2013年08月06日

(メモ)『アメリカに渡った日本文化』

寺澤行忠. 『アメリカに渡った日本文化』. 淡交社, 2013.

アメリカに渡った日本文化 [単行本] / 寺澤 行忠 (著); 淡交社 (刊)

 アメリカにおける日本文化の伝播・普及の全体像を、個々の事項をつぶさに記述することによって描く、というような試みをしている。

 これは自分のためにも人のためにもそうしたほうがいい、と思って↓とりあえず目次ベタ打ち。

第1章 伝統文化(茶道と日本庭園、華道、舞台芸術(能・狂言・歌舞伎・文楽))
第2章 現代文化(アニメ・マンガ、和太鼓、食文化)
第3章 日本美術(ボストン美術館、ピーボディー・エセックス博物館、ニューヨーク・メトロポリタン美術館、フィラデルフィア美術館、ワシントン・スミソニアン・フリーア美術館&アーサー・M・サックラー・ギャラリー、シカゴ美術館、シアトル美術館、シアトル・アジア美術館、サンフランシスコ・アジア美術館、ロサンゼルス・カウンティー美術館、ホノルル美術館)
第4章 宗教(浄土真宗・浄土宗、ほか)
第5章 俳句
第6章 日本語図書(文学作品の翻訳、翻訳事業の促進、日本語図書を扱う出版社・書店、日本語図書館の全米組織、大学以外で日本語図書を多く所蔵する図書館、ニューヨーク・パブリックライブラリー、米国議会図書館)
第7章 日本語教育(日本語教育の重要性、アメリカにおける日本語教育の歴史、日本語教育の現状、日本国内の日本語教育機関)
第8章 大学における日本研究(日本学の歴史、日本学の現状、大学における日本学、ハーバード大学、イェール大学、コロンビア大学、プリンストン大学、コーネル大学、ミシガン大学、シカゴ大学、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、ワシントン大学、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)、スタンフォード大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、ハワイ大学マノア校、上記大学以外の日本研究者・知日家)
第9章 アメリカ各地の日本文化(ボストン、ニューヨーク、ワシントンDC、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ハワイ)

 いくつかのメモ。

・能楽の最初の海外公演は、1954年、ヴェネツィア公演。(『アメリカに渡った日本文化』)
・第二次大戦後の占領下では、歌舞伎は封建的・国粋的とみなされ厳しい検閲下にあったが、検閲係になったフォービオン・バワーズは歌舞伎に理解があり、上演も可能になった。
・アメリカにおけるアニメ・マンガ市場の悪化について。JETROの発表では、アメリカにおける日本製アニメの推定市場規模は、2012年・2億1700万ドルだが、これはピーク時2002年の半分。
・1962年、ロサンゼルスに全米初の寿司カウンターが誕生。
・いまアメリカでは、キリスト教から改宗して禅信徒になったアメリカ人が、修行後に日本の宗門を離れて独自に受戒を行なうなどの動きがある。
・アメリカで俳句への関心が高まったのは、戦後。鈴木大拙が俳句と禅の精神を結びつけて説いたことに影響している。
・コロンビア大学には、日本語教育は文語から始めるべきだ、という教授がいて、文語クラスがある。
・プリンストン大学は金沢に「プリンストン・イン・石川」という自学の研修施設を持っている。

 ただもう、「第6章 日本語図書」「第7章 日本語教育」「第8章 大学における日本研究」あたりは全部が全部、という感じなので(笑)。
 ハンドブック、として。


posted by egamiday3 at 20:39| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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