れば届けられる先がぐっとひろがるでしょう。
 前々から漠然と、そんなふうになったらいいねえ、みたいな夢想レベルではおったのですが、下記のような2点の刺激的な記事がありまして。

・天野絵里子. 「人文学がもっと読まれるためにできること」. 『人文情報学月報』. 2017, 67(前編).
 https://www.dhii.jp/DHM/dhm67-1
・天野絵里子. 「CA1907 - 動向レビュー:欧州における単行書のオープンアクセス」. 『カレントアウェアネス』. No.333, 2017年9月20日.
 http://current.ndl.go.jp/ca1907

 特に1つめのやつは昼寝してるところを叩き起こされたような思いがする文章で、実際これを読んですぐに編集の岡田さんに「どうしたらオープン化できますかね」みたいに相談したのを、Oさんが結果的に実現してくれはった、みたいな感じになったので、えっと、あれです、『本棚の中のニッポン』をオープンアクセス化したのは、↑天野さんと岡田さんであって、あたしではないです。あたしはただ意思表示しただけです、まあ、意思表示をしたからできたことではあるんでしょうけど。(岡田さんには岡田さんで別の想いがあったと記憶していますが)
 だからというわけではないんですが、このオープンアクセス化がカレントアウェアネス(http://current.ndl.go.jp/node/35073)に載ったのを見た時には、ちょっと違和感を感じたのが正直なところです。なんていうんだろう、こういうことが”まだ”ニュースになるんだ、という感じ。本音では、書籍のオープンアクセス化なんかとっとと陳腐化したらいいじゃん、くらいに思います、別にそれが唯一の最終解なわけでもないんだし。それは、うちとこが自前の出版物のオープンアクセス化(http://publications.nichibun.ac.jp/ja/)を、太古の昔むかし、「オープンアクセス」どころか「機関リポジトリ」という言葉すらいまだ人口に膾炙していなかったころから平然とやってたから、たいしたこととも思ってない、ということかもしれないですが。

 自著がオープンアクセス化して嬉しい&便利なことは何か、というのは、おおむね天野さんの2記事に尽くされているとは思うのですが、極私的に強調して言えば、
 (1)共有がしやすいこと
 (2)Googleで本文がヒットして見つかること
 の2点だと思っています。
 無料かどうかというのはその次の次くらいかなと。

 (1)について自分の身に寄せて具体的に言うと、大学の授業で教材として格段に使いやすくなる、という感じです。PDFを、必要な章だけ切り取って、メールで送ったりクラウドに置いといたりして、はい、じゃあこれ読んで、いついつまでに課題提出ね、レポート提出ね、とポンッと渡せる。いちいちスキャンしたり許諾取ったりしなくて済む。はい、本書はシンプルなPDFですし、図書館業界以外の人に読んでもらえるようにわりと噛んでふくめるようなものの書き方してるので、司書科目でもそうでなくても簡単便利に使っていただけますよ。(【PR】)

 とは思いつつも、実を言うとこのPDFというやつが、いまどきの学生さんには結局扱いづらい、届きづらいんじゃないかなという懸念も一方であるわけです。
 だって、学生さんスマホファーストだから。
 ここ数年講師やらせてもらってて、10年前にハーバードで見かけた授業にノートパソコン持ってくるような学生がほとんどいなくて、日本の学生さんたちはいつになったらノートパソコンをデフォルトで持ち込むようなご時世になるんだろう、って思ってたら、なんてことはない、とっくにスマホ使ってその場でうにょうにょしてはったっていうだけの話でした。
 あたしもレジュメをクラウドで学生さんに共有してもらうのに、これまでは独自サイトにレジュメを載せてそのURLを教える、ということをやっていたのですが、あ、スマホでじゃなきゃダメなんだ、と気付いたので今年からは、URLじゃなくQRコードを配り、レジュメもA4に6コマじゃなく、PDF1枚1コマにして、かつ、スマホ対応の大学e-classサービスに乗り換えました。確かに、大学e-classに乗り換える、それに適したファイル形式に変換する、自分でその使い方に慣れる、というのはどれも手間がかかるし不便ではありますが、「コンテンツ」を届けたい・共有したいというのがそもそもの大目的なわけなんで、相手=「ユーザ」の「デバイス」に適合しない「プラットフォーム」や「メディア」なんぞを選択してる場合じゃないだろう、というあれです。しかも送り手側の便利不便とか主義趣味によって採ったり忌避したりとか、そんなダサいことしてる場合ではなかったという。
 余談ですが、最近『図書新聞』さん(2018年1月1日号)に寄稿させていただいた書評(『ポストデジタル時代の公共図書館』)でも、じゃあこの本をデジタルで学生教材とするにはどうしたらいいのか?という問題提起を追記しました。「(その)解が現在の姿としての図書館とはまったく似ても似つかぬ仕組みに期待できるのならば、私としてはそれはそれで一向に構わない」というオチも、煽り半分の本心半分です。ユーザに届かないプラットフォームを(それが出版ビジネスであれ旧来型図書館であれ)後生大事に守ってる場合じゃない。
 という意味で言うと、egamidayさん理系分野の大学の現場から遠く離れてかなり久しく把握できていないのですが、リポジトリや電子ジャーナルのPDFっていったいどこまで有効なんだろう、海外出版サイトでは、e-pubかなんかで出すのがもう当たり前なのかな。

 いやでも正直そんなことより、(2)の「Googleで本文ヒットする」が最高だと思いますね。
 (1)なんか最終紙で配ったってたいして効果に差が生じるわけじゃないんだけど、(2)のできるできないの差は格段にヤバい、なんつったって「Googleで本文ヒットする」ってことは、イコール、こんな本読むつもりもなかったような人の目にもとまって届く、ということですから、届く範囲がぶっちぎってるだろうと。
 ヒットしてアクセスが大事だろうと。
 今年の上半期のほうでいくつか登壇させていただいた時に、うちとこの画像データベースをGoogleでヒットするようにリニューアルしたら何がどう変わったか、的なことをざっくり報告しました。

 「デジタルアーカイブの「Googleやさしい」は、実際どこまで効果ありなのか」
 http://egamiday3.seesaa.net/article/446484829.html

 うちとこの画像データベースのレガシーなのはまだまだGoogleきびしいなのですが、新しくリリースするのはできるだけGoogleやさしいのがデフォっぽくなってくれてて、今後に期待という感じです。(例:近世期絵入百科事典データベース http://dbserver.nichibun.ac.jp/EHJ/index.html)
 それから数日前には、Googleでヒットするようにコンテンツをhtmlでupする、という15年くらい前にやった仕事がヒットしたという例をツイッターで拝読して、まあ、良かったなあと。15年経ってその効果が変わらないということは、ネット環境のあり方というものももうしばらく同じ状態で続くと見ていいんだろうから、当面のあいだは同じ姿勢でやっていって問題無さそうだな、という確信を得た事例でもありました。

 これはもちろん、Googleという一巨大私企業を信奉し心酔してるというわけではなく、当の「ユーザ」が日常的に目にしている「ポータル」なり情報流通の「メインストリーム」がどこにあるのか、そこに送り手側がちゃんとリリースできてるのか、という問題であると。
 例えばそのポータル/メインストリームのひとつとして、世界規模のコンテンツカタログではOCLCのWorldCatというものがあるわけで、そこに日本の書籍情報がろくに載ってない、早稲田と国会のしかない、NACSISのこれからが熟議されてるのは漏れ聞こえるもののそこにOCLC搭載の話はどうも出てこないらしい、そんなこんなでいつしかハーバードから帰国して早や10年が立とうとしてる、そんな状態に今年ついに業を煮やして、ていうか単純にキレて、日文研の所蔵・書誌情報をWorldCatに直接流し込む、という直接グーで殴りに行く暴挙を企てて、いま現在オハイオだかヨーロッパのどこかで機械的に登録作業してくれてるところだと思うので、もうまもなくしたら、そうなります。ILLもやります。やれるかどうか(体力的に)、どうころぶかはわかんないですけど、あかんならあかんで、とりあえずやってみて何がどうあかんかを知るしかない。
 前言撤回するようであれですが、もうね、デジタルアーカイブなんかどんなもんだっていいんですよ、ネットでアクセスさえできるようになっていさえすれば、どうにかこうにか届けられるでしょう。でも紙の本というメディアに載ったコンテンツは当面の間は残念ながらそうもいかない、どうやらまだまだしばらくは、著作権が切れていない資料を紙メディアで届けるしかない状態が続くようなので、それへのアクセス可能化の道筋をなんとか掘ろうとしてる、うちとこにはこんな紙がありますよ、紙でも良かったらお役に立てませんか、という御用聞きに海外まで出向く、というイメージで考えてます。ヒットしてアクセス、をここでは紙で保証しようと。

 OCLCのILLには”IFM”という制度があって、要するにお金のやりとりのための相殺制度なんですが、これに直接加入することで海外からの依頼受付のハードルを下げよう、というのが本件の目論見のひとつです。
 ただ、どんなILL制度も結局は同じことなんですが、だからといってその制度以外の図書館からの依頼を拒絶するわけではないです、国内であれ海外であれ、公共図書館であれ病院図書館、企業図書館、私設図書館であれ、うちとこの蔵書に御用があるとおっしゃるのであれば、それがたとえ”一定の制度”外からのノックノックであったにせよ、お話をうかがったうえで相手の事情とこちらの事情をすりあわせて可能な策を見つけていく。
 ユーザさんのニーズと事情が百者百様であるのと同じように、相手館の事情も百者百様であるのは当たり前なんで、組織の枠を越えて事情の壁を克服する、というのが我々の専門職としての役目でしょう。
 というのがこの業界の共通認識だろうと、てっきり思っていたのですが。

 #公共・大学図書館間の相互貸借等 に関するメモ - Togetter
 https://togetter.com/li/1169003

 ↑今年一番がっかりした、というのが正直な印象です。あ、公共側も大学側もその程度のことしかやってないし考えてないんだ、っていう。うちとこだと受付も依頼も、私設だろうが海外だろうが非図書館だろうが、なんとかこねくり回し交渉し頭を下げてゲットまたはギブするというのを、ほぼ毎日やってるので、まさか公共−大学間すらろくにつながってないとは思わないじゃないですか。
 そもそもNACSIS-ILLやその相殺も、OCLCのIFMもですが、その仕組みを構築することによって枠内での効率化・省力化をはかろうと本来はしてたはずなんだけども、その結果として仕組み外の対応のハードルが相対的に上がってしまい、何を勘違いしたかそれを排除の理由にしているというのは、仕組みというものの本末転倒。仕組みだけならバイトでいいのであって、そもそもはその仕組み外の対応をさらに交渉や協力でどうケアするかこそが、専門職の責務だろうと思うんです、ごくごくざっくりとこの問題のことを言えば。

 仕組みそのものを守ることが目的なわけじゃないだろうと。
 何かを為した結果、何が得られるのか/届けられるのか、が問題なのであって。仕組みはその効率化の一手段でしかない。

 それは、どんな仕組みだって同じだと思います。
 書籍の出版販売という仕組みから大幅に足を踏み外して、オープンアクセス化しちゃいました、もちろんそれはあたしがその仕組みで食べてるわけじゃないという前提があるわけで、これについては「仕組みが目的」な立場の人だってもちろんいるわけなんですが、あたしはその立場ではない(その仕組みにおいては”ユーザ”側)なので、意思表示だけで言えばオープンアクセス化しちゃえばいいのに的なことを平気で言う。次また同じかたちでの情報発信をするとしたら、”書籍→オープンアクセス化”よりは”オープン→書籍化”のほうだろうなと思います。
 かといって機関リポジトリシステムにも限界があって、いやそれだと学生さんがスマホで読めないよ、ってなっちゃうと大幅に加工するとか別の仕組みで公開するとかいう、違う方法も考えないといけない。独自サイトがダメなら、大学サイトで、あるいは結局紙で配る方が届けやすいというなら、それでもまったく異存はない。
 そしてそういうのを解決してくれる仕組みが図書館ではないんだったら、図書館という仕組みを変えていくか、あるいはそれに固執する必要はまったくない。
 先に紹介した「Googleやさしい」のブログ記事では、Googleという仕組みでヒットしさえすれば万事解決ということを書いていたかというと、実はそうでもなくで、それもあるけどそうでもないパターンもあって、という話でしたので、よろしければご一読ください。

 というような、資料・情報を届ける百花繚乱な仕組み群たちが複雑に絡み合い、スパゲッティみたいなベン図の中に立ちすくんでいて、いったい自分はいまどの仕組みの内側にいるのか、あるいは外側なのかどっちなのかもわからなくなる。というのが、いまの我々の情報環境なんだとしたら、どの仕組みを採るのが正解か/不正解かなんてことをブイブイ言っても、もはやあんま意味ないんちゃうかなと。
 けど、ただ確かに言えることは、「ある仕組みに固執しようとすること」「その仕組みの枠を越えようとしないこと」を”怠惰”と言うのだな、ということです。

 そして、この「仕組み」を「メディア」「プラットフォーム」に置き換えても、「ユーザ像」「利用の仕方」に置き換えても同じことでが言える。どのメディア/プラットフォーム/ユーザ像/利用の仕方をひとつ採用すれば正解、などということはない、ていうことなんじゃないかなと思うんです。
 
 例えばの横軸。アーカイブサミットをはじめデジタルアーカイブの論議が熱い昨今ですが、いろんな人がいろんな分野/業種の立場でいろんな種類の資料のことを言ってて、問題解決の段階は層になって折り重なり、議論の方向性は大樹の枝のように末節に分かれていく。時にお互いの議論が噛み合わなくも見えますが、あたしはむしろ互いの議論が噛み合ってない状態の方が、なあなあのシャンシャンの忖度な議論よりはよっぽど健全だしナチュラルな姿だろう、って思います(その噛み合ってなさの客観的な姿と由来をお互いがちゃんと認識できてればの話ですが)。でもその、めいめいの層、ばらばらの末節が噛み合わないことをおそれることなく、いったん一堂に集まった人らのてんでばらばらなおでこををガチンとくっつけ合わせて、糠床の下の方からひっかき回すように議論とその空気をぐるりとリフレッシュさせて、そのうえで職場に持ち帰ってまた再出発してもらおう、ていうのがアーカイブサミットなりなんなりのああいうお祭り感の効用なわけなんじゃないかなって思いますね。だからあれをやった結果いよよ自説に凝り固まったり、自分野/自業界の活動の正当性だけを力説して溜飲下げしたりしたところで、それで幸せになるのは一部の人の一時のことだけだろうから、まああんまり意味ないんじゃないかなって思いますね。

 縦軸、つまり時間経過とともにどう変わってきた&いくだろうか、ということですが、えーとそうですね、先に例を挙げたように、コンテンツが直接Googleでヒットしてくれることの効用はどうやら15年経っても変わらず継続してるみたいなので、当面その方針を採用するという姿勢でいいんじゃないかと。
 デジタルアーカイブのような資料共有とヒット&アクセスがセットになった仕組みも、その基本的なあり方は継続しそうに思います。が、そこにオプショナルに追加されたがる個々の機能になると、その出入りはこれまで激しかったし、ということはこれからも激しく変わるんだろうな、と見てとれます。例えばIIIFなんかだとどうやらもうちょい手前段階で働く概念のようなので、個々の機能よりは長続きするのかなという感じですが。

 ポータル機能(ジャパンサーチのような)をもったものが待望されている、というのも、これも15年くらいは変わってないように思いますが、ただじゃあそのポータルは具体的にどんな姿であってほしいのか、ていうのはガラッと変わってる気がします。
 こないだ学生さんからの質問で「昔のインターネットはサーチエンジンも無しにどうやって使ってたんですか、検索ができなかったらインターネットに意味あるんですか」みたいなことを問われたので、来年3月でサービス終了すると噂のYahoo!の「カテゴリ」ページを示して(あれも数年ぶりくらいに探そうとしたらどこにあるかさっぱり見つからなかった)、こういうディレクトリ型というのがあって、リンクをたどって探してたんだよ、って話をしたわけですよ。そしたらもう、学生さんの反応としては”失笑”でしたね。残念ながらそりゃそうだ、としか言えない。
 当時ポータル機能の代表格だったディレクトリ型のYahoo!カテゴリが、15年経ったら失笑なわけです。いまもてはやされてるものもそのうち古寂びていくことでしょう、機能も仕組みもメディアも利用方法も。だったらそこに固執するのは長期スパンでも短期スパンでも結局は悪手というか眉唾ものなんじゃないかなと思いますね。
 シンプルにというか、更新容易なように、ベン図のどの位置に立ってる人にもリーチしやすいようフレキシブルに、という感じで。
 ってことは、何かを構築する、盛り付ける、というよりも、地味に足固めする、パイ生地を練る、ほうが近いのかもしれない。

 というのが、いまから15年前に極私的にひとつの節目を迎え、15年後にはさらに大きな人生の節目を迎えることになる、いま現時点でのなんとなくの考えでした。

 これをもって、2017→2018のご挨拶にかえさせていただきます。
 ご挨拶ができさえすればそれでいいわけであって、”年賀状”というメディアに固執することをせず不採用、という感じで。

posted by egamiday3 at 11:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

極私的・egamiday十大ニュース 2017


 ウソかほんとかも誰が得するのかもわからない、しかしそんなことを気にしてはいけない、なぜなら”極私的”だから、という意味合いでの年末まとめ。今年1年をなんとなくトピックス形式でふりかえり、身を清めておきたいという

【1】 egamiday氏、トロントにこんてんぱんにやられる
 最高気温が氷点下という極寒の地・トロントを訪れたegamiday氏。そもそも寒さが苦手なところへ来て、乾燥した空気のせいで自転車のブレーキ音のような声しか出なくなったという最悪の”ノド荒れ”、時差ボケで毎日2時間ほどしか眠れない”不眠”、その不眠を解消しようと使ったアイマスクが祟ったらしき”結膜炎”、というコテンパンなまでの体調不良に苛まれたようです。数々のワークショップやミーティングに参加したものの、そんなグロッキー状態でどれほどの釣果があったか疑わしいegamiday氏に、あらためてトロントの感想をたずねたところ、「・・・・・・宿近くにいいビアパブがあった」とだけ、絞り出すようなブレーキ声で語りました。

【2】 egamiday氏、金正男似から高橋一生似に昇格
 短髪だった頃の姿が、東京ディズニーランドに行こうとして送り返された時の金正男氏にうりふたつ、ともっぱらの評判だったegamdiay氏ですが、今年に入って「高橋一生に似ている」と評価する声が一部で(注:n=1)あがっています。これに対しegamiday氏は「人生最大のモテ期評価だ」と有頂天の様子ですが、そもそも何がどう似ているのかというのがいまいち不明であり、いやこれはもう、いまいち不明のままふんわりとただ「似ている」という評価だけにしておいたほうが気分良く過ごせるでしょう、つっこんでいってもたぶんいいことはない。

【3】 egamiday氏、実は萩O望都派だった。
 今年9月、御厨貴氏、竹宮K子氏らを迎えておこなわれたアーカイブサミット2017 in 京都。そのシンポジウムで司会を務めたegamiday氏でしたが、ここへ来て「実は萩O望都派だったらしい」という疑惑が浮上しています。真相を確かめるべくegamiday氏本人に問い詰めたところ、「パネリストが決まった時、学生の頃にたくさん読んでたのをもう一度読み返そうと、自宅書架の”少女マンガコーナー”を確認したところ、並んでいたのは『ポーのI族』『トOマの心臓』『II人いる』ばかりだった。ただし萩O望都派というわけではなく、どちらかというと美内すZえ派ではないか」などと釈明しています。もちろん、さすがに本人には言えてないです。

【4】 egamiday氏、まだ見ぬジャパンサーチに振り回される
 国立国会図書館によって現在構想中の「ジャパンサーチ」が、各地で期待を一身に集めている模様です。その余波を受け、egamiday氏の司会業にも少なからず影響があったようで、アーカイブサミット京都のセッションレビューでも手が挙がればジャパンサーチ。EAJRSオスロのパネルセッションでもジャパンサーチ。「他の話題はありませんか」と言ってるのに、なおジャパンサーチ。ジャパンサーチに次ぐジャパンサーチ。会議で何か検討しようとしてもジャパンサーチの動向によるところが多く、これに対しegamiday氏は「もう作りかけでいいから、とりあえず早よ公開してくれへんかしら」とこぼしています。

【5】 egamiday氏、謎の奇病”オスロパンロス”を発症
 北欧の地オスロを訪れたegamiday氏。物価の高さに悩まされたものの、ビールが美味い、パンが美味い、コーヒーが美味いとそれなりの堪能ぶりで、特に宿近くのネイティブなパンカフェがお気に入りだったご様子。ところが帰国後そのパンが食べられなくなった反動で”ロス”状態に陥ったとのことで、「夢の中でシナモンロールを食べてた。ものすごくしっとりしててシナモンが香ばしい、と思ったら目が覚めた。食べられないんだと思うと、かなしくてかなしくてとてもやりきれない」と胸中を語りました。egamiday氏はこの症状を(勝手に)オスロパンロスと命名し、後世まで語り継ぐ所存とのことです。

【6】 egamiday氏、クラフトビール通いがとまらない
 昨年の十大ニュースで「クラフトビール派への転向疑惑」をお伝えしましたが、その続報です。長年の間ビールと言えばアイリッシュパブでギネスだったegamiday氏でしたが、ここ数年のうちに、ベルギービール、海外のクラフトビール、そして国内のクラフトビールへと、その好みを大幅にシフトした模様です。京都市内のビアパブ店各地において、ふわっと来てひっそりと呑んですうっと帰る、座敷わらしか何かの妖怪のようなegamiday氏の姿が目撃されています。一説によれば、なぜか『ビール検定公式テキスト』を買ったとも囁かれており、これについてegamiday氏は「呑めば呑むほど、そもそもビールって何なんだという疑問がわいてくる。そう、一番麦汁のように。」となんだかわからないコメントを、うん、たぶん酔ってます。

【7】 トレンドチェック: エクスカーションって?
 昨今egamiday氏の間で”エクスカーション”が流行中です。エクスカーションと言うか要するに、ちょっとお出かけ、くらいなもので、休日は午前中にスタバでデスクワーク。午後にきぬがさ図書館でデスクワークを続けるか、早めに切り上げてどっか遊びに行く、という感じで、春は桜、夏は山、秋は紅葉、帰ってきてビール、つまりはビール飲んでるという具合のようです。

【8】 『本棚の中のニッポン』、オープンアクセス化
 egamiday氏の著書『本棚の中のニッポン』が、某社某氏の多大なるご貢献により、オープンアクセスとしてネットでPDF公開されました。よかったねえ。何がよかったと言って、本文テキストがGoogleでヒットすることですよ。
 http://kasamashoin.jp/shoten/ISBN978-4-305-70588-4.pdf
 このほか、2017年egamiday氏の”本棚の中のニッポン的活動”としては、JAL研修アンサーシンポジウム、『情報の科学と技術』「海外における日本研究と図書館 : 概観および近年の動向・課題と展望」寄稿、OCLC目録・ILL、CEALトロント、EAJRSオスロ、NDL海外司書研修、NDLアジア情報懇談会、NDL図書館送信サービス座談会などがあり、どうもNDLに使役されてる感が強い一年だったようです。

【9】 総括:結局アーカイブサミット事務をやってたことしか覚えがない
 2017年の十大ニュース、事実上8個しか思い浮かびませんでした。それもそのはずで、上半期はほとんどアーカイブサミットの事務のことをやってたという記憶しかないためです。だいたいなんだ、あの高橋一生がどうのというどうでもいいトピックは。
 来年はもうちょっとがんばります。

 しかしここまででは9個しかない、十大ニュースならぬ九大ニュースになってしまいますので、無理くり1個を下記のように追加させていただきます。

【10】 九州大学附属図書館、図書館Webサービスリニューアル
 https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/12773
 おめでとうございます!
 中の人、おつかれさまでした!

 以上、九大ニュースに”九大ニュース”を加えたら十大ニュースになったよ、という悪ふざけな十大ニュースでした。

posted by egamiday3 at 10:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月27日

極私的流行語大賞 2017

 自分だけが得する、年末振り返りその2。
 自分のためだけのメモに、ある程度の解説を添えて。

・長尾メソッド (読書に集中するためにあえて電車・バスなどの公共交通に乗り込む行為を、長尾先生もそれやってんすか、というところから命名)
・Googleやさしい (デジタルアーカイブの類のコンテンツがGoogleで直接ヒットしてくることを適当な造語で)
・#2017年の本棚の中のニッポン (http://egamiday3.seesaa.net/article/447553434.html
・OCLC (WorldCatとしての、および、WorldShrare ILLとしての)
・高低差 (梅林崖長からの)
・定例会 (呑み会としての)
・高橋一生
・エクスカーション 
・モスカフェ (アーカイブサミット事務打ち合わせ場所としての)
・〇〇に興味ある方はアーカイブサミットにおいでになると良いですよ。
・AS事務のこと
・ファシリテーション・グラフィック
・許可のない写真撮影・録音・録画は、すべて自由です。 (アーカイブサミットでの注意事項口上としての。一度は言ってみたかった。)
・クラフトビールバブル 
・ジャパンサーチ
・オスロパンロス (オスロのパンが美味すぎて帰国後夢を見た現象)
・ベルゲン急行/フロム鉄道
・QRコード (スマホファーストな学生に寄り添う概念としての)
・#公共-大学間相互貸借等 
・一乗寺ブルワリーリテラシー (京都でクラフトビールを楽しむにあたって、おそらく一乗寺ブルワリーの製品をひととおり把握しておけば、どこ行ってもある程度しのげるのでは、という概念。京都醸造でも可)
・オープンアクセス (本棚の中のニッポンとしての)
・怒りの連勤術師
・もうこんな時間か
・もうこんな歳だから好きなことしたい
posted by egamiday3 at 12:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月26日

極私的・今年のアルファ本棚行きコンテンツリスト 2017


 もうそんな季節か・・・とため息混じりの、年末振り返りその1。
 自宅の”アルファ本棚”と呼んでる本棚に置いておきたい極私的アルファ級のコンテンツを、書籍メディアに限らずリストアップしたもの。


『サピエンス全史』(書籍)
『カルテット』(ドラマ)
『けものフレンズ』(アニメ)
『レクリエイターズ』(アニメ)
「CiNiiに何が起こったか」(プレゼン)
『ひよっこ』東京編(ドラマ)
「19世紀パリ時間旅行」(展示)
『私鉄沿線97分署』(ドラマ)
『京都の凸凹を歩く』(書籍)
『来てけつかるべき新世界』(戯曲本)(書籍)
『勉強の哲学』(書籍)
バルサミコ酢の吟上醤油(福萬醤油)(食)
かしわごはん反省会(事件)
役行者山の山鉾町図風呂敷(グッズ)
TAKUMIYA(店)
高野麦酒店(店)
「西山夘三のすまい採集帖」(展示)
「嫌われ政次の一生」(ドラマ)
Apent Bakeri(オスロ)(店)
ROOR(オスロ)(店)
ネコニヒキ(伊勢角屋麦酒・ニューイングランドIPA)(酒)
『まんがでわかるまんがの歴史』(書籍)
「末法展」(展示)
国宝展ニコニコ生放送(動画)
『古都の占領』(書籍)
「至宝をうつす展」(展示)
デストロイエンジェルIPA(一乗寺ブルワリー)(酒)
紙博(イベント)
『兼好法師』(書籍 ※現在読書中なものの、アルファ入りまちがいない)
Screenpresso(ツール)
NAS(ツール)

 なお、以下は自作の類なので、別立てで。

*「#2017年の本棚の中のニッポン」シリーズ(ブログ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/447553434.html
*「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための課題解決についての提案」(ドキュメント)
 http://www.momat.go.jp/am/wp-content/uploads/sites/3/2017/04/J2016_520.pdf
 (極私的解説付き http://egamiday3.seesaa.net/article/450762067.html
*「この本! おすすめします 「京都高低差崖会」と「ヨーロッパ企画」に学ぶユーザの姿」. 『情報管理』. 60(6)(書評)
 https://ci.nii.ac.jp/naid/130006038321
*egamiday ラジオ(仮)第5回「#アーカイブサミット 勝手に盛り上げナイト」(梅林秀行、福島幸宏)(司会)
 https://sites.google.com/site/shikenhoso/005
*アーカイブサミット2017京都「セッションレビュー」(司会)
 https://youtu.be/nutudyam5x4
 https://youtu.be/X-syc7o4MNM
*アーカイブサミット2017京都「シンポジウム」(梅林秀行、河西秀哉、竹宮惠子、福井健策)(司会)
 https://youtu.be/xHjtYa9Z_BU
 https://youtu.be/fetlhT0I-3o
*EAJRS in Oslo 「Special panel session」(三竹大吉、布施倫英、飯野勝則、後藤真、田中政司)(司会)
 https://www.youtube.com/watch?v=0mydVSeUxwo

posted by egamiday3 at 12:34| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月23日

201611it イタリア・シチリア旅(了) 8日目その2「味覚が感じているこのギャップが、旅の証し」


 ナポリから、ローマへ。
 明日は帰国ですので、帰国準備や旅行事務がはかどるようにと、駅地下の便利のいいチェーン宿がネットで投げ売りしてたのをポチって来たのですが、来たら来たでフロントが「フリーアップグレードがどうのこうの」とやいやい言うのでとりあえず承諾したところが、ビジネスクラス的なところに通されたという。部屋にエスプレッソマシンまであってビビった。
 ローマの駅地下のビジネスクラスな部屋、シラクサの伝統ありそうな貫禄ホテル、カターニアの家族経営宿。3つともほぼ値段同じだもんで、ネット商売のえげつなさを痛感します。

 お土産を買い出しに、夜のローマの街へ出ます。

IMG_5526.JPG

 海外でお土産といえばスーパーマーケット、ということで、スーパーマーケットや雑貨屋さんの類をGoogleマップやネット検索で、何軒もハシゴしては、調味料だの小物だのをちまちまと買い漁っています。ピクニック携帯用のオリーブオイルとバルサミコ酢の小瓶。サーモンとトマトのペーストチューブ。緑の胡椒。燻製風味の塩。オリーブペースト。キリンが逆立ちしたピアス。それから、中にエスプレッソシロップの詰まったチョコレートの大箱、これが駅の売店とかどこででも売ってて、B級ソウルスイーツみたいになってた。などなど。

 さて、実はずっと探しているものがあって、↓
 http://egamiday3.seesaa.net/article/455047851.html
 カターニアの宿の朝食で食べて、美味くて感動したというピスタチオクリームですが、あれを日本の皆さんにも食べさせてあげたい、ぜひお土産で買って帰りたいと強く思っておったのですが、これがなかなか店頭でお目にかかれない。大きめのスーパー行けばあるもんだろうとたかをくくってたところが、何軒もの食料品屋をハシゴしても、ない。そもそも観光地のど真ん中に大きめのスーパーがない。
 あれはシチリアのローカルな産物としてのピスタチオだったんだろうな、なんで無理してでもシチリア内で探しておかなかったんだろうと後悔しながら、無駄にふらふらと街を歩き、無駄に店に入って棚を一瞥し、ていうことを無駄に繰り返しながら、とある路地のあたり、あーお土産用のワインをいかにも観光客相手にして売ってるようなちっちゃな店あるなあ、でもワイン屋さんだからなあ。

 ・・・・・・ん、えっ、ある。
 緑色の瓶詰めで、ピスタチオって読めるイタリア語が書いてある。

 突然の邂逅に軽くかたまってると、お店のおっさんがにこやかに観光客相手目線で近寄ってきて、「試食する?」とサジとクラッカーを差し出しながらあれやこれやと解説し始める、いや、試食しなくても解説聞かなくても知ってるんだけど、と思いながらパクッと味見すると、紛うことなくピスタチオクリームだったので、あの、これ買います、ください、棚に並んでるやつまあまあ枯渇しかねない勢いで買っていったという。
 おっさんが「ピスタチオはシチリアの産物でね」というので、「実はきのうまでシチリアにいたんですよ、でもこれを買えなくって」と事情を話すと、そうかいそりゃよかったねえ、という感じになりました。ついでに甘えて、飛行機の荷物にしなきゃいけないから割れないように箱が欲しい、とかねだってた。

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 たどりついたのはナヴォーナ広場からサンタンジェロ橋のあたりで、路地が入り組んだ感じのegamidayさん好きするお気に入りのエリアなので、いい食事処があればと探してはいたのですが、なんだ、ピスタチオクリーム発見したことでだいぶ満足したのでもう何でもいいや、みたいな感じになってる。

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 ↑結果として、この旅の第1夜に来たのと同じ、ローマ駅付設のフードコートで生モレッティ、という選択になりました。
 あの夜と同じく、生ビールと生パスタで。
 こんなフードコートでも、ああ、ここに帰ってきたのだな、という心持ちでおります。

 ちなみに初日にここのパスタを美味い美味いと言っていたのは、おそらく初日補正が相当程度入っていたものと思われます。シチリアから帰ってきたあとでいまこれ食べたら、まあ、ちょっとね、という感じでした。
 ただ、そのギャップがまさに、あ、自分は確実にこの一週間あの島をぐるりとさまよい堪能して来たんだな、と。味覚が感じているこのギャップが、紛れもないその旅の証しなんだな、と。
 そう思うとなおさら、ああ、その末にここに戻ってきたんだなあ、という感慨がぐびっと深くなるわけです。

 12時間かけてイタリア半島を一気に南下した列車移動。
 メッシーナ海峡をフェリーでわたるためのスイッチバック。
 モンレアーレからの壮快な眺望。
 土地土地の駅で後ろ髪ひかれながらの、エトナ富士ぐるり周遊。
 いつまでも座っていられるタオルミーナの劇場。
 異空間のような観光地ど真ん中の洋古書図書館。
 カターニアでの無理くりな足留め。
 そして実に美味いものや、まあそこそこなものやとの、一期一会の邂逅。

 そのはるかなる長い長い旅路の末に、我々は帰ってきたのだ。
 この、ローマ駅付設のグルメコートに。
 なぜかいま、「海のシルクロード」の最終回の心持ちでおります。

 ローマからほぼ一週間かけてあちこち旅歩き、またローマへと。
 いや、もっと言っちゃうと、ほぼ一年かけてだらだらとブログ記事を書いて、最終日のローマへと。

 戻ってきたところで、今回の旅ブログ201611itは終わります。
 翌日の帰国便のことをいろいろ思いましたが、結局、空港で食べた茶色く焦がしたピスタチオアイスクリームがかなり美味かった、ということくらいしか特筆することがありませんでした。(逆に言えば、それは次回への要申し送り事項)

 ただ、バゲッジドロップのときに預け荷物を載せる秤を見てたら、行きは4.6キロくらいだったはずのが、帰りは10.6キロくらいになってた、ていうのをご報告致します。そういう旅の成果です。

 おつかれちゃん。







 ・・・よし、書き終わった!
 次の旅に行けるぞっ!!


posted by egamiday3 at 08:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする