2008年07月29日

問:イタリア文学が「333」である分類法は何か?

 テレビを見る時間が最近めっきり、ほんとにめっきり、在米中に比べて1/5くらいに減ってしまった(笑)ながらも、唯一毎週ほぼリアルタイムでチェックしてる今季のドラマといえば、もちろん『魔王』なわけですが(註:別の問題によって放送継続してくれるかどうかハラハラドキドキ中。もしくは内くんの(ry )、前回の放送でのこと、犯人からの犯行予告的な封筒が主人公のところに送られてくる、手紙にはダンテの「神曲」の一節が書かれてある、その手紙にサイコメトラーである図書館司書の女の子が触れると「333」という番号の映像が浮かぶ、なんだかんだあった末に、司書の女の子が「333」が何かわかった!っつって、主人公を連れてきたのが、勤める図書館の書架の前、「333 イタリア文学」、なるほど、ここでさっきの「神曲」が伏線となり、書架に並ぶダンテの「神曲」を手に取るとそこにはさらに封筒が、

 って、見上げた公共図書館だよ、「333 イタリア文学」なんつーエキセントリックな分類採用しちゃって、もう。

 ちょこっと調べてみると、この『魔王』はどうやら韓国ドラマのリメイクらしく、じゃあ韓国では「333 イタリア文学」か!?と淡い期待を抱いてみたのですが、KDC、Korean Decimal Classification っていうんですね、いっさいそんなことはなく。→ http://en.wikipedia.org/wiki/Korean_Decimal_Classification

 まあでも、広い世界ですから、がんばってがんばって探せば、「333」=イタリア文学たる独自分類を持つ図書館が、どこかに、きっと、イタリアの南部の港町とかもしかしたら、ある、と夢見たい。

posted by egamiday3 at 21:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クーラーが壊れた・・・orz

 殺す気か!((c)竜ちゃん)

 障害は明確で、本体からほんのり風が出てるのに、室外機が一切回らない、で、しばらくして本体も止まる。

 という状態で、ちょっと勉強になった、修理対応の経緯。

 某D社の修理受付電話番号をネットで確認。
 ↓
 電話。
 ↓
 住所等プロフィールを聞かれる。
 ↓
 エアコンの型番を聞かれる。
 ↓
 リモコンの型番を聞かれる。
 (ここで「ヘンなこと聞くね」と思う)
 ↓
 お兄さんがおっしゃるには「お客様ご自身で応急の診断ができます」、だと!?(驚)
 ↓
 リモコンのとあるボタンを長押しする。
 ↓
 リモコンの画面に記号が現れる。
 ↓
 とあるボタンをぴっぴと押すたびに、記号が変わる。
 ↓
 ある記号が表示されたところで、本体がぴぃーって鳴る。
 ↓
 Q.その記号は何?
 A.これこれです。
 ↓
 「残念、出張修理が必要な障害です」て、ぬかよろこびかよっ。
 ↓
 室外機のある場所が、地面近くの低いところか、高いところかを聞かれる。
 ↓
 在宅時間を問われる。
 ↓
 夜は暗くて作業できませんとおっしゃるので、照明の煌々とした明るい場所です、と言ってあげる。
 ↓
 明日、夜10時頃になるかもしれませんが、ということで交渉成立。
 ↓
 部屋中の照明と電化製品を切って、窓を開けて、ほとばしる汗、飛び交う蚊と闘いながら、blog更新。

 教訓:00年製は替え時なのか?
posted by egamiday3 at 20:57| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月23日

誤解されるラーニング・コモンズ


「ラーニング・コモンズは、アメニティである」
 ちげーよ。学習支援だよ。
 快適(=愉悦)な気分になってもらうところじゃなくて、快適に(=障害なく)勉強してもらうためのところだよ。
 溜まり場じゃねーんだよ。

「ラーニング・コモンズは、ものが飲み喰いできるところ」
 ものが飲み喰いOKなのは、長時間滞在して、長時間集中してもらうために、人間にとって必要不可欠な生理=息抜きとして、だよ。
 食堂じゃねーんだよ。

「ラーニング・コモンズは、パソコン・ネットが使えるところ」
 惜しいけど、やっぱ根本的にちげーよ。
 ネットのデジタルな資料と、図書館のリアルな資料とを、シームレスに、無差別に、あますところなく複合的に活用して、その成果を文房具としてのPC、コミュニケーションとしてのネットでアウトプットするため、であって。
 2chやようつべやネトゲのためじゃねーんだよ。

「ラーニング・コモンズは、快適な学習場所を提供する」
 「学生同士(教員含む)がコミュニケーション・ディスカッションしつつ学習できる環境」が”コモンズ”であり、「勉強の仕方とレポートの書き方を教えてくれる人的支援」が”ラーニング”だからね、ていうあれであって。
 ”席貸し”の延長とかじゃねーんだよ。
 2回言うけど、”席貸し”じゃねーんだっつー話ですよ。

「ラーニング・コモンズは、カフェである」
 んー、「飲み喰いできる場所」という意味でゆわれるとちょっとどうかと思うんだけど、「人が集まって交流するサロン」という意味でゆってもらえるんであればOKだよ。


 何を根拠にゆってるか、って?
 根拠なんかねーよ。
 ただの自論だよ(笑)。ごめんよ。

posted by egamiday3 at 23:54| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月21日

電子図書館(宇陀・20080717PM)

・Google等の外部のサービスをうまく図書館システム・サービスにとりこんでいけばよい。無闇に競うのではなく。
・現在の日本の大学図書館における電子図書館サービスは、まず、最低限できるはずの限界サービスを下回っているのではないか。
・ホームページ含む電子図書館サービスを、図書館の付随的なサービスとしてではなく、独立したサービスとして行なうべき。

●ポータルの設計と結果
・シンプル(Google型)を採用する。←リッチ(Yahoo型)ではなく。
 お知らせを、わかりやすく、かつ、邪魔にならないように、レイアウトする。
 Metalib用の簡易検索ボックスのみをトップに配置する。
 文献入手=まずは図書館、という意識を育成する。
 ↓
・クレームの嵐

・「OPACがどこにあるかわからない」
←利用者はあらかじめシステムの利用イメージを持っている
 図書館が提供するのがOPAC以上のものだとは思っていない
 =OPACしか使わない、OPACが使えないと混乱する (Metalibではなく)
 #従来の日本の大学図書館が提示してきたホームページやサービスを、利用者がすでに刷り込みしてしまっている?

・タブやワンクリックだけでも、利用者には高いハードルである。

・利用者にとってのポータルは、Googleである。
 (図書館ポータルをその出発点とすることに無理がある)
 (#よしんばそれがGoogleライクであったとしても)
 +
 情報資源への経路は多様である。
 ↓
・多くの人が通る”大通り”を認識して、そこに食い込まなければ意味がない。

・レスポンスの速さ>高機能

・現在のトップページのレイアウトにしたところ、クレームがぴたりと止んだ。

・Googleは玄関として成功しているかもしれんが、その単純な真似を図書館がしても成功できるわけではなくて、図書館はリビングとしての役割を持つべき。
・しばらくは、Googleが出発点のままであって、図書館webサイトではないだろう。
 →どこから来てもいいんだけど、その過程でうまく図書館の資源に誘導できるような設計にしておくべき。仲介者として、さまざまな入口、さまざまな経路に対応するということ。
・図書館システム単独で考えないこと。
・利用者の多種多様なアクセスパス(経路)に食い込む/図書館に誘導する。
・電子図書館を、インプットからアウトプットまでの全体を環境として覆うものとする。
 →排他的に競争的に考えるのではなく、必要なサービスをモジュールとして提供する。

●図書館トップページのレイアウト
・カテゴリーをブロックでわけて、e-resourceを出す
・UBC
・トロント大学
・筑波大学
・千葉大学

●次期システム(TULIPS-3)
・外部に存在する価値をとりこむことのできるシステム
・インタフェース独立
・機能モジュール

・奈良先端
 −図書館のトップページをモジュールとして提供 (ログイン前)
 −API公開
  利用者参加型
  iGoogleやAmazonのモジュール、自作モジュールと融合できる

・アイオワ州立大学
 −Primoを採用
 −オープンアクセス、Googleブック検索との統合検索

・ExLibris
 −Primo
 −オープン・プラットフォームとして公開

・VuFind
 −オープン・システムの次世代目録

・筑波大学のVuFind
 −研究開発室による実験
 −筑波大学のOPACレコードを実験的に収録
 −Amazonのデータをとりこむ
 −ファセットによるしぼりこみ検索

・データベースから文献にたどり着くのではなく、文献が先にあってその情報資源へアクセスする、という考え方。
 ↓
・Tulips Bookmark
 −ログイン(test)
 −各種データベースをAPIを通じて検索、管理
 −OPAC、Google、Amazon等
 ↑
 文献管理を自分でできるように
 そのためのデータをよそからとりこむことができるように

・Googleブック検索から大学OPACへのリンクを作る

・システムに限界を設けてしまうと、サービスがそこで留まってしまう。
posted by egamiday3 at 23:04| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

図書館と著作権(新保・20080717AM)

http://ims.slis.tsukuba.ac.jp/shimpo.htm

・著作権=受講者の持っている知識に差が大きいテーマ
・”コンプライアンス”が重要
・図書館は基本的に著作権者から許諾を得ずに著作物を利用している。
→「許諾をとらなくても利用できる場合」の確認が重要。
・機関リポジトリに論文を収録するときに、同一性保持権を侵害しかねない。
→著作者が同一性保持権を行使しないことを、あらかじめ求める。
・公衆送信権=著作権法上において(のみ)は、”公衆”は1対1でも成立する。
 #ずるくない?
・デジカメ・スキャナによる複製
 著作権法上は「私的使用」の範囲である。
 あとは各図書館でのルールの問題。

●ガイドライン
 著作権法とは別の、権利団体との合意・取り決めである。
 (著作権侵害にあたるあたらないの問題ではない。)
 #テキスト138p、以下略。
posted by egamiday3 at 23:02| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

公共図書館の戦略(常世田良(日本図書館協会)・20080716PM)

・自己判断自己責任型社会の到来

・公共図書館の特性
 「どこにあるか」「どんな人がいるか」「何をしてくれるか」が(ほかの公的窓口よりはある程度)わかっている
 ぶらっと訪れることができる公共施設、という特性
 情報の多義性・ニッチ

・「本を貸すところ」というイメージを払拭する必要がある。
 娯楽教養
 ↓↑
 生活情報と地域情報の宝庫として
 ↑
問題解決型の読者が増えている傾向にある。

・「ニーズを引き出す」<「ニーズを作る」
・地域経済を活性化させたい(ビジネス)
 医療コストを下げたい(医療)
 ↓
 これに対して「図書館が役に立ちますよ」というアピール
 行政の抱える問題を解決する存在として、行政トップの持つ図書館へのイメージを変える
 ↓
 大学図書館で言えば、大学運営・経営側が抱える問題を解決するものを提供する存在、ということ。

・自己判断自己責任型社会
 −ほんまに放っとかれる社会 or
 −知ろうとすれば知ることができる仕組みを整えている社会
 ↓
 日本はいまのところどっちでもない。(←必要な情報がどこかしらからか与えられる社会だったので)
 ↓
 その流れを、公共図書館がどのようにとらまえるのか

・上役を説得するエネルギーよりは、組織のキーパーソンを動かす。
・職員の意識改革を待つよりは、何かしら行動することによって、意識は後から変わる。
posted by egamiday3 at 23:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Google(佐藤陽一(ブック検索担当)・20080716PM)

・サービス設計において、「英語版を念頭において、その後各言語へ」ではなく、「最初から各言語で動くことを念頭において」開発している。
・日本特有の現象として、オンラインサービスを使うにあたってケータイを使用している人口・率が特に高い。=「インターネットを使っている」という意識がないままに使う、という状態。身近な、当り前のインフラとして。
・GoogleとYahooの最大の違いは、1秒でも早くよそへ行ってほしい、ということ。

・オンラインのマーケティングをオフライン販売に反映させる、ということ。
 ←リアル書店や図書館で入手しようとする人でも、まずインターネットで下調べする。(例:家電)
・Googleブック検索
 −パートナープログラム (出版社)
 −ライブラリプロジェクト (図書館)
・パートナープログラム
 100万タイトル/1万社
 欧米の大手出版社はほぼすべて参加している。
 米国の大学出版局がわりと早いうちから参加した。
・パートナープログラム分
 −全頁スキャン&テキスト化
 −検索可能ではあるが、閲覧はある程度制限
 −全体の20%以下を閲覧可能
 −どの20%を閲覧可能かは、ユーザの検索語などによって変化する
 −販売促進(出版社)と内容確認(ユーザ)とのバランスによる落としどころ

●ライブラリプロジェクト

・日本でこれをやろうとすると、必ず、著作権が切れたもののみでしかなくなる。
 アメリカでこれをやるときは、流通中でなければ、フェアユースとして実行する。
・パートナーシップは、なるべくよそと重複していないところと行ないたい。(相手機関数が多ければいいというわけではない)
posted by egamiday3 at 22:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

NII戦略(早瀬・20080716AM)

●最先端学術情報基盤(CSI)

・国内のコンピュータ設備、基盤的ソフトウェア、コンテンツ、人材・研究グループそのものを超高速ネットワークの上で共有するもの。
 学術情報ネットワーク(SINET)を基盤として、その上で、各種が展開していく。

●学術ネットワーク事業
 −SINET3
 −UPKI
 −シングルサインオン

・SINET3
 http://www.sinet.ad.jp/
 情報ライフライン
 2007.6 サービス開始
 参加機関700、サービス対象者200万人
 国際回線(NY・LA・香港・シンガポール)
 SINET利用推進室

・全国大学共同電子認証基盤(UPKI)
・シングルサインオンプロジェクト
 shibbolethを利用した大学間の学術リソースの共有
 電子ジャーナルなどへのリモートアクセスなどアクセス管理
 フェデレーションの構築
 例: アメリカ:InCommon イギリス:UK Access Management Federation
 #質問したけど、何のことなのかさっぱり不明、要調査

●学術コンテンツ事業

・NACSIS-CAT/ILL
 平成19年度の書誌レコード作成数が従来と比べてだいぶ低かった。
 ILL件数が減少中。
・課題
 −重複書誌というのはほんとに増加しているのか?
  重複削除処理をしたのがここH16-18では全体の1%以下
  OCLCは3-4%で品質が問題視されている
 −ILLキャンセル率は本当に増加しているのか?
  ”充足率”は文献複写で横ばい、現物貸借は毎年増加
  キャンセル処理件数は増えているかもしれない
  入手所要日数は毎年減少 (←#これは郵便等デリバリー業者のサービス向上による)
  →謝絶数は増えたとしても、最終的にどこかで入手できているし、しかもその日数は減っている

・「次世代目録所在情報サービスの在り方について(中間報告)」(2008.3)
 −電子情報資源(=多様なリソース)への対応
 −電子情報資源用データバンク
  各大学のERMSと連携
  出版社・書店からの書誌等の情報を共有
  (←#要するに各大学で流用入力すらする必要なし)
 −データ構造の見直し
 −API公開
 −図書書誌の発生源入力
 −共同分担目録方式の最適化を図る

・ERMS実証実験
・遡及入力
 書誌増加→所蔵増加へのシフト(H19以降)
・CiNii
 2007年4月にGoogleに書誌を提供した → アクセス・ダウンロード数が激増
・研究者リンクセンター
 研究者情報に関するリンクリゾルバのようなもの
 研究者ホームページ・Google・CiNii等へのリンク

●機関リポジトリ

・機関リポジトリに、本文データがなく、メタデータのみが収録されている件数が多い。(←#問題? 問題じゃない?)
・その大学での成果物、その大学からしか発信できないような資料を重点的に考えて欲しい。(学位論文、科研費報告書、研究報告書等 > 雑誌論文)
・複数機関による共同リポジトリの可能性も考える。
・H20-21第2期委託事業では、当初採択機関を100と設定していたが、68機関しか応募がなかった。
・JuNii:各機関のリポジトリからメタデータをハーべスティングして、一括検索できるポータルデータベース。
・博士論文ワンストップポータル構築
 学位論文共同デポ(機関リポジトリを持たない大学のための、学位論文に特化した共同リポジトリ)など。


posted by egamiday3 at 22:56| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

研究者のアクセス手法(20080715)

 
●西郷・東大・化学
・学生のほうには、ピンポイントで情報を入手できるタイプの情報源よりも、周囲をブラウジングできるタイプのほうが必要。
・ケミアブも、冊子体を日常的に通覧できるほうが、ほんとはいい。

●斎藤・一橋・社会科学
・研究の現場では、既知のものだけで成り立っているわけではない。
 既知でないもの=未知のものを、発見して説明するということ。
 ↓
 教育の現場でも、学生にとって既知でないもの=未知のものへ導く、ということが必要。

・利用の区分を考え直す
 −職業教育=既知の情報を求める=知識志向型
 −知的能力涵養教育=発見を求める=研究志向型

雑誌1号全体を通読しておきたいという自分にとってキーになるジャーナルが、研究者にとっては必ずある。それ以外は電子ジャーナルでいい。
・研究者は、自分が何を探しているかを自分でわかっているわけではない。
・既知のものではない、「発見」の手助けをしてくれる図書館/ライブラリアンを求む。
・研究者(=発見を求める利用者)としての目をもった、ひろがりをもった専門性を有するライブラリアンを求む。
posted by egamiday3 at 22:50| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

利用者の情報行動(松林・20080715AM)

http://www.kc.tsukuba.ac.jp/~mamiko/index-j.html

●利用者を「理解」するとは

1.個々の利用者が抱えている問題を解決するための理解
 =「感情」「個別の状況」に焦点があたる (時間がある・ない、分野、重み)
 ↓↑
2.サービスを設計するための理解
 =全体的な傾向、集団的な行動パターン
 =個別の状況というのは可能な限り無視する

・図書館員は1.に固執しがち。
 あえて1.を捨てて2.に取り組むという考え方を持つ必要がある。

●研究者 vs 学部生

・研究者(+院生)
 −利用パターン、情報源、ニーズが確立している
 −利用が研究領域・分野に特化している
 −同じ研究領域・分野であれば、利用パターンも一定である
・学部生
 −予測不可能
 −分野・領域は無関係
 −研究者(教員)が学生に研究作法を教える
 ↓
 (というわけで)サービス設計はその対象を「研究者」にしぼったほうがよい

・学部生の利用パターンとは
 場としての図書館=勉強スペース
 パワープレイで問題解決=なんでもGoogleな利用者相手にサービス設計は無茶
 講義課題のために利用=行動様式は教員の指示に基づく
 ↓
 図書館の対応としては
 −サービス設計は、研究者の行動に基づく。
 −その、設計されたサービスの様式を、利用者教育で学部生に教え込む。
 −利用者教育の設計は、学部生の行動に基づく。

●利用者調査
・従来の利用者調査でありがちだったのが、レファレンスのインタビューと同じノリの延長として、(上記の1にあたる)直接的な表現、個人の希望・要望を問うもの。
・図書館の利用についてだけを抜き出して理解しようとするのではなく、情報行動全体を俯瞰できる調査を行なうべき。
・×図書館をどう利用しているか、図書館に何を望むか
 ↓↑
○研究活動全体の中で、図書館の位置づけがどこにあるか
 −他の情報機関・情報資源との関連
 −必要な情報形態とは何か
 −情報源の使い分け

●利用者調査の実施例

・2003年調査
 −その領域に対応する学部を持つ × 国内主要大学
 −研究者ディレクトリ(NII)から抽出
 −物理・化学・病理学
 −回答率は半数程度
 #郵送でやるから低いのでは?
 −学術メディア、電子ジャーナル、成果の公表のメディアなど
・2007年調査
 −医学
 −回答率30%台
・2008年調査
 −歴史学
 −JSTディレクトリから抽出
 −学術メディア、電子ジャーナルなど
 −回答率40%

●研究者にとっての「情報」とは何か

・ほとんどの人が雑誌論文しか見ていない。(化学95%)
・雑誌論文に匹敵する情報源は、ない。(化学40%)
・雑誌論文に匹敵する情報源として、e-printアーカイブ(物理)、大学・研究所のwebサイト。(病理学)

●e-print archiveへの物理学者の反応

・1999年 使っている人しか知らない
 →2003年 学術雑誌に匹敵する(40%)←認知度の上昇としては高い
・実際に使っている人の割合は、3割程度(理論・若手)
 ↓
 使っている人にとっては、不可欠なメディア
 使っていない人にとっては、認知度は高い
e-print archiveを使っているほど、学術雑誌の利用&投稿も多い
 →2つは、”競合”ではなく、セットである。(#でも3割でしかないんだけど)

●電子ジャーナル

・週1回以上の利用が過半数(化学・物理・病理 2003)
・来館利用 → Web閲覧 (化学・物理・病理70-90% 2003)
・個人講読を止めたのは、20%台(それほど多くない)
 重要・コアなジャーナルについては、学会などで個人入手。
 →個人が手元におきたいジャーナルがある、ということに変わりはない
・電子ジャーナルへのアクセスは、図書館のリストから=約半数 (物理・2003)
・電子ジャーナルは印刷して読む
 6-7割 (2003)
 →6割 (2007)
 →画面では見づらい、複写物の入手手段・アクセス手段として (2003)
・印刷雑誌でそのままで読む人は、減ってない。
 印刷雑誌をコピーして読む人は、減っている。(2003→2007)
・印刷雑誌そのままで読む人は、個人講読のものが6割強
 印刷雑誌のコピーは、図書館のものが7-8割
 電子ジャーナルは、図書館契約のものが8割
 →図書館への(買ってくれてるところとしての)依存度は、高い。

・#じゃあ、図書館が買うべきなのは、重要・コアじゃないジャーナルということか?
 ↓↑
 図書館が研究者から求められていることは、バラエティを保つ>コアジャーナルを死守する。

●まとめ

・紙媒体の雑誌論文利用が激減している。(2003→2007)
・入手についての図書館への依存度は変わらない。
・情報検索は、電子ジャーナル本文へのリンクの有無で拍車がかかる?
・Googleで具体的に何を探している?
・オープンアクセスや機関リポジトリについては認知が低い。

●オープンアクセスは普及するか

・「機関リポジトリ」という言葉を知らない、まだ普及してない
 #いや、知らんでもいいだろう。アクセスできれば。

・現在のオープンアクセスについての認識は、電子ジャーナル登場時期と同様である。
 1990後半 中程度の利用&評価不安定
 →2007 頻用
・図書館などの情報環境によって、利用行動が変わる。
・現在のオープンアクセスは、実際には、ほとんどが出版社主導によるもの。
 出版社のジャーナル 7割
 PubmedCentral 3割弱
 機関リポジトリ 6%
 著者自身のwebサイト 5%
 Journal platform 20%弱 (J-STAGE)
 ↓
 要は、機関リポジトリや著者サイトの低さ加減が問題。
 このままだとオープンアクセス=出版者ジャーナルという図式ができあがることになるが、それでよい?

図書館の現在のオープンアクセス・機関リポジトリへの関与の仕方が、「大学の説明責任」「知的資産の保存」にかたよりすぎていて、利用者自身の行動様式や意識とは別次元で進展してしまっている
 →研究者との関係性が崩れる危険性がある。

#●ところで、歴史学研究者の行動が皆目読めない件について
 #http://egamid2p.exblog.jp/2914422/
posted by egamiday3 at 22:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大学図書館員(逸村・20080714PM)

●アウトソーシング

・用語定義(狭義で)
 アウトソーシング 計画=外 運営=外
 コンサルティング 計画=外 運営=内
 人材派遣 計画=内 運営=内
 外注・代行 計画=内 運営=外

・アウトソーシングの分布調査
 業務の企画立案
 専門性の高い業務
 専門性の低い業務
 ×
 非図書館業務
 整理
 閲覧
 電子図書館業務
 経営管理

・当初の予想:全業務種について、専門性の低いもののみ
 ↓↑ 
 非図書館業務・システム関係をアウトソーシング
 整理・閲覧をアウトソーシング
 整理のみ/閲覧のみをアウトソーシング
 整理・閲覧のうち専門性の低いもののみをアウトソーシング
 ↓
 考察:アウトソーシングは、いったん始めると、止まることなく専門性の高いものへも移行する。

・アウトソーシング業者も、良い仕事をすればよそからお声がかかるので、良い仕事をしたい。
 ↓↑
 国立大学の単年度契約では、人の確保や質の維持ができない

●その他諸々

・大学から国会図書館への納本が低い。(長尾談)
研究者は査読をするためにも論文を読む
 →査読が研究者を圧迫している。
・今年の大学1年生のほとんどは高校でパワポを習っている。
・情報の質的評価の欠落 (Google、CiNiiの出てきた順)
記録をとる・メモを取る=知を継続させる、ということは、いまの若手以下の世代が苦手としている弱点

・情報基礎・情報基礎実習 2008 (知識情報・図書館学類)
 http://klis.tsukuba.ac.jp/jk08/
posted by egamiday3 at 22:42| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

学術情報コミュニケーションの動向(土屋・20080714AM)

学術情報コミュニケーションのことだけ考えていても、学術情報コミュニケーションのことはわからない。

・19-20世紀の学術コミュニケーションの理念型
 コミュニティ媒体としての雑誌
 学術情報の流通が研究者自身による手弁当だった時代
 ↓
 1950年代・日本 政府主導で学術情報コミュニケーション体制を整備
 ↓
 1960年代 スプートニク・ショック
 ↓
 学術情報・論文の爆発的増加
 ↓
 学術出版が、研究者の手弁当から→商業出版社の介入へ
 ↓
 単価・価格上昇 = 論文増加によるコストの値上がり / 購入者の減少
 ↓
 シリアルズ・クライシス (北米大学図書館=全学図書館経費で講読)
 日本の雑誌講読: 研究者の研究費で講読→勝手にキャンセル/重複
 ↓
 1993年 情報スーパーハイウェイ構想(ゴア副大統領)
 1990年代 インターネット・電子ジャーナル
 
・日本の出版の電子化は、
 -日本の学界の日本語雑誌は、紙で自足している。
 -日本の出版業界は、印刷業界(物的)と取次業界(流通的)に押さえられている
 ↓
 利用者/ユーザがそれを便利/不便だと心底思ってくれないと、その空気感は変わらないのではないか。雰囲気が肝?

・機関リポジトリは、図書館業界者が従来伝統的に「これが研究成果である」と考えているものに限定してしまうことなく、あらゆる種類のものを対象にすべき。
posted by egamiday3 at 22:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

古典資料の保存と利用(綿抜・20080714AM)

 
・資料の取扱い(研究者としての)は、実地で取り扱いながら口伝で教わる
 → 現物を見る研究者が減ってきている
 → 図書学・書誌学が進まない
  & 研究者による資料の取扱いが粗雑になりつつある
  & 図書館での資料の取扱いがわからない

・古典籍資料は、1点1点に別個の個性を持つ、という点
 そこに価値を設けるか設けないかの問題
 利用されるかされないかだけに、価値を設けるのではなく

●古典籍資料の整理
・○国文学研究資料館によるカード・調査マニュアルがある
 「文献調査(国文学文献資料調査員の方へ)」 国文学研究資料館 調査収集事業部
 http://www.nijl.ac.jp/contents/chousa/chousa_tool.html
・○早稲田大学図書館のカード調査要領 (#不明、要調査)
・×福岡大学のカードの取り方に関する論文 → 誤りが多い (#不明、要調査)

●保存
・乾燥した時期に計測して、箱を作ると、湿った時期にはひどいときには1cmくらい大きくなる。箱は余裕を持たせて作るのが基本。
・電子レンジによる殺虫が一時流行したが、破損の報告あり、現在はやっていない。
・虫は外に追い出すのが良い。状態の悪くない和装本であれば、ドライヤーの弱風などで吹き飛ばすのが良い。
・ダニアース等は油脂成分を含んでいるので、資料によくない。本の内部までは届かない。
・樟脳
・ナフタリンペーパー(キハラ製・100枚・4000円、和紙にナフタリンを染みこませたもの)
 http://www.kihara-lib.co.jp/php/data.php?id=455

●利用者から守る
・利用前に、あらかじめ破損状況を確認しておく。
 (メモを残しておく 題せん・糸切れ・落丁など)
・手を洗わせる。
 ←手洗い場所がわかるようにする。
・書籍資料の場合は特に、手袋よりは手洗いのほうがよい。
・時計・指輪
・シャープペンシルも、折れた芯が細く、丁間で摺れて汚れる。
・図書館側で鉛筆と鉛筆削りを用意しておく。
・赤鉛筆の使用(漢籍の朱点などを記録するなど) ← やめといたほうがいい
・閲覧は、図書館員の目の届く部屋で行なう。同室で図書館員が別作業を行なうなど。
・持ち上げたまま読んだりめくったりしない。机の上に置いてめくる。
・畳物の折り目を変更しない。
 #開く前に折られ方を確認しておく。
・図書館側で和紙の付箋を用意しておく。(わら半紙・コピー用紙・再生紙のはさみ忘れも良くない)
・利用後には、紙のはさみ忘れがないかどうかを確認する。
・金属製・プラスチック製のメジャー・定規を使わない。ビニール製で、ストッパーの付いていないもの。

posted by egamiday3 at 22:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月13日

千代田図書館のコンシェルジュの人に質問をしてみた

 千代田図書館もひととおり見て、さて帰ろうという頃合になって、印刷博物館ってこのへんなのかしらどうかしらと思って、せっかくなので、話題沸騰(註:タイムラグ)の千代田図書館コンシェルジュの人に尋ねてみることにしたよ。

 問い:印刷博物館に行きたいんですけど。

 対応:
 冊子体の美術館博物館ガイドブック的なのをひく (冊子)
 印刷博物館のホームページを探す (ネット)
 最寄り地下鉄駅を路線図パンフで示す (地域情報源)
 博物館最寄り駅から博物館まで何分 (ネット)
 ↓
 「ここから歩いて行ける距離ですか?」
 ↓
 図書館から博物館最寄り駅まで何分 (即答)
 図書館から博物館最寄り駅までの道筋を近隣地図で示す (地域情報源)
 ↓
 「バスとかってあります?」
 ↓
 博物館最寄りバス停とその路線をホームページで確認 (ネット)
 その路線が図書館最寄り駅前から出ていることを都バスパンフで確認 (地域情報源)
 図書館から図書館最寄り駅までの道順 (即答)
 その路線の都バスバス乗り場の場所 (即答+地域情報源)
 博物館最寄りバス停から博物館までの道順 (ネット)

 教訓:
 ネットも、地域情報源も、即答できる準備も、全部大事。

 ただ、じゃあ例えば、印刷博物館の場所やレモネードのおいしい近所の店を尋ねるために、わざわざ区役所の9階まで足を運ぶ、とは思えないので、むしろ地域のミニコミ誌とかに積極的に情報を届けに行くくらいの姿勢のほうが、ああ、あの図書館のコンシェルジュの人ね、ていうふうに認識してもらえるかも。出かけていく(情報的に)姿勢、て、やっぱいるなあ。
posted by egamiday3 at 22:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

経営学入門(佐野・20080710AM)

https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/dspace/items-by-author?author=Sano%2C+Takako

●経営学

・どうなってるか=社会学
 どうするか=経営学
・経営者の実践例・経験=経営学ではない
 分析、原理の発見=経営学

”民間的な経営手法”と銘打って国・行政・国立大学がやっていることは、おおかたがまちがっている。

●事業の定義

・うまくできるかできないかによって、環境変化にうまく対応できるかできないかが決まる

・例:アメリカの鉄道産業
 ”鉄道輸送産業”と定義してしまうと、トラック輸送産業を競争相手として意識しにくい。
 →”輸送産業”と定義して、トラック輸送産業等をも競争相手として認識する
 →鉄道の強み: 大量に運べる 弱み:小回りがきかない
  トラックの強み: 小回り・安い 弱み:少量しか運べない
 ↓
・強みを活かして、弱みを補う
手段にとらわれず、機能・目的(=顧客のニーズ)を主眼とする

・ドリルがほしいのではなくて、壁に絵をかけたい
#『***』という本がほしいのではなくて、”***”について調査している

・シーズ: もともと自分たちが持っている技術・資本
例:フィルム会社が”情報記録産業”に転換しようとしても、技術・知見の蓄積がないと難しい
・市場: それが求められているかどうか←→それを求めさせることを創造する
例:鉄道輸送産業が鉄道旅客産業に転身する際に、旅行という娯楽を消費者に提案する

・ニーズをサービス提供者側から提案する、ということ
 ||
 ユーザのリクエストにふりまわされない
 +
 もともとのミッションを実現させる

●戦略

・意図した戦略・トップダウンの場合
 中期計画とかだと、その6年の間に、環境が激変するなり制度が変わるなりしてしまう。
 ↓
創発的戦略
 予期しない環境のチャンスを捉えて、戦略を創造する
 ちょっとこれやってみよう、小さな範囲のモデルケース
 うまく行けば組織全体に広げることができる、失敗から学ぶ
 - その新たな小さい試みを奨励する組織文化が必要
 - そういう機会を提供できる権限委譲が必要
 ↑
 これこそが民間で実際に行なわれている”民間的手法”


●組織

・タスクフォース/プロジェクトチーム
 メリット:横の連携
 デメリット:利害対立
 ↓
 目的・ゴールの確認・明確化
 決定事項についての権威付け
 #組織全体への周知・理解

・チーム制 = フラット化された組織
 権限が委譲されていて、自立的に活動を行なう
 ↓↑
 従来の組織文化にとらわれて動けない
・逆に、価値観等を横で共有できる組織文化ができていれば、組織形態にかかわらず動くことができる。 
・権限委譲、がポイント 

●組織文化の形成

 実際の行動・環境
 ↑
 その組織に広がっている価値観
 ↑
 基本的仮定

 例:上司の言動一致・・・↑の上から下までが首尾一貫していること → 一貫した言動の繰り返しによって、それが”当り前”のものとして共有されていく
 ↓↑
 リーダーの行動と価値観の不整合はメンバーに直に伝わる

 ・あらゆる機会を通じて、上司が、深層に抱いている基本的仮定を明示的・暗示的に与える。
 ・物理的環境のコントロール

●リーダー

・部下の質問・照会に対する回答がすばやい
 部下を信頼して任せる
 最終的に大事なところは押さえる
 業務量に応じて資源調達する
 部下の資質に応じて対応
・反応がにぶい
 提案をつぶす
 意思決定できない
 言っていることが変わる

・どんなときでもリーダーシップが必要なわけではないし、どんなときでも信頼して任せるのがいいわけではない。

・部下のモチベーションを上げる
 ←目標達成への道筋を示す+目標達成の成功感を与える
・部下のニーズ・不足を補う

●サービスの特性

・顧客満足=知覚されたサービス/期待していたサービス
 ↓
”期待”という分母を小さくする
 =期待を持たせない
 =例:何ができる・できないということを、事前に明確に示す。
   返事がすぐ来ないものだということを、暗に示す。
   注文した図書がいつごろ届くかを、あらかじめ説明する
 =相手が何を期待しているのかを把握しなければならない

・知覚されたサービスという分子を大きくする
 =例:例外的サービス
 #それが”期待”という分母を大きくしてしまうと問題
posted by egamiday3 at 22:11| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大学図書館の位置づけと役割(永田・20080710PM)

・図書館の価値とは、利用後の便益効果である。

・「学術情報基盤としての大学図書館等の今後の整備の在り方について(中間報告)」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/
toushin/06041015/011.htm

 大学図書館の基本的な役割
 「教育、研究に関わる学術情報の収集、蓄積、組織化が行なわれ、蓄積された学術情報は、検索可能な形で公開される」
 「学生が図書資料を活用しながら自ら学習する場」

・使命宣言(ミッションステートメント)は、環境の変化に応じて、改訂することが重要。
 ↓
・大学図書館の位置づけの修正
 デジタル化により学術流通システムが変化している
 +
 大学改革により高等教育が弾力的なものに展開している
・シラバス掲載図書の購入は足りているのか? 足りてなければ教育の支援になってないのでは?
・ラーニングコモンズは教育の支援にほんとになっているのか?

●インフォメーション・コモンズ/ラーニング・コモンズ
・成立要件
(1)技術的・物理的な環境
(2)教育・学習環境
(3)人的支援
学習理論の変化(知識の獲得→知の構築)
・(2)は、講義・学習のためのテキストなり資料なりが、ネット・PCで入手できる、ということ。コースマネジメントシステム、VLE(バーチャル・ラーニング・エンバイロンメント)の提供など。
・日本でいま流行ってるラーニングコモンズ(のマネ)には「教育・学習環境」がほとんどない。たんなる学習スペースの延長でしかない。ただたんに物理的に同じものを作っているとしか言えない。
・カフェは、飲食施設ではなく、人が集まるコモンズとして考えよ。
posted by egamiday3 at 21:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

東京国際ブックフェアにも行ってきた(忙しいな)

 東京国際ブックフェアなるものに行ってきましたよ。

 これってご経験のある方も多いと思うのですが、なにげなく本屋さんに行ったときに、ちょっと書架を2つ3つ眺めただけで、両手にあふれんばかりの”買いたい本”がみつかって、これ、このままこの店に居続けると財布の中身どころかクレジットカードの上限まで吸い上げられてしまうんちゃうか、ていうくらいになってしまう、講読意欲旺盛・食指三千本ていうような体調(これはもはや体調)の日もあれば、それとは完全に真逆で、同じ本屋さんに来てるはずなのに、どんだけ書架間をぐるぐる巡り歩いても、”買いたい本”なんか一切見つからず、本側がこっちを呼んでる感も一切なく、何も刺さって来ず、1冊たりとも読む気がしないままにどっかへぷいっと去ってしまうような、講読意欲減退・食指なしていう体調の日とかもあったりするんだけど、それで、残念ながらこの東京国際ブックフェアでの自分の体調が完全に後者だった、ていう。不幸な出会いだったなあ。

 そんな中で唯一目をひいたのが、デジタルパブリッシング部門か何かのブックスキャナーのための機器で、洋書とか書籍を120度くらいだけ開いたままその機器に載せて(いわゆるクレイドル)、その上に同じ角度のガラスをぴたっとあてて、右・左両側からカメラでぱっと撮影して、その画像を傍らのPCで確認・保存できる、但し自動めくりではなくて手動でめくる、ていう機器なんだけど、でもそんなものっていままでだって山ほど見てきてるわけで、それなのになぜわざわざ目をひいたかというと、えーと、こういう発想ていままであったけど自分が気付いてなかっただけなのかもしんないんですけど、その機器はカメラも抱き合わせで売ってるわけではなくて、カメラは市販のなりデジカメのなりを好きに設置していいです、ていう感じで、ゆったらもう、そのクレイドル込みの枠の部分だけを売ってるという感じなので、お値段がたったの25万、ていうので、一瞬自分の耳がおかしくなったかな、と思うくらいでしたよ。だってその先で売ってたのなんか確かに構成のスキャナ付きかもしれんし、確かにドイツ製かもしんないけど、600何十万とか言われてて、それってどうなんだろう、と。カメラのほうなんか、研究用とまではいかないかもしれないけども、市販のものでだって充分に性能のいいものなんかいくらもあって、しかも、数年経てばその研究用のデジカメよりええやつが安ぅしてヨドバなりに並びかねないなんて暁には、そのカメラだけ付け替えてやることができる、ていうのがたぶんこの機器のひとつのミソだと思うので、そういった意味ではブック・スキャニングの類のプロジェクトが、小規模の専門図書館とかアーカイブででもわりとハードル低く始められるよ、というのにのみ、食指が三千本動きましたよ。

 あとは、小型・簡易式のマイクロフィルムリーダ。これはめずらしいものではないけど、欲しい。ただ、紙焼きできないリーダに需要はないかもしれない。
posted by egamiday3 at 21:22| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

秋葉原のカフェでトーク

 
 ARGカフェではたくさんの人にお会いすることができました。
 ありがとうございました。
 なんか、どう書いても中途半端な言葉になってしまいそうなので、純粋にお礼だけ。

 あと、もうどうしたって東京にはかなわん、ていう。人、集まり過ぎ。ていうか、集まれ過ぎ。

 ぼんやりとしか準備してなかったら、みなさんわりとがっつりパワポや配布資料を用意してはったので、え、そんなノリのイベントだったんだこれ、手ぶらに近い自分はだいぶやばいんじゃないか、と俄かに焦りだして、ひとしきり考えた挙句、会場の片隅にぽつんと置かれていたホワイトボードを急遽お借りして、”ホワイトボード漫談”にシフトさせましたよ。急遽だったので、会場の後ろのほうから見えるくらいの字で書けてなかったにちがいないという反省点がひとつ。時間を気にしすぎて、注釈的コメントをばすばすとカットしてて、もうちょっと詳しく聞きたかったとゆわれてしまった反省点がふたつと、じゃあボード使うんだったら主催者にはなっからそうゆっとけよ、ていう反省点がみっつ。

 そしてこのイベントのノリというか思想自体、もっと広まったらいいと思うよ。
 公的カテゴリー自体はそれぞれぜんぜんちがうんだけども、なんとなく似通ったトピックに親和性を感じてる人らが、わっさりと集まって、なんとなく(=負荷の少ない方法で)プレゼンしあい、ディスカッションを交わすというのは、刺激とか身構える感じというよりはむしろ、思考のコリがほぐれるリラクゼーションな感じがするので、こんなんは、みんなで容赦なくパクりましょうよね、ていう。
 なんか身構えた感じのシンポジウムとかセッションとかだと、どうしても”講師”と名の付く人ががっつり準備する負荷を負ってしまう、負荷がかかるからこそ、その中身にも個人の専門や思い入れがだいぶ刻まれてしまう、結果、そのあとでパネルディスカッションしてもそのお互いの刻みの深さがハードルになって、話題がうまく続かなかったりするし、反動で客席も受身の姿勢になってしまう、ていうパターンがわりとあると思うので、パネラー、オーディエンス、会場全体がノリを共有してざっかけないディスカッションができるようにするには、全体の共通項部分に当たる上澄みの部分をざっとサワれる、個々の深い刻みに陥ってしまわない、講師に準備を(むしろ)させない、ていう感じが吉なのかなあ、とも思ったけど、それで成功するかどうかは、主催者や司会の力量にかなり拠っちゃうので、なんともいえない(笑)。
posted by egamiday3 at 21:12| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

図情大(元)図書館を見てきた

 筑波の、いわゆる元・図情大図書館を自主見学でぼんやり眺めてきたので、その記録。

・新聞や軽読雑誌が、扉の内側×ゲートの外側にある、ていう配置。
・なんかもう、わくわくするような分野の本がたくさん並んでるよ。80年代初期のマイコン雑誌とか、おっさんほいほい的なのが。
・年代の古い本も新しい本も、頻用されそうな本も使われなさそうな本も、全部いっしょくたに請求記号順に端から並ぶよ。だから、ある分野の”役立ってくれそうな”図書だけ見繕おうと思って書架を見ると、ノイズが多いなあ、とつい思ってしまう。そう考えると逆に、オープンなフロアでの書架とそうでない書庫(開架なり閉架なり)とで使い分けるというのは、場所の問題もあるんだけど、配架仕分けるということによって、図書館員自身によるある種の資料評価・重みづけ・ノイズ減らしができる、ていうのは、存外に大事なんだろうな、とか思ってみた。それは、ただたんに年代で短絡的に分けて古い本をどっかやればいい、ていう意味でではなく。どんな資料でも確実にキープするということと、ぱっと見で必要そうな本をすっと手に取れるようにするということの、両立という感じで。
・館内に備え付けPCがところ狭しとふんだんにならんでるのだけども、ひとつ残らずすべての端末にヘッドフォンがつながっているよ。その接続端子がPCの前面にあるのと、そのコードがやたら長くて机の上でとぐろを巻いたりしてるので、手回りがだいぶ手狭になってしまってるような気がしたよ。あれはなんで1台残らずなんだろう。少なくともOPAC専用端末にはいらんのじゃなかろうか。それかあれかな、電子ブックが充実してるとかいうことなのかな。
・まっ茶色に日焼け劣化した30年前の新聞に、無造作にポストイットが貼られてたりして、ちょっとどきっとした。もしやうちの図書館にもこんなことしてるのがどっかにぽぉんと置いてあったりするんじゃなかろうか。
・それにしてもさすが、全国各国の図書館報なり、図書館系の紀要なり、ニュースレターなりの類の充実度は半端じゃなかった。ちょっと泣きそうになるくらいだった。でもそういう館報や紀要やニュースレターなりがどんどん電子化されて、電子オンリーになって、リアルが寄贈されなくなったら、ここにすら集まらないようになってしまうのかしら。

 これは別にして、ここ含む筑波の図書館webサイトの充実度は、実体を半端なく凌駕していて、ちょっとひき気味なくらいだよ。キャンパスだいぶ広いから、webサイトが充実してないとしんどいのかな。
posted by egamiday3 at 20:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

私はいま千代田図書館にいます

 いま話題の(註:ややタイムラグあり)千代田区立千代田図書館に来て見ました。

・なんだろうこの違和感は、みたいにしばらく思ってて、気付いたことには、天井がだいぶ低い。天井が低くて、書架も低い。いわゆる低層書架というんじゃなくて、ふつーに低く、たぶん160cmないくらい。一般図書の書架で5段で、うち最下段が大型用にやや高ていう感じ。それで、最上段の天板がないので、そこに本がなければなおさら、あってもなお、開放感を感じる。
・ここの客層がちょっとよくわかんなかった。官庁街どまんなかの日曜午前中なんか、人いないだろう、と思ってたんだけど、来て見たら、日曜11時前で満席。この建物に入るまではなんか、道に人っ子ひとりいないようなとこだったのに、この人たちはどっからやってきたんだろう、どういう客層なんだろう、ていう感じだった。思うにここが混みそうなのは平日4時-8時ていう感じじゃないかと思うんだけど、そのころにはどんだけの混雑になるんだろう、とちょっと心配した。そして、その満席の人たちのほとんどが、持ち込み学習的なことしてるよ。ていうか、じゃあこの図書館がなかったら、この人たちはどこに行く人たちなんだろう。官庁街に居場所的なとこはどこもないのに。
・フロア案内図を見たら、新書マップは修正液で塗りつぶされていた。もうやってないらしい。そりゃそ(ry
・館内の端末は日本ヒューレットパッカード社が寄贈。
・掲示スペースが広い。掲示による展示、という、司書の情報編纂能力をいかんなくかつわりと手軽に発揮できる。
・コンシェルジュの人は、丸の内グルメ情報とか、古書店デビュー案内とか、してくれるらしい。
・無線LANのフリースポット提供だよ。(だからいまつなげてる)
・施設の新しさやサービスのリフレッシュさに比べて、なんとなく、蔵書が古い感じがするよ。読み古るされた小説本とかがごっそり並んでたりするし、書架をまわってると、書架やカーペットが新しい分、本自体の背表紙のくたびれ加減がよけい目立つ感じになってる。いやもちろん、古い年代の本もしっかり持ってる、提供できてる、ていうこと自体はそれはそれで全然意味あることだとは思うんだけど、ただその理由が、意図的にそういうものもしっかり提供しますよ、という理由でそう並んでるんだったらいいけど、ただたんに、資料が買えてないだけ、ていうような並び方だったら、それはちょっとまずいんじゃなかろうか、と、いらぬ心配をしたよ。いくら調査研究用エリアの書架だからといって、決してだだっぴろくはないフロアの、一等地に近いような場所の相当部分を、新聞の冊子体縮刷版がごっそりと占有している、ていうのは、それが意図的にそうしてるっていうんだったらいいんだけど、ちょっと、「置くものないの?」といういらん心配をしてしまったよ。それか、ここにも書庫はないんだろうか。でも、OPACひいたら「閉架」がどうの、て書いてあったけどなあ。
・それと同じことかどうかはわかんないけど、「NHK語学テキストは購入を中止しました」とか「**は中止しました」ていうのがちらほらと見える、ていうのもなんとなく気になったよ。
・研修室が全部使われてた。善哉善哉。
・総評:施設と人的サービスで勝負してる感じ??
posted by egamiday3 at 12:04| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月11日

私立大学図書館の経営(鈴木・20080710PM)

・4割の大学が定員割れ
・東京の大学が、地方都市に大学説明会をわざわざしにくる → 地方大学を圧迫
・私立大学の財政基盤
 -学納金への依存体質 (全収入の7−8割)
 -外部資金を調達するために、”格付け”を取得する (対外的なわかりやすい信用)

 ↓

●大学側の戦略

・私立大学同士の合併
 →私立大学は個々に固有の歴史・理念を持っているので、困難ではある。
・国立大学との合併
 例:早稲田と東農大による大学院共同設置
・大手大学による合併・系列化
・中高の付属化による学生の囲い込み
・就職支援・人気学部などで一時的な人気取りによる入学増ねらい
 例:ノウハウもないのに、教員養成コースや薬学部を無理に設置する等 → あかんやろう

●図書館業務委託の進展

・一部委託: 国立・私立とも約69%(2005)
・全面委託: 公立4館、私立22校 (例:2008年4月に埼玉県内で3件増)

・委託で問題となること
 -職員が専任にならない
 -業務ノウハウが外部へ流出する、内部に蓄積されない、世代
 例外:江戸川大学ではノウハウを内部に蓄積させるような仕組みを作っている(大学図書館研究の論文)
 -図書館業界自体における担い手・コミュニティが手薄になる
 #これは外注業者がそのコミュニティに参画してくれればいいんじゃないだろうか? 図書館業務の外注を請け負ったり、人材を派遣したりしてる業者さんが、もっと大図研全国大会とかにどっと来たらいいのに、と思うよ。
 -大学側が”派遣”と”請負”(業務委託)とを正しく認識していない。
 -業務委託のための仕様書をよっぽどちゃんと書かないと、業務の品質が維持されない
 -そもそも業者側で人材確保が難しくなってきている、定着しない (←正社員採用が増えた?)
 -翌年以降の保証がないから、計画的な人材確保のしようがない
 -とてつもなく高いスキルを持った人を、安く雇っている
 -スタッフ同士のコミュニケーション不足
 -受託業者のほうが大学のやり方を心配しているくらいに、大学のほうに業務ノウハウ・知見が蓄積されなくなっている。
 -業務委託によって何が問題になるかは、短期的には顕在しない、ということがひとつの問題でもある。
 -無理な経費削減問題 → 業者消耗 → ”偽装”のリスク

文献:牛島進「大学図書館アウトソーシング活用法」(図書館総合展2007)

●職員

・図書館専門職として雇われるケースはまれで、異動したいのは不文律のレベル。
 例外:文教大学(図書系専門の試験で採用)
・一般事務職への異動を経験した人の感想から言えば、まったくメリットがないわけではないらしい。
・職業人として誇りの持てるキャリアパスをいかに提供できるかの問題。

●文教大学の図書館

・電子情報閲覧室(PCルーム)を、ひょんなところから予算がついて、設置できるようになった。2007年度から、52席。
 #予算はなんかしらんがひょんなとこからつく

・地域連携リポジトリ
 埼玉大学と文教大学との共同事業
 これがなかったら文教大学は機関リポジトリを持てなかった
 リポジトリを持てる大学と持てない大学とに二極分化していくおそれ


#参考文献
・大学図書館員の継続教育
(カレントアウェアネス (288),22〜26,2006/6/20)
・アウトソーシング
(変わりゆく大学図書館 2005(勁草書房))
・ZAITEN2008年6月号 特集「大学半減」(財界展望社)
・大学図書館アウトソーシング活用法/牛島進
(図書館総合展2007)
・江戸川大学の図書館全面業務委託この1年/平岡健次
(大学図書館研究 (75),64〜70,2005/12)
posted by egamiday3 at 20:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

国立大学図書館の経営(星野・20080710PM)

●ニーズに対応

「開館時間を9-17から12-20に変えてもらいたい」というニーズがあったとして、どう対応するか。

例:
青森県立保健大学
変形労働時間制を全事務職員に導入
 月ごとに一日の勤務時間数(5-9)を決める
 忙しい時期は1日9時間労働、暇なときは5時間労働

事務職員に変形勤務制/青森県立保健大(2008/05/08)
http://www.daily-tohoku.co.jp/news/2008/05/08/new0805081101.htm
デーリー東北
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 青森県立保健大学(リボウィッツよし子理事長)は公立学校法人に移行した本年度から、事務職員の勤務時間を季節に応じ調整する変形労働時間制を県内で初めて導入した。業務量の多い時期は通常より長い9時間に設定する一方で、夏休み期間中は5―6時間に短縮する。経営安定化の一環で、時間外手当の削減を図る全国でも珍しい試みだという。
 七日、青森市の同大で開いた会見で明らかにした。これまで職員の勤務時間は八時間に統一していたが、業務量に合わせ三―七月は九時間、夏休み中の八月は五時間、九月は六時間とする。十―二月は八時間。
 同大の試算では、年間の平均勤務時間は変わらないが、時間外手当は従来より約四割減るという。二〇〇六年度の実績でみると、時間外手当の支給額は約千九百万円だったが、新体制導入で約七百六十万円が削減される計算。
 リボウィッツ理事長は新体制導入について「私の知る限り日本で初めて。時間外手当を抑えられる上、学生の実情に合わせた業務ができる」と述べた。
 会見ではこのほか、保健大が開発した医療技術などに関する特許の出願や著作権の管理、外部との共同研究で助言を受けるため、大学知的財産アドバイザーの丞村宏教授を招聘(しょうへい)したことを発表した。任期は一年間。
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●経費節減

例:
滋賀県立図書館
http://www.shiga-pref-library.jp/
週2日閉館(月・火 200804〜)→アルバイト経費削減→資料購入費確保

平成20年度の組織目標
http://www.shiga-pref-library.jp/aim.htm
使命(ミッション)
県民の誰もが必要な資料・情報を確実に入手できるようにします。

メッセージ
 滋賀県の公立図書館で平成19年度に貸し出された図書の冊数は、県民一人あたり9.1冊で、これは全国第1位となっています。
 平成14年度以降全国トップを続けているこの水準をさらに高めていくために、県立図書館は予算額149,189千円、人員31名により、蔵書の充実をはじめとした図書館サービスの基盤整備を進めていきます。
 県立図書館に来館される利用者への直接サービスの質を高めることに努めるとともに、県下23市町の46図書館を利用されている県民の方々が必要な図書をいつでも気軽に読むことができるように、インターネットの積極的な活用や、県立図書館の資料保存センター機能の充実を図っていきます。
 また、県内の公立図書館職員全体の能力の向上を目指して、専門的な研修の実施や県立図書館と市町立図書館間での職員の人事交流を進めていきます。
 図書館を通じて誰もが必要な資料や情報を確実に得られるように、県立図書館は下記目標の達成に向けて市町立図書館と連携して全力で取り組みます。

#開館を犠牲にしてでも、資料の確保を優先ですね、わかります。


●把握する

・図書委員会類の資料・会議録をさかのぼって通覧する
・概要を自作する ← ユーザからの信頼を失わないために
・マニュアルを自作する ← 前任者のウソ・建前

●企画する

・こんな図書館はイヤだ
 目録カードボックスが図書館の一等地にある
 エントランスに注意書きの貼り紙がやたら貼ってある
 学生がパソコンでゲームをしている(#「ニコ動を見てる」も入れといてください)
 図書が書架に無理に押し込まれている
 ホコリが溜まっている
 未製本雑誌が曲がっている
 雑誌・図書がビニール紐でくくられている
 書庫に職員用書類が置かれている

・書庫の増設
 -ふだんから計画しておく
 -現在何冊あるか、あと何冊入るか、毎年何冊増えるか
 -どれだけ書架を増設したら、何冊入って、何年持つか
 -その書架の増設に、面積・経費はどれだけ必要か

・企画例「本を安く買う」(東大)
-購入書店を数社にまとめる → 書店に値引きさせる
-すべて図書館が購入することにする(教員・事務とも)
-支払いを月1回、大学で1つ
-オンライン書店
-値引き分を学生用図書に充当する
 ↓
-実際にはあちこちから買う必要がある
-書店の反発
-変更:書店をばらした結果、値引率が減る
-値引き分を学部・教員に還元=図書館が使えない
-図書館の事務負担が増える
-予算執行権が教員にある
 ↓
-図書館・図書室購入分のみについて達成

・広報
 理解しすぎると、わかりやすい記事が書けない。

・選書
 △選書すべてを担うこと
 ↓↑
 ○選書をコーディネートすること (←教員による選書)
 -経験が必要
 -蔵書構成の把握が必要
 -その専門分野の図書の知識・情報入手が必要
 ↓
 そのためには、まず”担当”ポストが必要

●その他もろもろ

・昔はマスター学生は”研究”するものだったが、昨今は”勉強”している。できる学部生みたいな感じ。
・総務の管理職の人とかは、図書館業務のことはわからなくても、図書館員の仕事振りは見えているものである。
・評価にSABCDがあるとして、SとDはどうやったってわかるけど、ABCはよくわかんないので、結局SとDがわかればそれでいい、くらいのノリ。
・NACSIS-CAT/ILLは成功している。だからこそ次の展開が難しい。
・利用者が他大学にILL依頼を直接申し込む、というサービスの可能性。
 →#コロンビア大・プリンストン大らによる「Borrow Direct」
・昔は上に動いてもらうには根回しがネックだった。が、いまは根回しで動くほど金や人に余裕があるわけでもない。結局、理念・企画がないと、上は動かないようになってきてる。
・自動化書庫は、使わないものを入れる書庫ではなく、その逆で、ひっきりなしに使うものを入れる書庫である。総合図書館の中央に設置してもいいくらいの勢い。←#おっしゃるとおり。
後輩が自信を持たないのは、成功体験がないため
 →成功体験の機会を増やす
・できる部下にはひとり立ちさせる方向へ向かわせる。できない部下には手取り足取りでも働いてもらう。
・企画提案について。提案の悪いところを指摘するのは簡単だが、それでも提案者のほうが断然リードしている。提案者は、他者にそれを提案したときには、すでに次のステップのことを考えている。ふりまわされるおそれあり。
できそうもない夢物語でも、時間が経てばできそうになることが結構あるよ。
・サブジェクト・ライブラリアンがどうのというのであれば、学位くらいは必要。←#おっしゃるとおりで、サブジェクト・ライブラリアンとかがたとえ制度として確立したとして、いまの日本の図書館員がそのままそこに勤めるのは、まず無理(自分含む)。ポスドクの人とかを雇う勢いじゃないと。
・採用面接で、採用したい人がいなかったら、見送る。
・経営・マネージメントはみんな苦手。係長がよその課の課長とかに突然相談に行けるとかいうようなことを、コミュニケーション能力とは言わない。
posted by egamiday3 at 19:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月09日

図書館にひとつだけのOPAC

 京都・北大路にあるビブレには、たくさんの人が訪れますよ。(註:まわしものではない)
 いろんな人が、いろんなところから来ますよ。
 地下鉄で来る人は、地下の北大路駅から。
 バスで来る人は、これも地下のバスターミナルの階から。
 自転車で来る人は、地下駐輪場に自転車を留めて。
 車で来る人には、周囲に駐車場がいくつかあるよ。 
 で、歩いてくる人は、東西南北あちこちに出入り口があって、たくさん来ますよ。

 北大路ビブレには、来る人の事情にあわせて、こんなにもたくさんの入口があるのに。

 どうして図書館のOPACはひとつしかないんだろう?

 ていう疑問は、日本の大学図書館における情報リテラシー教育が流行りかけ始めたころから、ずっと思ってたのですよ。

 あっても、簡易検索・詳細検索程度が関の山で、それらは同じOPACの別側面でしかないので、やっぱり”ひとつ”としか見えない。そういうんではなくて。

 例えば、図書館業界者で、フィールド別に、検索用インデクスの切り出しを意識しつつ、厳密にぴりぴりと検索したい、しかも0.5秒でも軽くさくさくと、ていう人用のOPACとか。
 Googleライクに、なんとなくキーワード入れてみて、なんとなくヒットしてくれればいい、くらいの人用のOPACとか。
 検索結果の書誌データなり所蔵データなりを、コピペしたり、ダウンロードしたり、加工したりして存分に活用したい人用のOPACとか。
 画像や書評やコメントやがにぎやかに付いててくれるのがいいていう人用のOPACとか。
 OPAC検索にまだ不慣れな学部生用に、ここはこういう語をいれてください、ここでこのボタンを押してください、この欄のこの語はこういう意味です、という具合に、手取り足取り、ヘルプやナビゲーションやインストラクションがこってこてに添付されている、リテラシー教育用OPACとか。

 というような来る人のいろんな事情にあわせることなく、OPACが図書館にひとつしかない、ていうのは、どうした騒ぎだろう?

 て、そりゃ当然、コストがかかるから、の一言で終わってしまう話ではあるんだけど。
 それで”終わってしまわないようにする”には、どうしたらいいかな。

 極私的にゆう時には、これはもう絶対的にWebCAT Plusなんか使わへんよ派の江上ではあるんだけども、ただ、あれをグッジョブグッジョブと素直にアプローズ申し上げたいいくつかの点があるとするならば、そのひとつは、シンプル版WebCATとはまったく別のインタフェースのWebCATをもうひとつ作ってくれはった、ということでしたよ。ああいうのもあって、また別途、こういうのもある、ていう状態のほうが、ひとつのをがんばって高機能にする、ということよりも、ずっとユーザにフレンドリーなんだな、ということを教わる感じになるよ。
 だから逆に、シンプル版WebCATはやめます宣言は、SPEED解散宣言に肩を並べるくらいの理不尽さを覚えた、ていう。

 ただ、じゃあこの、OPACをひとつじゃなくたくさんに、というのは”ただの思いつき度”がわりと高いので、例えば次世代OPACの開発的なのとどうからんでいくかどうかについては、また全然別の話だよ。

posted by egamiday3 at 19:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

”レファレンスを促す図書館”的2次元vs3次元

 かたつむりさんが「レファレンス・サービスを促す図書館施設計画」というのを書いておられたのを(http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20080704/1215189635)読んで、去年の秋にお邪魔しに行ったUMass Amherstでのラーニング・コモンズの在り様を思い出したよ。

 かたつむりさんの要件(註:公共図書館前提)は、
 ・PC必須
 ・PCと図書を近接させて
 ・レファレンスデスクをそのそばに
 ということとで描かはった絵と、UMass Amherstのラーニングコモンズの配置図とがこちら。

(1)かたつむりさんのフロアプラン
 http://f.hatena.ne.jp/min2-fly/20080705013113
(2)UMass Amherstのフロアプラン
 http://www.umass.edu/learningcommons/floorplan.html
(参)千代田区立図書館のフロアプラン(註:かたつむりさん言及)
 http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/facilities/floor9.html

 (2)の中央やや下の「Public Terminals」や、上辺左辺の青い席が、PCのあるところ。Public Terminalsの右にあるのが調査系レファレンスのデスクで、左にあるのが技術系サポートデスク。で、わかりにくいですが、調査系レファレンスデスクから右下のほう、「Interlibrary loan」の吹き出しに隠れてるあたりが、冊子体参考図書の書架になります。
 うん、かたつむりさんの考え方もだいたい同じであるな、と。

 (2)の調査系レファレンスデスクが、PCエリアと冊子体エリアの間にはさまれたところにあるということが、なかなかにミソだなあ。どっちにも隣接してるよ、ていう。PCエリアから冊子を求めに行こうとする学生は、レファレンスデスクの前を通ることになる、というんであれば、そりゃ行きがけ帰りがけに質問のひとつもするだろう、ていう。

 もうひとつのミソは、デスクがフロアの中にぽんっと出てきていることで、おおかた図書館のカウンターてのはフロアの壁際に陣取ってることが多く、そりゃまあ、バックの事務室と接続してないと何かと不都合だからそうなってるわけなんだけど、それをやめて、飛島的な感じでフロア内に出張ってきてる、ユーザに近づいた位置におでましになる、ていうスタイルは、まあちょこちょこあちこちで見かけますな。

 ただ、上記よりももっとミソだなあ、ということを、実際ここにうかがってまじまじと拝見してきたときにいくつか感じたのですが、まずひとつが、270度くらいぐるっと対応できる円形のカウンターなので、あらゆる方向から声がかけられる。イコール、学生側からすれば、気軽に声をかけやすい。で、ライブラリアンの座ってはるイスが360度回転するので、どの方向から声をかけられてもさっとそちらに対応できるし、そのときのリクエストに適した資料類がデスクのどこに置いてあっても、さっと取ることができる。なので、見てると、あらゆる角度からのリクエストにすぅっ、すぅっと回転しながら対応する様が、スピーディで、ややコミカルで、やがてクールかな、ていう感じになっているよ。昔ドリフのコントにあった、逆・回転寿司みたいな(笑)。

 ただ、ここまでだとあくまで”二次元”なんだけど、”三次元”的なミソがこのデスクの高さで、カウンターが胸下くらいの高さまであって、ライブラリアンの人はイスに座ってるんだけど、たぶんそのイスが高いか、中の床が高いかで、立ち歩いてる学生さんの目線と、ライブラリアンの人の目線が、ほぼ同じ高さで出会う、ていう。これはすこぶる声をかけやすいし、実際、ひっきりなしに学生さんがライブラリアンに声をかけてましたよ。PCエリアうろうろしてて、うろうろしてるだけでごく自然に、ちょっとしたことを何かしら教えてくれる役目の人とふと目があったら、そりゃもう、質問を躊躇するハードルががたんと減るでしょう。目線よりもだいぶ下のほうに腰をおろして、じっと事務作業してるカウンターの人なんかよりは、ずっと。

 そう思ってハーバードさんのいくつかの図書館を思い出してみると、そういえばレファレンスデスクはどこも高かったような気がするなあ。シアトルは低かったかな。ニューヨークは覚えがないなあ。
 いや、日本のだって高いところはあるだろうとは思うんだけど、いま「図書館 レファレンス カウンター」的なのでGoogle画像検索してみたら、やっぱし、たいてい低かったでしたよ。

 でもじゃあ、そんなんだったら、レファレンスの質問しにきた学生さんをずっと立たせることになるじゃないか、と。即答系のだったらいいけど、じっくり時間が必要な、調査系のレファレンスを満足にできるのか、立たせたままで、と。おっしゃる向きもあるかもしれない。そういうお客さんのために、このレファレンスデスクのすぐ背後には、半透明のパーティションで区切られた小部屋があって、その中でPCや基本参考図書に囲まれながら、じっくりレファレンスに応じる、という仕組みも整っているのでしたよ。善哉善哉。

 さて、だったらその、気軽に声をかけやすくなった結果としてそのレファレンスデスクがどんな感じになってたかというと、かたつむりさんの危惧、

> たぶんクイックレファレンスが激増するんだろうなー。
> 「すいません、このソフトの使い方なんですけど・・・」とか。
> 「PCの調子が悪くて・・・」とか。

 それだけならまだしも、「ねえ、ホッチキス借りれる?」的なのがひっきりなしにやってきてたよ、ていう(笑)。

 声かけやすい、ていうのと、レファレンス質問が増える、ていうのは、別問題として考えなあかんのかしら。

 まあ、デパートや空港のインフォメーションも、おねえさんたちの目線はたいてい立ってる自分らと同じところにあってくれてるし、そういった意味では、レファレンスデスクは高いのがデフォ、という感じになっちゃってもいいかもしんない、と思いつつも、まあそれ以前に、日中レファレンスのみに専念できるスタッフなんかどんどん減ってるよ(=貸出その他と併行)、ていうところが問題なんだけど。

posted by egamiday3 at 19:28| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月08日

問題発見・解決演習1日目(20080708)

 
・ディスカッションをするのに、カード大のでっかいポストイットを使う。要点を書き出すだけでなく、動かしてしまえるので、論点整理がしやすい。逆に、カードなだけだったら不用意に動いてしまうので、やっぱポストイットのがいい。
・グループ討議の結果を発表させるのに、各班代表者だけに発表させるのではなく、全メンバーに発表させる。やり方:全班から1人目が集まってグループを作り、2人目が集まってグループを・・・という具合に組みなおして、各班での検討結果を各メンバーがそのグループ内で発表する。
・100%か0%かで結果0%を選ぶくらいなら、5%のほうがまだましだよ、ていう。
・理想は、言わなきゃだめだよ、ていう。
・コミュニケーションは大事だね。
posted by egamiday3 at 19:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大学経営の課題(吉武・20080707PM)


●法人化

・法人化の現在
 非公務員型人事 → まだ実現には遠い
 第三者評価 → 手間・時間がかかりすぎる
 自律的運営 → 本当にできているか? 教員・職員ひとりひとりが自立できているか

・職員個々による意思決定・判断ができない/しない
 組織人としてのおかしな行儀作法ばかりを身につけてしまっている
 ↓
 組織の中にあっても、自立した社会人として行動せよ

・流れは”自律的運営”へ変化
 大学本部の業務が大幅に増加
 法人化によるメリットを実感できていない
★管理職や年配の幹部職員が”現状維持””遅いほう”のペースメーカーになってしまっている
 危機感・改革意識をいかに実現へのエネルギーに転化できるか

●効率化

・”効率化=何かの削減”ではない。
 「教育・研究の質+社会貢献/投入資金」という分数の値を大きくすること。
 その分数式を意識しながら仕事にあたるということ。
 値が大きくなるためには、分子を大きくするのでもいいし、分母を大きくして分子をさらに大きくするのでもいい。
 ↑
★現場社員ひとりひとりは、日々の仕事を、「いくらもうけた」(利益)で仕事をしているわけではなく、「どんないい仕事ができたか」(プライド・愛社・サービス)で仕事をしている。

・ところが大学の”分子”のほうは数値になりがたい。
 数値にできるものと、できないものとがある。
 ↓
 ↓のであれば、
 ↓
・「教育・研究の質+社会貢献」に対する”信頼”の確立/”ニーズ”の理解
 ↓↑
 昨今のやり方としての”無理やりな数値化”
 ”ニーズ””信頼”を無視した、競争・効率化 ・・・・・・これらは不自然

・コストを節減することに汲々とするのではなく、コストに見合うものを生み出しているかどうか
・例:大学経営のための情報収集・提供を、大学図書館が行なう


●民間的発想

・ほんとに有用か? 有用性はどこにあるか? 学ぶべきところはどこか?
・具体的なハウツーではなく、(優れた企業の)経営哲学・理念・文化のほうを学ぶべき。
#ハウツーなんか無理に導入したところで、当たらなくて当然。

・企業経営に学ぶべき5つのポイント
-人間重視 (人間を大事にする。人材を引き出す。人として接する。)
 ←大学職員の職場にはそれが民間よりも不足している。
-戦略的思考のための情報収集・共有化ができていない
 例:数値化できるものは数値化する、統計・数値の経年比較、それに基づく分析と戦略
-顧客志向
 誰の言うことをきいて動くのか、という問題。
-コスト意識
 お金の遣いどころのメリハリ
-即断即決/熟考
 時間の遣いどころのメリハリ

・意思決定・判断のすべてが正解であるとは限らないし、正解はない
 重要なのは、それを自力で”正解にする”という意識
posted by egamiday3 at 19:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

図書館建築と設備(植松・20080707PM)

 「#」は江上のコメント、「★」は江上の重み付けですよ。
 (「●」はたんなる見出し)

・適正規模とは?
 閑散期・通常期 vs 試験期間
#それを決める標準的な基準がないことも、原則各図書館の事情によることも、わかるんだけど、それでは手がかりがなさすぎなので、例えば、どこどこではどういう理由からこう判断した、ていうような事例の蓄積がないか。

・共同保存書庫
 資料請求を受けても1日はかかる
#物理的に図書を運搬するにあたって、今後どれだけ技術・システムが進化しようが、これ以上に縮まることはないと思われるので、あとはひとえに「それをOKとするかNOとするか」の問題。そして、OKとしないことにはもはや我々は本を持てない。

●ハイブリッドライブラリー
 図書館でPC使えるからといって、図書館に来てネットサーフィンだけして帰る、というんでは、図書館としての機能を果たしていない。ネット・デジタル資料から図書館資料への誘導をどう計画するか、という問題。

★・カリフォルニア大学のPC配置の例
 -短時間利用者用: 予約不要、スタッフが近くにいる、机は狭い、周囲の目がある
 -長時間利用者: 予約制、印刷資料がすぐ近くにあって併用できる、机が広い、プライバシーが確保されるキャレル
 -持ち込みPC用: 情報コンセント、エリア指定など。
 (キーボードの音にうるさいのは日本人だけでは?←#激しく同意)

・フランクフルト図書館
★活字資料を広げつつPCを併用できるよう、PCテーブルの手回りが広い。こうすることで”ハイブリッド”が実現できるんだ、ということ。

・ミシガン大学インフォメーションコモンズ
 ロの字型建物の中庭をつぶしてスペースを作る、というパターンが多い。
#これはすなわち、ロの字型建物の中庭のある図書館が多い、ということ。じゃあ、中庭の効用はつぶしちゃっていいの?

・ICUのインフォメーションコモンズ
 旧館と新館とで、印刷体とPCとのエリアがまったくわかれてしまっていて、ハイブリッドという意味では機能を果たしていない。


●資料保存スペースの問題

・閉架書庫
 出納の手間の問題 (←OPAC、ネットの発達で、古い図書の存在が明らかになった)

・ヨーロッパの集密書架は手動が主流。理由は、停電で動かなくなったら困る。
#たまに起こる停電のときのために、ふだんから苦労するのがいいというのか? それとも、向こうは停電が日本に比べて頻発するの?

・書架の耐震
 書架は、本を振り落とすことで、自身が崩落することを防ぐ。
★木製かスチールかで耐震性に差はない
 -床にアンカーボルト
 -頭つなぎ
 -連方向にもブレースをいれる
 ←→いったん書架を設置してしまうと、模様替えの自由度がなくなってしまう。

・セキュリティに配慮した書庫サイン
★早稲田大学中央図書館の例
 青地のサインがある方向は、出口方向
 赤地のサインがある方向は、奥に進む方向
#その色分けは、日常時のわかりやすさを犠牲にしてないかどうか。

・ガス消火設備(二酸化炭素など)は危険である。
 国会図書館でも、ガス消火設備を備えてはいるものの、実際に稼動させることはできない。
 使えないのだから、ないのと同じ。

・シカゴ大学図書館
 開架式の広大な書庫を持つ
 書庫の中での人的トラブルの可能性
 ↓
 そもそも災害時・日常時ともに、入庫は危険。
 できるだけやめるほうが望ましい

・積層書架(書架+中2階の床+書架)
 積層書架の下段で火災が発生する→書架が熱されて弱くなる→下が崩落する→上が崩落する
 消防法では、積層書架には利用者を入れてはいけないことになっている。さらに、現在では、新規に建設される図書館ではこのような積層書架は作ってはいけないことになっている。


●学習・閲覧環境
「学生が毎日行かずにはおられないスペース」(九州大学・有川)

★★・インフォメーションデスクの工夫
 -利用者を対面に座らせるんでなく、横面に座らせる。/隣に座らせる。/隣ではないけどちょっと斜横になる。
#利用者との距離のとり方を、机の形・イスの配置・視線の高さで調節する。
 -司書が、座っているのではなく、半立ちになっている。
#UMassのレファレンスカウンターの司書の視線の高さ
 -長めのレファレンスに応じられるように、ガラスで仕切られた、ディスカッション&ネット調査が可能な小部屋を設ける。
#「ここまでは極端」とゆってたけど、米国ではデフォでは?

・日本vs欧米で最も異なるのは、快適な職場環境である。
 知的作業に専念できる執務環境が、日本は実にチープ
#図書館に限らない。労働者が人間として優遇されているか、仕事のほうが優先なのか、の問題。あるいは労働に耐えて仕えるのが日本。


●サイン計画
・サインはできるだけ少なく。誘導をサインだけに頼らない。
・サインは読むものではなく、見るもの、として作る。
・利用者は迷った時点でサインを求めるのだから、「方向指示=矢印」ではダメで、「空間指示=地図方式」のほうがよい。


#デルフト工科大学、シアトル公共図書館は、無敵(笑)。

posted by egamiday3 at 08:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月02日

吉幾三の逆襲

 こないだこんなことを書いたのですが、

 「図書館情報学は吉幾三の夢を見るか(見ねぇよ(笑))」
 http://egamiday3.seesaa.net/article/101719961.html

 そんな中、関西で行なわれる催事のひとつである下記

 情報ネットワーク法研究会LR
 「そこに大学図書館がある! 法学教員と図書館員が仲良しになる方法」
 (於・京都府/龍谷大学 法科大学院)
 http://web.mac.com/inlawlr/2008/Welcome.html

 に、せっかくだから行っておこうよなあ、と思って、悪天候の中がんばって現地へ出向いたのですが、建物はぴっちりしまってて、IDを持ってる学内者しか入れないようになってるし、その催事のポスターなりチラシなりもいっさい掲示されてないし、おかしいなあ、ここじゃなかったかなあ、似た名前の建物があるのかしら、とケータイのフルブラウザで確認したら。

 ・・・それ、昨日だった。orz


 東京がどうとかいう以前の問題だった。

 俺ぁ、こんな自分が嫌だぁ〜、ていう。


 アメリカに1年いて、人間がかなり大雑把になっているよね。
 
posted by egamiday3 at 05:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする