2016年11月13日

デジタルは持たぬが閲覧の役に立つ : 「文化資源のデジタルデータ流通に突きつけられた課題--国文学研究資料館のオープンデータ公開と永崎研宣氏による公開から考える」を読んだメモ


 ↓こちらの記事を拝読して、考えたこと、思ったことのメモ。
 メモなんで、いつも通り粗雑な思いつきレベルで、結論も特にないです。過度な期待はしないでください。

・笠間書院 kasamashoin ONLINE:文化資源のデジタルデータ流通に突きつけられた課題 ―国文学研究資料館のオープンデータ公開と永崎研宣氏による公開から考える[後藤 真(国立歴史民俗博物館 研究部准教授)]
 http://kasamashoin.jp/2016/11/post_3796.html

 一読してわかんなかったところは、↓過去の経緯をさかのぼって再読しました。知らぬは一時の恥だが参考文献リンクは役に立つ。

・「電子資料館から公開している画像データのうち、原資料の所蔵先が国文学研究資料館のものについては、「CC BY-SA 4.0 国際ライセンス」の条件で提供しています。」(2016年10月11日)
 国文学研究資料館 日本古典籍総合目録データベース  http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/
・Mirador 2.1 (IIIF対応ビューワ)リリース&日本の古典籍が登載! - digitalnagasakiのブログ
 http://digitalnagasaki.hatenablog.com/entry/2016/09/17/034714
・笠間書院 kasamashoin ONLINE:永ア研宣氏が、国文学研究資料館の館蔵和古書画像19451点の古典籍をIIIF対応に。Mirador 2.1 (IIIF対応ビューワ)をダウンロードして、それで見ると、従来より格段に見やすくなり非常に便利です!!!
 http://kasamashoin.jp/2016/10/post_3782.html

 そしてtwitter界隈のその後の反応がこちらにまとまっているという感じ。

・「文化資源のデジタルデータ流通に突きつけられた課題―国文学研究資料館のオープンデータ公開と永崎研宣氏による公開から考える」(後藤真・国立歴史民俗博物館)に寄せられた関連ツイートまとめ - Togetterまとめ
 http://togetter.com/li/1044603


 以上をふまえて、以下個人的につれづれに考えたこと。 

 一読して、まったくおっしゃる通りです、という感想。
 そして、いままでやってきたこととそんなに変わんないかな、という印象です。

 ごくごく端的にまとめると、
 文化資源「オープンになった!」
→外の人「デジタルは自分で持たぬが閲覧の役に立つブラウザつくった!」
→ユーザ「こっちのが見やすい!」
→所蔵元「あ・・・」
 の、「あ・・・」の部分を社会全体から引きの画で見てどう考えるか、かなっていう。

 ただ、IT(死語?)に弱い自分から見ると、どっちのインタフェースにたどりつくのも使い慣れるのも、結局慣れが必要な感じなので、あんま違いはないかな、という気はしました。気だけなんで、違うのが出ればまたころっと印象かわるんでしょうけど。そういった意味では、ITに弱い人のために所蔵元が、アクセスだけじゃなく閲覧環境も提供する、っていうのはいるよなと。

 で、その「あ・・・」の部分なんですけど、まとめで危惧の声もあってそれもある意味わかるんですけど、このブログは図書館馬鹿のブログなので図書館の話で言うと、紙の本の所蔵と提供についてはすでにそういうことをやってるわけですよね。
 これはどんな種類の図書館であろうとまたは大学共同利用機関であろうと、本・資料を共有してもらうために一時的にお預かりして提供している、という点ではいっしょだと思うんですけど、最終的に共有してもらうのが目的なんで、がんばってそれに専心してるっていうところはありますよね。大学共同利用機関の図書館として言えばそれは”相互利用”・ILLになるんじゃないかな、来館利用もそうなんだけど、やっぱ図書館間貸出の方法のほうが現実的じゃないですかね。うちとこの貸出件数をNACSIS-ILLで見ると、27年度が年間680件で第26位か、京大さん早稲田さんみたいな蔵書は持てないにしても共同利用機関としてはもうちょっとリクエストされたいですね、蔵書は少ないが役に立つって思われたい。うちとこみたいな辺鄙な山奥図書館は直接サービスに不向きなこと極まりない以上、どう共有してもらいますかというとどうしてもそうなります。
 そんな中で、現物貸出ができない古典籍の類については、デジタルでオープンでオンラインでヤフー!な感じにしていきましょうっていう流れなんだったら、じゃあそれは紙の本混じりで考えたらいままでやってたこととそんなに変わんないかなという。(なんでデジタルのあり方のことを紙混じりで考えてんだ、って思われるかもしんないけど、紙かデジタルかのメディアのちがいなんてそれこそ長い目で見れば誤差かなんかでしかないし)

 例えばわざわざよそさんに貸し出すっていうのは、自館に来てもらって自館内の閲覧机で物理的時間的環境的制約がある中でのみ使ってもらうのが不便だし忍びないから、っていうふうに考えたら、デジタルをオープンに公開するのは、自サイト内に来てもらうだけでは不便だし忍びないから、ってことにつながると思うんですけど、でもそれは決して、自館に来てもらうことを投げてるわけでも否定してるわけでもないです、実際、来館して現地で利用した方が都合がいいというような人は、遠隔地からでもわざわざおいでになりますから、それはそれでどうぞ、どうぞどうぞ、という感じです。
 それは普通の図書館さんでも同じだと思います、所蔵図書を、館内で読みたい人は読んでもらう、そのための机も環境もある程度はコストをかけて用意します、場所の維持はお金かかりますけどそれでもだいたいの図書館さんはやってる、でもそれも完全じゃないし、おうちや通勤電車内で読みたい人は借りてってもらったらいい、自宅で好きなようにマッシュアップしてくだすったらいい、それは自館から遠く離れますけど別にいいじゃんという感じで。大学における”図書館内での”ラーニングコモンズの整備なんかは、その逆走にあたる活動なのかなと思うんですけど、結局全学生が全時間ラーニングコモンズ使えるだけのリソースが館内にあるわけでもないので、やっぱり、どうぞ使いやすいところに持ってって使ってください、って資料を放出しているという意味では、永崎さんのやってることといっしょかなって思いました。(ていうか、それが「いっしょ」に見えるくらい遠くからいま見てます)
 例えば、うちとこは創設時に「所内に展示施設を持たず展示活動をおこなわない」方針でいこうってなったそうなんですけど、でも、あちこちに所蔵資料(主に妖怪&春画)をあちこちに貸し渡して展示施設に置いて展示してもらう、っていうことをしてますので、それもものすごくざっくりまとめれば似たようなもんだなと。

 ただ、古典籍資料の類のデジタルでオープンな公開のほうに目を戻したときに、その手の資料って、資料そのものやそのコンテンツだけではなくて、「現在の所在」もその資料の属性情報・来歴情報としてすごく重要で、それによって個体の識別とかをするわけなんで、いくらオープンに公開流通複製ばらまきされるとしたとしても所蔵機関情報はがっつりかつ正確に記されててもらわないとなって思います。後追いができないと意味がないので。
 で、それがちゃんと出てたら、結果として”存在感”はついてくる、かな、どうかな、そう願いたいという感じですが。
 ILL現物貸出でも、資料1点1点を相手一人一人に貸してる時には、それがうちとこ所蔵のものかどうかなんて借りたご本人には何の意味もないだろうし伝わってもないだろうなと思うんですけど、それが、年間でトータルこれだけとか、引きの画で見るたときに、あ、あのなんとかいう山奥図書館さんはこういった類のをちゃんと持っててちゃんと提供してんだね、ってのが可視化されるといいんだけどなあ、どうかなあ。そのあたりは”国文”とか”京都”みたいにキャッチーなワードが機関名に入ってないとなかなかわかりやすい”気付き”は世の中から得られないかもしれない。
 でもだったらその”気付き”がほしいんだったら、別の広報活動なりなんなりで相手の背中バンバン叩いて振り返ってもらうことでやらなきゃしょうがなくて、それは天の岩戸みたいにして気を引くのとはちがいますね。

 ふだんTwitterで「寄席に行く」みたいにしょっちゅう言ってたら「egamidayさんは落語の修行もしてるのか」みたいに問われて慌てて否定したんですけど、要は、司書/司書教諭の科目で教壇に立つコーギ活動を「寄席」って言ってるだけなんですけど、その寄席で、黒板にこういうのを書いて、
 【情報・思想---コンテンツ・著作---本・メディア---図書館---司書---サービス---ユーザ---社会】
 ユーザが必要としてるのは情報・思想やそのコンテンツ・著作のほうであって、図書館やサービスそのものを目的としてるわけじゃないから、「本・メディア」だけじゃなく「図書館--司書--サービス」のとこまでひっくるめてメディア(なかだち)なんだって、そのメディア部分をいかに短縮するか&保証するか、っていう考え方について、その寄席の演目が情報メディアの活用だったんでそういう噺をしたんですけど、そういう意味では、オープンにしたデータだろうがブラウザだろうが結果メディアでしかないし、そのひとつの所蔵機関が評判を得るとか存在感を保つというのも畢竟メディアの一ありさま、メディアとしての本務をまっとうするための一ステップであり、一ステップでしかないと言えばない。
 ないんだけど、ただ、世知辛いというかまあいまどきはそうだよなっていうのが、いまのご時世、時代の趨勢要請でいくと、その一ステップがとてつもなくでかくて否応無しに生殺与奪をあれしてくるみたいになってるので、懸念していかなきゃいけない。ってなったときに、オープンにした"だけ"では「スマッシュヒット」という便利な言葉で得られるくらいのものしか得られないだろうなので、それ以外の棒でも背中バンバン叩いてかなきゃしょうがないな。なんせ、オープンもIIIFもメディアでしかないんだったらそれは唯一解でも絶対解でもない、それ以外の棒を古いのでも新しいのでも振り回してかなきゃな、っていう。

 本当は「その棒とはなんだ」が主問題だと思うんですけど、それはもっともっと長期的な目で探したいなと思うので、とりあえずはそういうところまで考えました、っていうメモです。メモですって言って、逃げます。逃げるは(略)

posted by egamiday3 at 23:36| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月05日

201609eu・ブカレストの想い出メモ

 201609eu、ブカレストへ行ってきましたのメモ。
 食の想い出が大半を占めているのは、それ以外に旅情らしい旅情がほとんどなかったパターンだから。


●9/12-13 往路
・9/12-13、移動からのインにイン。
・今回は、欧州向かい便が夜行になる初のパターンで、夜に羽田を出て早朝にパリに着く。一見よさそうに見えて、要は伊丹行ったり羽田で待ったりパリで待ったりと無駄な時間が6-7時間増えるだけなので、次からは極力やりたくないです・・・。
・しかも伊丹→羽田間という国内移動がやっぱりいつまでたっても慣れない。ペットボトル持ち込んでもいいの?っていうのをググるくらいに不慣れ。これが関空だったらもうちょちょいですっと搭乗できるのに。さらに羽田で降りてパリ行きに乗るのに、さっぱり要領を得なくて、歩き回り聞き回りした結果なんと一回外に出なあかんということに戸惑う。おまけに羽田の国際線ターミナルにはセキュリティの内側にスタバのないことが判明。せっかく水筒持ってきたのに・・・関空が懐かしい・・・。
・なんだかんだでパリ空港。こんな朝日の中で、2時間くらい仕事メール対応してた。http://pic.twitter.com/wqNcTWZdyV
・ブカレスト向かいの便から地上を眺めたら、あきらかに氷河浸食的な地形が見事だったけど、あれって場所的にどのあたりだったんだろう。
・それにしても日射しが京都並みに暑いので、フロントのおねえさんに「今日はこれ暑いのそれともいつもこんな感じなの?」と尋ねたら、珍妙な顔で「いい天気だと思う」みたいなこと言うてはったけど、あとでいろいろ聞いたらどうやらこの日は、昨日までに比べてやっと涼しくなってきた、というレベルだったらしい。ルーマニア半端ないなと思った。そういえばルーマニアってチャウシェスク映像で寒そうなところしか見てなかった。
・町に出て歩いていたら、夕暮れ青空ミュージカル映画上映イベント、みたいのをやってて、平和な町じゃないですかね、って思た。 http://pic.twitter.com/KVcOg3KOAg
・この日は旧市街のH&Mで衣類の買い増し、古道具市の開かれている建物を見つけて立ち寄る(後日談、実はそこが旧・国立図書館だったとのこと)、おしゃれ本屋をチェック、スタバをニアミス、という感じ。
・おしゃれ本屋はCrtureti Carusel と言って、雑貨や文具、食器・茶器、ワインなどを一緒に売ってる、建築内装もいい感じの本屋。これは京都にもあるべき! http://pic.twitter.com/0VUpCZ8LKQ

●滞在中
・9/14。EAJRS1日目、ブース設営、大急ぎランチ、ギャラリー見学、レセプション、友人たちと旧市街へ食事、という感じ。
・9/15。EAJRS2日目、ブース、パブランチ、国立図書館で浮世絵見学、旧市街でトラディショナルディナー、サラマンカの悪夢再来、みたいな感じ。
・9/16。EAJRS3日目、ワークショップ、ベトナムランチ、ルーマニア料理、という感じ。
・9/17。EAJRS4日目、大塚先生の発表、総会、イタリア料理ランチ、エクスカーションで大統領パレス、農村博物館、チャウシェスク宮殿、やっぱり旧市街でルーマニア料理、という感じ。

●9/18-19 復路
・9/18-19、帰国日。早朝のタクシー、ブカレスト空港、新装開店のアムステルダム空港、ふつうに関空。
・帰路の思い出は、すっかりきれいになったアムステルダム空港と、KLM機内の壁の模様。旅をする人たちを真上から眺めたような図?? http://pic.twitter.com/REoObUfVtu

●EAJRS2016ブカレスト大会
http://pic.twitter.com/fuH8Z8aw6F http://pic.twitter.com/0Bixmzduya
・上を向いて歩こう。
・いつもと違って、東欧・北欧からたくさん来てはった。良いと思います。
・で、そうなるとやっぱり、ライブラリアンというよりは研究者が来てはる、ということになるので、図書館・ライブラリアンに向けての、に限っててはあかんだろうということになる。という認識をあらたにする。
・ワークショップの来客は、資料収集相談、OPAC・なぜかタグ機能が人気、ILL議論、やっぱり妖怪、という感じ。
・エクスカーションでいろいろトラブってたので、コーディネータの負担が大きいの課題じゃないかな、というのは、EAJRSに限らずどんなイベントごとでも抱く感想。
・ライデンのライブラリアンがところどころでストリーミングしてたけど、あれって個人ベース活動だったんだろうか?

・発表時や司会トーク時に、たびたび、「我々に関係の深いNBK」とか「NBKについてはもう多くを言うまでもないでしょう」みたいに言ってもらえてたのが、うれしかったです。まだまだちゃんとがんばります。
・慶應のメディアセンターによる海外人事交流というか在外研修派遣について報告があったときに、オックスフォードのライブラリアンが、「日本からの在外研修を受け入れることで、海外日本研究の味方が日本に増えてくれる。お礼を言いたい」みたいなことを言ってたので、ほんまそのとおりだなあと思たです。
・資料保存のセッションでは、やはり千差万別な相談質問が続出してやまない。資料保存と著作権で質疑応答やるとどうしてもそういうことになるなあと思う。
・立命の人の発表で、HathiTrustやProQuestのデジタルアーカイブ化で何が起こったかというと、これまで日本の研究者が使わなかったような、日本古典の海外翻訳/翻案作品なんてのがあっさり流通し活用が容易になった、というような話があって、デジタルアーカイブってどんな変化が起こるかわかんないところが、ボヤボヤできないよな、っと思たです。
・そして、NBKの先生の研究発表は、これまで以上にフロアから多くの質問やコメントが飛び出し、議論に発展したような感じにもなり、かなり盛り上がってよかったなという感じ。
・EAJRSにしろCEALにしろ、AASもそれが京都開催のものだって、心地よさを覚えることの最たるのは、国も分野も組織も業種職種も職位的なのをこえて、みなフラットに、議論したり発言したり情報共有したり駄弁ったりお酒呑んで食べてはしゃぎあったりできること。(英語力だけが高い壁)
・【重要】来年のEAJRSは、2017年9月13日から16日まで、オスロ大学にて。

●宿所
・キッチン付きの宿。調味料がないのは仕方ないとして、食器や調理器具があっても洗剤やスポンジもないし布巾もないのはどういうことだ、と思いながら、フェイスタオルを使って「布でお湯洗いすることで油汚れを落とす」パターンの技を駆使してたら、3日目くらいから布巾が置かれるようになったというw
・キッチン付きの何がいいって、朝からやる気の出るものを夜が明ける前からでもがっつり食べられる(例:常備菜的に作ったナスとパプリカとベーコンのトマト煮詰めに、スライスチーズと食べ残しのポテトフライをのせて、レンジでチンしたの)し、昼夜の外食がはずれでも最悪部屋に戻ればいいと思いきれるから、一日の活動がすごく捗るんですよね。

●食
・パリ空港の売店に、鮭の混ぜ味ごはん弁当みたいなのがあって、気になっていただいてみた。混ぜごはんとしてもまあまあ美味かったし、なんかへんなプチプチが混ざってたのが意外と悪くはなかった。プチプチは、クスクスかな?と思ったけど、後から人に聞いたらなんかそういう”スーパーフード”的な流行りものの食材があるらしいので、それかなっていう。パクチーと、お好みでのコリアンチリソースがいい。
・ブカレストのチェーンスーパー、MEGA IMAGE。ホテルのフロントで聞いたら「メガ・イマージュ」というので、ああやっぱりラテン系なんだな(?)と思った。
・スーパーで買い物。魚は少ない。野菜はでかい。値段は日本感覚より薄く安いのと、どえらく安いのがあるな、という感じ。PBのマスタードひと壺が20円とか。炭酸水1リットル10円とか。
・スーパーでなんとなくナス買ったけど、前の晩のトラディショナルディナーで、ナス料理3皿出て、さすがに翌日食べる気にはならなかったという。
・調理用のトマトソースで、トマトと、たぶん松の実的なのがペーストになってて、その他ニンニクその他で味付けしてあるやつが、すごくはかどって使い勝手よかった。あれ日常的にほしい、けど、日本だとだいぶお高いんでしょうね・・・。
・スーパーで200円くらいで買った小ぶりのソイソースが、ジャンクに薄甘い味付けがしてあって、ちょっと笑ったけどあれたまに普段使いするにはいいかもって思った。豚バラの素焼きにちょちょって付けて食べるの。持って帰れないのがもったいなかった。

・宿の近くにアイリッシュパブがあって、名前がブラム・ストーカー、壁画がブラド・ツェペシュ、ルーマニアビールを呑ませる、アイリッシュパブ、ってできすぎてませんか?
・ルーマニアのビール「Ursus」という銘柄のがあるんだけど、複数種類いただいたけど、あまり、これはっ、ていう感じのはなかった。ただ、最終夜の店にはUnfilteredのドラフトがあってそれはばっちり美味かった。次があればこれからスタートで。

・昼食がなかなか難しかった。ルーマニア料理の特急ランチで冷めた肉とか、パブランチで鶏と野菜の中華風甘辛照り炒めジャスミンライス付きでこれは美味しかったけどすげえ時間がかかったとか。たぶん、昼食は時間に余裕をもってないとちゃんとしたものはとれないんだと思う。
・よく、昼食に時間をかける、っていう習慣あるじゃないですか。あれって、”かける”というよりは”かかる”なんだろうな、とやっとわかった気がする。
・昼食で、いつもは参加者となんとなく連れだって行くのを、ふわっと抜け出してベトナム料理のファーストフード的な町の小店に行ってみた。豚の角煮丼的なの。軽食でも、米を肉で食う料理でなく、とにかく肉を食うのに米が寄り添ってる、くらいの肉食い料理だったなという感じ。そういう感じになるので、欧米でアジアフードいただくの、好き。それで食後におーいお茶濃いめとか欲しくなるけど、ないじゃないですか、それでスーパーでノンアルコールビールあったりするじゃないですか。

・トラディショナルディナーは予約困難なルーマニア料理の名店らしく、店の作りが珍しくゴシックで建築的に興味のある感じ。料理は、1皿目が茄子のペーストと豆のペーストをパンにつけて食べる。2皿目が茄子のトマト煮をパンにつけて食べる。3皿目がひき肉の俵型ソーセージ風ハンバーグで、ルーマニア料理の有名なの、これはビールに合う美味いなんだけど、付け合わせがでっかい茄子とズッキーニの輪切りを油で焼いたの。デザートが馬鹿でかい揚げドーナツのクリーム&シロップ添え(パパナシ)、ひとり一皿。茄子、茄子、茄子、高カロリー、ていう感じ。
http://pic.twitter.com/IETBn0a8zg  http://pic.twitter.com/IdTgtdBblk http://pic.twitter.com/Q9F3DDCcIl
・最終夜の食事会で、ルーマニア料理の中でもぜひ試しておきたかったという、トリッパ(牛の胃)のサワークリームスープ的なの。  http://pic.twitter.com/UmhS6WjCLu トリッパはまあまあ臭みが取れててよかったんだけど、スープもトリッパも塩気が致命的に足りない(注:日本人基準で)のと、そもそも自分はサワークリームのスープのようなものが好きではない(おいw)のとで、結果、トリッパだけ引き揚げて塩胡椒をまぶして食べるという行儀の悪さを露呈した。これがトマトベースならとも思ったんだけど、それだともう完全なイタリア料理やな。
・古代ローマからの血をひく土地柄だから、イタリア料理屋は美味くなきゃいけないという誇りと自負みたいなのを持ってるので、イタリア料理屋は美味い、みたいな噂話を聞いた。まあ、ルーマニア料理全般がイタリア料理寄りっぽい。
・これもルーマニア定番の、ひき肉の俵型ソーセージ風ハンバーグは、まあ、そりゃ美味かろう、という感じ。日本でもフツーに居酒屋料理に採用したらいいのになって。

・最終日に冷蔵庫片付けるからと言って、残ったパスタ(フェトチーネ)と、残った豚バラと、日本から持ってきたシジミ味噌汁パックを使って、即席の”豚汁ほうとう”みたいなのを作ったら、欲望のリミットがはじけるくらい美味かった。
・ルーマニア空港で売ってたお土産菓子で、ルーマニアのを選んで買おうとすると、いつのまにかトルコ菓子を選ぶようになる感じだった。トルコ+イタリア→ルーマニア?
・そういえば、EAJRS会場のコーヒーブレイクのケーキが、結構人気だったし、確かに美味かった。お菓子には吉な土地柄?
・そういえばそういえば、トラディショナルディナーの最後に、ひとり一皿、馬鹿でかい揚げドーナツのクリーム&シロップ添え(パパナシ)が出てて、この時間帯にこのカロリー摂取するの絶対アウトだろうという殺人的な、でもペロッといっちゃったやつがあったけど、やっぱりお菓子には吉な土地柄か?
・結局ブカレストでスターバックスに行けてなかった。一番の心残りではある。いつでも行けるような店に見えても、行けるタイミングがあるときに行っとかないと、行きそびれるもんだな、っと思った。
・あとスキポールの売店に売ってたカップうどんは韓国商品だったので、がんばれニッポンと思った。

●その他買った物
・気候が夏場の京都とかわらないくらいで、思った以上に汗をかなりかくので、急遽H&Mで服を買う。Tシャツ500円、ワイシャツ1500円。やっぱり安め。何かを買うのに躊躇しなくてちゃちゃっと買える、っていうような物価だなという感じ。ただしワイシャツは、ヨーロッパ体型向けらしく、腕が長くて肩幅が長くて胸囲がきつい、ちんちくりんさ加減。
・ルーマニアダンサーの民族衣装人形。目がかわいいので買った。

●持っていったもの
・おーいお茶の顆粒が想像以上によかった。水に溶かしてお茶になるやつ。でも、冷ませばいいなら普通にお茶持っていっていいよなたぶん。
・機内用歯ブラシ

●観光
・大統領パレス。欧州観光っぽい感じの。オリエンタルルームのロフトで入れない場所に、日本の役者絵的な刷り物が飾ってあったのを、参加者一同が興味津々だったのがハイライトか。
・このパレスは中で写真を撮ろうとすると最初に5レイ(約125円)払わないといけないんだけど、自分的な感覚では当然のように払ってパシャパシャ撮るだろうというところを、ほとんどの人がスルーだったので、こんなところで少数派を思い知らされるとはちょっと思ってなかった。
・パレスの様子 http://pic.twitter.com/p2hYLBP12H  http://pic.twitter.com/zrwvFvAcvx http://pic.twitter.com/qSHHqmtbOf
・ちなみにこのパレス内に住むなら、お気に入りはマジでここ> http://pic.twitter.com/VQBKNDKoe2 http://pic.twitter.com/ObU0Wfhfvb
 ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示してある、スイスの部屋、みたいになってる。
・時間が30分弱しかなかった農村博物館、実は今回のブカレスト行きで唯一かつ最高に食指が動かされまくってた行き先なんだけど、大急ぎ観光という後ろ髪な結果に。ただしその30分でも、その明治村的スピリッツと容赦ない建築物シャワーは存分に味わえたので、よかったです。もちろん写真撮りまくりツアーです。いまこうしてスマホの写真をパラパラと見返してるだけでも、胸がキュンキュンして顔がによによして、そして、むしろ明治村に行きたくなったです。 http://pic.twitter.com/DY3fTmWUbE http://pic.twitter.com/RsW55BYuT5
 http://pic.twitter.com/29Tar2m9ui
・チャウシェスク宮殿はね、確かにでかかったです、使い勝手悪そうという感想。あと巨大建築物特有の、鉛が胃に入ってくる感覚のやつ。そしてその前の通りが夜のホコ天みたいになってて、市民がきゃっきゃしてる感じだったので、平和って大事だな、と思たです。 http://pic.twitter.com/5jDnxnUiL7
・横にあった建築中の巨大教会。これは巨額税金援助で建てられてるために、反対推進の間でなかなか完成しないし、さらにはその巨大教会をチャウシェスク宮殿の横に建てちゃってさほど巨大にも見えないという、黒い笑い話があるらしい。
・これは「観光」かな。トラディショナルディナーの店は、トラディショナルなルーマニアダンスを見せる店でもあって、フロアで踊り出すのはいいんだけど、客を誘い巻き込むパターンのやつで、ええ、はいはい、巻き込まれに行きましたよ。サラマンカの再来。 https://t.co/UnrdrZnXOV

●町
・食事に行こうとすると、15分くらい旧市街まで歩くことになる、という土地柄。学生さんたちの行動パターンがそうなのかしら。確かに、ほしいところにほしいバスストップや地下鉄駅はないという感じで、滞在中に地下鉄1回乗ったきりで、バスはとうとう乗る機会がなかった、こういうのはなかなか珍しい。海外旅行名物・ICカードをお土産に持って帰る、もできなかったという。
・町を歩いていて目につく教会らしき建物の意匠が、自分がこれまでヨーロッパを旅行して見てきたようなそれと全然ちがうので、ああ、自分の見聞は狭い、狭まれすぎる、セバスチャンだと反省した模様。  http://pic.twitter.com/L9rBXYYAY0
・ブカレストをざっくり歩いて、街全体がちぐはぐに改装中なところ、という印象を受けた。ほっとかれてるところはずっとほっとかれたまま、これたぶん革命時期からずっとこの状態なんじゃないかなというような、崩れ壁とか空き地とか放置自動車みたいなのがある一方で、すぐ横の新規改装なところはパリかニューヨークかみたいにピンポイントですごく小洒落てて、原色やパステルカラーやガラスやLEDやで、それら両極端が全部ないまぜな感じ。
・まあでも総じて落書きばっかりだった。ここは一応メイン通りなんだろうなという通りでも、あちこちのテナントが閉ざされてる。
・タクシー@往路は、懇切丁寧にもブカレスト大学の学生さんがアテンドしてくださって、そこまでやるかってびっくりしたんだけど、まあ、パネルを操作して、レシート通りの車がやってきて、20分くらいでホテルに着いて、メーター通りの金額に最低限レベルのチップで、ふつーに終わった感じ。払っても7-800円程度の話だし。
・復路タクシー@早朝空港行きは、ホテルロビーのタクシー呼び出しパネルを使えて特に無事。あれがなかったら認可もどきデザインのタクシーが次々ホテル前に到着する感じだった。それでも到着時に「ワンモア」とせびられた、まあそれも200円くらいだし、そもそも全料金で日本の初乗りレベル。それでいいなら、安全で快適な旅行と金払いの良さにはある程度の相関関係あるな、と学んだ。
・そういうタクシーの人にしろ街角のお店の人にしろ、人あたりが「家族的」だな、っていう感じがする。家族に接するようにこちらにも接してこられるから、ある時はがさつや柄悪く思えたり、妙に人なつっこかったり優しかったり、あっさり平然としてたりする。外国人観光客扱いされてる気があまりしない。
・そういえば噂の「野犬」をいっさい見なかった。そういうエリアしかうろちょろしてないと言えばそうなんだけど。
・結局ブカレストで危険を感じることはほぼなかったですが、それも、ごく限られたエリアでしか行動しておらず、公共交通を使う機会もほぼなく、危険性を感じる場所や時間帯で行動しておらず、単独外出もほとんどなくて、事前注意情報も熟読してて、深酒しないよう注意してた、からかな。

posted by egamiday3 at 08:16| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月04日

(Q&A)「司書の心得は」「これからの図書館は」「実習にて」


 寄席の常連さんから質問を出してもらってそれに答える、という三題噺企画の、質問と答えの紹介です。一部改変入り。

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Q「図書館で働く者として、どういうことを心得ておくのが良いですか?」

 世の中のほとんどの人、大多数の人が、図書館というものに何の興味も関心も持ってない、ということを常に忘れないようにしておくことかな、と思います。

 忘れちゃうんですよね、こういう仕事してると。もちろん自分では、図書館のような施設なり仕組みなりというのは社会世界の役に立てるはずの、意義のあるものだというふうに考えてはいるんだけど、世の中のほとんどの人、住民、納税者の多くは、まあまずそんなことは考えてないし、なくてもまあまあ困らないと言う人が大多数だろうし、そして、そういう人たち、そういう社会世界を相手にして仕事してるんだっていうことは、常に意識してないとなって思いますね。
 それは、だから説明やアピールがあの手この手で不断に必要なんだ、ってことでもあるし、また逆に、「図書館大事だ」っていう自分の考えが果たして正しいのか?と常に自分自身に疑いをかけ続ける、検討検証し続ける、ってことでもあると思いますね。
 図書館関係なしに、自分で自分に疑いを持たずに仕事してると、だいたいヤバい、と思いますね。

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Q「ITが進んで、検索も蔵書管理も便利になっていくと、これからの図書館はどうなっていくでしょうか?」

 図書館って、検索ができて、本が読めたら、それで終わりでしょうか、っていうとそうじゃないと思いますね。 
 だから、ITが進んで検索も蔵書管理も便利になっていけばいくほど、やっと本当にやりたかったことができる余裕が生まれる、ていうことだろうと。残念ながらいままではコストのかけ方が偏ってたせいで、別のところへの注力を割愛しがちだったんだけど、それは注力する必要がなかったからしなかったのではなくてしたくてもできなかっただけだから、できるようになったらやったらいいんだ、ていうことを思い出したらいいんだと思いますね。
 関係ないかもしれないけど、図書・図書館史を学ぶ意義のひとつは、そういうことを思い出すってことなんじゃないかなとも思いますね。

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Q「来月、図書館実習として、実際にどこかの図書館に行って働くということをします。どういうことに気をつけたらいいでしょうか」

 そこでの仕事のやり方や、その図書館での資料・利用者に対する考え方、というのは極めてローカルなもので、まったく標準でもなんでもない、よそへ行けばガラッと変わる、ということはぜひ理解しておいてください。
 図書館の仕事は、目録規則とか分類とかサービスとかでかなり標準化されてる、という一面があるにはあるものの、やっぱりかなりの程度で閉じた職場という感があるところだと思います。なので、現場の日常業務的なところは基本的にローカルルールのかたまりでできてるという感じです。しかも、学生の実習生に体験させ任せることができるような種類のお仕事については、特にその傾向が強いんじゃないかなって気がしますね。
 なので、たまさか派遣された先の図書館での仕事が、ぜんぜん合わなかったから自分はこの仕事向いてないのかとか落ち込む必要はまったくないし、逆にそこで教わったり学んだしたことが他所でもそのまま通用するかというとそういうこともまったくないし、ということは忘れないでもらいたいなって思います。
posted by egamiday3 at 10:22| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月24日

デジタルアーカイブについていろいろと考えたメモ


 先日、とある場でデジタルアーカイブについていろいろ議論する機会があって、で、これはその議論をメモしたわけでもなんでもないんだけど、その議論を含めて全体的になんとなく自分で考えたりしたことのメモ。


・システムが先か利用/ユーザが先かについては、システムが新しい利用を掘り起こす、っていう理屈はなるほど確かにわかるし同意なんだけど、一個のイノベーティブなものをとんがって開発ならそれがいい、けどナショナルな社会的インフラの整備でそれだとマズイんじゃないか、ていう感じかしら。
・イングレスでポータルをエンリッチすれば、ポケストップもリッチになる、それによって街をデジタルアーカイビングさせていける。そういう活動について。(註:まあポケモンもいつまで有効は疑問)
・では、アーカイビングするに足る街とは。あるいは、街をアーカイビングしてどう活かせるのか。
・文化資源、学術情報、地域、芸術、呼称はいろいろあるでしょうけど、どれかを採るとどれかが落ちるわけで、どれかに拠るわけではない、全方位を包括する、ワンアップ上を行くメタなワードを、なんとか創出・普及させられないかって思うんだけど、それが「アーカイブ」なんだったらそれでもいいと思うんですね。
・ていうか、たぶんどんな業種、どんな分野にも、ひとりやふたり、1%や2%くらい、”デジタルアーカイブ”的な議題・課題に興味関心を持ってる人ってあまねくいるんじゃないかと思うんで、そういう各業種各分野の人を缶詰を開けるときの取っ掛かりとしてのツメとして、リーチしていけるような議論・企画ができたらいいんじゃないかな、って思いました。
・そういう人たちを招いて企画を催す、ディスカッションを実施する。それは、ディスカッションの中身や結論が効果を左右するというよりも、ディスカッションを実施する、あるいは招く・招へいするということ自体が、ひとつの広報活動、ていうことなんじゃないかなと。
・興味関心を持つ=能動的な態度をとる、だから、能動的に何かしてもらうのが手っ取り早いよな、そりゃそうか。
・京都にとってアーカイブとは? 観光? 寺社? 老舗? 学校? 地蔵? 伏見? 映画村? 任天堂? 挙げだしたらきりがない。京都学自体がアーカイブ学?
・だったら、”京都”は自らの”アーカイブ”を具体的にどう”活かし”てるんだろう?
・「MALUIマインド」という言葉がよぎった。意味はわからない。
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2016年08月21日

(メモ)『アーカイブ立国宣言 : 日本の文化資源を活かすために必要なこと』からのメモ

『アーカイブ立国宣言 : 日本の文化資源を活かすために必要なこと』ポット出版(2014)
http://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-7808-0213-9.html

アーカイブ立国宣言: 日本の文化資源を活かすために必要なこと -
アーカイブ立国宣言: 日本の文化資源を活かすために必要なこと -

■極私的感想
・課題も現状もユーザ像も価値観も将来性も優先順位も、これだけ多種多様・百花繚乱・百鬼夜行だと、全体をカバーしようとする仕組みにはできるだけふんわりとした寛容さというかふところの深さがいるなあ、という感じ。


●はじめに
・「問題は、技術力以外の分野での日本の著しい立ち遅れである。これまで技術力、経済力に頼って発展してきた国の驕りが、この立ち遅れの深刻さから目を背けさせてきた。」

●鼎談:アーカイブとは文化そのものである
青柳正規、御厨 貴、吉見俊哉
・「小説や文学、映画、建築、絵画などの中には、近代日本が西洋化・近代化の中で悩み、苦闘してきた痕跡がいっぱい残っています。・・・保持すべきものが、この19世紀末から1970年代前後までの日本にあると思うのですね。でも、現在はその価値が意外と認められていなくて」
・「個人的な記録はどんどん蓄積されているのに、それらが相互につながっていない」「東日本大震災では、被災地で膨大な記録が残されましたが、その大半がおそらくオーファン作品となるでしょう。でも、現在の日本ではそれらを共有する仕組みが整っていません」
・「全国各地で草の根的に生み出されてきた文化的資源がとてもたくさんありますが、それらは今、共有化されないままどんどん失われている」
・「大事なのは、共有化した記録が具体的にどのように役立つのか、そのプロセスを文脈化することです。」「「あなたが持っている記録は、公共の処に預ければこういうふうに役立つから、出したほうがいいですよ」って、目に見える文脈化を行なうことが重要であって、それを可能にするのが文化力だと思います。」

●(マンガ)「マンガ・アニメ・ゲーム文化のすべてを収蔵するミュージアムを」
東京国際マンガミュージアム/森川嘉一郎
・アーカイブを維持するためには、施設に集客機能を持たせて維持費をまかなうとともに、保存の意義を啓蒙普及していく。そのためにアーカイブ機能とミュージアム機能を併設する。→「東京国際マンガミュージアム」
・「保存のためのデジタル化」を可能にする制度が必要。複写請求の多い資料ほど複写不可に陥る。

●(ゲーム)「世界に通じる文化を国内で保存すべきである」
立命館大学ゲーム研究センター/細井浩一
・研究と開発の現場では、世界共通のIDを定めて同定可能にすることがポイントになる。
・「100年後、日本のゲームを研究しようと思った人が「スタンフォード大学に行かないとダメだよ」ってなってしまったら、嫌ですからね」

●(震災)「公開・共有のための仕組みづくりが必要だ」
311まるごとアーカイブス/長坂俊成
・震災前の生活を見たいというニーズ。地域の集会所で昔の地元小学校の運動会の映像を上映すると盛り上がる。コミュニティのアイデンティティの復活は「心の復興」。
・311まるごとアーカイブスを法人化し、法人が行政に代わって公開し、問題があった場合はオプトアウトする。

●(脚本)「映像の現存率が低いなか放送文化を残していくために」
日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム/石橋映里
・脚本アーカイブズでは、脚本・台本を収集し、データベースを作成したのち、複数の機関へ寄贈・移管している。作成した脚本データベースでは何がどのような内容でどこにあるかがわかり、ひとつのコレクションに見えるような形。
・全国の図書館102館に1万冊以上の脚本が所蔵されている。これらをひとつのフォーマットでデータベース化するには、これから協議が必要。

●(映画)「デジタルアーカイブは「保存」に役立つか」
東京国立近代美術館フィルムセンター/岡島尚志
・デジタルデータ保存の方法としての「式年遷宮」方式。一定の期間ごとに決められた新しいキャリアにデータを移し替えていく。
・「永代供養」方式。著作権者に一定の金額を負担してもらい、公的機関で保護する。
・フランスINA(国立視聴覚研究所)では、1000人の常勤職員がフランスのテレビ番組すべてを録画する。フランスという国はそういう事にお金を湯水のように使う。

●(放送)「テレビ番組とアーカイブ NHKの取組」
NHKアーカイブス/宮本聖二
・現在のNHK放送システムは、番組をファイルで完成させ、放送と同時にアーカイブされるという、一体的なシステムをとっている。

●(地域)「普通の人の話をきちんと残していく大切さ」
地域雑誌「谷中・根津・千駄木」/森まゆみ
・地域文化がない場所はない。ただ、それを記録として残しているところがほとんどない。
・地元の自治体とうまくいかない。町の記録をとる者は、行政には扱いにくい。
・「谷根千」のバックナンバーはエール大学、ハーバード大学で全号を保存している。

●(地域)「交流装置としてのアーカイブを作りたい」
小布施町立図書館「まちとしょテラソ」/花井裕一郎
・オーラルヒストリーとしてのこす「小布施人百選」
・「ワクワク通信」は説明責任とともに、図書館への来館を促すツールでもあった。普段来ない人に来館してもらうため、全戸配布にこだわった。
・町は交流産業。ほかに産業がないと、来訪者に小布施ファンになってもらうしかない。そういう町をどう作っていくか。交流装置としての、道具としての、アーカイブ。
・面白いと思えることを図書館が先導して行動すればいい。貴重な資料が地域にあるとわかっているなら、もらいに行く。そういう実績を積み重ねてはじめて予算がついてくる。実績がないところに予算はつかない。
・司書のキャパシティを越えていることには、外部の力を借りたらいい。いろんな角度のスキルを持った人を迎える。

●(地域)「地方の図書館で進める電子書籍の可能性」
札幌市中央図書館/淺野隆夫
・図書館が地域情報を積極的に集めていることに驚いた。だが、図書館は収集はするが、発信までは手が回らない。
・電子書籍サービスについて、インターネットで告知するだけではIT好きな人だけのものになりやすい。電子サービスをリアルな場所でPRすること。
・図書館をいろんな場につくるために、デジタルが必要。役に立つ事例を積み上げていくこと。

●(アニメ)「未来の日本のアニメーションアーカイブスを目指して」
日本・アニメーションアーカイブス/植野淳子
・1963年のテレビアニメ放映開始から2033年で70年になり、保護期間が切れる。そうすると、原版や中間制作物の保管コストを負担している所有者によっては、散逸・消失してしまうおそれがある。

●(音楽レコード)「タイムリミットが迫ってくる古い音源をデジタル化していく」
歴史的音盤アーカイブ/藤本草
・デジタルアーカイブは複製ではなく保全。原盤がなくなってしまえば権利者も権利主張できない。デジタルアーカイブ化してしまえば、これからもずっと権利を主張しつづけられる
・SP盤の総合カタログをインターネット上にオープンにし、収集機関やコレクターに所蔵品について書き込んでもらい、集大成できれば。

●(書籍)「既存の知的財産をいかにアーカイブしていくか」
植村八潮
・NDLの納本率。商業出版物は97%。行政資料は56.7%。
・電子書籍納本について、利用はしなくともデータの保存だけでも先行しておこなうダークアーカイブの実現を。

●「デジタルアーカイブ振興法制定の意義と今後の方向性」
福井健策、中川隆太郎
・国際的なプレゼンスの向上。適切な日本理解を促す外交戦略上の位置づけ。
・インターネットでアクセス可能なコンテンツの質・量。たどりつくための導線、一元的な検索窓口。多言語対応。
・多言語発信の例として、映像コンテンツに英語字幕を付与する字幕ラボの設置。
・国内外のデジタルアーカイブ間の相互接続の促進。アジア・ヨーロッパ・北米など諸外国のデジタルアーカイブとの相互接続を進めるべき。


posted by egamiday3 at 14:56| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする