2010年10月23日
(メモ)情報組織化研10/23 「中国と韓国における目録をめぐる動向」
情報組織化研究グループ(http://htn.to/F9ix6u)の2010年10月月例研究会、「中国と韓国における目録をめぐる動向」にいってきました。
ごくごく個人的なメモです。自分の印象に残ったこととかだけを自分の解釈で勝手にメモしたものなので、そのあたりご了解ください。
中国と韓国における目録をめぐる動向
日時:
2010年10月23日(土) 14:00〜17:00
会場:
キャンパスポート大阪
発表者 :
高橋菜奈子氏(国立情報学研究所)
小島浩之氏(東京大学経済学研究科資料室)
後日こちらで記録が公開されるはず
月例研究会一覧(情報組織化研究グループ)
http://htn.to/g1prrs
●韓国における目録をめぐる動向(高橋)
・あー、やっぱり動くきっかけはパリ原則なんだねえ。そして、やっぱりAACR2だしISBDなんだねえ、ということ。
・KCR3.1版だけは日本語に翻訳された。学情(当時)が出したよ。
・KCR4「標目はもういらんよ。典拠ファイルでコントロールしたらいいんだよ」「基本標目かどうかなんてどうだっていいんだよ、副出標目のほうが大事なんだよ、要はアクセスポイントがたくさんあればそれでいいじゃん。そのほうがユーザも助かるしカタロガーもあんま考えなくてすむよ」
・それはいいけど、その典拠ファイルのことちゃんと決めずに先にそれ言っちゃったらしい。
・大学図書館で典拠コントロールをしてるのは、いくつかの大規模大学のみ(ソウル、延世、梨花など)。活用されてるという感じではない。
・でも、韓国では日本よりもRDAに対する取り組み・研究が盛んらしい。導入部でも「韓国では司書課程テキストでちゃんとRDAが扱われてる」と司会の人がおっしゃった。
・標目の形式はハングルのみで、漢字じゃないし、外国人の名前は翻字する、らしい。それは第1版からそうなってる。
・質疑応答で、名前表記と典拠コントロールの話。韓国書の著者名表記は、ハングルのみだったり漢字のみだったり併記だったり、場所=情報源によってちがったりで、しかもその割合がほぼ均等である。日本のようにほとんどが漢字+カナ、で済む話ではないんだよ、という問題がある。
・韓国の同姓同名はやっぱかなり多い。漢字がわからなければ区別できない、わかっても同じだったりする、生没年だけでは区別できない、とても標目なんてものではやってけない、だからこその典拠コントロール。で、あちらの著者名典拠ファイルはどうやら小型の”人名辞典”レベルらしい。
●「中国における出版と目録の標準化」(小島)
・中国では、目録規則標準化の以前にまず、出版統制がある。
・1906年「大清印刷物専律」で「情報源を記しなさい」という法律ができました。それが”版権頁”の成立。
・1950年、図書館側から出版業界への要望を出した。内容は、「内容にあった書名をつけてよね」おいw。ほかに、「外国人名に漢字を当てるやり方するのに、どの漢字かっていうの、それちゃんと統一してよ」という要望。
・その後、出版政策が殖産興業計画の一環ととらえられて、1954年に出版するときに記録すべき情報が規定された。
・文化大革命時期、出版も目録の動向もストップ。パリ原則やISBDという世界的流れに乗れてない。
・CIPの導入を法律規則化したのが1990年だけど、中国は余りに広いから、まず北京でそれを根付かせて、それから全国に広めた。それに、10年かかってる。
・中国は計画経済なので、紙の大きさとか量とか字数とか出版部数とかが版権頁に記録される。目録には出てこないけど。
・FRBRを中国語訳すると「書目記録功能需求最終報告」(2008)
・FRBRなりRDAはまだまだ”紹介”の段階らしい。OPACで実験してみました、とか。でも中国って、いったん決めると一気に進んでるし、しかもそれを他国に知られないうちにやっちゃうので、いつどうなるかわからないですよ、という話。
●日本語図書は中国・韓国でどのようにカタロギングされているか?
・@韓国。日本語図書は、西洋書として扱われるか、東洋書と扱われるかでまず判断がわかれる。そして、ハングル翻字をして記述する館と、ローマ字に翻字をする場合と、そのまま日本語記述する場合とが混在している。
・@中国 日本語図書は、おそらくCCRに準拠してるんだろうが、館によってまちまちではないか。
(メモ)京大講演会10/19「iPadが図書館を変える?」云々の記録
2010.10.19、京大図書館で行なわれた講演会、「iPadが図書館を変える? 〜これからの出版,教育,大学図書館〜」をきいてきましたというのの、ごくごく個人的なメモです。自分の印象に残ったこととかだけを自分の解釈で勝手にメモしたものなので、そのあたりご了解ください。
京都大学図書館機構平成22年度第1回講演会 「iPadが図書館を変える? 〜これからの出版,教育,大学図書館〜」
日時 2010年10月19日(火) 13:10〜17:00 (受付開始 12:45)
場所 京都大学附属図書館3階 ライブラリーホール (地図)
講演1:「変貌する電子出版:1985年〜2010年を総括する」
湯浅 俊彦 氏 (夙川学院短期大学 准教授)
講演2:「新時代のモバイル端末による大学教育支援について」
中村 聡史 氏 (京都大学情報学研究科 准教授 / 京都大学情報学研究科付属情報教育推進センター 副センター長)
講演3:「大学図書館からの発信:教育用電子書籍利用実験の紹介」
入江 伸 氏 (慶應義塾大学メディアセンター本部)
案内ページ
http://www3.kulib.kyoto-u.ac.jp/kenshu/archive/101019kouenkai/
当日の配付資料
http://hdl.handle.net/2433/128774
Togetter
http://togetter.com/li/60945
ハッシュタグ
#kulibipad
Ustream
http://www.ustream.tv/channel/kouenkai101019
講演映像は後日京都大学OpenCourseWareで公開される予定
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/
●「変貌する電子出版:1985年〜2010年を総括する」(湯浅 俊彦 氏)
・#レジュメのボリュームに圧倒され、これひとりで3時間くらいしゃべらはるんちゃうかと思ってたけど、すらすらとというよりちゃっちゃと飛ばす感じで、たくさんある要素を口頭で要点をまとめつつ進めるという感じになってて、話をきいててもするすると頭に入ってくるし、それで終わってみれば予定時間が5分ほど余った状態で終わったという、”技”を見たよ。
・Googleブック検索でヒットする日本の本は、おおかたが、米国の図書館でスキャンされたものであって、よく誤解されるんだけど、慶應さんの分じゃないよ。という話。
・今回の”電子書籍元年”がこれまでとちがってマジな件。グーグルのブック検索や、その和解問題によって、デジタル化が全員にとって不可避になった流れ。出版販売額の低下。そして、長尾構想が出版業界の意識変革を迫ったかたちになった(#←、ということを、こういう場でこういう人が言えちゃうくらいには信憑性があるっぽい)
・総務省の書デジ計画?
・どれが電子書籍であるか/ないか、なんて、知るか!という話。
・「電子書籍ビジネス調査報告書2010ケータイPC編」p.25・27の、”電子書籍については必ずどこでも引用される”グラフ。
・電子書籍ビジネス調査報告書2010[新プラットフォーム編] iPad/iPhone、Kindle、Google Editionで激変する出版産業 http://htn.to/443u97
・グーグル・エディションは、デジタル化作業が先にありき、データベースが先にありきで、それに「お金を払ってくれたら全部見せるよ」というモデルを付けた感じ。
・2000年に湯浅さんが「デジタル時代の出版メディア」を出版して、電子書籍の流れを説いたんだけども、なぜかというか残念なことにというか、「うん、これって自然科学/学術出版の話でしょ?」というような文脈でしか理解されなかった。(#←まあ、このころだったら、それでもある程度はしかたなかったような気がする)
・[これがポイント!] 現在の流れは、「電子出版」ではなく、巨大な「出版コンテンツデータベース」へ、なんだということ。
・#電子出版をめぐる各業界の云々をきいてると、なんかこう、これまでなあなあでやってぼやかしてきてたのがあたりまえすぎて、ビジネスライクな話が一切できない状態になっちゃってる、という気がする。
・湯浅「あとでその配付資料読んでおいてください」(#←www)
・Ariadneはもしかしたら大化けしてたのかもしれない、という話
・NDLにまかせてあげりゃいいじゃん、Googleにまかすよりはマシでしょうよ、という話。(#でももしかしたら出版業界の人は、”図書館”や”国”にまかすくらいだったら、Googleさんに喰われるほうがなんぼかマシ、とかいうふうに思ってはるんじゃなかろうか)
・#とはいえ、やっぱり「長尾構想」のグランドデザインは、ぽわあんと惚れる。
・OCLCミハルコの講演が衝撃的だったよ、という話。参考:【イベントレポ】大学図書館と学術出版社の連携:電子学術書利用実験の提案(1) - リブラリウス… http://htn.to/6F7S8R
・[これはマジ] 数だって。数、少なすぎるって>日本の電子書籍
・宣伝:電子出版学入門 改訂2版―出版メディアのデジタル化と紙の本のゆくえ (本の未来を考える=出版メディアパル No. 20): 湯浅 俊彦: 本 http://htn.to/p8WFZ4
●「新時代のモバイル端末による大学教育支援について」(中村 聡史 氏 (京都大学情報学研究科))
・覚え間違い@福井、きたー
・Rerank.jp すごい。と思ってたら、RerankEverythingさらにすごい。(検索結果を自由に閲覧するための再ランキングインタフェース http://htn.to/qQymya)
・#このシステムは、ほんとにその講義をとってる学生さん向けというより、オープンな社会向けじゃなかろうか。ていうか、この講義を見たい・・・ 見れるのかな?
・appstoreに出す予定らしい。
・ただ・・・京大だと、電車バスで通ってる学生はそんないないよね、という話。
・#ていうか、ねえ、なんでみんなipadお風呂で使おうとするの?
●「大学図書館からの発信:教育用電子書籍利用実験の紹介」あらため「これからも「図書館が必要」と思ってもらうための挑戦」(入江 伸(慶應))
・ミハルコ師匠談。「図書館の価値は、蔵書の総数ではなくて、ユニークな資料の数なんだ」 (#これはおっしゃる通り)
・#結局さ、図書館をお役人/事務屋さんがやってる以上、図書館は「あるから、ある」以上の思考をしようとしないんだよね。それはもう通用していかないのにね。
・引用:京大の赤澤久弥氏による「大学出版部と大学図書館」 http://htn.to/pzKstN
・コストの注ぎ先を、紙からe-に移行すべき、という話。
・ISBN以前の日本の書籍がID持ってないのがネックになる、という話。
・日本語の本の電子化の数が圧倒的に少ないのがマジでやばい、という話(2度目)。
・オンラインは便利だけど、ずーっとオンラインのとこにいられるかというとそれはしんどいんだよ、という話。
・書籍を提供するのにある程度のカバレッジ(年代も分野も?)が必要なんだよ、という話 。
・時系列でのロングテールのグラフ。そして、図書館が担うべき&狙うべきは、ビジネスの渦中である新刊範囲や、Google青空が整備するしっぽ側やでなく、大学という場ではまだまだ存外に使われる中腹の部分、という話。
・くだんの実験の件では、自分からあちこちの出版社のところに出向いていって、こうこうこういうのが必要なんだ、こういうことをしたいんだ、と話してまわったとのこと。話をしなきゃだめなんだ。しかも、外へ、と。
・#まあ、あのー、専心するテーマ・分野に違いはあると思うんだけど、こういうふうな話をできる人になりたいなあ、と思う。大きな概念と、具体的な話と、リアルな実行とが、かちりかちりとはまっていく感じ。
・日本は、図書館の伝統が丁寧に築かれてきたアメリカと違って、古い図書館のあり方をあっさり捨てちゃえるんだよね、という話。
●雑感
・こんな講演会を企画&実施できるって、やっぱ、京大さんってすごいなあ。
・大学図書館が、学会や大学出版や中小学術出版に対して、e-bookをほしがってる、ということを、先方が気づいてないのかもしんない。だとしたらやっぱり、外へ向かって、話をしにいく、ていうのはすごく必要ですね。
・懇親会に、講師を迎える側のなんとか長的な役を持ってる人が、ほとんど来てなくて、ひいた。
・二次会にて、そのとき日本の図書館史が動いた。
・ていうか、ミハルコ師匠の講演がききたい。
京都大学図書館機構平成22年度第1回講演会 「iPadが図書館を変える? 〜これからの出版,教育,大学図書館〜」
日時 2010年10月19日(火) 13:10〜17:00 (受付開始 12:45)
場所 京都大学附属図書館3階 ライブラリーホール (地図)
講演1:「変貌する電子出版:1985年〜2010年を総括する」
湯浅 俊彦 氏 (夙川学院短期大学 准教授)
講演2:「新時代のモバイル端末による大学教育支援について」
中村 聡史 氏 (京都大学情報学研究科 准教授 / 京都大学情報学研究科付属情報教育推進センター 副センター長)
講演3:「大学図書館からの発信:教育用電子書籍利用実験の紹介」
入江 伸 氏 (慶應義塾大学メディアセンター本部)
案内ページ
http://www3.kulib.kyoto-u.ac.jp/kenshu/archive/101019kouenkai/
当日の配付資料
http://hdl.handle.net/2433/128774
Togetter
http://togetter.com/li/60945
ハッシュタグ
#kulibipad
Ustream
http://www.ustream.tv/channel/kouenkai101019
講演映像は後日京都大学OpenCourseWareで公開される予定
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/
●「変貌する電子出版:1985年〜2010年を総括する」(湯浅 俊彦 氏)
・#レジュメのボリュームに圧倒され、これひとりで3時間くらいしゃべらはるんちゃうかと思ってたけど、すらすらとというよりちゃっちゃと飛ばす感じで、たくさんある要素を口頭で要点をまとめつつ進めるという感じになってて、話をきいててもするすると頭に入ってくるし、それで終わってみれば予定時間が5分ほど余った状態で終わったという、”技”を見たよ。
・Googleブック検索でヒットする日本の本は、おおかたが、米国の図書館でスキャンされたものであって、よく誤解されるんだけど、慶應さんの分じゃないよ。という話。
・今回の”電子書籍元年”がこれまでとちがってマジな件。グーグルのブック検索や、その和解問題によって、デジタル化が全員にとって不可避になった流れ。出版販売額の低下。そして、長尾構想が出版業界の意識変革を迫ったかたちになった(#←、ということを、こういう場でこういう人が言えちゃうくらいには信憑性があるっぽい)
・総務省の書デジ計画?
・どれが電子書籍であるか/ないか、なんて、知るか!という話。
・「電子書籍ビジネス調査報告書2010ケータイPC編」p.25・27の、”電子書籍については必ずどこでも引用される”グラフ。
・電子書籍ビジネス調査報告書2010[新プラットフォーム編] iPad/iPhone、Kindle、Google Editionで激変する出版産業 http://htn.to/443u97
・グーグル・エディションは、デジタル化作業が先にありき、データベースが先にありきで、それに「お金を払ってくれたら全部見せるよ」というモデルを付けた感じ。
・2000年に湯浅さんが「デジタル時代の出版メディア」を出版して、電子書籍の流れを説いたんだけども、なぜかというか残念なことにというか、「うん、これって自然科学/学術出版の話でしょ?」というような文脈でしか理解されなかった。(#←まあ、このころだったら、それでもある程度はしかたなかったような気がする)
・[これがポイント!] 現在の流れは、「電子出版」ではなく、巨大な「出版コンテンツデータベース」へ、なんだということ。
・#電子出版をめぐる各業界の云々をきいてると、なんかこう、これまでなあなあでやってぼやかしてきてたのがあたりまえすぎて、ビジネスライクな話が一切できない状態になっちゃってる、という気がする。
・湯浅「あとでその配付資料読んでおいてください」(#←www)
・Ariadneはもしかしたら大化けしてたのかもしれない、という話
・NDLにまかせてあげりゃいいじゃん、Googleにまかすよりはマシでしょうよ、という話。(#でももしかしたら出版業界の人は、”図書館”や”国”にまかすくらいだったら、Googleさんに喰われるほうがなんぼかマシ、とかいうふうに思ってはるんじゃなかろうか)
・#とはいえ、やっぱり「長尾構想」のグランドデザインは、ぽわあんと惚れる。
・OCLCミハルコの講演が衝撃的だったよ、という話。参考:【イベントレポ】大学図書館と学術出版社の連携:電子学術書利用実験の提案(1) - リブラリウス… http://htn.to/6F7S8R
・[これはマジ] 数だって。数、少なすぎるって>日本の電子書籍
・宣伝:電子出版学入門 改訂2版―出版メディアのデジタル化と紙の本のゆくえ (本の未来を考える=出版メディアパル No. 20): 湯浅 俊彦: 本 http://htn.to/p8WFZ4
●「新時代のモバイル端末による大学教育支援について」(中村 聡史 氏 (京都大学情報学研究科))
・覚え間違い@福井、きたー
・Rerank.jp すごい。と思ってたら、RerankEverythingさらにすごい。(検索結果を自由に閲覧するための再ランキングインタフェース http://htn.to/qQymya)
・#このシステムは、ほんとにその講義をとってる学生さん向けというより、オープンな社会向けじゃなかろうか。ていうか、この講義を見たい・・・ 見れるのかな?
・appstoreに出す予定らしい。
・ただ・・・京大だと、電車バスで通ってる学生はそんないないよね、という話。
・#ていうか、ねえ、なんでみんなipadお風呂で使おうとするの?
●「大学図書館からの発信:教育用電子書籍利用実験の紹介」あらため「これからも「図書館が必要」と思ってもらうための挑戦」(入江 伸(慶應))
・ミハルコ師匠談。「図書館の価値は、蔵書の総数ではなくて、ユニークな資料の数なんだ」 (#これはおっしゃる通り)
・#結局さ、図書館をお役人/事務屋さんがやってる以上、図書館は「あるから、ある」以上の思考をしようとしないんだよね。それはもう通用していかないのにね。
・引用:京大の赤澤久弥氏による「大学出版部と大学図書館」 http://htn.to/pzKstN
・コストの注ぎ先を、紙からe-に移行すべき、という話。
・ISBN以前の日本の書籍がID持ってないのがネックになる、という話。
・日本語の本の電子化の数が圧倒的に少ないのがマジでやばい、という話(2度目)。
・オンラインは便利だけど、ずーっとオンラインのとこにいられるかというとそれはしんどいんだよ、という話。
・書籍を提供するのにある程度のカバレッジ(年代も分野も?)が必要なんだよ、という話 。
・時系列でのロングテールのグラフ。そして、図書館が担うべき&狙うべきは、ビジネスの渦中である新刊範囲や、Google青空が整備するしっぽ側やでなく、大学という場ではまだまだ存外に使われる中腹の部分、という話。
・くだんの実験の件では、自分からあちこちの出版社のところに出向いていって、こうこうこういうのが必要なんだ、こういうことをしたいんだ、と話してまわったとのこと。話をしなきゃだめなんだ。しかも、外へ、と。
・#まあ、あのー、専心するテーマ・分野に違いはあると思うんだけど、こういうふうな話をできる人になりたいなあ、と思う。大きな概念と、具体的な話と、リアルな実行とが、かちりかちりとはまっていく感じ。
・日本は、図書館の伝統が丁寧に築かれてきたアメリカと違って、古い図書館のあり方をあっさり捨てちゃえるんだよね、という話。
●雑感
・こんな講演会を企画&実施できるって、やっぱ、京大さんってすごいなあ。
・大学図書館が、学会や大学出版や中小学術出版に対して、e-bookをほしがってる、ということを、先方が気づいてないのかもしんない。だとしたらやっぱり、外へ向かって、話をしにいく、ていうのはすごく必要ですね。
・懇親会に、講師を迎える側のなんとか長的な役を持ってる人が、ほとんど来てなくて、ひいた。
・二次会にて、そのとき日本の図書館史が動いた。
・ていうか、ミハルコ師匠の講演がききたい。
2010年10月05日
京都>梅田 路線バスの旅・記録
たまに用事で大阪に出て、ふと車道を見ると、どこどこ行きというようなバスが走っている。ああ、あんなとこまで行くんだ、行った先にもまたどこかへ行くバスがあるんだろうな、そうして乗り継げばいつかは・・・というようなことを思ったことがあったのを伏線にして、去る9月某日、ふと、京都(京都駅)から大阪(梅田)まで、路線バスだけで行ってみよう、という旅企画を思いついた、そして行ってきた、その記録です。
当日とったルートはこちら。
(発着時刻には多少のずれがあります。バスですから)
京都駅 0825発 > 京都市バス81 > 中書島 0855頃 220円
中書島 0911発 > 京阪バス > 近鉄大久保 0950頃 350円
近鉄大久保 0953発 > 京阪バス21 > JR宇治 1005頃 180円
JR宇治駅 1017発 > 京阪バス180 > 維中前 1045頃 400円
維中前 1114発 > 京阪バス62 > 近鉄新田辺 1150頃 410円
近鉄新田辺 1156発 > 京阪バス31 > 松井山手 1215頃 230円
松井山手 1259発 > 京阪バス26 > 枚方市駅 1340頃 250円
枚方市駅北口 1339発 > 京阪バス3 > 阪急茨木 1410頃 250円
阪急茨木 1447発 > 阪急バス113 > 千里中央 1530頃 230円
千里中央 1550発 > 阪急バス10 > 日出町 1640頃 230円
日出町 1700発 > 阪急バス11 > 梅田 1725頃 230円
そのルートを地図にしたのがこちら。
より大きな地図で 201009京都>梅田 を表示
やってみて分かったこと。
なによりも。
こんな遠回りのルートをとらないと行けないとは、思いませんでしたよ、という。
地図ご覧になって、またこいつはこんな右往左往して遊んどるな、と思われるかもわかりませんが、そうじゃない、こうじゃないと行けなかったんです。こんなルートくらいしか見つけらんなかったんです、結構がんばって探したんですけど。よかったら、もっといいルート教えてください、あたし悔しい。
まずもって、京都”府”から大阪”府”へ府境を越えて移動する線が見つからない。これなんだろう、法律的なこととか、税制的なこととかが関わるのかどうかわかんないですけども、府を越えて移動できるバス路線が、なぜかない。
長岡京から高槻がない。それどころか、淀から八幡市などというあんな近距離が、結ばれていない。そこあれば、淀まで京都市バスですうっと行って、あとは大阪府内移動するだけなのに。
やっと見つけたのが、新田辺から枚方へ向かう、というルート。じゃなかったら、府を越えられない。
・・・まあなくて当然です。そういう人たちは京阪なり阪急なりJRなりの電車に乗ればいいだけの話なんだから。
この時点ですでに3本鉄道があるんだから、その間をわざわざ路線バスが結ぶわけがない。
そう、路線バスが結ぶわけないのです。路線バスが結ぶのは、鉄道が通ってない/鉄道の駅がないような住宅地・遠隔地と、その住人たちが必要とする最寄り駅。だから、主要駅を中心として周囲の住宅地・遠隔地へ、放射状的な感じで線が延びていくことになる。放射状ばかりだから、だいたいの路線が”行き止まり”なわけで、どこからどこへと飛び石状に結んでくれてるわけではない。
飛び石状に・・・結ぶわけがない、そんな移動する人、いないもの。
駅から駅へ・・・結ぶわけがない、そりゃ電車乗んなさいよあんた、で終わり。
基本的に、それは路線バスの役目ではない。
駅−駅路線があったとして、別の鉄道会社の主要駅同士を結んでいるものもなくはないけれども、そんな線を移動してたら延々と横移動するばっかりで、いっこうに南=梅田へなんか着けるはずがない。
その状態が、地図で言うところの近鉄新田辺→JR松井山手→京阪枚方市→阪急茨木のラインです。この横の大移動、大げさに見えてむしろ簡単なほうでした。
そんなことよりもよっぽど難しかったのが、ちょっとの距離でも縦移動、近鉄大久保駅から近鉄新田辺へ移動するのに、路線バスだけを選択しようとすると宇治は猿丸神社のお近くまでぐうっと東へいったん移動しなきゃなんない。いや、これでも、1時間1本でも、よく存在していてくれたとありがたいほうです。正直、これなかったら出発から2時間経たずに投了でしたよ。いいところでしたよ、宇治田原、いつか猿丸神社お参りに行きます。
というような感じで、街の作られ方みたいなのがいろいろと勉強できたところで、そのほかの想い出的な諸々。
・日本の大部分は郊外のショッピングモール的なのに頼るしかない生活なんだなあ、ということがわかった。
・松井山手のショッピングモールの中にあるインド料理屋のカレー弁当はおいしかった。
・宇治には本当に茶畑があるんだということがわかった。
・太陽の塔はなんか見る度に低く思えてくる。
・翌朝、通勤のためにバスに乗るのが嫌で嫌でならんかった。
・でも、もっともっと旅がしたい。こういう旅。