2012年12月31日
ご挨拶 2012→2013 附:Gunosy、本棚の中のニッポン、情報受信・発信にまつわる絶望と覚悟について
スタバにいます。
ここが世界で一番安心するわあ(笑)
本年中はさまざまなかたちでたくさんお世話になりました。
初めてお目にかかった方もたくさんいらっしゃいました。
来年も、そしてその先も、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
年賀状とかの準備も(はがきどころかメールも)まだちゃんとしてないんですけど、同じことなら、形式だけの年賀状書くよりは何かblog書いたほうがいいよなあ、と思うので。
今年あったことややったことや考えたことを、ぼんやりまとめっぽく考えていると、ああ、まとまった噺になりそうだなあ、というのがいくつか出てきて、で、その噺の素材を、すぐそこの錦市場に仕入れに行ったと仮想すると、たぶん次の5つのトピックを買ってくるんだろうなって。
2012年の自分と周りと世界。
・ 『本棚の中のニッポン』刊行。
・ iPad miniを入手。
・ ”文化資源”と”MALUI”の用語・概念がじわじわ浸透中。
・ でっかい選挙。それにあたってのいろいろな議論、声、思いと、結果。
・ 3.11震災、2年目。
で、まあ今日の内にどこまで書けるかちょっとよくわかんないんですけど、とりあえず。
えっと、発端は「Gunosyで自分の”情報アンテナ感度チェック”ができるかも」ていう噺です。
年末に、あたしの尊敬する友人のひとりがこういうことをtweetしてらしてました。
@sabarya 2012年12月28日 18:41
Amazonでなにげにブラウジングしてたら「ウェブらしさを考える本」を薦められたので、なにげにクリックしてみたら「本棚の中のニッポン」を薦められて、もしやと思いクリックしたら「ウェブでの<伝わる>文章の書き方」を薦められた。よくできてる!
https://twitter.com/sabarya/status/284595022496673792
これを見て、くすっ、となるのと同時に、直感的に「あ、やばいかも」とも思いました。
これ、本書(『本棚の中のニッポン』のこと)の立ち位置、ひきこもってないか、って。
で、いったんGunosyの話です。
年末にちらっと話題になったwebサービスで、ニュース・キュレーション、すなわち、各個人の好みそうな必要としそうなニュース・最新情報を、選んで教えてくれる、というやつです。あたしの場合はtwitterアカウントを登録してるんですけど、じゃあGunosyさんは、登録したあたしのtweetの内容とかフォローしてる人の動向とかを計算で分析して、egamidayさんはこういうニュースも知りたいんでしょ、はいっ、つって毎日メールだかで届けてくれる、ていう。
で、それを登録して2-3日ながめたんだけど、どうもいけすかない(笑)。というのも、自分がもうすでに読み終えた記事が、半数とは言わないまでもそれに近いくらいオススメされてくる。どうかすると、自分自身の書いたblog記事がオススメされてくる。何この、弁当箱開けたら昨日の晩のおかず再登場みたいな感じは。
ていうようなことをtweetしたら、ある方がこうおっしゃるのですよ。
「自力で情報収集できる人には必要ないかもしれませんね」
あっ、と思たです。そういうことか、と。
つまり、オススメされる記事そのものが使えるというツールなだけじゃない。これは、自分の情報収集力が落ちてないかどうか、感度というかアンテナがちゃんと鈍らずに作動しているか、それをチェックするのに使えるんじゃないだろうか、ていう。
あたしは自分が仕入れた情報なりみつけたweb記事なりは、備忘や周知のためにtweetで流すことが大半です。それを見たGunosyさんは、egamidayさんは例えば「A」という分野・トピック・傾向のかたまりみたいなのを好むんだね、つって、じゃあその「A」方面なのはこの記事、といくつか提示してきます。
その提示したラインナップの中に、すでに自分が自力で得た記事がもし0個だったら。あたしのその「A」方面での情報収集能力がだいぶ落ちてるんじゃないか、アンテナ鈍ってるんじゃないか、ということになります。機械ごときにオススメされてんじゃねえよ、と。モダンタイムズか、と。でも、0じゃなくていまみたいに半数よりは下くらいかな程度なら、あ、まあまあ自力でもちゃんとハンティングできてるな、精進しましょう、的な。そういうチェック。
そこまではまあ、いい。ところが、もっと問題なのは”その逆”のほうです。
つまり、じゃあ0や半数未満でなく、8割以上のほとんどが既読の記事だったら、そのときの情報収集能力はハイパーすげえことになってるから安心してていいのか、というとそうじゃない。
自分のtweetを分析した機械がオススメするのが、すでに自分の目に入ったものばかり。それってすげえやばいぞ、と。だって、自分の情報収集活動なりそのtweetなりが、「A」方面ばかりにひたすら偏ってしまってるってことでしょう。tweetがまっ赤な「A」色に染まり腐ってるってことでしょう。「A」についてはハイパーかもしんないけど、だって世界は「A」だけでできてるわけじゃないし、「A」以外の世界の情報にちゃんと目配せできてなかったら、それはもう視力めっちゃ低いってことですよね。Gunosyさんは、「あなた疲れてるのよ、Aばかり見てないでたまにはXYZの世界ものぞいてみたら?」なんてことたぶん言ってくれないし。
情報収集アンテナは、必要な周波数だけを確実・高性能にゲットしてくれればいい、だけじゃなく、遠いロシアや太平洋の電波も拾ってほしい。それが、己を知り、周囲を知り、世界を知る、ということだから。
で、これは情報収集というインプットの話にとどまらない。
というのが、冒頭の「本棚の中のニッポン・Amazonオススメ案件」、なわけです。
Amazonさんが、『本棚の中のニッポン』のレコメンデーションによるつながり先として、『ウェブらしさを考える本』と『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』を提示してきた。これ自体はまあ、うれしい光栄なお話です、おふたりにはいつもお世話になってるし、twitterでもフォローさせてもらってるし。
でも、なんていうかな、こういうレコメンデーション系のサービスって、「あ、やっぱりなあ」というつながりよりも、「あ、そういうのもあるんだ」ていうつながりのほうがありがたいし、得じゃないですか。なんだけど、こと、本書『本棚の中のニッポン』に限って言えば、「やっぱり」のつながりしかいまだ算出されなかった、という結果なんだと思うんですこれは。Amazon上の、ありとあらゆる分野・トピック・傾向のたくさんの図書雑誌が収録されているデータベースの中で、ビッグデータとアルゴリズムを駆使して計算した結果が、っていう。
これって、ああ、本書『本棚の中のニッポン』の立ち位置はまだまだやなあ、と思うわけです。ひきこもってる。多方面分野につながりが拡散して行けるほどの、”はじけ”もないし”八方美人さ”(いい意味で)もない。反省と改善と精進が求められる。そういう自己診断。(自己診断の話ですよ、お二方とつながりたくないって話じゃなくて><)
それで、話がぐっと大風呂敷になります。
我々の日常的な、情報受信と、情報発信。各種ツールのおかげで受信も発信もカンタン便利になったかのように見えるし、時間・距離の制約はなくなったかのように見えるけども。実際には、「カンタン便利」「時間・距離の制約がない」からといって、イコール、「視野が広がった」というわけではないよな、っていう。むしろ、「だだっぴろいタコツボ化」してるおそれあるよな、って。
それは、先のでっかい選挙にしたって、3.11以降の情報流通にしたって、たぶんそうなんだろうな、と。自分の周りでは誰も賛同者なんかいないのに、結果があんなことになった、絶望した、みたいな声はたくさんありましたし、そういう心あたりが自分にもまったくないわけではない。Twitterは結局自分の見たいものだけしか見えないツールだ、みたいな指摘はよく耳にしますし、その通りだなあとも思います。
いや、見え方の違いってほんと怖いなあって。だって、自分が同じアカウントで同じTwitterやはてブやメール見てるはずなのに、iPhoneで見るかiPad miniで見るかっていうだけで、なんかちょっと、見えたり見えなかったり気付いたり気付かなかったりが、違うような気がするもの。
そして、発信にしたってそうなんだろうな、と。
本書であれば、ありがたいことにあちこちでプレゼンさせていただく機会も得ましたし、blogも書いた、トークショーもyoutubeで流れてる、それぞれでそれなりにがんばった感はある。でも、何が誰にどう伝わってくれてるかは、それとはまた別の話で冷静に検証して反省して、次に活かさないとな、って。
世の中にはいろいろな発信があって、政策の主張、選挙のための広報。クールジャパンや領土問題にまつわる世界へのアピール。この商品を買ってほしい、このコンテンツがすごい、この文化資源は守られるべき。国際的に日本の文化を研究するセンターとしての意義と立ち位置を何周年かを機会にアピールすること。脱原発の主張、賛成の主張、週末のシュプレヒコール、その他諸々。
自分から見てそれらが大きいか小さいか、と、何が誰にどう伝わってるか、とは全然ちがうんだなという、あたりまえなんだけど、軽い絶望感と、それへの覚悟みたいなもの。
そして、そんなこと気にするのなんかちょっと前までは一部の専門家くらいだったものが、いまとなっては一億二千万人の夢列島全員の身近な問題になっちゃってる、ていう。
まあ、絶望せずに覚悟して行きましょう。
少なくとも自分はそういう職業なんだし。
そんなことを、一年をふりかえるような感じで年末になんとなく考えてました、っていう噺です。
とりあえず錦市場ぶらっとしてきます。
この記事を、どのようなかたち・ルート・ツールで入手してくださった方も、よい新年をお迎えくださいますよう。
2012年12月30日
極私的・今年のアルファ本棚行きコンテンツリスト 2012
カーネーション(NHK・ドラマ)
平清盛(NHK・ドラマ)
最後から二番目の恋(フジテレビ・ドラマ)
リーガル・ハイ(フジテレビ・ドラマ)
恋するハエ女(NHK・ドラマ)
高校入試(フジテレビ・ドラマ)
ゴーイング・マイ・ホーム(フジテレビ・ドラマ)
氷菓(テレビアニメ版)
堀江ブギーデイズ(関西テレビ・ドラマ)
タイムトラベラーを迎える旅(KBS京都・「ヨーロッパ企画の暗い旅」)
月とスイートスポット(ヨーロッパ企画・演劇)
ステップアップ(シベリア少女鉄道・演劇)
信長のシェフ(漫画)
未来をつくる図書館(菅谷明子・岩波新書)
忘れられた日本人(宮本常一・岩波文庫)
私の日本地図 壱岐・対馬紀行(宮本常一)
新・日本学誕生(国際日本文化研究センター)
梅棹忠夫(山本紀夫・中公新書)
イタリアの街角から:スローシティを歩く(陣内秀信)
魅惑のデンマーク:もっと知りたいあなたへ(岡田眞樹)
日本と西洋:イメージの交差(NDL・展示)
関西の図書館100年、関西館の10年(NDL・展示)
極私的流行語大賞 2012
毎年のごとく、極私的なので解説も特になしで。
開館に行ってくるわね
本棚の中のニッポン
本書
コミュニケーション・シート
KSM
CPH(コペンハーゲン)
対馬にて / いりやき鍋 / 宮本先生
紅葉
オッケー☆彡.:*
○○、〜〜ってよ
something / next
iPad mini
いまでがわ寄席
クドリャフカの順番
島編
遊びをせんとや生まれけん
文化資源
情報発信を考えるヒント
『未来をつくる図書館』
メディアは掌握されなければならない
俺を旅に出させろ
急激に淘汰されるであろう((c)偉大)
だって絆があるから!((c)堺雅人)
とうとうここまで来ちまったな
2012年12月29日
棚卸し・2012年に書いたコント
※ざっくり一覧
→ http://twilog.org/tweets.cgi?id=egamiday&word=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88+fin
コント・講義ノート
http://twitter.com/egamiday/status/158884089724801025
コント・講義ノート
http://twitter.com/egamiday/status/158884779360665600
コント・講義ノート
http://twitter.com/egamiday/status/158886874478424064
コント・イヤだ
http://twitter.com/egamiday/status/164259010244128768
コント・コネ採用
http://twitter.com/egamiday/status/165407995730210816
コント・恵方巻
http://twitter.com/egamiday/status/165409357541015552
コント・コネ採用2
http://twitter.com/egamiday/status/165409940024995842
コント・図書館クイズ
http://twitter.com/egamiday/status/177732207610314752
コント・図書館クイズ
http://twitter.com/egamiday/status/177737576445251584
コント・コピペ
http://twitter.com/egamiday/status/178448356773871616
コント・リクエスト
http://twitter.com/egamiday/status/186660978975453184
コント・もしも俺がヒーローだったら
http://twitter.com/egamiday/status/189680782288240640
コント・参考文献
http://twitter.com/egamiday/status/190414438506049538
コント・参考文献2
http://twitter.com/egamiday/status/190416495384338432
コント・連休
http://twitter.com/egamiday/status/195794336187809793
コント・水からの伝言
http://twitter.com/egamiday/status/200428476438810624
コント・水からの伝言2
http://twitter.com/egamiday/status/200431789150437377
コント・レコメンデーション
http://twitter.com/egamiday/status/212494907909218304
コント・レコメンデーションその2
http://twitter.com/egamiday/status/212495753141157888
コント・レコメンデーションその3
http://twitter.com/egamiday/status/212497304186388480
コント・祇園祭
http://twitter.com/egamiday/status/219231027015581696
コント・ここまで
http://twitter.com/egamiday/status/222684412607873026
コント・ここまで2
http://twitter.com/egamiday/status/222687606863966208
コント・@egamiday がエヴァの登場人物だったらシリーズ
http://twitter.com/egamiday/status/269776264125104129
コント・キーワード企画
http://twitter.com/egamiday/status/277227141177950208
http://twitter.com/egamiday/status/277227215266136064
http://twitter.com/egamiday/status/277227474448957440
http://twitter.com/egamiday/status/277228507216609280
http://twitter.com/egamiday/status/277245375109283840
http://twitter.com/egamiday/status/277381226833256449
http://twitter.com/egamiday/status/277417176363843584
コント・投票
http://twitter.com/egamiday/status/279931437786988544
コント・地図アプリ
http://twitter.com/egamiday/status/279935314519273473
コント・マヤ暦
http://twitter.com/egamiday/status/282342061334732801
コント・マヤ暦2
http://twitter.com/egamiday/status/282342357729415168
コント・マヤ暦3
http://twitter.com/egamiday/status/282343827333869568
業界コント「もしも図書館がスターバックスみたいだったら」
http://egamiday3.seesaa.net/article/309928500.html
2012年12月26日
業界コント「もしも図書館がスターバックスみたいだったら」
※他意はありません。実在するなんやかんやとは無関係のフィクションです。
「いらっしゃいませ、こんにちわー」
「・・・・・・あれ?」
「よろしかったら、こちらに見やすいメニューございますので」
「あの、ここって、図書館ですよね?」
「はい、須束市立玖珠図書館でございます」
「スターバックスみたいだけど」
「いえ、図書館です」
「なんか内装おしゃれだし、ソファも。あなただってポロシャツに緑のエプロン着てるし」
「エプロンは図書館に欠かせませんので」
「”マクドナルドみたいな図書館”は以前住んでた町にあったけど( http://egamiday3.seesaa.net/article/111499129.html , http://egamiday3.seesaa.net/article/158803183.html )、スタバもあるのかあ」
「当館では、図書館をお客さまのサード・プレイスとしてご愛用いただきたいと思い、このようなスタイルをとりました」
「がんばるなあ。小学生の息子がよく図書館に通ってるとは聞いてたけど、ここかあ」
「本日はこちらでご閲覧ですか?」
「息子が冬休みの自由研究やってるんだけど、他の宿題で忙しいからかわりに本借りてきてって頼まれちゃいましてね。じゃあ、ここで注文したらいいんですか?」
「はい。こちらのメニューからどうぞお選びください」
「メニューね。・・・・・・あの、ここ、図書館ですよね?」
「ええ、図書館です」
「このメニュー、見たことないカタカナばかり並んでるですけど、これ何なんですか?」
「当店のバリスタによるこだわりのサービスです。そういうスタイルです」
「バリスタ、もちょっとわかんないんだけど。え、なに・・・、レファレンス・サービス、サーキュレーション・サービス、リプロダクション・サービス、インター・ライブラリー・ローン・サービス、インフォメーション・リテラシー・インストラクショ・・・いや、もうちょっと読むだけでもきついんですけど」
「さらにこちらが専門家によるメディカル・インフォメーション・サービス、コミュニティ・アウトリーチ・サービス、アカデミック・ライティング・サポート・サービス、専門家限定のアーティクル・プロセッシング・チャージ・サポート・サービス、オープン・アクセス・アンド・セマンティック・ウェブ・アンド・リンクド・オープン・・・」
「あの、単純に本を借りたいだけなんですよ」
「ああ、図書を」
「図書、うん、まあいいや。借りれますよね?」
「はい。サーキュレーション・サービスが図書の貸出になります」
「だったらそう呼べばいいのに」
「そういうスタイルですので。では、サーキュレーション・サービス・カウンターのバリスタが応対致します。あちらのレモン・イエローのランプの下でお待ちください」
「え?」
「レモン・イエローです。あちらの、ライム・グリーンとダーク・ブルーの間の」
「黄色じゃないかただの。待ってればいいのね?」
「・・・お待たせ致しました」
「あれ、あなたさっきと同じ人じゃないですか。なんで移動させたんだ」
「ご注文をおうかがいします」
「やっとだよ。じゃあね、海の生き物について調べる自由研究らしいんですけど、そういう本を借りたいんです」
「お客さま、オンライン・パブリック・アクセス・カタログはごらんいただけましたか?」
「まただよ。なんですか?」
「OPACです」
「いや、わかりません」
「オー、ピー、エー、シー」
「綴りはいいんですよ、わからないから」
「本を検索するデータベースなんですけど」
「そう言ってくださいって。自分で調べるのとか苦手なんですよね。できれば相談にのってもらえるといいんだけど」
「それでしたら、レファレンス・サービスのほうがよろしいですね」
「え、サーなんとかとはちがうの?」
「レファレンス・サービス・デスクでサブジェクト・バリスタが応対致しますので、あちらのインディゴ・ブルーのランプの下でお待ちください」
「また移るの? どれ?」
「インディゴ・ブルーです、サーモン・ピンクの隣の」
「わかんないって」
「その紺色っぽい」
「ああ、ここね」
「いえ、それはダーク・ブルーです」
「助けてー ><」
「・・・お待たせ致しました」
「そしてあんたかよ」
「はい、サイエンス・コミュニケーション・バリスタも兼ねてますので」
「いいから、海の生き物の本がほしいんです」
「こちらのパスファインダーを使いますか? もしくは、ビブリオグラフィック・インストラクションもカスタマイズできますが」
「本をっ。頼むからっ。たかが小学生の自由研究ですよ」
「そうですね、まずはこのようなお子様用のピクトリアル・レファレンス・ブックはいかがでしょう」
「図鑑じゃないか」
「あとは、デアゴスティーニの『週刊・海の生き物』ですとか」
「なんだろう、”デアゴスティーニ”がはじめてなじみのあるカタカナなんですけど。いいや、じゃあその図鑑と雑誌、貸してもらえますか」
「申し訳ありません。コール・ナンバーなしのピリオディカルやレファレンス・ブックはイン・ハウス・オンリーでして、サーキュレーションはできませんが、オーバー・ナイト・ローンでしたら・・・」
「ああ、原因がわかった。あのね、そのカタカナ語をやめませんか。日本語で言ってくれればわかると思うんですよね、きっと」
「日本語ですか? えっと、請求記号なしの逐次刊行物や参考図書は禁帯出なので貸出できませんが、一夜貸しでよろしいですか?」
「・・・ごめんなさい、「かしだし」しかわからなかった。これはもっと根本的な問題だと思う」
「ほかには一般書で、小説風に海の生き物を扱ったものですとか、あとは専門的な資料案内の図書になってしまいますね」
「大丈夫ですよ、息子はわたしと違って本を読むのに慣れてるみたいなんで」
「ただこの小説は、作者の意向で出版後6ヵ月間、貸出できないんです」
「え、そんなことあるの?」
「奥付にこのような注意書きが」
「せちがらいねえ。じゃあこっちは?」
「こちらは「一切の複写、電子化、自炊、飲食・喫煙、ながら読書は禁止」と書いてますね」
「読み方も決められてるのか。こっちの本はどう?」
「えー、「高菜は先に食べるな」」
「ラーメン屋かここは。作者のこだわりは際限がないなあ」
「あ、これはいかがですか、『沖縄・海の秘宝』というドキュメンタリーのDVDがあります」
「DVDもあるんだ」
「はい、あちらの奥の、AV資料コーナーに」
「・・・え、図書館に、その、AVもあるの?」
「AV資料、ございます」
「あのね、言ったでしょ、うちの子は高学年とは言えまだ小学生なんですよ」
「でしたら、ヤング・アダルトのDVDも・・・」
「いやいやいや、それはなに、あなた方はおおっぴらにそんなDVDを提供してるの?」
「人気なんですよ、ヤング・アダルトのAV資料。あちらの仕切りの向こう側に専用の視聴ブースがありまして、中高生がグループやカップルで・・・」
「ちょっとごめんなさい、めまいが」
「あの、新鮮な反応をいただいているところをすみませんが、この業界ではわりと使い古された用語ネタでして」
「正気か。カタカナ語以前に理解できない世界だわ」
「『秘宝』・・・」
「言わなくていい、それ以上は言わなくていい。早いところ借りて帰ります。えっと、何日借りれるんですか?」
「貸出期間もお選びいただけます」(パタパタパタ)
「な、なんですか、急に紙コップ並べだして」
「わかりやすいように、カップのサイズで貸出期間を選んでいただけます」
「いらないでしょう、これ。SとかMとかなんでしょ」
「小さい方から、ショート、トール、グランデ、ヴェンティ、フォルテッシモ、フォルテッシッシモ、ミラバケッソになります」
「ミラバケッソ、でかいな。これで何日?」
「2週間です」
「意外と普通か。冬休み明けて発表会くらいまで使うと思うんですけど」
「でしたらカスタマイズとして、さらに数日をトッピングできますよ」
「なるほどね、慣れると自由に使えそうかな。えっとじゃあ、この『週刊・海の生き物』はここで見るだけにするとして、図鑑をコピーさせてください。あと、この案内書を長めに借りようかな」
「かしこまりました。・・・オーダー入りまあーすっ」
「え?」
「ショート・デアゴスティーニ・ピリオディカル・コンサルテーションっ」
「「ショート・デアゴスティーニ・ピリオディカル・コンサルテーションっ」」
「復唱するの?」
「ショート・ピクトリアル・レファレンス・ブック・リプロダクションっ」
「「ショート・ピクトリアル・レファレンス・ブック・リプロダクションっ」」
「呪文かこれ」
「アカデミック・リソース・ガイド・ミラバケッソ・期限マシマシ・ニンニクカラメっ」
「いまのあきらかにラーメン屋だったろ!?」
「お客さま、当館のポイントカードはお持ちでしょうか」
「そんなのもあるんだ。借りたらポイントがつくっていうこと?」
「はい。1冊貸出で1チェックイン・ポイント、ただし1日1チェックイン・ポイントが上限で、100ポイントたまると、1ゴールドポイントを獲得するためのガチャガチャに参加できます」
「ハードル高いな。ゴールドポイントって特典があるの?」
「1ゴールドポイントにつき、図書1冊を無料で貸出できます」
「おかしいよね、もともと無料なんじゃないの。どこにうまみが」
「お客さま、ご冗談を。タダで図書を借りただけのポイントで、何を得しようとしてるんですか」
「だったらポイントいらないだろ」
「チェックインの度に借りた図書の記録が残ります。加えて、コンビニでもレンタルショップでもファミレスでもどこでも共通でチェックインできるカードですので、いつ、どこで、何を買って何をしたかが、すべてこと細かにカードに記録され、えー、なんやかんやで有効活用されます」
「いまちょっと寒気したけど。いいよ、持ってないし」
「作りませんか? いま作らなかったら、全国の図書館やコンビニで毎回「持ってますか?」って聞かれますよ?」
「嫌がらせじゃないか。そんなの図書館の仕事でもコーヒーショップの仕事でもないだろう」
「コーヒーショップだけど、ティー・・・」
「余計なことをちょいちょい言うな、おい。本借りるだけのつもりが、えらいところに来たなあ」
「お言葉ですが、お客さま。図書館は決して本を貸して帰っていただくだけの場所ではございません」
「まあ、わかるけど」
「当館は貸出至上主義から脱却して、ノマド・ワーカーの方にもサード・プレイスとして心地良く使っていただけるよう、ハイパーでマキシマムなエクスペリエンスを提供するエクセルシオールなカフェを目指しております」
「スタバじゃなくなったね、最後」
「・・・・・・あ、いたいた。パパーっ」
「あれ、なんだ、来ちゃったのか」
「パパ帰ってくるの遅いんだもん」
「ごめんごめん、こういうとこ初めて来たからさ、難しくて。自由研究のテーマは決めたの?」
「うん。アサリがどうしてあっさり死んだのかを調べようかなって。・・・あ、こんにちわーっ」
「こんにちわ、いつもありがとうございます」
「なんだ、2人は知り合いか」
「いつもここで勉強手伝ってもらってるんだよ。あ、じゃあぼくもオーダーいいですか?」
「はい、どうぞ」
「えっとね、レファレンスで海の生き物のパスファインダーに、ビブリオグラフィ・リストをエクストラで、小学生用かヤング・アダルト用にカスタマイズしてください。あと、オープン・アクセスかインハウスのイー・リソースでぼくにも読めるアサリのペーパーがあったらいいんだけど、なければイー・ディーディーエスか、図書のインター・ライブラリー・ローンを期限マシマシで。そうだ、クラスのみんなでディスカッションしたいから、ラーニング・コモンズのプレゼン・ルームとライティング・サポートのリザーブもいまのうちにしちゃおうかな」
「・・・・・・」
「? どうしたの、パパ?」
「リテラシーこわい。だめだこりゃ」
2012年12月24日
図書館がサンタクロース または、図書館は著作者にとって”脅威”かについて。
せっかくのクリスマス・イブなので、今年自分がもらったクリスマス・プレゼントの話をひとつしますね。
ちょっと前にこんなお話がありまして、
●文部科学省、2011年度社会教育調査の中間報告を公表 | Current Awareness Portal http://current.ndl.go.jp/en/node/22221
●図書館の貸出数最多の5.4冊 10年度1人平均 :日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG31030_R31C12A0CR8000/
そのことがNHKの「NEWS WEB 24」でも取り上げられてたらしくて、その様子がこちら(2012.10.31)らしいんですが、
●司書の目と耳 - NEWS WEB 24 を見ました http://www2.aasa.ac.jp/org/lib/j/issues_j/metomimi/archives/2012/11/entry_68.html
で、まあ、いつものようにという感じで、図書館の所蔵・貸出・予約が本の売り上げと出版者・作者への実入りを減らしているんじゃないか云々の話は出ることになるわけなんですけど、
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(司書の目と耳 - NEWS WEB 24 を見ました http://www2.aasa.ac.jp/org/lib/j/issues_j/metomimi/archives/2012/11/entry_68.html)
古市:ただ本を書く方としては、ちょっと困るって面もありまして、僕の本[『絶望の国の幸福な若者たち』]は、たまたま杉並区立図書館で検索してみたら、89件待ち、って書いてあったんですよ。
橋本:ツイートでありましたね。予約して半年くらいかかる。待つもんね[@ririkonnta]ーって。
古市:すごい有り難いんですけど、逆に言えばその89冊、本当は買っていただけるはずだったものが、買ってもらえないってことで。
橋本:うーーん。
古市:とくに僕はまあいいとしても、小説家の方とか本を書くことを商売にしている方にとっては、図書館が[貸し出す?=聞き取れず]ってのは、実は困っちゃう面もあるんじゃないかな。
・・・
古市:僕の本はじゃあ、お金を出して買う価値がないということですね?
橋本:そういうことは言ってないですよ。
・・・
古市:本当にそう。家で[図書館の]本が借りられてしまって、別に、本当に本屋さんに行くよりも[図書館の方が]便利、みたいなことが増えてくると、著者としてはちょっとツライかなあ、とかは思いますね。
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●Twitter / poe1985: 図書館の社会的意義は疑うまでもない。だけど専業作家にとって図書館が脅威なのも事実。CDのようにコレクターズアイテム化していくのか、中世みたいにパトロン保護モデルになるのか、今後が楽しみ。 #nhk24
https://twitter.com/poe1985/status/263671360268689408
わかりやすくするために切り取ったらちょっとイジワルな切り取り方になっちゃって申し訳ないんですけど、でもこの方のtwilogをちゃんと追えば、別に図書館を一方的にばしばし批判してるわけでもないのがわかるし、話が転がって↓こういう
●Twitter / poe1985: 違法DLを図書館の中だけとか、学校の中だけとか、ある制限を設けて合法化したらいいんじゃないのかなあ。
https://twitter.com/poe1985/status/263679962010226688
↑こういうすげえワクワクするようなことも言うてはるので、ああ、いいなあ、って思うんですけど、それはそれとして。
で、この手の話題でもって今回一番に小骨がひっかかったのは、著述出版を専業にしている立場の人には図書館の所蔵・貸出・予約は脅威脅威だと言うんだけど、そりゃ著述出版専業者からしてみればそうだということはもちろん理解できるんだけど、図書館にしろ、その資料・情報の保存・提供機能にしろ、そして出版流通にしろ、どれもこれも社会全体にとってのインフラのひとつであって、別に著述出版専業者の都合だけで存在してるわけではないよなあ、って。物流のインフラも医療のインフラも、食品生産者や物流業者や医療従事者のお給料を払うためだけに存在しているわけではなくて、もっとたくさんの消費者や仲介者やそれ以外の一般市民やなんやという存在があって、そういった人たち全体、社会全体がええ塩梅になるように、ってなってるわけで、それは出版物関係のインフラだって同じなんじゃないのかなあ、と。
例えば、著述出版を専業にしている人だけが、本を書いて出版しているわけじゃなくて、もっとたくさんの”専業じゃない人たち”がいて、その人たちだって本を書いて、出版して、各種の媒(なかだち)な存在を通して、読者・消費者に届けている。届けよう、届けたい、想いよ届け、って祈り願っているわけです。出版物関係のインフラを使って。だったら、専業にしている人にとって都合が悪くても、専業じゃない人にとってはすごく好都合、読者にとってはさらに好都合、という何かしらについて、専業にしている人が困ることは理解できつつも、その都合だけでインフラの良し悪し決定されてもなあ、って。
それにしても、図書館が脅威とおっしゃるけど、本当にそうなのかなあ。まあ、著述出版を専業にしている人にはそうだろうけど、専業にしていなくて本書いている人だっていっぱいいるはずだしなあ。専業じゃない人にとっての図書館が脅威か脅威じゃないか、何かわかるような数字でもあればいいけどなあ、そういう専業じゃない人がなんかわかりやすい数字をどこかに出してくれてないかなあ。
・・・・・・あ。
それって、自分のことじゃん!(笑)
というわけで、本題です。
著述が専業じゃない人が書いた『本棚の中のニッポン』、今年5月発売なので、もうこれ以上図書館さんでの所蔵の増減は大きく変わらないだろうし、買ってくださった図書館さんでの目録登録もさすがに済まされてる頃だろう、というのを見はからって、出版部数と所蔵冊数を照らし合わせてみました。
まず発行冊数(初版)が、2000冊。
このうち、出版者側の献本等が約100冊。
自分側の献本等で買い取ったのが約120冊。
在庫2012年11月時点で約270冊。その後売れたかもしれない。
ざっくり言えば、売れた本の冊数が約1500冊、ということになります。
ありがとうございます!ありがとうございます!
ではそのうち、図書館が購入してくださったのはどれくらいか、という話です。
大学図書館関係なら、もちろんCiNii BooksやNACSIS-CATの所蔵件数でだいたいは知れますね。全国の大学で約170冊。
次に公共図書館の所蔵ですが、NDLSearchは県立レベルとかまでで、全国の市町村やその他各種の図書館を全部知ることはできませんので、47都道府県の県立図書館webサイトから県内公共図書館横断検索を見つけて、それで検索して行きました。あとそれに、カーリルの検索も加えていきました。ひとつひとつ、北は北海道から南は沖縄まで、我々スタッフが一生懸命探しました、そしたらねお母さん、見つかりましたよ。公共図書館所蔵が約360冊。
これに加えてですが、主題が主題だけにというので、一応OCLCやKVKなどの海外の総合目録・横断検索サイトもチェックしておきました。海外所蔵が、把握できた限りで約20冊。
合計で、図書館が購入してくださったのは550冊になります。
1500冊のうち、図書館の購入が550冊。
実に全体の1/3以上が、図書館さんによって購入されたことになります。
逆に言うと、図書館さんが購入・所蔵してくださらなければ、1000冊未満、初版部数の半分しかさばけなかっただろうということになります。
ここで、「図書館が購入してなければ550冊以上売れてた」が”脅威論”のよりどころなのでしょうが、もともと1000冊未満しか売れてなかったであろうものがそんなことになろうとは、ちょっと思えません。それが、著述が専業じゃない者にとっての、本を書いて売る、ということだと思います。
それでいいんです。お金を出して買うまででもないけど、読んでみてもいいかなくらいの、なかなかはじけきれないテーマ、トピックを、なんとかしてひとりでも多くの人に届けたい、伝わってほしい。それがかなうのが図書館の持つ機能だと思っています。
そして、えっと、そうです、クリスマスの話です。
つい先日、出版者様より本書の印税をいただきました!届きました!
ありがとうございます!ありがとうございます!
定価1900円×印税率×1900冊分(出版者側献本100冊を除いた)を掛けます。
合計、約25万円強です。
・・・ですが。
実際には、自分自身で買い取った約120冊の代金、まあ著者割引とは言え、いただく予定だった印税から引かれます。これが約18万円弱(消費税込み)。
献本には送料もかかります。特に本書の性格上、海外にも送ってます・・・海外送料だけで約2万円><。国内と合わせて約25000円。
えっと、あれ、源泉徴収もあるんですか><。10%で約25000円。
計、23万円弱。
差し引きで、わたくしが本書でいただいたお金が、25256円になりました。
正直、プラスが出るなんて思ってませんでした!(笑)
いや、それはいいんです。
問題は、図書館さんの購入分が存在してなかったと仮定した場合です。
図書館購入分550冊の実績が見込まれず、1900−550=1350冊が今回の初版部数であり、印税の対象であったとしますと。
定価×印税率×1350冊=約18万円。
自分買い取り冊数は変わらず、約18万円弱(!)。
送料変わらず、約25000円。
源泉徴収、約18000円。
マイナス4万円・・・あぶなかった。
確定申告あるにせよちょっと痛かった・・・。
えっと、結論です。
全国の公共図書館さま、大学図書館さま、海外の図書館さま。
みなさまはわたくしのサンタクロースです。
世界中の図書館に、メリー・クリスマス!
(だいじょうぶかな・・・計算まちがってないかな。算数苦手なんだけどな・・・。)
海外研修って何、って考える。(7)「もはや研修ではない」
そういう、参画・発信型の海外研修をやるじゃないですか。そうすると、そういうことやった相手側とのつながりって、単に情報獲得してきて終わりなんかのより、よっぽど、ぎゅっ、ってなるじゃないですか。別にハグしろとか言ってるわけじゃなくてですけど。
そうなると、研修の効果っていうのが、研修期間中とか直後とかだけじゃなくて、もっと長いスパンで効いてくるっていうことになりますよね。で、それは実は、効果がある、だけではなくて、ある種の覚悟がいる、ということでもあると思うんですね。長期目線で、日本からの協力者・発信者としての立場を継続していくんだ、っていう。
で、これはもはや言うまでもないことになっちゃいますけど、情報入手がネットでできるのと同じように、情報発信も、ディスカッションも、プロジェクトへの参画取り組みも、日本に居ながらにしてネットでできるわけです。FacebookやTwitterはみんな使ってるし、メーリングリストやディスカッショングループはやまほどあるし、一部の図書館系会議はネット参加者も受け付けてたりするし。相手が日本研究・日本分野のライブラリアン・専門家であるメーリングリストだったり、自分の専門分野・サブジェクトのグループだったりすると、もっと参加できる余地はあるなあって。
あとは、日本国内で行なわれる国際会議や国際シンポジウムだって珍しいわけではない。例えば研修事業でも、「日本専門家ワークショップ」とか「天理古典籍ワークショップ」のような、海外のライブラリアン・専門家を日本に招いて行なう研修事業だってある。そうなると、そういう事業やイベントに参加したり、具体的に協力したりする機会が得られるようであれば、これは積極的に貢献していったらいいよね、ということになる。
・・・えっと、海外研修の話をしてたんですっけね。
でもこれ、もはや研修の話じゃないし、ていうか、研修の話じゃないからって何が悪い、ってことだよなあって思うんですけど。
そりゃそうですよね、研修っていうもの自体が、別に業務や専門性と切り離されて単体で成立してるようなものでもなんでもないはずなんだしね。
もっとトータルで、周辺が常に何かと接続してるものとして、長野県の県境みたいな感じで(?)考えないと。
海外研修を、テイクアウト型から参画・発信型へ、そして長く継続していくというサステナブル型へ。ていうふうに思いついたんだけど、サステナブルっていう英語はたぶんそういう意味じゃないんだろうなあとも思うんで、これは保留で。
でも、結局「海外に行く」ってそれだけでなんか価値あるものに思われがちだし、コストもかかるし、だからこそ、行ったことだけでは決して終わらないし終わらせないような、設計というか姿勢というか、帰国後も長期にわたって互いにつながりあえるようなあれになってほしいなあって、思うです。
難しい理屈とかはパスして考えちゃったので、落ちや抜けはいろいろあるとは思うんだけど、これから海外研修を実践する/企画する人に何かアドバイスをって言われたんだとしたら、じゃあまあ、自分への反省も含めてこんな感じだろうなあって。
海外研修って何、って考える。(6)「テイクアウト型から参画・発信型へ」
とかなんとかいろいろ考えてきましたけど、いままでの考えはいったん全部否定します(えっ(笑))。
というのも、結局どれもこれも、我々日本側が何かしらを得るというインプット型、テイクアウト型という面しか前提にしてないからです。
でもそんなんじゃだめだ、と。ギブ&テイクだろうと。
”ギブ”、それはたぶん、参画・発信型の海外研修にシフトしていきましょうよと、今後は。積極的に。
実際、日本から海外へ「研修」「調査」と称して派遣されてくる日本の図書館員のあり様に対し、大なり小なり、批判的なコメントを海外で耳にすることだってこれは決して珍しい話ではないです。知りたい一心、調査したい一心、熱心なのはわかるんですけど、好奇心旺盛が膏肓に入るというか、自分たちの知りたいことばっかりを矢継ぎ早に質問して、取り調べみたいにして、結果、情報を獲得して帰っていくだけ、ていう。やっぱ、相手側に何も得るものがなくて終わっちゃうと、不信感とか不公平感とかうまれるんじゃないかと思います。
よく海外の図書館やライブラリアン・専門家の方にメールかなんかで打診して、訪問していろいろ見学させてくださいってお願いすると、こころよい承諾のお言葉とともに、「あなたとの”ディスカッション”を楽しみにしています」ていう返事をもらいます。ああ、そうだよな、それがあるべき姿だよな(註:英語力についてはは3万光年上空の棚に上げまくってます><)、と理解してからは、こちらからの打診メールにも「discussしたいのですが」と書くようにしました。
訪問先で、あるいは会議・学会に参加して、自館の事情とか日本の事情とか個人の研究成果とかを発表したりプレゼンさせてもらったりとか。会議・学会やコミュニティにまじって議論に参加して発言するとか。もっと言うと、具体的なプロジェクトや問題解決の取り組みに寄与するとか。
実際、長期で滞在型の海外研修を経験した人たちの報告書とかを集めて読んでみたことがある(註 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007572385)んですけど、そういうことを経験なすった方って、だいたいみなさん、「日本のことをプレゼンで伝えることができた」系のアウトプットとか、「ミーティングや日々のディスカッションで」系のコミュニケーションとか、そういうことを、できてよかったなあって言うてはります。
図書館って、やっぱり、”相互協力”で成り立ってる存在だと思うんです。
”相互協力”というからには、”協力してもらう”だけじゃなくて”協力しに行く”がないとって思うんです。
で、そういう”協力しに行く”って、最終的にはめぐりめぐって、自館の、自分の、日本の図書館の存在感とか価値的なものを増幅させるきっかけづくりなんだと思うんです。
なんで、よくあるテイクアウト型はもうそこそこにして、参画・発信型のほうへのシフトをあれしましょうよねっていう。そっちをメインに据えたような設計ができないかなって。
いま気付いたんだけど、海外の海外研修ってどうなってるんだろう、やっぱりテイクアウト型なのかな。
海外の海外研修を海外で調査する海外研修って誰かやってないかな、海外調査するのみんな好きなんだし。
というのも、結局どれもこれも、我々日本側が何かしらを得るというインプット型、テイクアウト型という面しか前提にしてないからです。
でもそんなんじゃだめだ、と。ギブ&テイクだろうと。
”ギブ”、それはたぶん、参画・発信型の海外研修にシフトしていきましょうよと、今後は。積極的に。
実際、日本から海外へ「研修」「調査」と称して派遣されてくる日本の図書館員のあり様に対し、大なり小なり、批判的なコメントを海外で耳にすることだってこれは決して珍しい話ではないです。知りたい一心、調査したい一心、熱心なのはわかるんですけど、好奇心旺盛が膏肓に入るというか、自分たちの知りたいことばっかりを矢継ぎ早に質問して、取り調べみたいにして、結果、情報を獲得して帰っていくだけ、ていう。やっぱ、相手側に何も得るものがなくて終わっちゃうと、不信感とか不公平感とかうまれるんじゃないかと思います。
よく海外の図書館やライブラリアン・専門家の方にメールかなんかで打診して、訪問していろいろ見学させてくださいってお願いすると、こころよい承諾のお言葉とともに、「あなたとの”ディスカッション”を楽しみにしています」ていう返事をもらいます。ああ、そうだよな、それがあるべき姿だよな(註:英語力についてはは3万光年上空の棚に上げまくってます><)、と理解してからは、こちらからの打診メールにも「discussしたいのですが」と書くようにしました。
訪問先で、あるいは会議・学会に参加して、自館の事情とか日本の事情とか個人の研究成果とかを発表したりプレゼンさせてもらったりとか。会議・学会やコミュニティにまじって議論に参加して発言するとか。もっと言うと、具体的なプロジェクトや問題解決の取り組みに寄与するとか。
実際、長期で滞在型の海外研修を経験した人たちの報告書とかを集めて読んでみたことがある(註 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007572385)んですけど、そういうことを経験なすった方って、だいたいみなさん、「日本のことをプレゼンで伝えることができた」系のアウトプットとか、「ミーティングや日々のディスカッションで」系のコミュニケーションとか、そういうことを、できてよかったなあって言うてはります。
図書館って、やっぱり、”相互協力”で成り立ってる存在だと思うんです。
”相互協力”というからには、”協力してもらう”だけじゃなくて”協力しに行く”がないとって思うんです。
で、そういう”協力しに行く”って、最終的にはめぐりめぐって、自館の、自分の、日本の図書館の存在感とか価値的なものを増幅させるきっかけづくりなんだと思うんです。
なんで、よくあるテイクアウト型はもうそこそこにして、参画・発信型のほうへのシフトをあれしましょうよねっていう。そっちをメインに据えたような設計ができないかなって。
いま気付いたんだけど、海外の海外研修ってどうなってるんだろう、やっぱりテイクアウト型なのかな。
海外の海外研修を海外で調査する海外研修って誰かやってないかな、海外調査するのみんな好きなんだし。
2012年12月23日
海外研修って何、って考える。(5)「ハーバード日記」
さっきちらっと言ったんですけど、「研修参加の同意・理解を職場で得るのが難しい」みたいな話ってよくあるじゃないですか。まあそりゃそうっていうかしょうがないというか、コストもかかるし”欠け”も出てくるわけでしょう。そこでもって、研修の成果が簡単な発表や報告書だけで終わったり、それ以前に研修中だって、誰が何のために何をしているのか、外部はともかく内部の人たちにもよくわかってないし知らされていない。○○さんって最近見ないけどどっか行ってるの、みたいになっちゃう。
そういったことのないようにってんで、あたしの2007年のハーバード在外研修では「ハーバード日記」を連載・公開してました。「ハーバード日記」、現在URL変更されてます、重要なのでもう一度掲載→http://www2.kulib.kyoto-u.ac.jp/harvard-diary/
これはもうあれです、研修を”個人のもの”から”組織全体が体験できるもの”に転化させようっていうあれです。だってそうですよね、それなりのコストかけてやってる研修ですから、最大限に効果を増幅させたい。しかも、こんな情報発信なんか技術的なコストほとんどないわけなんで、こんなことで温度差解消できるんならやるでしょう。ふだんやってることだし(笑)。
しかもこれがよかったのは、当時も現在もアーカイブとして公開されていて、いろんなところで、ディスカッションの叩き台にしてもらえたり、初対面の方からコメントをいただいたりと、収穫が大きかったなあって思ってます。
海外研修って何、って考える。(4)「ロスト・イン・リタレーション」
うん、それでもなお、やっぱり現地に直接行ってその場に居合わせる、目撃することでしかわからないことって、あります。ありました。
よく引き合いに出すんですけど、ラーニング・コモンズの話。あたしがハーバードにいた2007年頃、ちょうどUniversity of Massachusetts Amherstのラーニング・コモンズがすごいよ、大成功で大人気ですよ、ていうのが日本でも話題になりつつあったんですけど、じゃあそれは文献や報告書やネットでも概要はわかるから実際に行かなくてよかったかというと、そうでもない、実際現地を訪問してみたんですけど、そのときに初めてわかったことっていうのがたくさんありました。学生の多くが学内寮に住んで一日中をキャンパスで暮らしていること。そのキャンパスの周辺は草原で車かバスが必須なこと。カフェ的なものがある通りなんか遠くにちょびっとしかなくて学生の居場所にならないこと。学部生だから研究室所属もないこと。食堂とフードコートとゲーセンみたいなとこならあるけど、ていうこと。いや、そりゃあ人気出るでしょう、だって、ほかに居場所ないんだもの。むしろこれなかったころって学生どうしてたの、ていう。
逆に、ハーバードにはそんな立派なラーニング・コモンズ的なのは確かにありません。でも、ていうかそもそもキャンパス内のあちこちにオープンでコモンでパブリックなスペースがたくさんあって、みんな自由きままに勉強したり、ごはん食べたり、先生が学生のミニ指導やってたり、グループ学習のディスカッションやってたりする。キャンパスは市の中心街で、カフェや公共施設がたくさんある。ハーバードさんは、もうね、キャンパスと街全体がラーニング・コモンズなんです、まちがいない。
そういった、場のこと、空間のこと、街や環境のことって、これはさすがに行かないとわかんないし、実感できないよなあ、と思たです。
あと、ハーバードの図書館オリエンテーションの話。オリエンテーションそのものは日本のよくありがちなのと大して変わんないんだけど、最後にずらっと立ち並んだ各サブジェクトのライブラリアンが自己紹介をして、自分はこういう分野でこういう者です、って名乗る。で、会がはけると、参加してた学生の1割2割の人たちが、自主的に、自分自身の足で、つかつかつかって必要なライブラリアンのとこに近づいてって、自分はこういう勉強をしたくてこういうことを必要してるんだけど、ああじゃあこれはこうですよ、今度うちの図書館いらっしゃいよ、ってなる。そのオリエンテーションだけじゃなくて、日頃のカウンターで、廊下で、芝生で、学生や先生とライブラリアンとがディスカッション・アンド・コミュニケーション、ていう。そういう、言葉にならない曰く言いがたい人の動き・態度みたいなのを目撃するっていうのも、やっぱり文献やネットではちょっとわかんないよなあ、と思たです。
情報には必ず背景があるし、文脈があるし、それをとりまく世界全体が存在するんだけど、それが、ロスト・イン・トランスレーションというか、ロスト・イン・リタレーションというか、削ぎ落とされたものを目撃して理解できるのは、海外に行くことの代えがたいメリットのひとつだなあ、と思うです。
海外研修って何、って考える。(3)「わざわざ海外なんて行かなくていいじゃん。」
よく言われるのが、「別にわざわざ海外なんて行かなくてもいいんじゃねえの」ていう説。ネットでいいじゃん、ていう。日本にいて文献調査したり情報収集したり、そういうので充分必要なことは得られるじゃん、ていう説。
えっとですね、はっきり言います。
あたし、それ、その通りだと思います(笑)。いまのあたしは。
海外の最新事情だって、新たなサービスだって、冊子だってネットだって、みみずだってあめんぼだって、日本にいながらいくらでも収集できるし、必要ならメールできいたらいい。
そういう情報収集だけじゃなくて、人的ネットワークとか交流のために行くんだよ、ていう説もあるじゃないですか。
でもね、正直それだって昨今は怪しいもんだというか、もうFacebookとかTwitterとかそうじゃなくてもMLとかディスカッショングループみたいなんが、ほんとにたくさんたくさんあるじゃないですか。それ、ちゃんと活用してたら、海外のライブラリアンや専門家と交流してくのって難しいわけじゃないんですよね、ほんとは。交流も情報交換もしたらいいじゃん、ていうね。
えっと、なんか一生懸命に海外研修をdisってるように聞こえちゃうかもしれないんですけど(笑)、そういうわけじゃなくて、なんていうんでしょう。海外研修を考える手前の前提として、まず、こういう海外に行かなくてもできるはずの調査・情報収集・人的交流を、あたしたちちゃんとやってるかしらふだん、ていうことなんだと思うんです。
そりゃそうです。だって、「海外に行くこと」自体が目的じゃないんですから。
海外研修って何、って考える。(2)「研修は、天から降ったか地から湧いたか。」
で、そもそもじゃあ研修って何、と。研修にしろ自己研鑽にしろ、何のためにやるの、と。そっから問いたいのですけど、知識を得てスキル向上して人的ネットワークがどうのこうのって言うじゃないですか。
でも実際どうなんでしょうね。なんとなくいい機会だから、募集がかかっているから受けるんだと。やらないよりはやったほうがいいから、と。どうかすると、そういう研修をやることになっているからやるんだ、決まり事であり恒例だし持ち回りの順番なんだから、と。そういうの、あるでしょ、ありますよ。
でもちがいますよね、と。それは、他の企画、他のプロジェクトをもっては代えがたいなにがしかがあるから、得られるから、効果があるから、やるんですよね。それ、まちがいないですよね、なんかそうは思えない事業や言説って多々あるんですけど。
例えば、研修をやるはいいけど、受けたあとそれをどう活用するのか、ということが、当人にも、組織にも、どうかすると研修主催者にとっても曖昧だったり、事務的かつ抽象的な美辞麗句で終わってることがないですかね。それって研修活動それ自体が目的になってないですかね、ていう。人材育成、ヒューマンリソースマネジメント、キャリアパスの全体設計がまずあって、それに基づいて研修事業というものが行なわれているかどうか、ていうの、わたし、気になります。
あとよく聞くのが、研修参加の同意・理解を職場で得るのが難しい、みたいな話。それはたぶん2つの方向性が考えられて、そもそもその研修の効果自身に疑問が持たれているパターン。と、研修の効果について認識共有が職場でされてないパターン。そこもちゃんと、組織内で検討されなおしてほしい。
特に、あたし自分で行っておいてあんまこういうこと言っちゃったらあれなんですけど、「海外研修」って、「海外に行く」ってだけでなんかもう無条件で意味があるような誤解をされがちじゃないですか。別にそれはそれでもいいんだけど、にしたって、研修自体なんのためなのっていうのは、常に問い直されたって罰はあたらないんじゃないかな、とは思います。
海外研修って何、って考える。(1)「でもそれを考えようとすることがもう 海外研修なのかもしれない。」
クリスマスシーズンです。街はにぎやかおまつりさわぎです。
海外研修についてというお題で何か書く、ということを依頼されたので、いろいろ考えてみたのですよ。あたっているかあたっていないかはわからない、けど、現時点で自分はこう考えている、ということをベースにしてという感じで。
とりあえず、自分がこれまで経験してきた「海外研修」なるものをふりかえってみることからやるんですけど。
まず、2004年に2週間、ヨーロッパの東アジア研究・日本研究の図書館をまわりました。イギリスとオランダとアイルランド、という感じでした。あと、このときはじめてEAJRS(日本資料専門家欧州協会)にも参加しました。この研修はいろいろと、いまの自分の原点的なイベントだったなあと思います。詳しくはこちら→「江上敏哲. 欧州の日本資料図書館における活動・実態調査報告 : 日本資料・情報の管理・提供・入手. 大学図書館研究. 2005, 73, p.45-56.」(http://hdl.handle.net/2433/85086)
それから、2007年のアメリカ・ハーバード大学イェンチン図書館、1年間滞在。visiting librarianとして、あっちでお仕事を手伝ったり、あちこち見学したり、という。これは、こちら→「江上敏哲. 長期・滞在型海外研修の実際 : ハーバード大学イェンチン図書館実地研修. 大学図書館研究. 2008, 84, p.47-55.」(http://hdl.handle.net/2433/85088)。あと、「ハーバード日記」、最近移転してURL変わりました。(http://www2.kulib.kyoto-u.ac.jp/harvard-diary/)
以上は、公的=海外研修、なんですけど、私的=自己研鑽、に言及しようとするとこれはもうもっとたくさんあるので、アメリカとかフランスとか台湾とかイタリアとか韓国とかもういいですねという感じになるので、パスしますね。
それで、自分のいまの立場と切り離して海外研修を考えることなんてできないので、一応それをさらっておくと、いまいる某NBKは、海外で日本について研究する研究者を支援するところで、図書館で海外の研究者・利用者に対応したり、出張などで学生・研究者や現地のライブラリアンと接したり、ということをしています。
あと、あたし自信はこれといってご縁がなかったんだけど、国立大学図書館協会さんの海外派遣事業とか、私立大学図書館協会の研修とか、イリノイ大学のモーテンソンセンターのやつとかがあったりして、こういうのは『大学図書館研究』という、いまだなぜかオープンアクセス化されない業界誌にもたくさん報告が載ってますし、各々のwebサイトにもたくさん報告やその他文書が載ってますし、ご覧の方も多いでしょう。
まあ言うても、どれもこれも、現時点の、一部の業種業界の、一事例の集まり、に過ぎないと言えば過ぎないです。
2012年12月03日
きのう(20121202)につくった料理の記録
対馬のいりやき鍋風鍋
砂糖と醤油でやや甘めにしただしをベースとした鍋。ほんとに甘辛くすると飽きるので、昆布などのだしをを濃いめにして砂糖醤油は風味的に考える。魚の鍋でブリとサゴシがメインだけど、ごちゃっと煮た感を出したくて、タラの切れ端をパックに詰めて150円くらいで投げ売りしてたのとか、よくある「寄せ鍋セット」的な名前で売ってる複数種類の魚介を詰めたパックを混ぜて、ごちゃっとさせる。野菜豆腐椎茸などは適当。
講評:ブリがうまいのは当然ながら、サゴシがうまい。タラよりサゴシにすべき。
チキンのトマト煮
鶏肉、玉ねぎ、ピーマン、下ゆでした人参を塩コショウオリーブオイルで炒める。ハウスだかカゴメだかの市販の味付け済みトマトソースの缶詰と、ハウスだか味の素だかの市販のフォンドボーのもとと、パセリだかバジルだかその他なんだかよくわからない緑のがごちゃっと入ったイタリアンハーブミックス(ロンドンのスーパーで2ポンドくらいの瓶)を多めに入れて煮る。出す前にとろけるチーズをかける。
講評:味見の時点でうす味かと思ったけど、煮ると濃くなったので、こういうのは足りないくらいでいいんだとわかった。隠し味にタンドリーチキンスパイスをふってみてもいいかも。
イカと三度豆のバジルソース
切り落としっぽいイカと、下ゆでした三度豆を、オリーブオイルとニンニクで炒めて、パスタソースとして売ってるバジルソースを絡める。終わり。
ごぼうとこんにゃく
ごぼうとこんにゃくを綿実油(もうこれ使い始めたらこれしか使えない)で炒めて、塩砂糖たまり醤油がらスープパウダーと、なんだっけ、中華で使う山椒と塩が混ざったやつで香り付して、かつお節。鍋の椎茸の石づきと、トマト煮の鶏肉の皮を刻んでいれておいた。
こんなもん? こんなもんか。
砂糖と醤油でやや甘めにしただしをベースとした鍋。ほんとに甘辛くすると飽きるので、昆布などのだしをを濃いめにして砂糖醤油は風味的に考える。魚の鍋でブリとサゴシがメインだけど、ごちゃっと煮た感を出したくて、タラの切れ端をパックに詰めて150円くらいで投げ売りしてたのとか、よくある「寄せ鍋セット」的な名前で売ってる複数種類の魚介を詰めたパックを混ぜて、ごちゃっとさせる。野菜豆腐椎茸などは適当。
講評:ブリがうまいのは当然ながら、サゴシがうまい。タラよりサゴシにすべき。
チキンのトマト煮
鶏肉、玉ねぎ、ピーマン、下ゆでした人参を塩コショウオリーブオイルで炒める。ハウスだかカゴメだかの市販の味付け済みトマトソースの缶詰と、ハウスだか味の素だかの市販のフォンドボーのもとと、パセリだかバジルだかその他なんだかよくわからない緑のがごちゃっと入ったイタリアンハーブミックス(ロンドンのスーパーで2ポンドくらいの瓶)を多めに入れて煮る。出す前にとろけるチーズをかける。
講評:味見の時点でうす味かと思ったけど、煮ると濃くなったので、こういうのは足りないくらいでいいんだとわかった。隠し味にタンドリーチキンスパイスをふってみてもいいかも。
イカと三度豆のバジルソース
切り落としっぽいイカと、下ゆでした三度豆を、オリーブオイルとニンニクで炒めて、パスタソースとして売ってるバジルソースを絡める。終わり。
ごぼうとこんにゃく
ごぼうとこんにゃくを綿実油(もうこれ使い始めたらこれしか使えない)で炒めて、塩砂糖たまり醤油がらスープパウダーと、なんだっけ、中華で使う山椒と塩が混ざったやつで香り付して、かつお節。鍋の椎茸の石づきと、トマト煮の鶏肉の皮を刻んでいれておいた。
こんなもん? こんなもんか。