2012年08月08日

"しゃべり合い場"とそのプロデュースについて 或いは メモ:大図研@京都2012・その3


●全体を通して

・しゃべり合い足りない、と思った。しゃべり足りないではなく、しゃべり合い足りない。我々はもっともっとしゃべり合わなければならないと思った。ディスカッション・議論・業務に限ることなく、学会・研究会・勉強会にも限ることなく、もっとざっくばらんなしゃべり、駄弁り、呑み会のレベル、その程度ですらもまだまだまったく、しゃべり合い足りない。事務・図書・研究者・学生・MLAを越えてしゃべり合い足りないし、関西・関東・全国・海外、地域を越えてしゃべり合い足りないし、あらゆるレベル・種類・分野を越えてしゃべり合い足りない。
 ああ、質はもはやどうでもいい、回数・量が圧倒的に足りない。
 2つ参加した分科会でディスカッションがもの足りないと思ったかもしれないけども、問題の本質はここには存在してなくて、絶対的かつ恒常的に、しゃべり合い足りてないんじゃないだろうか我々は、ということを思った。
 だからもっともっと、大小どんなでもいい、公開でも飲み会でも、バカ話でも初級話でもディスカッションでもプレゼンでも見学でも散歩企画でも肉食でも茶飲み話でもなんでもいい。そういう場を、探しにいかなきゃだし、そして自ら積極的に設けていかなきゃ、だな、と思った。
 もっとしゃべり合い場を。

・分科会の司会進行的なことををもし自分がやるとしたら、どういうふうに準備・想定をするべきだろう、ということを考えさせられた。考えるうちにすごくこわくなった。講演・プレゼン+質疑応答=おしまい、というような図式ではもちろんないけど、さりとて、かっちりとしたストーリーつくりまではむしろやるべきではない。となると、何パターン化のカードというか、モジュールみたいなものを想定しておいて、話の流れによって、ああ、この質問に講師や聞き手が集中してそうなら、今回はこっちに焦点をあてる感じで流していこう、というような舵取りができるようになれば、たぶんそれが一番いいんだろうと思う。そのためには、講師・プレゼンターがどういうつもりで何をしゃべるのかはもちろん把握してないとだし、自分自身もその話題についてある程度以上に興味を持って、鳥瞰図を把握していないと務まりそうにない。
 これははっきりいって講師以上に準備がいるし、熱意がいるし、腕もいるから、ある程度場数を踏んでからじゃないと自信を持ってのぞめそうにないな・・・しかもそんな場数を踏める機会なんかそうそうないぞたぶん・・・><

posted by egamiday3 at 22:58| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メモ:大図研@京都2012・その2


 その他のあれこれ。

・ていうかあのTシャツは、ヒューマン・サイネージです。

●8/4PM
・小松先生の妖怪講演。プレゼンで疲れきった直後でぽやーんと聞いてたけど、さすがは先生だなあ、こんな、なんの気の衒いもなしにこんなにも聞き入らせるような、声、言葉、スピード、話題、スライド、絵、人柄。なんという自然な。自分もこんな自然な講演ができるようにきっとならなければ、と気持ちを新たにした感じ。
・懇親会。おめでとう。あと、コーヒーが存外に美味かった事件。相変わらずスマホでtwitterいじる某姿が多くの人に好奇の目で見られていた事件。
・地酒の会という名の、部屋に何人入れるでしょうかというギネス大会。地酒だけど。そういえばこの会でだけ顔を見た人がいたなw

●8/5AM
・嵯峨野を歩くツアーに参加。5時起き、7時半集合。朝といえど灼熱。そして、高低差。一般観光客ならのんびり半日かけるであろうルートを、1時間ちょっとで巡るという、もはやエクササイズ。しかも案内人が京都の歩くウィキペディア。なにこのイベントw (参照:http://togetter.com/li/351790
・MLA分科会。詳細は→参照:http://togetter.com/li/351796
・たっぷりその時間はあったはずなんだけど、なんとなく、ディスカッションがものたりなかった気がした。焦点が、ひろいところなのか細かいところなのか、という。ただ、それは過度に贅沢を言い過ぎなのかもしれない。
・ちなみに午前の第5分科会では、なんか無精して机の上に本書を出さずにぼーっとしてたら、当然のごとく、1冊も売れず終了。教訓:机の上に積み上げるというディスプレイをしなかったら、絶対に売れない。
・また、終了後にプレゼンターから聞かされた話では、もうひとりのプレゼンターを視覚的に目立たせ、説得力を増したい、などのような意図から、プレゼンター側のテーブルをとっぱらう演出を行なった、とのこと。この話が、本大会全体を通してもっとも勉強になった。さすがだ。

●8/5PM
・電子書籍分科会。ディスカッションのターンで、電子書籍の話からも講師の話からもいったん離れる流れになったのが、残念だった。講師の話を踏まえて、ひろげたり深めたりしていく余地はたくさんあったはずだし、残りの時間全部使ってでもそれは足りなかったはず。決して短くはない時間が確保されていただけに、もったいない気がした。
・この分科会では本書を机の上に積み上げ、結果、完売につながった。教訓(略)
・終了後その1。全体会不参加者で退去して喫茶ラウンジへ。そこでプレゼンの個別再演を実施し、結果、多くの直接的かつ実際的なアドバイスをいただく。教訓:有効なフィードバックがほしいなら、プレゼンは少人数が吉。
・終了後その2。偉大な人に呼ばれ、偉い人に引き合わせていただく。かくありたいと思った。あと、偉大な人の偉大さを再々認識。
・終了後その3。京都駅近くで、大人数なウェブらしさあふれる人びとの飲み会になぜか合流。叩きつけるようなしゃべり合い。呑みすぎだろうwww

posted by egamiday3 at 22:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プレゼンの記録と反省 或いは メモ:大図研@京都2012・その1


 2012.8.4-6に開催された大図研京都大会に参加してきたので、そのあれこれ。
 まずは、自分が登壇したプレゼン「『本棚の中のニッポン』で伝えきれなかったこと」の記録と反省のあれこれから。

Ref:
#本棚の中のニッポン で伝えきれなかったいくつかのこと 大図研京都 #dtk43 (2012.8.4) - Togetter
http://togetter.com/li/351793


●プレゼン(8/4PM)

・会場をひと目見て、縦の奥行きの長さ、すなわちお客までの距離の遠さと、それに比べてのスクリーンの小ささ・色の薄さに、戦慄を覚える。これはやばい、今回のパワポは視覚に訴えるよう太くてデカいフォントを使ってはいるけど、それでもぎりぎりかもしれない。
 さらに、スクリーンの位置が想像してたよりもだいぶ高い、すなわち、スクリーン上を手で指し示すことができない。下辺のほうはうしろから見えづらいだろうからできるだけ上のほうを使うようにレイアウトしてたのが、裏目ではないか。
 この誤算はすなわち、おととし?の大阪大会での会場&スクリーンを(勝手に)想定していたことが原因。あのつもりで作ってたら、ああじゃなかった、ていう。
 教訓:会場大事。事前に知れるものなら知っておくべき。

・本プレゼン最大の誤算。このプレゼンによって「本日1500円でご奉仕します!」と宣伝の上、10部をなんとか売ってやろう、と画策していたところが、開会前に着席してテーブルに積み上げていたところ、何も言わぬうちにあれよあれよと言う間に売れて行ってしまい、結果、開会前に10部完売。
 教訓:在庫大事。あと、机に積み上げておく、というディスプレイが一番売れる。

・出待ちの間にiPhoneをいじってて、急遽、録画→Ustを画策。後日談として、録画には成功するものの、iPhoneローカルからUstサーバへのアップロードがまったく成功せず、いまにいたる><
・前日までに進行の打ち合わせができなかったので、当日、コミュニケーション・シートの配布と回収を相談。担当者の手配によって、配布と回収が支障なく実施される。m(_ _)m

・プレゼン開始。
・Tシャツ開陳のタイミングに最後まで悩んでいたけど、結局、プレゼン開始前に「ちょっと失礼します」と言って脱ぐことに。理由1:本を売るのに「このTシャツを見かけたら声をかけてください」というためのそれだったのに、もう本が全部売れちゃったのであんま関係なくなった。理由2:ボタンをはずすのにどうしても両手使いたいし、結局もたもたして時間がかかるので、プレゼン最中じゃないほうがいい。
・argさんの「脱いだ」tweetが結果的にこのネタの鮮度を長持ちさせてくれた気がする。
・プレゼン本編開始前に、「コミュニケーション・シート」の取扱いについて解説。なお、プレゼンの終盤で「もうすぐ終わります、コミュニケーション・シートよろしく」のリマインダー・スライドを挿入。効果があったかどうかは不明だけど、これきっかけで紙やペンの音がし始めたので、まあよかったのだろうと。
・冒頭は「問題です。」でスタート。問題は「わたしたちはいま世界のどこにいるでしょうか」という、禅問答的な質問文。最初に出題して、答えは30分後、にしておく。
 ねらい1:クイズ形式は、人の興味をひき、かつ一定の時間ひっぱっておくのに、簡単で、有効で、出す方にも出される方にもなじみ深い自然な形式。と、おちまさとが言ってた。
 ねらい2:しかも、ほんとに答えを考えさせるようなマジな問題ではなく、今回のように禅問答のような出題されてぽかーんとするような質問文にした理由は、その”ぽかーん”によっていったん頭の中をリセットしてほしい、これ以前の2本のプレゼンを聞くことで使った頭をリフレッシュ、ていうかもうぶっちゃけ言うと、いったん忘れてもらって、そしてあらためて本プレゼンをきいてほしい。小劇場で、芝居が始まる直前にBGMが大音量になって会場全体が暗転して、現世から隔離された場所に入っていきますよ、的なリセット。
・あとはまあ、通常のプレゼン。手を入れたところと言うと、自分ツッコミの疑問文(「具体的には?」など)を大写しにして、ストーリーの流れを誘導させるところ。章立ての見出しにあたるコマは色(オレンジ)を統一して、ストーリーの切れ目をわかりやすくしたこと。問題は赤、提言は青、課題・疑問は渋茶色、など。
・めずらしくグラフを多用。ずっと表だけで表現してきたe-resource契約数も、直前になって、ああそうかあれもグラフにしてりゃいいんだとやっと気付く。課題:そこに気付くのがなぜこんなに遅かったのか。
・Japan Timesの紙面、ILLの郵便受け写真など、余分な写真も直前に増やす。終盤になって文字ばっかりになってたのがきついな、と、これも直前というか確か当日朝になってやっと気付いて、急遽加えたもの。課題:そこに気付くのがなぜこんなに遅かったのか。
・Googleグラフの2000→2008は、もっとオーバーアクションにディスプレイ&演技できなかったもんだろうかと思うんだけど、あんなもんだったのかなあ。なんというか、もっとやりようがあったんじゃないかと思う。
・コミュニケーション・シートを回収しての質疑応答。ただし、その場でとりあげて回答するのに適したものを探し出すのが、思った以上に困難。何人かの神質問・ゲストがなかったら、相当やばい時間に陥っていた可能性あり。今後の対策:・・・・・・ダミー質問を用意しちゃう??
・もうひとつの課題:シートを踏まえた上で、もっと会場にマイクを向けるターンを設けるべき。じゃないとライブ感に欠ける。別にライブ感を削ぎたくてこの形式にしてるわけじゃないんだし。

 こんなところかなあ。

 後輩の人が撮影してくれたTシャツ画像。
AzipQ-SCIAEv2jL.jpg large.jpg
posted by egamiday3 at 20:06| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする