2009年06月30日
つぶやき、「しろ」。
今日の「つぶやき」。
「○○してもいいですか?」って、きくなよ。
きかれたら「ダメ」って言うじゃん。
きかずに、しろ。
それは、しらん。
6月末から7月といういまの時期
ARGさん said.
「聞けば、6月というのは学期の関係でアメリカのライブラリアンは海外出張が多いらしい。」
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090629/1246283124
そう、ライブラリアンに限らず、学生も研究者も。
だから、うちの館のカウンターはいま一番ややこしい時期に突入中。
「聞けば、6月というのは学期の関係でアメリカのライブラリアンは海外出張が多いらしい。」
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090629/1246283124
そう、ライブラリアンに限らず、学生も研究者も。
だから、うちの館のカウンターはいま一番ややこしい時期に突入中。
残念な店。
”残念な店”、というのがある。ここではごはん屋さんの話。
ふだん”残念な○○”みたいな言い方をするときは「まったくもってほとんどが×」なときなんだけども、ここで言う”残念な店”というのは「この点さえなければ/あれば、完璧な店だったのに、惜しい!」というほんとの意味での残念さを指すよ。
例えば、もはやこの店以外でとんかつを食べる気なんかさらさらしない、ていうくらいに徹底的に美味いところなのに、冬には牡蠣フライをやるとおっしゃるんで、一体どんな魅惑的な牡蠣フライが味わえるのかしらと喜び勇んで注文してみたら、・・・・・・、とか。
逆に、こんなにも豪勢で堪能できる牡蠣フライ定食をこれまで食ったことがあろうかいやない、というような惚れ惚れするような店を見つけて、じゃあそんなあなたが出してくださるカツカレーは如何ほどか、と注文してみたら、まるでもって・・・・・・、とか。
ある居酒屋でお昼は定食もやってるような店、というのがあって、そこはサンマが美味い、天ぷらが美味い、つけあわせの何やらかんやらが美味い、どの品もこてんぱんに堪能できて申し分ない、はずなんだけども、これがもう天を仰いで神を呪おうかと言わんばかりに残念なことには、テーブルに醤油も塩も七味も何も置いていない、という。食ってて、こんなに美味いのに、こんなにイライラする、という店もなかなかないですぞこれは。
ほんで、普段あまり中華料理屋といかない人なんですけども、近所にあるぼんやりした中華料理屋に、ぼんやりと入ってみたら、メニューが豊富で、本格的で、小綺麗さのない大ざっぱな感じがまたよくて、美味くて、つけあわせの品数が豊富で、めっちゃ安くて、やばいぞここ、連日通いかねないじゃないかと思っていたら、食事してるあいだじゅう、店のおっちゃんが延々と話しかけてくるので、気が散って何を食うた気もしなかったよ、ていう。
”残念”だ、実に。
ふだん”残念な○○”みたいな言い方をするときは「まったくもってほとんどが×」なときなんだけども、ここで言う”残念な店”というのは「この点さえなければ/あれば、完璧な店だったのに、惜しい!」というほんとの意味での残念さを指すよ。
例えば、もはやこの店以外でとんかつを食べる気なんかさらさらしない、ていうくらいに徹底的に美味いところなのに、冬には牡蠣フライをやるとおっしゃるんで、一体どんな魅惑的な牡蠣フライが味わえるのかしらと喜び勇んで注文してみたら、・・・・・・、とか。
逆に、こんなにも豪勢で堪能できる牡蠣フライ定食をこれまで食ったことがあろうかいやない、というような惚れ惚れするような店を見つけて、じゃあそんなあなたが出してくださるカツカレーは如何ほどか、と注文してみたら、まるでもって・・・・・・、とか。
ある居酒屋でお昼は定食もやってるような店、というのがあって、そこはサンマが美味い、天ぷらが美味い、つけあわせの何やらかんやらが美味い、どの品もこてんぱんに堪能できて申し分ない、はずなんだけども、これがもう天を仰いで神を呪おうかと言わんばかりに残念なことには、テーブルに醤油も塩も七味も何も置いていない、という。食ってて、こんなに美味いのに、こんなにイライラする、という店もなかなかないですぞこれは。
ほんで、普段あまり中華料理屋といかない人なんですけども、近所にあるぼんやりした中華料理屋に、ぼんやりと入ってみたら、メニューが豊富で、本格的で、小綺麗さのない大ざっぱな感じがまたよくて、美味くて、つけあわせの品数が豊富で、めっちゃ安くて、やばいぞここ、連日通いかねないじゃないかと思っていたら、食事してるあいだじゅう、店のおっちゃんが延々と話しかけてくるので、気が散って何を食うた気もしなかったよ、ていう。
”残念”だ、実に。
2009年06月28日
2009年06月26日
仕組み化された日本のわたし
オンライン書店で本を注文して、コンビニで受け取ることができる、というサービスについて、某NHKblog(http://nhk-blog.blogspot.com/2009/06/pick-up-your-ordered-books-at.html)に英語で書こうと苦心惨憺している昨今ですが。
そのサービスの概要(↓ずっと下の方に別記)を整理しながら、あらためて、日本てなんと便利な国なんだろう、と驚愕を覚ゆるよ。異常すぎるだろう、この便利さ。しかも、仕組みが整っているという意味での便利さ。
便利さにもいろいろあって、アメリカで感じた便利さがあるとするならばそれは、プロフェッショナルがしかるべきところにいてくれることの便利さ、であったり、あらゆるところが自己裁量である便利さ、であったり、交渉すればなんとかなる、いい加減でもなんとかなる、敷居が低いっつうか無いことの便利さ、であったりなんだけども、日本で感じるこの、異常なまでに仕組みが整っていることの便利さはたぶん宇宙一なんじゃないかと、ときどき思うよ。
その便利さの裏にある不便さ、というのは、これもまた日米ともにあるから、引き分けぇ〜。
↓誰が考えたんだよ、こんな仕組み(笑)。
そしてめっちゃ使われてるよ。
-----------------------------------------------------
注文した本をコンビニで受け取るサービス
・日本に短期間滞在する
・日本国外から注文・取り寄せするのが難しい本を
・本を買い集めたい
・注文した本を受け取る簡単な方法
・ホテルが決まらない、ホテルに送ってもらうことができない、移動が多くていつ受け取れるかわからない
・コンビニは日本中の至る所にある。
・ホテルの近くにはほとんど必ずある。
・24時間開店している。
・インターネットで注文できる。
・来日前にも注文できる。
・どこのコンビニで受け取るかを指定することができる。
・ホテルが決まっていたらホテルの近所に指定すればいい。
ホテルが決まっていなければ、あなたが必ず行くであろう、ターミナル駅や空港のコンビニに指定すればいい。
他の都市に(東京から京都へ)移動する予定があるなら、その行き先にあるコンビニを指定すればいい。
・注文した本が届いたら、そのコンビニがその本をキープしておいてくれる。
(一定期間受け取らなかったら、キャンセルされる)
・好きな時間に取りに行くことができる。365日24時間開いている。
・クレジットカードで支払ってもいいし、当日現金で支払ってもいい。
・送料が無料なことが多い。
・本だけでなくCDやDVDも買うことができる。
Amazon ローソン
Yahoo セブンイレブン
楽天 ファミリーマート等
・それぞれのオンラインショップにユーザ登録をする必要がある。
・それぞれのオンラインショップでちがうルールを持つ。
・受け取るときに必要なIDカードを提示する必要がある場合がある。
そのサービスの概要(↓ずっと下の方に別記)を整理しながら、あらためて、日本てなんと便利な国なんだろう、と驚愕を覚ゆるよ。異常すぎるだろう、この便利さ。しかも、仕組みが整っているという意味での便利さ。
便利さにもいろいろあって、アメリカで感じた便利さがあるとするならばそれは、プロフェッショナルがしかるべきところにいてくれることの便利さ、であったり、あらゆるところが自己裁量である便利さ、であったり、交渉すればなんとかなる、いい加減でもなんとかなる、敷居が低いっつうか無いことの便利さ、であったりなんだけども、日本で感じるこの、異常なまでに仕組みが整っていることの便利さはたぶん宇宙一なんじゃないかと、ときどき思うよ。
その便利さの裏にある不便さ、というのは、これもまた日米ともにあるから、引き分けぇ〜。
↓誰が考えたんだよ、こんな仕組み(笑)。
そしてめっちゃ使われてるよ。
-----------------------------------------------------
注文した本をコンビニで受け取るサービス
・日本に短期間滞在する
・日本国外から注文・取り寄せするのが難しい本を
・本を買い集めたい
・注文した本を受け取る簡単な方法
・ホテルが決まらない、ホテルに送ってもらうことができない、移動が多くていつ受け取れるかわからない
・コンビニは日本中の至る所にある。
・ホテルの近くにはほとんど必ずある。
・24時間開店している。
・インターネットで注文できる。
・来日前にも注文できる。
・どこのコンビニで受け取るかを指定することができる。
・ホテルが決まっていたらホテルの近所に指定すればいい。
ホテルが決まっていなければ、あなたが必ず行くであろう、ターミナル駅や空港のコンビニに指定すればいい。
他の都市に(東京から京都へ)移動する予定があるなら、その行き先にあるコンビニを指定すればいい。
・注文した本が届いたら、そのコンビニがその本をキープしておいてくれる。
(一定期間受け取らなかったら、キャンセルされる)
・好きな時間に取りに行くことができる。365日24時間開いている。
・クレジットカードで支払ってもいいし、当日現金で支払ってもいい。
・送料が無料なことが多い。
・本だけでなくCDやDVDも買うことができる。
Amazon ローソン
Yahoo セブンイレブン
楽天 ファミリーマート等
・それぞれのオンラインショップにユーザ登録をする必要がある。
・それぞれのオンラインショップでちがうルールを持つ。
・受け取るときに必要なIDカードを提示する必要がある場合がある。
はてなブックマークに対するいまのところ(=使用10日目くらい)の印象のメモ
かねてより気にはなっていたものの、その機能が理解できないままに適当に放置していたというはてなブックマークさんについて、つい先日突如として、あ、わかった、こういうふうに使えばこういうことについて便利な機能なんだ、という理解が降っておいでになり、使い始めてみることにしたのでしたよ。
ぶっちゃけると、かねてより気にはなっていて、過去に3度ほどアカウント登録したことがあったのだけども、そのたびに「・・・・・・やっぱし、なんやようわかれへん」てなって退会する、という繰り返しだったので、今回新たにアカウント登録しようとすると「そのIDは(過去に消費済みなので)使用できません」と断られまくったという、しょっぱいエピソードが。
過去の敗因。タギングのソーシャルな部分に過敏になりすぎて、何をどう内容分類しろと言うんだこのシステムは、てなって、パンクした。
今回のノリ。日頃読み捨てがちになる各種webページの情報に、能動的にキーワードを付与することによって、後日、容易に再参照できる下地を整える。
おかげで、(それがいいことかヤバいことかは別にして)読み捨てに罪悪感がなくなって滞架が解消しやすくなった/逆に滞架しやすくなった、という。
しかも分類ではなく件名付与なので、どこに入れたらいいかわかんないという迷いがなくてよかった。例えば、”補助タグ”という考え方を導入。その内容的なところにかかわらず、これはレファレンスツールである、これはwebサービスである、これはちょっとしたコツや考え方を書いてくれている情報である、というのに対して、toolとかwebとかtipsとかいう英小文字の単語を付与するということをやってみているよ。あえて小文字でちんまく付与することで、目立ちはしないが機能はするという”感触”を。
そう思いながら他の人のタグを見ていると、「あとで読む」などのステータス(処理状態)に関するタグ、「これはすごい」などの評価値などが駆使されていて、なるほどおもしろいなあ、と思う。註:ニコ動ほどではない(笑)。
そして何より、タグ付与のしやすさ・・・インタフェースの心地よさといったら尋常じゃなかった。人気の出るサービスというのはこういうところがちがうんだなあ、と思った。欲しいときに、欲しい情報やボタンが出て、その動作が実にスムーズで、我が業界の不甲斐なさをまざまざと見せつけられた気がして泣けた。堪えきれずに泣けた。タグが自分の思う順番に並んでくれないという悩みがちっぽけに思えた。
などと調子に乗って使っていたら、ある日ある時、はてなさんから大量のメールが同時期に届くので、なになになに、何か悪いことしたのあたし、ごめんなさいごめんなさい、と震えていると、誰々さんがあなたのことを見ています、みたいなサイコホラーなメールが来てて、どうしよう、手前勝手にブックマークしてたらいいだけのツールかと思ってたのに、もしかしたら”あの”ツイッターのように他人様とつながりメッセージを送り合うためのコミュニケーションツールだったのかしら、ごめんなさいごめんなさい、と軽くパニックに陥ったので、こういうときにいつも頼りになる同僚の人に相談したら、これはこういうはたらきをする機能なだけで、別に個別に返事とかしなくても大丈夫なんだよ、ということを優しく、生来鎖国体質の江上に優しく教えてくださって、あまつさえ、このIDは誰それ、このIDは誰それだよ、ということまで教えてくれて、なあんだ、あんたらかよ、びっくりさせないでよ、と胸をなで下ろすという。
そんな、またもしょっぱいエピソードを乗り越えながらも、使い続けるうちになんとなく、手に馴れてくる感じになってくれたらいいな、という約10日目。このツールの出現のせいで、自分の勉強のための情報収集の枠組みがドラスティックに変えられつつあるよ。たいへんだこりゃ。
何にしても、インタフェースが使いやすいだけでなく、スムーズに動いてくれるので、馴れやすいのお。おかげで、長年意固地に使い続けてきたIEをあっさり捨てて、Firefoxにいとも簡単に乗り換えたという。(註:乗り換えたのははてなブックマークさんが動機なだけでなく、かたつむりさんのblogがうちのIEでちゃんと表示してくれなくなったためでもある)
教訓:使いやすいは、正義だ。
2009年06月25日
機械自動生成論文が査読を通ったら、ほんとにダメなのか、を考える。
最近話題のおもしろかった話から。
機械生成した意味をなさない論文を受理したオープンアクセス雑誌。目的は掲載料収入? -- かたつむりは電子図書館の夢をみるか
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20090613/1244915185
わざと投稿された無意味な論文を受理してしまったOA誌の編集長辞任 -- CA-R
http://current.ndl.go.jp/node/13264
おもろくはあったが、なんかしら違和感を感じるなあ、なんだろうなあこの違和感の正体は。と思っておったのですよ。
わかった。
それ、ほんとに意味をなさない論文だったんだろうか、と。
いや、たぶんその論文そのものは意図的に意味をなさないものを送るという企画(企画て(笑))だったんだろうからあれなんだけど、じゃあ、↓こう。
機械で自動生成した論文が、査読通ってもいいくらいに意味をなすレベルになる、ていう未来予想図がそろそろ現実味としてどうなんだろう、ていう。
例えばあるトピック、あるキーワードを設定しさえすれば。その研究内容にとって重要であろう過去の論文を、電子的フルテキストなり抄録なりソーシャルタグなりからヒットさして、インパクトファクターなり被引用数なりダウンロード数なりから計算して、これは必須だね、というのを集める。もちろんジャーナルからだけでなく、モノグラフからも、NetLibraryなりGoogleBookなり。大学や各種研究機関や官公庁などがオープンにしてるファクトデータも、適宜収集する。
で、集まった文献・資料から自動的に数値なり情報なりを抜き出す、GoogleSquaredみたいなことや、名前なんだっけ、ウォルフガングがどうとかいう新しい検索エンジンみたいなことができるなら、文章中の数字を抜き出したり、キーワードの配置を分析してどの文章が重要かを類推したりとかもできるんでしょう。それで複数の文献から、要めになる情報を集めて、それらを掛け合わせて”新しい要め情報”を作る。昔、工学部のとある先生が「最近の論文は、既にある論文いくつかからデータをひっぱってきて、掛け合わせて、出た結果を発表するだけのつまらんものばっかじゃよ」とおっしゃってたので、逆にまあその程度のでいいってゆうんであれば、機械さんにも作れるでしょうよね。もしくは、計算上でシミュレーションをするというタイプの研究を行なう。あの、ネットワークでつながったパソコンのちょっとづつの力を借りてばーって計算するやつ、をなんてゆったか忘れたけど、あんな感じでも可。
そうやってそれなりに自動でできあがった(”発生した”だな)結果を、人間が見てわかりやすい表だの図だのグラフだのに成形する、これはすんなりできますよね。あと文章は、そりゃもう数々の研究論文を全文スキャンして読み込んでおられるGoogleさんのようなところなら、定型文の成形なんかあっというまでしょうし、定型外の文章だって、読みこんでる文献の量とその評価付け・内容分析がちゃんとできてれば、そして、すでに機械さんがお持ちのたくさんの辞書・用語集・シソーラス、あとコーパスっていうの?ああいうのを掛け合わせれば、不可能な話とも思えない。もちろん、機械が自動生成した文章なんて人間様の読みやすさからはかけはなれてるでしょうけど、今度はそうだな、GoogleDocsのようにweb上で文書を作成するサービスの裏で、生身の人間様がどういう文章をどういうふうに校正してったか、という記録をこっそりデータとして蓄積していけば、それをまた計算で分析して、不自然な文章を自動的に校正する、ていうのもできうる。あ、それよりもGoogleさんがこないだTranslationのツールみたいなの発表しはったじゃないですか、あれって、「外国語の文章」→「それを機械翻訳した母国語の文章」→「それを人間様が手動で校正」ていう機能なんだったら、その後半部分「機械が生成した文章」→「人間様が校正」のところのデータをたくさん蓄積していけば、どんな言語であれ、不自然な機械生成文章を自動的に校正するためのデータベースになるですよね。あとは、定型的なアウトラインにして、レイアウトにして、できあがり。できあがったのを人間様が手動で校正すれば、その校正記録もまた次の自動校正に寄与できる、という仕組み。
それらしい文献を選んで、それらしい情報を抜き出して、それらしく計算して、それらしく出力して、それらしく成形した結果の、それらしい論文。あとはその”それらしさ”を数値としていかに上げてくかというだけの問題。
人間様がやることといえば、最初のキーワード設定・・・て、そうか、これも別に人間がゼロからやんなくたっていいんだ。ご指定の研究分野でいまホットなキーワードはこれですよ、だけではなくて、急上昇中のはこれ、近々上昇しそうなのはこれ、まだ手薄な穴場はこれ。研究者情報データベースと組み合わせれば、大御所の先生が成果発表してるから避けた方がいいっていうのはこれ、あなたが属するコミュニティから総スカンくらいそうなキーワードは・・・・・・。
いやあ、いいじゃないっすかこれ。
人間様が手を下すことなく、研究成果が出力できますよ。数クリックで。
みなさんが大好きな「それらしい程度のものなら、デジタルでじゅうぶん」状態ですよ。
研究者のみなさん、やることがどんどんなくなってきますね。
紙の本がなくなったら図書館は、とかゆってる場合じゃないですね。わはは。
まあ国文学でゆったら、文献渉猟なり索引作成なりがひとつの大きな研究成果だったような時代が、もはや業界コントのようにしか聞こえない時代にすでになっちゃった、ていうのの、まあ拡大版ていうことなんですけども。
で、それを通すほどの”査読の質”というものについてはどうなんだ、という問題が一方であると思うんだけど、それはまた別の話。
機械生成した意味をなさない論文を受理したオープンアクセス雑誌。目的は掲載料収入? -- かたつむりは電子図書館の夢をみるか
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20090613/1244915185
わざと投稿された無意味な論文を受理してしまったOA誌の編集長辞任 -- CA-R
http://current.ndl.go.jp/node/13264
おもろくはあったが、なんかしら違和感を感じるなあ、なんだろうなあこの違和感の正体は。と思っておったのですよ。
わかった。
それ、ほんとに意味をなさない論文だったんだろうか、と。
いや、たぶんその論文そのものは意図的に意味をなさないものを送るという企画(企画て(笑))だったんだろうからあれなんだけど、じゃあ、↓こう。
機械で自動生成した論文が、査読通ってもいいくらいに意味をなすレベルになる、ていう未来予想図がそろそろ現実味としてどうなんだろう、ていう。
例えばあるトピック、あるキーワードを設定しさえすれば。その研究内容にとって重要であろう過去の論文を、電子的フルテキストなり抄録なりソーシャルタグなりからヒットさして、インパクトファクターなり被引用数なりダウンロード数なりから計算して、これは必須だね、というのを集める。もちろんジャーナルからだけでなく、モノグラフからも、NetLibraryなりGoogleBookなり。大学や各種研究機関や官公庁などがオープンにしてるファクトデータも、適宜収集する。
で、集まった文献・資料から自動的に数値なり情報なりを抜き出す、GoogleSquaredみたいなことや、名前なんだっけ、ウォルフガングがどうとかいう新しい検索エンジンみたいなことができるなら、文章中の数字を抜き出したり、キーワードの配置を分析してどの文章が重要かを類推したりとかもできるんでしょう。それで複数の文献から、要めになる情報を集めて、それらを掛け合わせて”新しい要め情報”を作る。昔、工学部のとある先生が「最近の論文は、既にある論文いくつかからデータをひっぱってきて、掛け合わせて、出た結果を発表するだけのつまらんものばっかじゃよ」とおっしゃってたので、逆にまあその程度のでいいってゆうんであれば、機械さんにも作れるでしょうよね。もしくは、計算上でシミュレーションをするというタイプの研究を行なう。あの、ネットワークでつながったパソコンのちょっとづつの力を借りてばーって計算するやつ、をなんてゆったか忘れたけど、あんな感じでも可。
そうやってそれなりに自動でできあがった(”発生した”だな)結果を、人間が見てわかりやすい表だの図だのグラフだのに成形する、これはすんなりできますよね。あと文章は、そりゃもう数々の研究論文を全文スキャンして読み込んでおられるGoogleさんのようなところなら、定型文の成形なんかあっというまでしょうし、定型外の文章だって、読みこんでる文献の量とその評価付け・内容分析がちゃんとできてれば、そして、すでに機械さんがお持ちのたくさんの辞書・用語集・シソーラス、あとコーパスっていうの?ああいうのを掛け合わせれば、不可能な話とも思えない。もちろん、機械が自動生成した文章なんて人間様の読みやすさからはかけはなれてるでしょうけど、今度はそうだな、GoogleDocsのようにweb上で文書を作成するサービスの裏で、生身の人間様がどういう文章をどういうふうに校正してったか、という記録をこっそりデータとして蓄積していけば、それをまた計算で分析して、不自然な文章を自動的に校正する、ていうのもできうる。あ、それよりもGoogleさんがこないだTranslationのツールみたいなの発表しはったじゃないですか、あれって、「外国語の文章」→「それを機械翻訳した母国語の文章」→「それを人間様が手動で校正」ていう機能なんだったら、その後半部分「機械が生成した文章」→「人間様が校正」のところのデータをたくさん蓄積していけば、どんな言語であれ、不自然な機械生成文章を自動的に校正するためのデータベースになるですよね。あとは、定型的なアウトラインにして、レイアウトにして、できあがり。できあがったのを人間様が手動で校正すれば、その校正記録もまた次の自動校正に寄与できる、という仕組み。
それらしい文献を選んで、それらしい情報を抜き出して、それらしく計算して、それらしく出力して、それらしく成形した結果の、それらしい論文。あとはその”それらしさ”を数値としていかに上げてくかというだけの問題。
人間様がやることといえば、最初のキーワード設定・・・て、そうか、これも別に人間がゼロからやんなくたっていいんだ。ご指定の研究分野でいまホットなキーワードはこれですよ、だけではなくて、急上昇中のはこれ、近々上昇しそうなのはこれ、まだ手薄な穴場はこれ。研究者情報データベースと組み合わせれば、大御所の先生が成果発表してるから避けた方がいいっていうのはこれ、あなたが属するコミュニティから総スカンくらいそうなキーワードは・・・・・・。
いやあ、いいじゃないっすかこれ。
人間様が手を下すことなく、研究成果が出力できますよ。数クリックで。
みなさんが大好きな「それらしい程度のものなら、デジタルでじゅうぶん」状態ですよ。
研究者のみなさん、やることがどんどんなくなってきますね。
紙の本がなくなったら図書館は、とかゆってる場合じゃないですね。わはは。
まあ国文学でゆったら、文献渉猟なり索引作成なりがひとつの大きな研究成果だったような時代が、もはや業界コントのようにしか聞こえない時代にすでになっちゃった、ていうのの、まあ拡大版ていうことなんですけども。
で、それを通すほどの”査読の質”というものについてはどうなんだ、という問題が一方であると思うんだけど、それはまた別の話。
2009年06月21日
「地デジカ」というネーミングの最大の失敗点
あれ、みなさんちゃんと「地デジカ」て読めてるんだろうか。
何回見ても「地デジ”りょく”」て読んでしまうんですけど。
て、いまぐぐったら、やっぱみんなそう読んでる(笑)。
何回見ても「地デジ”りょく”」て読んでしまうんですけど。
て、いまぐぐったら、やっぱみんなそう読んでる(笑)。
ちょっとよくわかんない→アジア留日経験研究者データベース(JARC-Net)
下記のデータベースサービスなんだけども、意図するところがちょっとよくわからないので、メモして様子を見ることにしようと思うたです。
-----------------------------------------------------
アジア留日経験研究者データベース(JARC-Net)
http://www.jsps.go.jp/j-astrategy/11_jarc-net.html
by 日本学術振興会
概要
アジア留日経験研究者データベース(英語名称:Japan-Asia Research Community Network、略称:JARC-Net)は、日本への留学・滞在研究の経験を持つアジアの研究者やアジアとの研究協力に関心を持つ日本人研究者等の情報を集めたデータベースです。JARC-Netは、アジアの同僚とのネットワークの維持や新たな共同研究のパートナーの発見の機会を提供することで、日本とアジアとの長年の研究交流により培われた人的ネットワークの維持と強化に貢献すること目的としています。
対象
日本での留学・滞在研究の経験のあるアジア人研究者
日本との研究協力に関心があるアジア人研究者
アジアとの研究協力に関心がある日本人研究者
この他にも、大学院生、大学・研究機関職員、政策担当者等などアジアとの研究協力に関心をもつ方々の登録を歓迎します。
登録情報
基本情報:氏名、所属・連絡先、専門分野、研究内容等
履歴・業績等:学歴・職歴、主たる研究業績や特許情報等
日本との関係:日本への留学・滞在経験、日本との共同研究の経験など
利用に際してはIDとパスワードが求められます。
JARC-Netは情報登録をした方のみが利用可能です。
-----------------------------------------------------
どんなデータベースなんだろう、どんな人の情報があるんだろう、と思って、中身をちら見しようと思うんだけど、できない。
登録せよ、とおっしゃる。
その登録も、こういうのによくある「まあメアドとかだけ入力してもらったらそれでいいから」ていう簡単なやつじゃなくて、「情報提供者として、自分のプロフィールをがっつり入力せよ」というフォームの感じになってる。
それをしないと、中身拝見できない、という。
どんなデータベースで、どんな人に見られることになるのかわからないところに、自分の名前とかだけでも登録するのって、だいぶ抵抗あるような気がするんだけど、どうなんだろうか。ていうのがひとつ。
あと、じゃあ江上みたいに、とりあえず中身ちら見したいんだけど、というようなことを思う人が、次々にがっつりとプロフィール登録していったら、そのデータベースはだいぶノイズの多い感じになっちゃうんじゃなかろうか、いや、とりあえずの人をノイズ扱いするとはけしからん、的なのはまあおっしゃるとおりなんだけども。
というような自分の理解がぜんぜん的外れなのかもしんないので、とりあえずメモ&引き続き気にかけておく感じで。
ARG@仙台、LIFO@東京、そして和古書@天理の3元中継(個人的に)の、天理のパート
天理大学にて行なわれた、「知識共有のための古典籍デジタルアーカイブ」のシンポジウムを拝聴しに行ってきたのですよ。
で、ふつーに聴くつもりだったんだけども、どうやらこの日2009/6/20は、仙台にて新しい時代の図書館研究会&ARGカフェ第4回が、東京にてLIFO第5回定例会が同時開催中。しかも、どちらもその模様をTwitterでライブ発信なさる!(http://twitter.com/arg_cafe、http://twitter.com/lifoclub)と聞きつけた我が輩、これはおもろそうだとばかりに、天理のシンポジウム会場にラップトップを持ち込んで、自分アカウントのTwitterさんを使いつつ、ARG@仙台、LIFO@東京、和古書@天理の一人3元生中継イベントとしゃれこんだのでしたよ。
・・・・・・脳がついていけぬ。orz
もはや、誰が何の話をしてるんだか、追えるはずもなかった(笑)。
それに、かたつむりさんよろしく本シンポのレポートでもメモしたろうかしらん、とお気楽に思ってたけども、そんな集中力も理解力も筆記力もない自分に幻滅するだけで終わるという結果に。てか、バッテリー持たんし。
すごいなあ、かたつむりさんは。いつもどんなふうにしてはんねやろう。若いっていいね。
-----------------------------------------------------
知識共有のための古典籍デジタルアーカイブ
−学術情報としての和古書メタデータの基盤整備に向けて−
http://www.tenri-u.ac.jp/calendar/20090620wakosho.html
講演「歴史知識学のためのデジタルアーカイブ」
石川 徹也 氏(東京大学史料編纂所前近代日本史情報国際センター教授・筑波大学名誉教授)
講演「国立国会図書館におけるデジタルアーカイブ:現状と課題」
大場 利康 氏(国立国会図書館関西館図書館協力課長)
第2部 (15:45 – 17:00)
パネルディスカッション
「情報共有としての古典籍デジタルアーカイブ:メタデータとしてのイメージデータ」
石川 徹也氏(東京大学史料編纂所教授・筑波大学名誉教授)
宮澤 彰 氏(国立情報学研究所情報社会相関研究系教授)
大場 利康氏(国立国会図書館関西館図書館協力課長)
岡嶌 偉久子氏(天理図書館稀書目録編纂室長)
山中 秀夫氏(天理大学総合教育研究センター准教授)
-----------------------------------------------------
で、そもそものところをちょっと解説すると。
天理大学では2年前から今年まで3年間、この時期、1週間の「天理古典籍ワークショップ」というのを行なっておられる、これは、アメリカ(NCC)やヨーロッパ(EAJRS)やの海外の日本研究分野のライブラリアンなり研究者なり、総勢15名くらい?が来日なさって、和の古典籍資料の整理・取り扱い・基礎知識的なことをレクチャーなさる、という、まあこの上なく垂涎ものの企画があって、それはまあ脱線しつつ言うと、海外にまだまだ未整理で眠ってる和の古典籍が山とあるのを、日本から専門家が書誌調査に来るのを待つだけでなく、なんとかその存在をオープンに共有さそう、ていうのの端緒で、そういう意味での”和古書メタデータの基盤整備”ということだと理解していますけども若干ちがってたらごめんなさい。それで、その企画の毎年最終日に、仕上げ的な意味でこういうシンポジウムをやっておられるのですよ。
↓その第1回。(註:江上はその頃とあるのっぴきならない理由で日本にいなかった)
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015664371
「天理古典籍ワークショップ」及び公開シンポジウム「本の道」について(概報) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (128), 103-99 ,2007/10
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016090904
「天理古典籍ワークショップ」及び公開シンポジウム「本の道」について(報告) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (129), 141-128 ,2008/5
↓その第2回。(註:江上はとあるなまらつまらん理由で休日出勤)
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016308553
「天理古典籍ワークショップ2008」及び公開シンポジウムについて(報告) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (130), 126-114 ,2008/10
(・・・やばい、無精してまだ読んでないことが判明。はよ入手せねば)
以下、個人的に印象深かったところのメモ。
(#は江上。でも、地の文にも江上の解釈が入ってそうな気がするよ)
-----------------------------------------------------
歴史知識学のためのデジタル・アーカイブ
石川徹也
(東京大学 史料編纂所 前近代日本史情報国際センター・教授)
-----------------------------------------------------
・”どのように”共有する?
世界標準
←日本はどの分野でも”世界標準”への対応が鈍い
・”誰が”行なう?
コンソーシアムを組織する
←”個人所蔵者”の存在が重要だからそれに対応さすために
(#これはおっしゃるとおり)
・共有っつったって、近世史の先生は古代の文書読めない、とかいうような世界でそれすんの、並大抵のじゃないよ、ていう。
・歴史文書を、図書館目録の整理のノリでメタデータ作られても、駄目なんだよ!、という。
・では、史料編纂所では何をやっているか?
公文書/手紙/日記に分ける
公文書→翻刻編纂→「大日本史料」→出版
手紙→翻刻編纂→古文書→出版
日記→翻刻編纂→古記録→出版
・写真帳の作成もやっていたんだけども、マイクロフィルムからの焼き付けに使う印画紙が業界全体で生産中止になったので、写真帳の作成自体やめることになった。マイクロフィルム作成もやめていく予定。
・Viewerについて
裏書きをどう見せるか?
古文書を採訪に行く先生は、手鏡を持って行く。これは、裏返せない/自分で手を触れてはいけない史料の、裏書きの文字を読むため。
→古文書のViewerには反転機能が必要。
・この共有化のデジタル化を推進するための、編纂工程の見直しとシステム化
-原史料のデジタル撮影後、作成したメタデータ・影写データは即データベースとして提供
-データベースの提供は、NIIとかジャパンナレッジとかいろんなポータルの場で
・まとめ
人文社会系では、史料情報(一次資料)だけを提供したって"共有"にはならない。だってその資料への理解という行為は結局は個人のものであり、多様になってしまうから。理解を共有しないと。(#という主旨だったと思う)
・おまけ。編纂所へは、NHKとかから毎日のように画像利用許可依頼があるらしいです。外部の人の画像等利用依頼に対して、編纂所では、有償化に向けて具体的に動いているとのこと。海外の仲介業者を間に入れて。(#BLさんが使ってるところ?? 要確認)
-----------------------------------------------------
国立国会図書館におけるデジタルアーカイブ:現状と課題
大場利康(NDL)
-----------------------------------------------------
・資料のデジタル化予算が126億円
←→過去10年間は、毎年1.数億円
・90万冊(和図書75万冊)をデジタル化する
和書古典籍10万冊は来年度中で終わる
・近デジの紹介
近デジのインタフェースは今年度中にどうにかなる、と、いいな。(#と聞こえた)
明治大正で26万冊あるうち、15万冊は終了。
著作権処理の手間暇は半端でない。(但し、外注)
今回の大規模予算でのそれはどうなるのか。
・PORTAの紹介
7/7リニューアル予定
1つ1つ交渉しては加入してもらっている状態
・つい最近までは、フィルム撮影してからデジタル化した方が安かった(撮影者のスキル的に)。いまは、直接デジタルカメラ撮影の方が安い。
・はたしてメタデータの検索で古典籍に必要な二次情報の提供は満足するのか? それよりは、浮世絵の似たもの検索とかのほうがよくないか?(#というような感じだったと思う)
・HCP : Humanities CyberPlatform
デジタルで資料を共有し、複数の研究者が協同でそれを”読む”というシステム
・GoogleWave
コラボレーション基盤技術
→これが、デジタル化された書籍資料を使ってできるようになれば。
↓
共有された研究のプロセスと成果がさらに検索に反映されるように
人文学研究のあり方そのものへの影響
(#↑これは大場さんが言わはったのか自分がそう考えたのかわかんなくなった。まあこの報告全体的にそんな感じだとご容赦ください。)
-----------------------------------------------------
パネルディスカッション
-----------------------------------------------------
敬称略。
石川:古典籍・古文書は、絵画とかとちがって、画像を公開したところで、それがなんなのかが一般の人にわかんなければ、意味ない。解題なりなんなりそういうのがないと。
宮澤:解題なりメタデータなりの個々でまちまちなのが。標準に近づけないか。
大場:統合検索で連携させてくれと言ったら、検索しに来るのはいいけども、メタデータをそっくり取り込まれるのは駄目、というようなことを言われたりするので、解決がなかなかむつかしい。
岡嶌:史料編纂所のDBの中にあるとある文献のとある箇所がネットで見れると人に教わったんだけども、PCの操作に慣れてないので、DBの奥の奥にあるその画像に、自力ではたどりつけなかった。PORTA的なのならいける?
石川:資料は分散して所蔵されてるんだから、電子化のお金も、NDLに集中するんでなくて、分散させてくれないと。 (#これはおっしゃるとおり)
石川:いままでゆったことは全部、資料が読める・扱えるような人材がいてこその話。編纂所にはそういう人材(データ作成=研究)が山ほどいるからできてる、ていう問題でもある。その人材というのはオーバードクター。
宮澤:
図書館目録の考え方は限界。デジタルはあり方がちがう。それは、和書古典籍の目録を図書館の目録規則でとろうとして衝突してしまう、というのも要はいっしょ。
図書館屋はどうしても”目録規則”的なものがあるべきだと考えがち。でも今後は、規則はどうでも良いから、形式はもういいから、とにかく書くべきことさえ書いておけば、たどりつきたい人がたどりつきたいところにたどりつく、という有り様が構築されるべきだし、そうなっていくだろう。そうなったらメタデータそのものの作成は、そのときそのときで作りやすいやり方で作ってったらいい。あとは、そのまちまちなメタデータをどううまいこと活用できるような賢いシステムを、どう作るか。
(#さすがは宮澤先生です。もう全面同意です。m(_ _)m )
石川:人間文化研究機構(日文研、国文研、民博・・・等です)内の100以上あるデータベースを横断検索する事業があるけども、そこに、編纂所のも収録しませんか、という協議をいまやってる。いずれにしろそういうのは、1機関でってのは無理すぎるので。
大場:PORTAとその人間文化研究機構の連携も協議中。
・最後は人間賛歌。コンソーシアムを組む人間関係。資料を読む人材。データを構築する人材育成。人間、という結論。
-----------------------------------------------------
派手さや刺激に満ちたという話が出たかというとそうではないけども、ひとつひとつまっとうな話をされてる、という感じでしたので、聴いててとても心地よかったのですよ。うん、そうやってがんばってこうよ、ていう暖かい気持ちを抱く感じ。その空気でいいかどうか、は別としてですが。
で、ふつーに聴くつもりだったんだけども、どうやらこの日2009/6/20は、仙台にて新しい時代の図書館研究会&ARGカフェ第4回が、東京にてLIFO第5回定例会が同時開催中。しかも、どちらもその模様をTwitterでライブ発信なさる!(http://twitter.com/arg_cafe、http://twitter.com/lifoclub)と聞きつけた我が輩、これはおもろそうだとばかりに、天理のシンポジウム会場にラップトップを持ち込んで、自分アカウントのTwitterさんを使いつつ、ARG@仙台、LIFO@東京、和古書@天理の一人3元生中継イベントとしゃれこんだのでしたよ。
・・・・・・脳がついていけぬ。orz
もはや、誰が何の話をしてるんだか、追えるはずもなかった(笑)。
それに、かたつむりさんよろしく本シンポのレポートでもメモしたろうかしらん、とお気楽に思ってたけども、そんな集中力も理解力も筆記力もない自分に幻滅するだけで終わるという結果に。てか、バッテリー持たんし。
すごいなあ、かたつむりさんは。いつもどんなふうにしてはんねやろう。若いっていいね。
-----------------------------------------------------
知識共有のための古典籍デジタルアーカイブ
−学術情報としての和古書メタデータの基盤整備に向けて−
http://www.tenri-u.ac.jp/calendar/20090620wakosho.html
講演「歴史知識学のためのデジタルアーカイブ」
石川 徹也 氏(東京大学史料編纂所前近代日本史情報国際センター教授・筑波大学名誉教授)
講演「国立国会図書館におけるデジタルアーカイブ:現状と課題」
大場 利康 氏(国立国会図書館関西館図書館協力課長)
第2部 (15:45 – 17:00)
パネルディスカッション
「情報共有としての古典籍デジタルアーカイブ:メタデータとしてのイメージデータ」
石川 徹也氏(東京大学史料編纂所教授・筑波大学名誉教授)
宮澤 彰 氏(国立情報学研究所情報社会相関研究系教授)
大場 利康氏(国立国会図書館関西館図書館協力課長)
岡嶌 偉久子氏(天理図書館稀書目録編纂室長)
山中 秀夫氏(天理大学総合教育研究センター准教授)
-----------------------------------------------------
で、そもそものところをちょっと解説すると。
天理大学では2年前から今年まで3年間、この時期、1週間の「天理古典籍ワークショップ」というのを行なっておられる、これは、アメリカ(NCC)やヨーロッパ(EAJRS)やの海外の日本研究分野のライブラリアンなり研究者なり、総勢15名くらい?が来日なさって、和の古典籍資料の整理・取り扱い・基礎知識的なことをレクチャーなさる、という、まあこの上なく垂涎ものの企画があって、それはまあ脱線しつつ言うと、海外にまだまだ未整理で眠ってる和の古典籍が山とあるのを、日本から専門家が書誌調査に来るのを待つだけでなく、なんとかその存在をオープンに共有さそう、ていうのの端緒で、そういう意味での”和古書メタデータの基盤整備”ということだと理解していますけども若干ちがってたらごめんなさい。それで、その企画の毎年最終日に、仕上げ的な意味でこういうシンポジウムをやっておられるのですよ。
↓その第1回。(註:江上はその頃とあるのっぴきならない理由で日本にいなかった)
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015664371
「天理古典籍ワークショップ」及び公開シンポジウム「本の道」について(概報) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (128), 103-99 ,2007/10
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016090904
「天理古典籍ワークショップ」及び公開シンポジウム「本の道」について(報告) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (129), 141-128 ,2008/5
↓その第2回。(註:江上はとあるなまらつまらん理由で休日出勤)
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016308553
「天理古典籍ワークショップ2008」及び公開シンポジウムについて(報告) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (130), 126-114 ,2008/10
(・・・やばい、無精してまだ読んでないことが判明。はよ入手せねば)
以下、個人的に印象深かったところのメモ。
(#は江上。でも、地の文にも江上の解釈が入ってそうな気がするよ)
-----------------------------------------------------
歴史知識学のためのデジタル・アーカイブ
石川徹也
(東京大学 史料編纂所 前近代日本史情報国際センター・教授)
-----------------------------------------------------
・”どのように”共有する?
世界標準
←日本はどの分野でも”世界標準”への対応が鈍い
・”誰が”行なう?
コンソーシアムを組織する
←”個人所蔵者”の存在が重要だからそれに対応さすために
(#これはおっしゃるとおり)
・共有っつったって、近世史の先生は古代の文書読めない、とかいうような世界でそれすんの、並大抵のじゃないよ、ていう。
・歴史文書を、図書館目録の整理のノリでメタデータ作られても、駄目なんだよ!、という。
・では、史料編纂所では何をやっているか?
公文書/手紙/日記に分ける
公文書→翻刻編纂→「大日本史料」→出版
手紙→翻刻編纂→古文書→出版
日記→翻刻編纂→古記録→出版
・写真帳の作成もやっていたんだけども、マイクロフィルムからの焼き付けに使う印画紙が業界全体で生産中止になったので、写真帳の作成自体やめることになった。マイクロフィルム作成もやめていく予定。
・Viewerについて
裏書きをどう見せるか?
古文書を採訪に行く先生は、手鏡を持って行く。これは、裏返せない/自分で手を触れてはいけない史料の、裏書きの文字を読むため。
→古文書のViewerには反転機能が必要。
・この共有化のデジタル化を推進するための、編纂工程の見直しとシステム化
-原史料のデジタル撮影後、作成したメタデータ・影写データは即データベースとして提供
-データベースの提供は、NIIとかジャパンナレッジとかいろんなポータルの場で
・まとめ
人文社会系では、史料情報(一次資料)だけを提供したって"共有"にはならない。だってその資料への理解という行為は結局は個人のものであり、多様になってしまうから。理解を共有しないと。(#という主旨だったと思う)
・おまけ。編纂所へは、NHKとかから毎日のように画像利用許可依頼があるらしいです。外部の人の画像等利用依頼に対して、編纂所では、有償化に向けて具体的に動いているとのこと。海外の仲介業者を間に入れて。(#BLさんが使ってるところ?? 要確認)
-----------------------------------------------------
国立国会図書館におけるデジタルアーカイブ:現状と課題
大場利康(NDL)
-----------------------------------------------------
・資料のデジタル化予算が126億円
←→過去10年間は、毎年1.数億円
・90万冊(和図書75万冊)をデジタル化する
和書古典籍10万冊は来年度中で終わる
・近デジの紹介
近デジのインタフェースは今年度中にどうにかなる、と、いいな。(#と聞こえた)
明治大正で26万冊あるうち、15万冊は終了。
著作権処理の手間暇は半端でない。(但し、外注)
今回の大規模予算でのそれはどうなるのか。
・PORTAの紹介
7/7リニューアル予定
1つ1つ交渉しては加入してもらっている状態
・つい最近までは、フィルム撮影してからデジタル化した方が安かった(撮影者のスキル的に)。いまは、直接デジタルカメラ撮影の方が安い。
・はたしてメタデータの検索で古典籍に必要な二次情報の提供は満足するのか? それよりは、浮世絵の似たもの検索とかのほうがよくないか?(#というような感じだったと思う)
・HCP : Humanities CyberPlatform
デジタルで資料を共有し、複数の研究者が協同でそれを”読む”というシステム
・GoogleWave
コラボレーション基盤技術
→これが、デジタル化された書籍資料を使ってできるようになれば。
↓
共有された研究のプロセスと成果がさらに検索に反映されるように
人文学研究のあり方そのものへの影響
(#↑これは大場さんが言わはったのか自分がそう考えたのかわかんなくなった。まあこの報告全体的にそんな感じだとご容赦ください。)
-----------------------------------------------------
パネルディスカッション
-----------------------------------------------------
敬称略。
石川:古典籍・古文書は、絵画とかとちがって、画像を公開したところで、それがなんなのかが一般の人にわかんなければ、意味ない。解題なりなんなりそういうのがないと。
宮澤:解題なりメタデータなりの個々でまちまちなのが。標準に近づけないか。
大場:統合検索で連携させてくれと言ったら、検索しに来るのはいいけども、メタデータをそっくり取り込まれるのは駄目、というようなことを言われたりするので、解決がなかなかむつかしい。
岡嶌:史料編纂所のDBの中にあるとある文献のとある箇所がネットで見れると人に教わったんだけども、PCの操作に慣れてないので、DBの奥の奥にあるその画像に、自力ではたどりつけなかった。PORTA的なのならいける?
石川:資料は分散して所蔵されてるんだから、電子化のお金も、NDLに集中するんでなくて、分散させてくれないと。 (#これはおっしゃるとおり)
石川:いままでゆったことは全部、資料が読める・扱えるような人材がいてこその話。編纂所にはそういう人材(データ作成=研究)が山ほどいるからできてる、ていう問題でもある。その人材というのはオーバードクター。
宮澤:
図書館目録の考え方は限界。デジタルはあり方がちがう。それは、和書古典籍の目録を図書館の目録規則でとろうとして衝突してしまう、というのも要はいっしょ。
図書館屋はどうしても”目録規則”的なものがあるべきだと考えがち。でも今後は、規則はどうでも良いから、形式はもういいから、とにかく書くべきことさえ書いておけば、たどりつきたい人がたどりつきたいところにたどりつく、という有り様が構築されるべきだし、そうなっていくだろう。そうなったらメタデータそのものの作成は、そのときそのときで作りやすいやり方で作ってったらいい。あとは、そのまちまちなメタデータをどううまいこと活用できるような賢いシステムを、どう作るか。
(#さすがは宮澤先生です。もう全面同意です。m(_ _)m )
石川:人間文化研究機構(日文研、国文研、民博・・・等です)内の100以上あるデータベースを横断検索する事業があるけども、そこに、編纂所のも収録しませんか、という協議をいまやってる。いずれにしろそういうのは、1機関でってのは無理すぎるので。
大場:PORTAとその人間文化研究機構の連携も協議中。
・最後は人間賛歌。コンソーシアムを組む人間関係。資料を読む人材。データを構築する人材育成。人間、という結論。
-----------------------------------------------------
派手さや刺激に満ちたという話が出たかというとそうではないけども、ひとつひとつまっとうな話をされてる、という感じでしたので、聴いててとても心地よかったのですよ。うん、そうやってがんばってこうよ、ていう暖かい気持ちを抱く感じ。その空気でいいかどうか、は別としてですが。
2009年06月20日
2009年06月18日
図書館員をピクっとさせる10の発言
こんなのが流行ってるらしいじゃないですか。
「オタクをピクっとさせる10の発言」
http://wiredvision.jp/news/200906/2009061721.html
これはおもろいなあっつって、派生ネタも増えてるみたいなんで、さっそくじゃあ、日本の図書館員でこのネタをやったらどんなんかな、おもろいのできるかな、と思って、考えてみたよ。
というわけで、「図書館員をピクっとさせる10の発言」。
・・・・・・・・・。
思い当たることが多すぎて、途中でやめた。
しかも、それをここで言っちゃったらあまりにも自分のリスクが大きすぎて、怖くなってやめた。
貸・・・。
レ・・・。
矢・・・。
専・・・。
指・・・。
紙・・・。
ダメダメダメダメ、絶対言えない。(笑)
1文字が限界。
なんだろう、この業界、無駄にプライドの高い人の集まりなんだろうかな。
2009年06月16日
NHKblogについてのちょっとした解説
ちょっと前から、↓こんなblogを始めてみてますよ。
NHKblog
Nippon's Helpful Knowledge for librarians, scholars and students of Japanese Studies.
http://nhk-blog.blogspot.com/
英語で書くblog。
しんどいったら(笑)。
どういうblogかっていう名告りは「About this blog」(http://nhk-blog.blogspot.com/search/label/About%20this%20blog)のところで一応書いてはいるのですが、なにぶん英語で書いてるもんで、言いたいことの12%も言えてないよ。うん、言える英語だけで言おうとしたので、削りに削ったもの(笑)。というんで、ここでちょっと日本語で書いておく、という試みですよ。
このNHKblogは、海外で日本研究(Japanese Studies)に携わっておられるライブラリアンの人、研究者の人、学生の人たちに向けて、お役に立ちそうな情報を拾って紹介してってみようじゃないか、という。
例えばwebサイト、レファレンスツール、資料、図書館・情報サービス、ソフト、そしてそういった形になってるものだけでなく、”知識”、”情報”、英語で言う”tips”のようなものも随時集めては載せていければ、っていう感じです。
そしてそれらは「日本研究」(しかも海外からの)に特化したものであり、アカデミックな活動(図書館・研究・大学の場で)をしている人たちに向けてのものであり、ということです。
それらを総称して、まあ、手前勝手に「Nippon's Helpful Knowledge」と造語したっていう。うん、NHKって言いたいだけじゃん、ていうね(笑)。
海外の人に向けて、なので、がんばって腰砕けにブロークンな英語で書いているです。もう恥ずかしい、めちゃめちゃ恥ずかしい、こんな恥ずかしいことはない、でもその耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで。
だからblogも、日本語べったりのseesaaさんではなく、英語圏の人なら英語の画面で見れるGoogleのBloggerさんを使ってみた、です。(使い慣れなくて、URLが自動でリンクになってくれないことに長いこと気付かなかったりした。)
で、なんでそんなことやろうってことになったか、ていうのは、さて、話は約1年半前、まだ厳寒のハーバードで縮こまってた頃の、HVUdayに遡るのですよ。
-----------------------------------------------------
NHKへようこそ
2008/01/28
HVUday
http://hvuday.seesaa.net/article/81001948.html
海外で日本のことを勉強している人、日本に興味を持っている人の、お役に立ちたい。
ていうのがここ数年の自分の風向きなんで、そっちに風見鶏の鶏冠を向けながら、そういう人たちと話をしてみると。
こんなことを知らない/わからないのか、こんなことを知ってる/わかってるのか、ということで、いろいろと意外に思うこともたまにあるよ。
例えば、研究目的で短期滞在するにあたっての安宿を探せない、高いところしかない、みたいな人がいたとして、そんなん、ビジネスホテルくらいいくらでもあるだろうに、と思ってたんだけど、ちょっとまて、これはもしかしたら、アメリカ人の感覚から言えば「ビジネス」と名の付くものは「値段が高い」と思ってらっしゃるから、眼中に入れてないということなんだろうか、そのせいで、そんな仰々しい1万も2万もするようなあたりを戸惑っているんだろうか、というふうに思ったことがあるよ。
ネットにいくらでも情報があり、それをまとめてる人もいるだろうけど、現地の言葉のネイティブでなかったら、それを上手に見つけるということも難しいだろうし。Web上にいくら便利なツールがあっても、たいていが日本語でしか存在してないんだったら、それを使うだけならまだしも、たどりつくなり、ぱっと見で評価するなり、ていうときには言葉の壁は存外に高かろう、と。WebCATひとつだってひと苦労だろう、と。それに加えて言葉以前の/以上の、常識感というか、カンどころというか、そういうのを理解するのなんてよっぽどのことがない限り難しいよね、ということを、自分だってこの1年で何度も苦労してきたわけだし。
で、じゃあそれを、図書館で情報の案内をするという仕事をしている自分が、自分なりにでも個人レベルででもいいから、こう、うまいこと案内したり紹介したりというような何かしらが、でけへんだろうかな。
というようなことを、→こちら(http://hvuday.seesaa.net/article/65644157.html)でアメリカ人学生を相手にニコ動の紹介をしてるときに、ぼんやりと考えていたのでしたよ。
↑どんなタイミングでだ(笑)。
そして、この記事のタイトルはなんだ。
-----------------------------------------------------
ああ、なぁんだ。もう全部書いてんじゃん、ここに。
しかも「この記事のタイトルはなんだ」っつって、もうこのころにネーミングだけは成立してたという衝撃の事実が(笑)。
ちなみに、そのさらに源流となった、アメリカの大学で日本研究を専攻する学生さんたちと交流していろいろ教える、という経験をしたときのおおまかな感想を書いた記事が、こちら。
-----------------------------------------------------
近況報告
2007/11/10
HVUday
http://hvuday.seesaa.net/article/65644157.html
ただいま〜。
っつって(笑)。
ボストンから西に、バスで3時間ほど内陸に行った街、Amherstというところに行ってました。
ここは大学が5つ集まってるところで、典型的な大学街ですよ。
そこのメインの大学である、マサチューセッツ州の州立大学・University of Massachusetts Amherstという大学の、図書館の、東アジアコレクションの、知り合いの司書さんのところを見学しに行ってきました。
そして、日本語や日本研究の授業にも、参加してきて、いろいろディスカッション的なことをしてきました。
授業、3つも出させてもらったんですよ(笑)。
ひとつは変体仮名の勉強の授業。ここでは、京大の古典籍のデジタル画像を紹介しながら、こういう資料を読んで、こういうふうに勉強したら、こういうふうに読めるようになるよ、というのをアドバイスしてきました。
ひとつは文献検索の授業。ここでは、基本OCLCのWorldCATを検索するほうが米国内の所蔵がわかって便利なんだけど、やっぱり日本語の文献の検索はNDL-OPACやWebCATがいい、とみなさんおっしゃるので、じゃあ、NDL-OPACやWebCATからWorldCATの同書誌にリンクする機能があればいいんだね、と提案したら喜ばれたよ。
ひとつはMediaJapanという授業。ここでは、インターネット上の情報資源を使って日本語をブラッシュアップする、というようなことをやっておられたので。
まあ、至極当然かのようにニコニコ動画を紹介して帰ってきましたよ。
喜んでもらえたよ。日本語の習得にはテレビドラマが何より最適だ、とおっしゃってたので。
詳しいレポートはまた追って。
ちなみに、mixiを紹介しようとしたら8割方登録済みだったので、すぅっと引いて帰ってきた(笑)。
-----------------------------------------------------
で、まあそういう↑ような、アメリカで日本研究をしてはる学生さんなり、先生なり、ライブラリアンの人たちと多数交流してたと。
そのやりとりの中で、あるいは自分自身の海外生活体験の中で、以下のようなことに気付いた、と。
即ち、いくらオンライン全盛で海外からダイレクトに情報にアクセスできるご時世であるとはゆっても、日本語ネイティブでなかったり、まだまだ初学者であったり、プロでもさらには日本人であっても日本在住でなかったりすると、我々どっぷり日本で同業してる者にしてみればなんてことないツールなり情報なり知見なりというものに、たどりつくなり、ぱっと見で評価するなり、すぅっと使い始めたりということについて、半透明なシールドなり1段2段の障壁のようなものがあったりする。
例えば、学会等で来日するときの、ホテルの探し方やレンタルケータイの借り方にしたってそう。例えば、なんか悩んではるけど、そんなん日本に来たら、コンビニいくらでもあるから心配するようなことちゃうで、というようなこととか。学問対象としての日本に精通していて、日本語もぺらぺらである、からといってじゃあ、何も迷わんとスムーズに動けるかというのとは、まあ当然別の話なものだから。
イタリアの学生さんたちは、何が違うのか知らんが、早稲田大学のOPACは当たり前のように使いこなしてるけど、Webcat?何それ?て顔をしておられた、その偏り感。
日本じゃどんな図書館員でも当然知ってるような定番webサイトなりこの業界用語なりというのの話をしてたら、あちらの日本人ライブラリアンはまったく知らなくて、きょとぉんとされてしまった、とか。
それから、日本での日本文化とか文学研究とはまたちょっとちがった、「海外での、日本研究」という分野に特有の事情みたいのもある。
アメリカのカタロガーの人といっしょに、日本の出版者名のヨミが分かるサイトを一生懸命に探したっていう想い出、これは、あちらではどの日本語記述にもすべてローマ字でヨミを併記せなあかんので、古い時代のマイナーな出版団体の名前が漢字しかわかんなかったら、えらいこっちゃ、になるよ。
あちらでは学生さんはほぼ例外なく電子辞書を持っていて、日本人司書たる江上に対するFAQが「どんな電子辞書がいいですかね?」とかだったりして、えーそんなん大して使わんから知らんですよ、とあたふたしたりしたよ。
あと、そもそも研究や教育のあり方そのものの日米間相違から来る、ニーズのちがい、みたいなのもある。あちらでは講義に使うためにっていうんで図像・映像資料へのリクエストがひっきりなしにある、そのための資料なり図書館サービスなりレファレンスツールなりは、果たして、ていう。
そんなこんなを考えたら、同じくリンク集やレファレンスガイドや情報紹介のようなものを作るとしても。
日本人利用者のためではなく、海外在住の利用者に有用なものとして作る。
日本国内でなく、海外においての研究を前提としたものとして作る。
そしてそれを、日本語ネイティブで日本在住な立場の図書館員が、作る。
というような特化の仕方で、うまいことやっていけないかな、と思うたです。
それがどこまで有意義なものか。どこまで実際お役に立てるか。
うまいこと作れるか。どこまで続けられるか。そもそも見てもらえるのか。
そういういろいろな不安はいつものようにあるけども、まあ、これもいつものように、なんとなくとりあえずやってみて、やりながら考える、という感じで。
週2ネタペースでいくと、1年50週で約100ネタ、くらいならなんとかかたちになれるかな。
ちなみに。
この一連の活動が、「自分のための英語学習」であり、「自分のためのレファレンスツールのキャッチアップ」であったりする、という側面については内緒だよ、ていう。
2009年06月15日
「鎖国」という外交 / ロナルド・トビ、を読んだ。
徳川時代の日本が”鎖国”だったわけじゃない、だけならとうの昔からわかってたことだけども、まさかここまで、という感じでちょっとビビった。
ちょっと管理主義的な外交してただけで、言うほど引きこもってたつもりは幕府さんにもなかったよ、ていう。
で、別にがっつり鎖国って意識はもともとなかったんだけど、後半くらいになってロシアさんが「ねえ、貿易しましょおや」て言うて来はったときに、「かなわんわあ、どう言うて断ろう」ってなって考えたときに、「すんません、うち、もうかなり前々から鎖国的なことやっとるんですわ、せやしちょっと長崎のほうに廻ってもらえませんやろか」、て、松平定信がしれっと嘘ついたんが、”鎖国”の始まりだよ。
と、理解した。正しい理解かどうかはしらん(笑)。
経済的にはだいぶ前から貿易依存(ていうか輸入依存)状態だったのを、それはやばいからっつって、情報収集して、長い年月かけて農業育てて、国内生産力どころか国際競争力あげてったんだよ、ていう話をきいてたら、”鎖国”ってのはどこの濡れ衣だ、と思うよ。
というわけで、日本は鎖国とかしてたとかもう二度と言いません。ありがとうございました。
2009年06月14日
今日の、身も蓋もない読書感想文、シリーズ
「山椒大夫」
細部にリアリティがなく、詰めの甘い感じ。
まあ古典に取材するとそうなりがちだからしゃあないけど。
「高瀬舟」
AパートとBパートとでエピソードが無関係、全体としてブレ気味。
「寒山拾得」
オチてなくない?
「人間失格」
意味不明過ぎ。
たんに「或る阿呆の一生」としか思えん。
これが昭和の名作? ねえよwww
※註:この感想はフィクションです。
2009年06月12日
今日の、clipping! シリーズ
よそさんのblogやwebからのピックアップ。
・・・なるほど、はてなブックマークというシステムはこういうときに使うのかな。
というわけでタグ付けの練習。
-----------------------------------------------------
紙媒体の書籍は無くならないとぐだぐだ述べる
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drfml/msg01114.html
drfMLアーカイブ(日付なし?)
「リポジトリみたいなもん、他にやらせておきゃいいもんを、任せておけなくて、自分らやったら上手に活用してもらえるようにできる思ってやるんでしょうが、それ自己満足で慢心じゃないって、誰が否定できます?」
「お金出す言うてるし、応募せんかったら沽券に関わる、リポジトリってなんやよぉわからんけど、よそさんがやってるから乗遅れたらマズイんとちゃうか、「いや、そんな成り行きで応募したんと違います!」と言い切れる機関はどのぐらいあるのかなぁ」
次回作、まだかな。
タグ:[もっと評価されるべき][無茶しやがって・・・]
-----------------------------------------------------
岡山市2008年度外部監査報告書
「岡山市の事務事業の効率化および収納事務について」
第8章市立図書館
http://www.city.okayama.okayama.jp/soumu/gyoukaku/gaibukansa/index.html
これは学ばざるを得ないよ。
あと、「○○(よそ)とかぶってんじゃん」「○○にまかしときゃいいんじゃん」て言われたら終了、のような事業をメインコンテンツに据えたら、かなしヤバイ、ていう。
参照:
愚智提衡而立治之至也
図書館経営論の教材として使うによく
http://jurosodoh.cocolog-nifty.com/memorandum/2009/06/post-864a.html
タグ:[ぼっこぼこにされてるよ]
-----------------------------------------------------
RSS使って電子ジャーナルを読んでいる人はどれくらいいるのか?
かたつむりは電子図書館の夢をみるか
2009-06-08
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20090608/1244486903
ほお、かたつむりの人はこんな雑誌を読んではんねやな、というリストがおがめる記事。
タグ:[先生、そこじゃないです]
-----------------------------------------------------
・・・なるほど、はてなブックマークというシステムはこういうときに使うのかな。
というわけでタグ付けの練習。
-----------------------------------------------------
紙媒体の書籍は無くならないとぐだぐだ述べる
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drfml/msg01114.html
drfMLアーカイブ(日付なし?)
「リポジトリみたいなもん、他にやらせておきゃいいもんを、任せておけなくて、自分らやったら上手に活用してもらえるようにできる思ってやるんでしょうが、それ自己満足で慢心じゃないって、誰が否定できます?」
「お金出す言うてるし、応募せんかったら沽券に関わる、リポジトリってなんやよぉわからんけど、よそさんがやってるから乗遅れたらマズイんとちゃうか、「いや、そんな成り行きで応募したんと違います!」と言い切れる機関はどのぐらいあるのかなぁ」
次回作、まだかな。
タグ:[もっと評価されるべき][無茶しやがって・・・]
-----------------------------------------------------
岡山市2008年度外部監査報告書
「岡山市の事務事業の効率化および収納事務について」
第8章市立図書館
http://www.city.okayama.okayama.jp/soumu/gyoukaku/gaibukansa/index.html
これは学ばざるを得ないよ。
あと、「○○(よそ)とかぶってんじゃん」「○○にまかしときゃいいんじゃん」て言われたら終了、のような事業をメインコンテンツに据えたら、かなしヤバイ、ていう。
参照:
愚智提衡而立治之至也
図書館経営論の教材として使うによく
http://jurosodoh.cocolog-nifty.com/memorandum/2009/06/post-864a.html
タグ:[ぼっこぼこにされてるよ]
-----------------------------------------------------
RSS使って電子ジャーナルを読んでいる人はどれくらいいるのか?
かたつむりは電子図書館の夢をみるか
2009-06-08
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20090608/1244486903
ほお、かたつむりの人はこんな雑誌を読んではんねやな、というリストがおがめる記事。
タグ:[先生、そこじゃないです]
-----------------------------------------------------
2009年06月11日
いまなにしてる? ついったーとの距離感をはかりかねている
ついったー、解約したはずなのに、あなたをフォローしてますというメールがちょくちょくくる。
なぜだ?
理由判明。
別に解約してなかったから。www
しかし疑問。
朝日がサッカー中継に使ったからって、CA-Rにわざわざ載るような、たいそうなものなの、これ??
なぜだ?
理由判明。
別に解約してなかったから。www
しかし疑問。
朝日がサッカー中継に使ったからって、CA-Rにわざわざ載るような、たいそうなものなの、これ??