2008年12月21日

業界コント 「もしも図書館がマクドナルドみたいだったら」


※他意はありません。


 ピンポーン。
「いらっしゃいませ、こんにちわー」
「・・・・・・あれ?」
「こんにちわ、こちらへどうぞー」
「あの、ここって、図書館ですか?」
「はい、幕土市立鳴門図書館でございます」
「え、マクドナルドですよね?」
「図書館です」
「マクドナルドでしょう、この内装、どう見ても。あなた制服着てるし」
「マクドナルドではありません。当店は、マクドナルド”みたいな”図書館です」
「何それ?」
「図書館にもお客様第一のサービスが求められる時代になって参りましたので、当店ではこのように、マクドナルドをお手本とした図書館を営業しております」
「へぇー、がんばってんねぇ」
「はい、結構ムリしてます」
「お手本ってか、まんまだよね、これ」
「いえ、”みたいな”です」
「ていうか、僕、本借りに来たんですけど、本棚ないじゃないですか」
「こちらのメニューをどうぞ」
「メニュー? え、なに、ここから選ぶの?」
「はい、当館の蔵書メニューです」
「だってこのメニュー、ベストセラーとか有名どころしか載ってないじゃないですか」
「ええ、まあ、たいていのお客様はこれでまにあいますので」
「なんかいま、軽く毒吐かれたような気がするけど。なんかこう、検索するやつとかないの」
「ご希望の本をおっしゃっていただければ、ご注文にあわせてこちらでご用意いたします」
「あ、じゃあ、言えば出してくれるんだ」
「はい、私自身が次世代OPACです」
「ん、なんかわかんないけど、まあいいや。えーとね、うちの子が読みたいって言ってるんだけど、ハリー・ポッターの最後のやつあるじゃないですか。いろいろあるから覚えてないけど・・・」
「それでしたら、『ハリー・ポッターと死の秘宝』ですね」
「おっ、さすが次世代OPACだねぇ、早いじゃん」
「本日はこちらでご閲覧ですか?」
「ご閲覧・・・ていうか、持って帰ります」
「あ、はい、お貸出ですねー」
「・・・・・・なんか調子狂うな」
「お客様、ごいっしょに『ハリー・ポッターと謎のプリンス』はいかがですか?」
「え?」
「こちらの本をお借りになった方は、こんな本もお借りになってます」
「あ、いや、いいです。それはもう読んでるから」
「でも、こんな本もお借りになってるんです」
「いや、借りてるかもしんないけど、順番逆じゃん。ていうか、なんでそんなに薦めてくんの」
「マクドナルドみたいな図書館ですから」
「あー、そうでしたね。あとはじゃあ・・・、そうだ、上の子が学校の自由研究で「地球を守る」とかって言ってて、環境問題のこといろいろ聞かれちゃってるんですけど、なんかいい本ないですかね」
「でしたら、こちらの本などいかがでしょうか?」
「なに?」
「『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』」
「ケンカ売ってんのか、あんた。地球を守る、っていう自由研究だって言ったじゃん」
「こちら、環境問題の本の中では、当館の貸出ランキング1位となっておりますので」
「だからって、いらないもんはいらないから」
「レレバンスでも1位・・・」
「しらねぇよ」
「ごいっしょにこちらの本もいかがですか?」
「なに?」
「『”環境問題のウソ”のウソ』」
「おちょっくてんのか」
「おちょくってません。しかも、これがAmazonさんでもほんとにお薦めしてますから、大笑い」
「やっぱりおちょくってんじゃないか」
「せっかくですので、『「買ってはいけない」は買ってはいけない』もいかがですか」
「どんなレコメンドだよそれ、ネタとして言いたいだけだろ」
 ピロリッピロリッ
「え、いまのチャイム、なに?」
「あれは当館のRSSです。ただいま新着図書が揚がりました。ごいっしょにいかがですか?」
「いりません。揚がりました、てのはなんだ。もういいから、その『ハリー・ポッターと死の秘法』だっけ、それ借りていきます」
「かしこまりました。えー、では上下2冊でお会計3900円になります」
「金とるの!?」
「上下2冊ですので、バリューセットでお安く・・・」
「いや、そういうことじゃなくて、え、だって図書館でしょ、ここ」
「申し訳ありません、当館は図書館有償論でやってますので」
「いや、図書館っていったら、普通タダなんじゃないの」
「お言葉ですがお客様。図書館は決して無料の貸本屋などではございません」
「うん、言いたいことはわかるけど、そこで”無料”のほうをやめちゃうのはおかしいよね」
「いまのご時勢、図書館がいつまでも無料でやってけると思ったら、おおまちがいです」
「なんで偉そうなんだよ」
「こちらごらんください、メニューにもお値段が」
「うわ、ほんとだ。上下2冊でバリューセットて書いてある。でも3900円てほとんど定価じゃないの」
「著者の権利を守るためです。権利者のお目こぼしあっての図書館ですから」
「なんかもうぐちゃぐちゃだな、この図書館。・・・あれっ、ていうか0円っていうのあるじゃん、これ」
「はい、スマイルは0円です(笑)」
「はあ、そのへんも本家といっしょなんだね。その下にもあるね、これは何?」
「それは”図書館の自由”です。図書館の自由も、0円です」
「・・・・・・そのネタは、どうなの?」
「・・・・・・いや、わかんないです」
「たぶん誤解招くよね」
「まあ、私どもの関係者にも自由をはきちがえてる方が多く・・・」
「も、もういい、それ以上言わなくていい。それ、”どっち”にもケンカ売ってるように聞こえるから」
「ごいっしょに法務省のマル秘・・・」
「あんた、わざとやってるだろ。もういいよ、ハリー・ポッターだけもらって帰るから、出してください」
「お客様、たいへん申し訳ございません。ご注文の『ハリー・ポッターと謎のプリンス 』がですね、超人気ベストセラーになっておりまして、お貸出まで少々お時間をいただいております。こちらの札を持ってお待ちください」
「え、待たなきゃいけないの? どのくらい?」
「ただいまご予約のお客様、378人待ちになっております」
「ダメだこりゃ」



posted by egamiday3 at 11:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月20日

NDLが記事索引をRSS配信する雑誌への道

 
 http://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/about_rss.html

 すげぇっ!
 NDL、ヤベぇっ!
 本気や!
 本気と書いてホンキと読むぜ!

 というわけで、さっそく試してみようとしたよ。
 収録誌一覧にRSSのアイコンが掲載されてるというので、探してみた。
 目指すは、我らが(我らが?(笑))「大学図書館研究」。

 ↓「た」のページをブラウジング。
 http://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/kana_ta.html

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大会proceedings(日本英文学会)Z71-R753 78[20060520] 〜
耐火物(耐火物技術協会)Z17-226 (60)[196105] 〜
耐火物工業(耐火物煉瓦技術会)Z17-226 (45・46)[195902] 〜 (59)[196103]
大気汚染防止に関する総合研究(〔環境庁企画調整局〕)Z16-2140 (平成7年度)[199609]
----------------------------

 ・・・・・・・・・あれ。

 ・・・・・・・・・あれ、載ってない、だと!?
 吾等の「大学図書館研究」が!?

 ていうか、あれ、”だいがく”なし?
 焦ってスクロールしてみた。

----------------------------
蛋白質核酸酵素 別冊(共立出版)Z18-1388 (21)[197908] 〜 (32)[198712]
単複教育(北海道立教育研究所内単級複式教育編集所)Z370.5-Ta1 (15)[195205]
ダーリニボストーク通信(JSN)Z39-B12 (632)[20051219] 〜
大世界(世界仏教協会)Z180.5-D1 9(1)[195401] 〜 11(11)[195610]
大ダム(日本大ダム会議)Z16-2 (7)[195810] 〜
大日光(日光東照宮)Z8-63 (71)[200103] 〜
----------------------------

 ・・・・・・・・・大。(←大の字になってひっくり返ってる、の図)

 「タ」→「ダ」のやつか。
 微妙に懐かしい。

 と思って、なんでいままでここがこういう配列になってるの知らなかったんだろう、ブラウザのハイライトツールばっかり使ってるからかな、それか「大学」じゃなくて「図書館雑誌」とかで探したら清濁の差に気付かずに探せるのかな、と。

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都市学研究(金沢学院大学都市学研究所)Z71-C551 (1)[1999] 〜 (2)[2001]
図書(岩波書店)Z21-184 (2)[194912] 〜 (111)[195810],(564)[199606] 〜
図書展望(図書文化研究所)Z21-B398 (1)[195001] 〜 (2)[195002]
図書の譜(明治大学図書館)Z21-B378 (4)[200003] 〜
図書館学会年報(日本図書館情報学会)Z21-133 1(1)[195411] 〜 44(4)(136)[199902]
図書館研究(図書館職員養成所同窓会)Z21-132 (1)[195405] 〜 (4)[196004]
----------------------------

 ・・・・・・「トショノ」→「トショカン」?

 あ、「トショ(スペース)ノ」→「トショカン」のやつか。

 知らんかった・・・。

 しかも、これどうやって説明しよう。
 いままでうちの先生も院生さんも、こんなところまでじっくり見に来ることなかったろうけど、RSS使えますよ、っつったら絶対ここ見ることになるもんな。混乱しはるだろな。困ったな。

 NDL-OPAC書誌につくようになればOK。

posted by egamiday3 at 07:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月11日

壊れたエアコンは図書館利用履歴保存問題の夢を見たとか見なかったとか


 エアコンが動かなくなったのですよ。
 ・・・・・・このバカ寒いのに(涙)。

 しかも、今回とそっくりの症状でこの夏にも止まった。あのメガ暑い最中に止まりやがったし、このテラ寒い最中にも止まりやがった。
 もはや買い替え時なのだろうか(註:00年製、9年目)、とか思いつつ。
 メーカーさんの相談窓口に電話をしましたよ。

 「○○です。」
 「あのー、エアコンが動かないです。電源を入れても、ランプが点滅するだけで。」
 「リモコンで原因が診断できるので、いまから言う手順でやってみてください。」
 そうそう、夏にもこのセルフ診断を電話でやらされたなあ、とか思いながら、言われる通りにリモコンを操作する→リモコンの液晶にエラーコード的な番号が表示される→その番号を電話先のおねえさんに伝える、と。
 ガス欠か基板のトラブルか何かだと思われる、技術者がおうかがいして診断・修理するしかないタイプのエラーだとおっしゃる。ので、問うてみた。
 「いや、あのー、夏にも同じようにガスが抜けてるとかで修理していただいたことがあって、年に2度も同じ故障っていうんじゃ、もうそろそろ買い換えたほうがマシなのかな、とか思うとるんですけど」

 と、おねえさんがしばらくキーボード音をカチャカチャ言わせた末におっしゃることには。
 「えーと、夏にはガス抜けではなくて、プリント基板の異常で交換でしたので、今回も同じかどうかはちょっと。」
 あー、そうだった、基板っていうのをもってきてもらって交換したんだっけ。おかげで数日待たされたし、1万円越えてた・・・・・・。

 ・・・・・・。

 あの、おねえさん、私まだあなたにはエアコンの症状しか伝えてなくて、名前も住所も何も言ってないんですけど、何故に、私の夏の苦い思い出をご存知か???

 というのは、まあちょっと考えればわかることで、おそらくはいまかけているこのケータイ電話の番号が、おねえさん側にディスプレイされていて、その番号をキーに、過去のお客様履歴的なものをご検索になったのであろうな、という感じなのですが、さてこれだけだったら、いまどき極めてふつーの情報環境だとは思うのですが、あれ?と感じたのはこのあとすぐ。

 じゃあ修理の手続きを、というんで、
 「お客様のお名前とご住所をお教え願えますか?」
 ときた。

 先の推測からいけば、この夏のメガ暑い最中にプリント基板を交換したのが、何京区の誰さんか、なんてこと確実に把握しておられるはずなんだけども、そうやってあらためて、お客自身に名前と住所を言わそうとなさる。これはあれだろうな、おねえさん側のデータが確実に正しいかどうか、よもやこの電話の主が悪意のカタリとかではないかどうか、ていうのをフィックスするための本人確認ステップであろうな、とも思うし、しかももうひとつあれ?と感じたことに、このときの口調が、「念のため、こちらの把握している名前・住所と正しいか、言ってもらえますか?」というようなものではなく、あたかも「我々まったく存じませんので、教えてください」的な誘導だったということで、これはなんだろう、お客側に「把握してるくせにわざわざ言わされた」感を抱かせないということなのかしら。もしくは、我々はお客様の個人情報をキープしたりなんかしてません、ていうことを態度でアピールしてらっしゃるのかしら。そのアピールによって、お客側の個人情報漏れ不安をやわらげるだの、過敏なクレームなりトラブルなりを防ぐだのいうことを意図しておられるのかしら。

 なんつーことを思ったり思わなかったりしながら、いやもう、早いとこおいでになって、この酷寒地獄から救ってくだされ、と出張修理を頼み込んだのでしたよ。

 それで、まあだいぶ推測ばっかりのふわふわした経験ではあったのだけども、そこから何かしら考えたことがあるとするならば。

 サービス向上その他のために、図書館利用者の利用履歴を保存してデータベース化して役立てよう、とかいうのに対して、プライバシーだの個人情報だの図書館の自由だの(ほんとにあるのかどうかわかりませんが)萎縮効果だのという諸問題が、よしんばあるとしても、本人確認を確実にする方法とか、情報漏れを防ぐ方法とか、その不安を抱かせず萎縮させない方法とかいうものは、がんばって考えればいくらも湧き得るんじゃなかろうか、ていう。
 前向きな方向で。
 ヒステリックな頭ごなしとかじゃなしに。

 じゃなかったら、エアコンの修理履歴ですらケータイ番号だけで出てくるご時世に、自身がこないだ借りた本のデータも見せてあげられないとかって、情報サービス機関としてもはや恥でしかないんじゃなかろうか。

 さて、では動かないエアコンはどうなったかというと、これも若干”恥”含みの話になっちゃうので(笑)、別の機会に。

posted by egamiday3 at 20:08| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月09日

英文MLは読まなくても解除しないで

 英語でメールとか利用案内の文言とか書こうとするときに、自分のひねり出した英文表現がどこまで正しいか、自然か、気になる。確かめたいと思うじゃないですか。うん、誰だ、確かめるまでもなくそりゃ正しくも自然でもなかろう、っつったの、その通りだよ(涙)。

 それでそういうときって、翻訳サイトとかに下手に頼っても自分の受験英語以上の不自然さしか出てきそうもないからといって、頼るのはもっぱら「英辞郎」さんだったり「Googleでその英単語を検索してみる」だったりする。で、両者とも非常に便利遣いできるツールではあるんだけども、追えば追うほど、どうも帯に短したすきに長しだな、という感を覚えることがある。英辞郎さんだと、自分の望む表現があまりたくさんヒットしてくれないし、あと、示される英文が短文だったり断片だったりするので、自分の使いたい文脈なりシーンなりでどこまでふさわしい表現なのかっていうのが、いまいち見えづらい。というんでじゃあ、たくさんヒットしてくれるし、文脈もまるごとわかるGoogle検索作戦に出てみると、今度は膨大なヒット数にまんまとおぼれてしまうことになる。それって合ってるの?と訝しくなってしまうくらい多数ヒットする、だけでなく、ランクトップに居並ぶヒット先をよくよく見てみると.jpとか.inとか.esとかサマリーに繁体字・簡体字が並んでたりとかで、検索した結果上位にヒットするのがほとんど純粋英語圏以外っていう英文表現て、どうなんだ?ていう、ああ、よくないパターンですね。

 さて。
 まあ誰のメールフォルダにも、ちょっと背伸びしてみようと登録したものの、いっさい読みもせず、読めもせず、到着した先からフィルターで即効フォルダに送り込んでて、ここ数ヶ月その存在すら忘れてた、ていうような、英文のML、なんつうのが2つや3つは、あると思います。(←あるか?)
 そういうのが(読みもせず)1年分とか2年分とか溜まってて、(読まれもせず)アーカイブ化してしまってる、しかもそれが、GoogleのGMailさんの中にごそっと(読みも読まれもせず)つっこまれてる。
 こんなときにじゃあ、先ほどのような”確かめたい自分の英語表現”を持ってきて、Google様お得意の検索エンジンでもって、その英文MLの中をざっとさらってみると、なるほど上手いこと該当表現がひっかかってくれる。
 しかも、バカみたいに多くない。
 しかも、メール本文もまるごと読めるから文脈やシーンがわかる。
 しかも、(この良し悪しは別として実際)投稿元がたいていアメリカから。
 しかも、フォーマルとインフォーマルの中間くらいの文調が多いのでちょうどいい。
 しかも、登録しているMLなんてたいてい図書館系とか人文研究系とかのだから、自分が使いたい部類のボキャブラリーとか、似たようなシーンとかに、うまいこと片寄ってくれている。

 というんで、ああ、ちょっといいツールを見つけたな、いままで(読みもしないくせに)長々と英文ML登録しといてよかったな、と思うのに加えて、じゃあこれと同じことを英文ブログのRSS的なことでもできるはずなのではないか、というところまでは思いつくんだけど、そこまでのITスキルはなかったと。まだweb1.35くらいだと、いうところでした。

 GMailさんにつっこまれてる英文ML。
 OCLC-CAT
 OCLC-CJK
 NGC4LIB
 eastlib
 H-Japan
 ハーバードさんにいたころの業務ML的なののアーカイブ

posted by egamiday3 at 17:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする