2014年03月31日
(報告)文化資源学会で春画資料を展示@日文研
簡単な報告ですが。
去る3/28 、日文研で文化資源学会の春画展示研究会が開催されまして、その参加者を主たる対象としてうちとこの春画資料の展示を行ないました。
参照
大英博物館・春画展への”はじめてのおつかい”
http://egamiday3.seesaa.net/article/376964225.html
大英博物館特別展:『春画−日本美術における性とたのしみ』
http://agrospacia.com/article/00078/
文化資源学会 春画展示研究会
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/CR/acr/shunga.html
春画資料につきましては、大英博物館で大々的に春画展が開催されたこと。一方で日本国内では開催のめどが立たなかったこと、など、上記参照のようにいろいろありましたし、こたびもいろいろありましたが、今回こんなふうにして実施例のひとつを積めたことは、すげえよかったな、って思います。
研究会参加者数十人を主たる対象として、閉じたかたちとしての、という但し付きではあったにもしろ、まあそれでも、展示陳列ということがなされたわけです。ケース約10台分、20数作品、点数で70-80くらいでしょうか。
あたしは春画はそんな得意じゃないというかむしろ苦手な部類ではある(どぎつい・・・)のですが、春画資料を展示しよう、展示したい、っていうときにはそれが支障なく歓迎して行なわれるような世の中であってほしいと願う者でありますし、そういうふうにするつもりの者です。
それにしても、ふだんから業務上ちょいちょい取り扱っていつも見てる資料でしたけど、それでも、ああやってちゃんとした展示ケースの中に、ひろびろと、かつ整然と並べてみると、雰囲気がぜんぜんちがって見えるんだなあと。
しゅっとしてる。パリッとして見える。あおきかはるやまかフタタに見える。
デジタルで画面上で拡大して見る時とも、書庫内でせせこましい姿勢で確認する時とも、閲覧机でバラバラに見る時とも違って、展示ケース・展示室の魔力、みたいなものってあるんだなあと実感しました。
あと、あたしは正直「資料は利用されなきゃ意味がない」説を100%手放しで信奉してるたちでもあまりないのですが、それでも、たくさんの人たちから見られてる、見てもらえてる春画資料たちがいつもとちがってほんとに活き活きとしてるというか、なんかもう喜んでるふうに、薄く上気してるようにすら見えてきて、見てもらえてよかったねえ、と、軽く目頭が熱くなるおもいがしたことですよ。書庫にただ居るときのただののぺっとした資料面とはちがう。
人は居るべき場所に居るべきだし、あるべき場所にあるべきだなあ、と思たです。
あとは余談ですが、展示してるのを見るといつものどぎつさが若干軽減してるっぽく見えて、ケースのガラスを通してノイズがキャンセルされたとかなんかなと思ったり。
あとやっぱり春画って、ふつーの浮世絵より上品にこだわりもって手間暇も技術もかけて作ってるんだな、というのは納得しました。まあそういうのを買ってる/そういうのが残ってる、ということかもしれませんが。
そんな感じです。
2014年03月23日
「恋ひたる辻占煎餅」を現代語訳してみた
AKB48が平安歌人だったときの歌詞ください! pic.twitter.com/UXpUq5gWN7
— あきこ (@akikoke610) 2014, 3月 21
AKB48って平安歌人だったときがあったんだー。
まあメンバーはともかく、秋元の人なら900年くらいは平気で生きながらえてそうな気がする。
梁塵秘抄あたりはあの人なんじゃないかな。
その頃の歌詞が文献に残されていたらしく、最近見かけたので、現代語訳してみました。
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おまえのことを思い慕うけれども
わたくしにはまったくおもしろみもない
何度目かの失恋への準備
しみじみと! した! 風情!
周囲に見られたら 数多くの
愛らしい貴人の娘が宮中に伺候しているので
優美さがなく地味なさまの桜ではないが、そのようなわたくしは目にもとまらないだろう
しみじみと! した! 風情!
昼食の部屋 自然と流れないではいられない音楽
することもなく手持ちぶさたな状態で聴いてございましたら
知らない部屋で音の長さと結婚させて
妻(または夫)が先立って動き出す
どうしようもない 今ちょうど思って
来い! 誰? 来い! 誰? 来い! 誰? 来い! 誰? 召使いの少年です
占いをしてしまいなさい
思い慕っている子どもが御籤を包んで売る焼き菓子
将来
たいしてみっともなくはないだろうか、いや、ない! だろうか、いや、ない! だろうか、いや、ない!
幸福をごちそうでもてなすには
ほほえみを結婚させるだけ
心の子どもが御籤を包んで売る焼き菓子
運勢
今日からも良くしなさい
だろうか、いや、ない! だろうか、いや、ない! だろうか、いや、ない!
だろうか、いや、ない! だろうか、いや、ない! だろうか、いや、ない!
必ずこの俗世間から出家して逃れるつもりの者でもないだろう
赤ん坊と目を覚ます 神仏の不思議な霊験があらわれる
おまえとどこかで互いに恋しく思うことがあろうか 不審でおかしなことだ
---------------------------------
・・・ほんとにあったの、これ?
不審でおかしなことだ。
2014年03月20日
DUALISからku-librariansへの質問 (3/25追加質問あり)
先日、DUALIS vs ku-librarians(註:同志社大学の学生たちによる図書館情報学研究会と、京都大学の図書職員による勉強会)という下記のような集まりがあって、
・第175回ku-librarians勉強会:DUALIS(同志社大学図書館情報学研究会)さん見学会 - ku-librarians: 図書系職員勉強会
http://kulibrarians.g.hatena.ne.jp/kulibrarians/20140308
・第175回ku-librarians勉強会:「DUALIS(同志社大学図書館情報学研究会)さん見学会」 #dualisvsku
http://togetter.com/li/639441
ちょっと覗いて、配布資料を見たら、DUALISのメンバーからku-librariansのメンバーへの質問リスト、みたいのがあって、すげえたくさんの旺盛すぎる質問文が並んでたんだけど、当日は時間切れであまり触れられなかったみたいなので、それをなんとなく自分なりに考えて書いて置いておく、ていう。
今日の日に。
Q.ku-librariansに参加したきっかけは?
A.
この会の発起人だった偉大なる先輩(http://researchmap.jp/read0147467/)に直接声をかけられて、第1回から参加しました。それ以前からちょいちょい集まったりしてた人たち同士だったので、参加は自然な流れでした。特にしばりもないゆるい集まりだったのが、参加しやすいきっかけになったのではないかと思います。
Q.野望は?
A.
(なんて質問だw)
DUALISのような後進の人たちに、踏み台にしてもらって、追い抜いて行ってもらうことが、私の最終的な野望です。
Q.好きな業務と苦手な業務は?
A.
好きな業務は、世の中とのつながりが感じられる仕事。
苦手な業務は、はんこを押すという物理的動作。
Q.公共図書館ではなくて大学図書館を選んだ理由は?
A.
大学という場所が好きだったので、そこで働きたいと思っていました。自ら学ぶ意思のある人たちがいて、専門的知識を持った人たちというリソースがあって、幅広い分野での知的刺激を常に得られて、場所と建物があって、自由で、オープンで、コモンズ的で、人や物や知が流動していて、知識・情報に基づいて科学的・論理的に考えることが尊重される場所、なので。
Q.職員の正規・非正規の比率や業務内容の違いは?
A.
4:6くらい。
ざっくり言うと、マネジメント(”考えて、決断する”という仕事)が絡むかどうかの違いだと思います。
Q. 図書館員になってから、利用者としての図書館の使い方は変化したか?
A.
学生という身分を失うと、大学図書館の使い勝手がむしろ悪くなる、という経験はよくあります。平日昼間のみの図書館に行けないし、利用できるサービスや自由に見られる資料もだいぶ限られます。年休取って図書館に行くということもちょいちょいあります。
あと、お金が手に入ると、本は買っちゃう。
Q.具体的な就職先として図書館を視野に入れはじめた(公務員講座を受講し始めた等、行動に移し始めた)時期は?
A.
視野に入れはじめたのは小学1年生くらいの時で、試験勉強を始めたのは試験の3-4カ月くらい前でした。修論書き終わった後から、むちゃくちゃ勉強した。マクドナルドに12時間くらいいて、閉店後はミスドに行きました。(スタバはまだ銀座くらいにしかなかった時代)
Q.専門試験(図書館情報学)の勉強方法は?
A.
知識系は、大学のクイズ研究会に入って、クイズを自作するということを日頃からやっておく。出題者の視点を持って教科書や概説書をひととおり読めば、どこが試験問題に出そうかがだいたいわかります。
論述系や面接は、ブログを書くといいのではないでしょうか。一度も考えたことも書いたこともないことについて、いきなり書けって言われても書けるものじゃないので。
Q.出版業界や図書館関連企業への就職については視野に入れていたか?
A.
なかったと思います。世間的に見て職種が似てる・関連してるということと、自分自身の思いみたいなのとは、必ずしも近寄らないというか一致しないんじゃないでしょうか。もし自分の思いみたいなのと真摯に向き合って図書館以外の職種を探すと、図書館とは全然別の仕事がヒットするような気がします(建築家とか)。
Q.これから図書館業界を目指す後輩へひとこと
A.
いったん選んで行った場所が、必ず唯一永遠の居場所だっていうふうに思いこまないこと、だと思います。職種も職場も居場所も、いくらでも変わり得るし、変えたらいいし、それは自分の考えや思いや興味が変わったり、自分の真意に気づいたりということもあるだろうし、家族や外部社会の変化によって変えざるを得ないということもあるだろうし、いままでなかった新しい職業や制度が登場することもあるだろうし、なので、それに応じて移ればいいし変わればいい、というふうに心得ておいていいんじゃないかなと思います。物事も環境も自分も静止した状態で考えてはならない、って、あたしは金八先生に教わりました。
Q.お気に入りの図書館は?
A.
うちとこの図書館
京都芸術センター(旧・明倫小学校)の図書室(演劇分野)
名古屋都市センターのまちづくりライブラリー(都市・建築分野)
ハーバード大学ラモント図書館(学部生用)
ダメだ、考え出すときりがない・・・。
Q.最近読んだ面白かった本は?
A.
『地球の歩き方 アイルランド』
Q.最近気になった図書館ニュースは?
A.
今日配信のニュースをGoogleに見に行きましたが、何これ?>「「メイプルストーリー」が本日アップデート。新コンテンツ「次元の図書館」を実装」
追加質問を書いた紙があったはずなんだけど見つからないので、またいずれ。
---------------------------------
(2014.3.25 追記)
追加質問が入手できたので。
Q. 日本と海外と比べて業務内容が違いすぎて困った点とこの制度を日本で取り入れたい、または日本の方が優れていると思う点を教えてください。
A.
特にアメリカと一番ちがうのは、ライブラリアンが自分で何かを決める権限を持っている人が多い、ということだと思います。権限を持っていない人でも、自分で判断して自分で決めるべきことをその場その場で決断していくということを普段から各自がやっているので、何かやるときに話が進むのはとても早いです。
ただ、逆にかってにめいめいで決めてしまうということもたまにあって、根回しが必要なことについては日本のほうが得意なのかなと。また、すでに決まっていることを素早くてきぱきと片付けることも、日本のほうが得意かもしれません。
いずれにしても、海外で成功している何かの事例を日本で取り入れるというときには、形だけそのまま何の考えもなく取り入れてもうまくいくことはまずありません。それぞれの事情に応じて、何が問題か、何が本質かを確認しながら、ということが必要だと思います。
Q. 外部の方が大学図書館を利用されることがあると思いますが、どんな目的で使っていらっしゃいますか。
A.
うちとこは”大学共同利用機関”で、外部の人に使われることが前提でもあります。
特徴的に多いのは、マイクロフィルムの利用です。一般的な図書と違って、よそで持っていないものをうちが持っている、ということが多いようなので。
Q. 印象に残っているレファレンスはありますか。また、レファレンス内容はどういった物がありますか。
A.
すでにネットなどで徹底的に調べてきてて、「**も**も**も**も****も調べたけど、わかんないんですよ、でも図書館の人ならわかるでしょ?」って言われると、頭がまっしろになりますね。
→参照 http://egamiday3.seesaa.net/article/383485018.html
Q. 教員の方々の大学図書館の使用頻度はどのくらいですか。
A.
人によってまちまちです。毎日のように来る人もいます。ただ、ほとんど見かけない/来ない人もやっぱりいるので、そういった人たちに来てもらうか、せめてメールででも頼ってもらうにはどうしたらいいだろう、っていうのが一番の考えどころだと思います。
・第175回ku-librarians勉強会:DUALIS(同志社大学図書館情報学研究会)さん見学会 - ku-librarians: 図書系職員勉強会
http://kulibrarians.g.hatena.ne.jp/kulibrarians/20140308
・第175回ku-librarians勉強会:「DUALIS(同志社大学図書館情報学研究会)さん見学会」 #dualisvsku
http://togetter.com/li/639441
ちょっと覗いて、配布資料を見たら、DUALISのメンバーからku-librariansのメンバーへの質問リスト、みたいのがあって、すげえたくさんの旺盛すぎる質問文が並んでたんだけど、当日は時間切れであまり触れられなかったみたいなので、それをなんとなく自分なりに考えて書いて置いておく、ていう。
今日の日に。
Q.ku-librariansに参加したきっかけは?
A.
この会の発起人だった偉大なる先輩(http://researchmap.jp/read0147467/)に直接声をかけられて、第1回から参加しました。それ以前からちょいちょい集まったりしてた人たち同士だったので、参加は自然な流れでした。特にしばりもないゆるい集まりだったのが、参加しやすいきっかけになったのではないかと思います。
Q.野望は?
A.
(なんて質問だw)
DUALISのような後進の人たちに、踏み台にしてもらって、追い抜いて行ってもらうことが、私の最終的な野望です。
Q.好きな業務と苦手な業務は?
A.
好きな業務は、世の中とのつながりが感じられる仕事。
苦手な業務は、はんこを押すという物理的動作。
Q.公共図書館ではなくて大学図書館を選んだ理由は?
A.
大学という場所が好きだったので、そこで働きたいと思っていました。自ら学ぶ意思のある人たちがいて、専門的知識を持った人たちというリソースがあって、幅広い分野での知的刺激を常に得られて、場所と建物があって、自由で、オープンで、コモンズ的で、人や物や知が流動していて、知識・情報に基づいて科学的・論理的に考えることが尊重される場所、なので。
Q.職員の正規・非正規の比率や業務内容の違いは?
A.
4:6くらい。
ざっくり言うと、マネジメント(”考えて、決断する”という仕事)が絡むかどうかの違いだと思います。
Q. 図書館員になってから、利用者としての図書館の使い方は変化したか?
A.
学生という身分を失うと、大学図書館の使い勝手がむしろ悪くなる、という経験はよくあります。平日昼間のみの図書館に行けないし、利用できるサービスや自由に見られる資料もだいぶ限られます。年休取って図書館に行くということもちょいちょいあります。
あと、お金が手に入ると、本は買っちゃう。
Q.具体的な就職先として図書館を視野に入れはじめた(公務員講座を受講し始めた等、行動に移し始めた)時期は?
A.
視野に入れはじめたのは小学1年生くらいの時で、試験勉強を始めたのは試験の3-4カ月くらい前でした。修論書き終わった後から、むちゃくちゃ勉強した。マクドナルドに12時間くらいいて、閉店後はミスドに行きました。(スタバはまだ銀座くらいにしかなかった時代)
Q.専門試験(図書館情報学)の勉強方法は?
A.
知識系は、大学のクイズ研究会に入って、クイズを自作するということを日頃からやっておく。出題者の視点を持って教科書や概説書をひととおり読めば、どこが試験問題に出そうかがだいたいわかります。
論述系や面接は、ブログを書くといいのではないでしょうか。一度も考えたことも書いたこともないことについて、いきなり書けって言われても書けるものじゃないので。
Q.出版業界や図書館関連企業への就職については視野に入れていたか?
A.
なかったと思います。世間的に見て職種が似てる・関連してるということと、自分自身の思いみたいなのとは、必ずしも近寄らないというか一致しないんじゃないでしょうか。もし自分の思いみたいなのと真摯に向き合って図書館以外の職種を探すと、図書館とは全然別の仕事がヒットするような気がします(建築家とか)。
Q.これから図書館業界を目指す後輩へひとこと
A.
いったん選んで行った場所が、必ず唯一永遠の居場所だっていうふうに思いこまないこと、だと思います。職種も職場も居場所も、いくらでも変わり得るし、変えたらいいし、それは自分の考えや思いや興味が変わったり、自分の真意に気づいたりということもあるだろうし、家族や外部社会の変化によって変えざるを得ないということもあるだろうし、いままでなかった新しい職業や制度が登場することもあるだろうし、なので、それに応じて移ればいいし変わればいい、というふうに心得ておいていいんじゃないかなと思います。物事も環境も自分も静止した状態で考えてはならない、って、あたしは金八先生に教わりました。
Q.お気に入りの図書館は?
A.
うちとこの図書館
京都芸術センター(旧・明倫小学校)の図書室(演劇分野)
名古屋都市センターのまちづくりライブラリー(都市・建築分野)
ハーバード大学ラモント図書館(学部生用)
ダメだ、考え出すときりがない・・・。
Q.最近読んだ面白かった本は?
A.
『地球の歩き方 アイルランド』
Q.最近気になった図書館ニュースは?
A.
今日配信のニュースをGoogleに見に行きましたが、何これ?>「「メイプルストーリー」が本日アップデート。新コンテンツ「次元の図書館」を実装」
追加質問を書いた紙があったはずなんだけど見つからないので、またいずれ。
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(2014.3.25 追記)
追加質問が入手できたので。
Q. 日本と海外と比べて業務内容が違いすぎて困った点とこの制度を日本で取り入れたい、または日本の方が優れていると思う点を教えてください。
A.
特にアメリカと一番ちがうのは、ライブラリアンが自分で何かを決める権限を持っている人が多い、ということだと思います。権限を持っていない人でも、自分で判断して自分で決めるべきことをその場その場で決断していくということを普段から各自がやっているので、何かやるときに話が進むのはとても早いです。
ただ、逆にかってにめいめいで決めてしまうということもたまにあって、根回しが必要なことについては日本のほうが得意なのかなと。また、すでに決まっていることを素早くてきぱきと片付けることも、日本のほうが得意かもしれません。
いずれにしても、海外で成功している何かの事例を日本で取り入れるというときには、形だけそのまま何の考えもなく取り入れてもうまくいくことはまずありません。それぞれの事情に応じて、何が問題か、何が本質かを確認しながら、ということが必要だと思います。
Q. 外部の方が大学図書館を利用されることがあると思いますが、どんな目的で使っていらっしゃいますか。
A.
うちとこは”大学共同利用機関”で、外部の人に使われることが前提でもあります。
特徴的に多いのは、マイクロフィルムの利用です。一般的な図書と違って、よそで持っていないものをうちが持っている、ということが多いようなので。
Q. 印象に残っているレファレンスはありますか。また、レファレンス内容はどういった物がありますか。
A.
すでにネットなどで徹底的に調べてきてて、「**も**も**も**も****も調べたけど、わかんないんですよ、でも図書館の人ならわかるでしょ?」って言われると、頭がまっしろになりますね。
→参照 http://egamiday3.seesaa.net/article/383485018.html
Q. 教員の方々の大学図書館の使用頻度はどのくらいですか。
A.
人によってまちまちです。毎日のように来る人もいます。ただ、ほとんど見かけない/来ない人もやっぱりいるので、そういった人たちに来てもらうか、せめてメールででも頼ってもらうにはどうしたらいいだろう、っていうのが一番の考えどころだと思います。
2014年03月15日
《メモ》海外の日本研究・情報・図書館にまつわる、日本での動きの、2012年頃から以降のまとめ
海外の日本研究にまつわる、資料・情報・図書館的なできごとのまとめです。
要は、『本棚の中のニッポン』的なできごとのまとめです。
だいたい2012年頃から以降、本書出版後的な感じです。
日本での動きのほうです。
まあ自分の目から見てっていう感じで。
なんかもっといろいろあったような、頭を切り替えればちがうものを思い出せるような気もするんだけど、「これもあったよ」ていうのがあればご指摘ください。
(2011年11月23日)
●ハワイ大学マノア校図書館と琉球大学付属図書館、5年間のILL無料化を開始
−(琉球大学側からの依頼は)国内の機関に所蔵がなく、ハワイ大学マノア校図書館が所蔵している資料が対象となる。
・琉球大学附属図書館 ≫ ハワイ大学マノア校図書館とのILLの無料化について
http://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/?p=7169
(2012年6月)
●文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(JLPP)、事業仕分けで打ち切り
−文化庁が立ち上げたプロジェクトで、日本の現代文学の作品を翻訳して海外の出版社から出してもらうというもの。10年で123タイトルを出版。
−民主党政権時代の事業仕分けで打ち切りが決定した。
・日本文学翻訳事業に"棹さして"--事実誤認に基づく「仕分け」の愚 (加藤 典洋/早稲田大学国際学術院教授) YOMIURI ONLINE(20121001)
http://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/opinion/culture_121001.htm
(2012年10月25日)
●Amazonが日本向け「Kindleストア」をオープン
−オープン当初は5万冊から開始。
・Amazon.co.jpが日本向け「Kindleストア」を10月25日にオープン、Kindleの国内予約販売も開始 | カレントアウェアネス・ポータル
http://current.ndl.go.jp/node/22147
・Amazon「Kindle」を日本でも11月発売、「Kindleストア」は10月25日オープン -INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20121024_568193.html
(2012年11月20日)
●第14回図書館総合展で、フォーラム「クールジャパンから リアルジャパンへ」開催
−「クールジャパンから リアルジャパンへ : グローバルな日本研究を支えるMLAコラボレーションを目指して」
−主催:北米日本研究資料調整協議会(NCC)/図書館総合展運営委員会
−第1部:ライブラリアンと語るわたくしの日本研究(ドナルド・キーン、エイミー・ハインリック)
−第2部:リアルジャパンを世界に発信!クールジャパンを超える世界的MLAコラボレーションは可能か(ヨコタ=カーター啓子「北米での日本研究資料へのアクセスマップ」ほか)
・Ustream(アーカイブ)
第1部 http://www.ustream.tv/recorded/27153562
第2部 http://www.ustream.tv/recorded/27154591
・「クールジャパンからリアルジャパンへ」 #図書館総合展 2012 #NCC サミット へ行ってきました・記録: egamiday 3
http://egamiday3.seesaa.net/article/304120663.html
・Togetterまとめ
http://togetter.com/li/410765
(2013年1月27日)
●JapanTimes、1897年創刊以降の紙面を電子化
−1897年創刊以来、約120年の歴史を持つ英字新聞。
−2013年2月から、ブルーレイディスク25枚(1セット100万円以上)として販売。
−その後2014年3月、web版の提供開始を発表。(ディスクとセット)
・ジャパンタイムズ114年分販売 真珠湾攻撃など紙面電子化 - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013012701001489.html
・『The Japan Times』紙面115年分のアーカイブがWEB版でも誕生|株式会社 ジャパンタイムズのプレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000007388.html
(2013年2月19−20日)
●平成24年度「日本専門家ワークショップ」、開催
−「日本専門家ワークショップ」は、国立国会図書館・国際文化会館・国際交流基金などが共同で行なってきたもの。
−H22社会科学分野、H23人文科学分野を中心に研修が行われる。
−H24年度は過去2年間を踏まえ会議(非公開)・シンポジウム(公開)が開催される。
−1日目「日本専門家育成戦略会議」(非公開)。海外・国内の日本研究者・情報専門家が参加。
−2日目シンポジウム「なぜ今、海外日本研究支援か?」(公開)。
・E1408 - シンポジウム「なぜ今,海外日本研究支援か?」<報告> | カレントアウェアネス・ポータル
http://current.ndl.go.jp/e1408
・(メモ)日本専門家ワークショップ2013 の index: egamiday 3
http://egamiday3.seesaa.net/article/331591534.html
・#JSW2013 「いまなぜ海外日本研究支援か」 - Togetter
http://togetter.com/li/459220
(2013年3月7日)
●国立国会図書館、東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」を公開
−国内外・官民を問わず、紙・デジタルの記録を一元的に検索・閲覧可能とする。
−ハーバード大学ライシャワー日本研究所もその対象のひとつ。
・E1413 - 国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)の公開 | カレントアウェアネス・ポータ
http://current.ndl.go.jp/e1413
(2013年6月)
●「20世紀メディア情報データベース」公開・運用開始。
−NPO法人インテリジェンス研究所 / 文生書院
−プランゲ文庫の目次データベースとして、従来無料で公開されてきたもの。(300万件以上を収録)
−2013年6月より「20世紀メディア情報データベース」として有料化。プランゲ文庫に限らず範囲を拡大する。
(2013年6月7日)
●ディスカバリーサービスSummonに、JapanKnowledge搭載
−SummonはSerials Solutions社のディスカバリーサービス。大量の文献を統合検索可能。
−JapanKnowledgeの日本語コンテンツがその対象となり、インデクシングされることが発表される。
※その他、ディスカバリーサービスと日本語コンテンツ関連
・医中誌WebがSerials Solutions社のディスカバリサービスSummonで検索可能に(2012年10月30日 http://current.ndl.go.jp/node/22195)
・ジャパンナレッジのメタデータがEBSCO社のディスカバリサービス“EBSCO Discovery Service”に提供へ(2013年8月7日 http://current.ndl.go.jp/node/24109)
・Serials Solutions社、ディスカバリーサービスSummonの検索対象に丸善の日本語電子書籍コンテンツの追加を公表(2013年10月25日 http://current.ndl.go.jp/node/24675)
・EBSCO社、EBSCO Discovery Serviceに丸善の日本語電子書籍のメタデータの追加を発表(2014年2月19日 http://current.ndl.go.jp/node/25509)
(2013年6月11−20日)
●「天理古典籍ワークショップPhase2」、開催
−海外の研究者・司書を対象に、古典籍(和古書)の目録・取り扱いについて実践的な研修を行なうもの。
−かつて3年連続で行われていたワークショップ(Phase1)の、第2回。
・山中秀夫. 「天理古典籍ワークショップPhase2を終えて」. 『ビブリア天理図書館報』. 140, 2013.10, p.95-80.
・OJAMASG - Overseas Japanese Antiquarian Materials Study Group / 在外日本古典籍研究会
http://www.jlgweb.org.uk/ojamasg/
(2013年8月15日)
●TPP著作権延長問題に関する北米日本研究資料調整協議会による意見書
−TPPによる著作権延長協議に対し、北米日本研究資料調整協議会(NCC)が、内閣官房 TPP政府対策本部に意見書を出す。(全文を下記Facebookページで公開)
−著作権保護期間の延長は、外国における日本文化研究にも大きな悪影響を及ぼす懸念があると主張。
・NCCJapan - NCC chair Kuniko Y. McVey sent a letter to the Japanese...
https://www.facebook.com/NCCJapanInfo/posts/503810106365888
(2013年9月28−29日)
●第1回 EAJS日本会議、京都大学で開催
−ヨーロッパ日本研究協会(European Assocdiation of Japanese Studies)
−ヨーロッパでの本会議のほか、日本での小規模な会議を3年ごとに開催することを始める。
−発表者 118名、参加者 250名。
・EAJS: EAJS Conferences in Japan
http://www.eajs.eu/index.php?id=630&L=1%252
(2013年10月30日)
●第1回本棚の中のニッポンの会、開催
−世界各地における日本語での学術情報発信のあり方を考える会、として呼びかけられる。
−第15回図書館総合展@横浜の夜
−当日の主なテーマは「ディスカバリーサービスにおける日本語コンテンツの乏しさ」
・本棚の中のニッポンの会
https://www.facebook.com/pages/本棚の中のニッポンの会/432675023508923
・第1回 #本棚の中のニッポンの会 @横浜(2013.10.30) - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/583634
・#本棚の中のニッポンの会 個人的なまとめ - 変更履歴 はてな版
http://d.hatena.ne.jp/digitalnagasaki/20131030/1383157603
(2013年12月5日)
●OCLC WorldCatに雑誌記事索引(NDL)データが収録される
−国立国会図書館作成の雑誌記事索引データが、OCLCのWorldCatで検索可能になった。2013年12月の提供開始時点では約1000万件。その後、データは週次更新される予定。
・国立国会図書館月報 635(2014年2月)号(p.34)
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8424694_po_geppo1402.pdf?contentNo=1
(2014年1月)
●バチカン図書館で近世豊後のキリシタン関係史料約1万点
−1930-40年代に宣教師マリオ・マレガ神父が収集したもの。
−17−19世紀のキリシタンに関する史料等。
−2014年度から6年計画で調査・整理・目録化・デジタル化公開の予定。国立歴史民俗博物館、大分県立先哲史料館、東京大学史料編纂所などの共同で(マレガ・プロジェクト)。
・バチカンで近世豊後のキリシタン文書発見【大分のニュース】 大分合同新聞
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2014_139061010816.html
・バチカン図書館で近世豊後のキリシタン関係史料1万点が発見 | カレントアウェアネス・ポータル
http://current.ndl.go.jp/node/25366
(2014年1月)
●慶應義塾大学のコレクション8万冊がHathiTrustに加わる
−著作権クリアな年代の古い資料が全文で公開。
・Catalog Search Results | Hathi Trust Digital Library
http://catalog.hathitrust.org/Search/Home?filter[]=htsource:Keio%20University
・Update on January 2014 Activities
http://www.hathitrust.org/updates_january2014
(2014年1月21日)
●国立国会図書館が、図書館向けデジタル化資料送信サービスを開始
−国立国会図書館のデジタル化資料のうち、絶版等で入手困難な約131万点を、公共図書館等で利用可能。
−著作権法第31条第1項の適用を受ける図書館等が対象のため、海外には対応せず。
・図書館向けデジタル化資料送信サービスを開始しました|国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2013/1204154_1828.html
・図書館向けデジタル化資料送信サービス|国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/jp/library/service_digi/index.html
・国立国会図書館デジタルコレクション - 図書館向けデジタル化資料送信サービスについて
http://dl.ndl.go.jp/ja/about_soshin.html
(2014年1月30日)
●国立国会図書館で、シンポジウム「海外の日本研究に対して日本の図書館は何ができるのか」が開催
−基調講演:「海外の日本研究と日本の図書館の役割 −北米、及び東南アジアの事例から」
和田敦彦氏(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
−パネルディスカッション:「海外の日本研究のために日本の図書館は何ができるのか」
パネリスト:ウィリー・ヴァンデワラ(ルーヴェン・カトリック大学教授、EAJRS)、江上敏哲(国際日本文化研究センター)、篠崎まゆみ(オーストラリア国立図書館)、ジョ・ヘリン(韓国国立中央図書館)、マクヴェイ山田久仁子氏(ハーバード燕京図書館、NCC)
・日本研究支援シンポジウム「海外の日本研究に対して日本の図書館は何ができるのか」|国立国会図書館―National Diet Library
http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/knssympo.html
・日本研究支援シンポジウム「海外の日本研究に対して日本の図書館は何ができるのか」20140130 #日本研究シンポ - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/622943
・NDL日本研究支援シンポ「海外の日本研究に対して日本の図書館は何ができるのか」20140130江上
http://www.slideshare.net/egamislide/ndl-30879993
(2014年3月11日)
●はてなブックマークで、東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」へウェブサイトを推薦
−東日本大震災に関連したwebサイトに「ひなぎくはてな」というタグをつけてブックマークすると、そのURLが記録すべき情報として「ひなぎく」プロジェクトへ推薦される。
−長期で保存すべきものを国立国会図書館とハーバード大学ライシャワー日本研究所が協力して収集する。
・株式会社はてな、東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」に協力:専用タグ「ひなぎくはてな」 を付与してブックマークされたウェブサイトを「ひなぎく」へ推薦 | カレントアウェアネス・ポータル
http://current.ndl.go.jp/node/25675
●●GIFプロジェクトについて
(★未調査・要確認事項が多い)
−国立大学図書館協会の学術情報委員会において、平成24年度(以降?)の活動としてGIFプロジェクトチームが設置される。
−GIFプロジェクトチームの会議は、第1回・2012年10月、第2回2013年5月に開催されている。
−これまでのGIF活動の総括として「総括レポート」(?)がとりまとめられている。
−2013年11月25日、GIF参加機関(日本?)に対し、海外ILLに関するアンケート調査(?)が実施されている。
・平成24年度学術情報委員会活動報告
http://www.janul.jp/j/projects/si/katsudo_24.pdf
2014年03月02日
東京国立博物館の東洋館 : ミュージアムの"道"について
先日、東京国立博物館の東洋館(リニューアルしはったの)を拝見してきたんですが、そこで、おおっ!?と思ったことがあったので。
・東京国立博物館 東洋館リニューアルオープン | 弐代目・青い日記帳
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3091
「約3年のリニューアル期間を経て世界のどの美術館も羨むような素晴らしい展示空間へ生まれ変わりました。」
↑この記事を読んでたので、楽しみにしてたです。
入室前にもらったフロアプラン兼解説パンフには、
「テーマは 旅!」
と「!」付きで目立たせて書いてました。
曰く「東洋館は「旅するギャラリー」です」と。アジア各地域の、各時代の歴史をめぐり、それぞれに思いを馳せる旅である、と。
なるほどねー、と思います。
展示室に入ってすぐ、天井が高いっ、とか。
天井が高いから、背丈の高い仏像さんが余計にしゅっとして見えてかっこいい、とか。
あと、ほかにも読んでて気になってた記事↓があって。
・木下史青氏に聞く東洋館リニューアルのポイント | 弐代目・青い日記帳
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3105
「近寄っても自分の顔がほとんど映らないのが実感できると思います。これは低反射ガラスを用いているからです。」
・生まれ変わった東洋館─新しい展示ケース | 東京国立博物館 - 1089ブログ http://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/2012/12/20/
「改修後は展示台を単純にガラスで覆ったケースとすることで余分なものがそぎ落とされました。作品を間近でみると作品がケースに入っていない展示のようにも見えます。」
それで実際見に行ってみると、確かに、ガラスがとてつもなくきれいというか透明で、すっごく見やすい。見やすいって言うか、ガラスなんかもうそこに無いものとしか思えてない。ぼーっと見歩いてると、たまに室内に小さな雲か煙みたいなのが浮かんでるのが目に入って、え、なに?って思うんだけど、よく見たらそれはガラス板を誰かが触って付いちゃったときの手の脂で、それが宙に浮いてる何かに見えてしまうほどに、ガラスの透明度がハンパないっていう。反射・うつりこみが少ないっていう。先に「竹内栖鳳展」で痛い目を見てた(http://egamiday3.seesaa.net/article/382848898.html)だけに、これはなんという驚きの見やすさかと。驚きの透明感かと。たまにテレビで見る、あまりに海の水が透明でボートが宙に浮いてるように見えてしまうっていう、あれ。
しかも、ガラスがでかい。でかいっていうのはつまり、継ぎ目がなくて一枚の面積がすごいでかいガラスとかが壁展示にあって、横にも縦にも幅広に継ぎ目がなくて、なんていうんでしょう、もう壁とかケースとかいうレベルではなく、施設・設備というレベルですらない。ひとつの大きな”世界”をそこに設けているというレベル。そのくらいのガラスのでかさ、ガラスがこの世界を枠組みしちゃってる感。
ごめんなさい、もうこれ白状しちゃって、懺悔告解しちゃっていいですか。
もはや展示品なんかいっこも見てませんでした。何が展示されてたなんかいまはほとんど覚えてない。
ずっとガラスばかり見てました。
すげえななんだこれ、って。
なんか照明器具もいちいち柔軟で使いやすそうで高技術っぽくて、しかもかっこいいし。
なんだこれって。どこのプロデューサーだって。
ていう感じでぶらぶらと見てまわって(注:ガラスを)、ふと、自分がいるフロアを眺めてみると。
フロアが、なんか宙に浮いてる。
入室してすぐのエントランス、天井の高い吹き抜けの展示室の、その上のほうの中空にあたるところに、薄ーいチョコ板みたいな細長のフロアがあって、それがあたかも吹き抜け中に浮いてるような感じになってる。あと、そのひとつ上やひとつ下のフロアも、細長くたがいちがいに浮かんでる感じになってる。
あれ、これスーパーマリオの雲の面とか高い木の面のやつじゃないの、ってとっさに思ってしまうような世代の生まれですよ。
とかなんとかいらんこと考えてて、じゃあまあもういい時間だし帰るか、って、帰ろうとするじゃないですか。
なんか、帰れないんですよ。
4階から下へ行こうと階段をおりる。3階にでる。あっちに階段があるらしいからって行ったら、そこには上り階段しかなくて、また4階に戻る。
・・・あれ?ってなる。
さっき入ってきたはずのあの広いエントランスに戻りたいだけですから、ひとフロアづつ階段を事務的に下りていけばいい。そのくらいにしか思わないじゃないですか、ふつー。でもそれだと帰れないんですよ。
4階からは3階にしか行けないし。
5階からは3階に行けるし。
B1階から上にあがったら2階だし。
なんというトリッキーなことでしょう、これほんとにリニューアル後のアフターか、改善前のビフォーじゃないのか、じゃなきゃいま流行りのリアル脱出系か、っていう理不尽なフロアプラン。事務的な移動なんてぜんぜん通用しなくて、ひとつ上なりひとつ下なりに行こうと思ったら、フロアの反対側だのその裏側だのまですっげえ大まわりで歩かなきゃいけない。じゃなきゃ、意図しないフロアに出る。出たところで、あれ、なんだこんな展示室あったんだとか、この展示品まだ見てないや、ってなって、またしばらく見ちゃってる。帰れないっていうか、帰らなくなってる。
なんだこれ、まるで彷徨える旅人じゃないか。
・・・・・・あ。
「テーマは 旅!」
あ、ほんまやw ((c)明石家さんま)
パンフ解説の続き。
「ここ東洋館は建物の構造がちょっと複雑で、迷ったり、すぐに目的の展示室へ行けなかったりするかもしれません。けれどもそれも旅の醍醐味です。疲れたら一息つけるオアシスもあります。」
いやあ、解説文ってちゃんと読んどくべきですね(笑)。
旅がテーマです、旅するギャラリーです、っていう触れ込み文句があったとしても、たいていはまあ抽象的というかイメージでそういうことゆってるんだろうな、くらいにしか思わないもんですけども、ことここに限って言えば、なるほど確かに「旅するギャラリー」としか言いようがなかったです。存外に、旅が具現化されてました。
場としてのミュージアムとしては、空間とか建築とか施設設備を感じるのがまあ常だと思うんですが。ミュージアムの中に”道”が延びているのを感じたのは、あまりない経験かもです。そして、道を歩くのが旅なら、この東洋館全体はまぎれもなく”世界”だな、って思います。東洋がひとつの”世界”なら、”世界”を描いた空間が、象りがここにあったんだなあ、って。
そしてそれは、見知らぬ展示品との思わぬ出会いを得られるように、設計された道なんだろうなとも思います。
結果として。
ああ、旅に出たい! 俺を旅に出させろ!
という気にさせてくれる博物館でした(そんな意図なかったとは思いますが)。
2014年03月01日
(メモ)ku-librarians 174 「紅茶とビールと図書館の旅」 2014.2.20 #kul174
・第174回ku-librarians勉強会:海外研修報告:紅茶とビールと図書館の旅 - 勉強会の予定・記録 - ku-librarians: 図書系職員勉強会
http://kulibrarians.g.hatena.ne.jp/kulibrarians/20140220/1391770411
・第174回ku-librarians勉強会: 「海外研修報告:紅茶とビールと図書館の旅」 #kul174 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/632651
当日聞いてて、いろいろ考えたことやつっこみたいことがあったのでそのメモ。
2/20が勉強会での発表で、2/27がオフィシャルな場での発表だったとのことですが、本メモは前者のほう。
・全体的にもう参りましたと、白旗揚げますという、珠玉の出来だったことを大前提としてください。多分あの人らは「若手の毛皮をまとったベテラン」なんだと理解してます。
これ後輩にとってはハードルあがってるけど、またこの後輩たちはこれを越えちゃうんだろうな・・・kuはおそがいな・・・。
・「なぜイギリスとドイツを行き先にしたのか」の説明は必須かと思う。なぜそのテーマの調査をするのにその国・地域へ行ったのかという、相手を納得させる説明。
もちろんこの手の海外研修では、個人的興味や親和性からチョイスしたり、言語やスケジュールや予算の問題から現実的に選択肢が限られてたり、人脈や上司・組織の都合だったり、そもそもその国だということが先に決まってたりするのが、まあまあの常なんで、純粋にこのテーマ調査だからここへ行く、っていうことのほうがむしろ珍しかったりもするんだけども、だとしても、そんな現実的ほんまの理由は押し入れの中に投げ入れ隠してでも、「なぜそこへ行ったのか」の説明は最初にあらまほしきかと。「海外に行くこと」それ自体が目的だったのではないアピールとしても。
・予習ばっちり感がハンパなかった。予習ばっちりトリオだった。ていうか、イギリスとドイツへの調査報告の導入にまずアメリカの事例から入ってること自体、そのテーマに対して相当に予習を積んでるということの明らかな証明だったなと。
いや、「予習」って言ったら失礼やな、これもう「研究」に足つっこんではるな、すみません。
・ただ、予習ばっちり調査ばっちりだと、どうしても発表時に盛り込む内容がたくさんになっちゃう。今回の配付資料にも詳細な数字なりなんなりたくさん載ってたし、図版も文献名も聞き取り調査のコメントも盛りだくさんだったし、3人で2時間半かかってたし、でも本番は90分だったらしいし。
わかるんです、全部載せしたいその気持ちはすげえわかる、せっかく調査してわかったこと気づいたことは載せたい、知らせ伝えたいってなるのは、こっちのお腹も痛くなるくらいに気持ちわかるんですけど、やっぱりそこをなお涙を呑んで鬼になってがんがん捨てていかないと、特に口頭発表ではダイジェスト版に毛も生えない程度にカットしないと、結果的に伝えたいことも伝わらないっていう。そういう痛い目は何度も見てきたし、断捨離技術はプレゼンに必須だなあって、自分のプレゼン見ても他人のプレゼン見ても思うです。
・で、じゃあなぜ発表時にたくさん盛り込みたいっていう気持ちになっちゃうのか、って考えたら、それは、その1回の発表の場でしかアウトプットできないんじゃないか、っていうおそれの気持ちがあるからなんで、ということは、アウトプットをその1回の発表だけに頼らずにちがうかたち・ちがうルート・ちがうメディアでのアウトプットを複数やってけば、載せ盛り込むことも断捨離で伝えやすくすることも両方とも成就できるじゃん!ていう。
つまり、そもそもこのお3人のこれだけの潤沢でfruitfulな調査・研究成果をひとつふたつに収めて終わらすってことが、もったいないというかサイズとしてちぐはぐな話なわけで、せめて、最低でも『大学図書館研究』に1本、できれば3人それぞれで計3本の記事を、って思うし。あと各自が取り組んだテーマをもっとフォーカスさせて、近畿・国内の各所・各団体での催しで発表しなおしてもらったらいいし。ていうか小分けにテーマ設定すれば、精華町方面が黙ってるわけもないCA案件の宝石箱なわけだし。
アウトプットは事後に限ることではなくて、こないだやってたあのプログラムはなんだったっけ、IFLAやRDAやに行った人が道中でブログやTwitterやFacebookにガンガン流してたやつ。
・余はいかにして(RDA調査紀行)
http://rdaresearch2013.blog.fc2.com/
・#国大図協派遣 @sabarya さん、シンガポールを行くの巻 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/551327
もちろん、ブログ・Twitter・Facebookはリアルタイムじゃなきゃいけないなんて、誰も決めてないので、いまからでも成果を逐次upしちゃったらいいんだけの話ですけど。どう考えたって数ヶ月で幕引きできるような研究テーマでもなさそうだし、「我々の闘いはこれからだ!」って言えばいいんだし、実際これからなんだろうし。
・↑要するに、あたし自身、当日2時間半の話を聞いても全然聞き足りなかったので、もっと聞きたいっていう。
・研修における”アウトプットのデザイン”も、今後のこういう企画では必須になっていきますね。
・内容のことを何も触れてないですが(笑)、あたしにとってはどのテーマも離れて久しい感じだったので、すげえおもろかったし勉強になりました。m(_ _)m
・Yさんの「言うだけならタダ」という、今後こうしてったらいいんじゃないか放談がおもろかったし、うなずけるし、想いが伝わってきた。ていうか”本編”だった。そう、どんなことだって最初は「言うだけならタダ」から始まるわけなんで、その精神はすごく大事だと思たです。
・モバイル端末向けサービスの肝って、モバイル端末上で何ができるか/すべてができるか、よりは、そのモバイル端末と図書館現地・資料現物・職員その他のオフライン的存在・物理的現実世界とがどうシームレスにつながるか、のほうじゃないかなあと思たです。
その典型的なのがGPS地理情報を活用したアプリやモバイル向けサービスで、アレは要はモバイル端末内の情報・仮想と、いまここの場所っていう物理的現実とを、端的に結びつけることにいともたやすく成功しているわけで、だからGPS使ったサービスってたくさんあって人気だし、いまどきそれなしのアプリなんて、くらいの勢いなんじゃないかな。
・あとは全体的に、Sくんの鼻の下がのびてるなあ(@フォトアルバム)という印象が残った。
それは別にしても、みなで旅を楽しんでるなというのがよくわかった。あたしなんかもうこんな新鮮な気持ちとピュアな瞳で海外旅行なんてできないかもしれない・・・><
http://kulibrarians.g.hatena.ne.jp/kulibrarians/20140220/1391770411
・第174回ku-librarians勉強会: 「海外研修報告:紅茶とビールと図書館の旅」 #kul174 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/632651
当日聞いてて、いろいろ考えたことやつっこみたいことがあったのでそのメモ。
2/20が勉強会での発表で、2/27がオフィシャルな場での発表だったとのことですが、本メモは前者のほう。
・全体的にもう参りましたと、白旗揚げますという、珠玉の出来だったことを大前提としてください。多分あの人らは「若手の毛皮をまとったベテラン」なんだと理解してます。
これ後輩にとってはハードルあがってるけど、またこの後輩たちはこれを越えちゃうんだろうな・・・kuはおそがいな・・・。
・「なぜイギリスとドイツを行き先にしたのか」の説明は必須かと思う。なぜそのテーマの調査をするのにその国・地域へ行ったのかという、相手を納得させる説明。
もちろんこの手の海外研修では、個人的興味や親和性からチョイスしたり、言語やスケジュールや予算の問題から現実的に選択肢が限られてたり、人脈や上司・組織の都合だったり、そもそもその国だということが先に決まってたりするのが、まあまあの常なんで、純粋にこのテーマ調査だからここへ行く、っていうことのほうがむしろ珍しかったりもするんだけども、だとしても、そんな現実的ほんまの理由は押し入れの中に投げ入れ隠してでも、「なぜそこへ行ったのか」の説明は最初にあらまほしきかと。「海外に行くこと」それ自体が目的だったのではないアピールとしても。
・予習ばっちり感がハンパなかった。予習ばっちりトリオだった。ていうか、イギリスとドイツへの調査報告の導入にまずアメリカの事例から入ってること自体、そのテーマに対して相当に予習を積んでるということの明らかな証明だったなと。
いや、「予習」って言ったら失礼やな、これもう「研究」に足つっこんではるな、すみません。
・ただ、予習ばっちり調査ばっちりだと、どうしても発表時に盛り込む内容がたくさんになっちゃう。今回の配付資料にも詳細な数字なりなんなりたくさん載ってたし、図版も文献名も聞き取り調査のコメントも盛りだくさんだったし、3人で2時間半かかってたし、でも本番は90分だったらしいし。
わかるんです、全部載せしたいその気持ちはすげえわかる、せっかく調査してわかったこと気づいたことは載せたい、知らせ伝えたいってなるのは、こっちのお腹も痛くなるくらいに気持ちわかるんですけど、やっぱりそこをなお涙を呑んで鬼になってがんがん捨てていかないと、特に口頭発表ではダイジェスト版に毛も生えない程度にカットしないと、結果的に伝えたいことも伝わらないっていう。そういう痛い目は何度も見てきたし、断捨離技術はプレゼンに必須だなあって、自分のプレゼン見ても他人のプレゼン見ても思うです。
・で、じゃあなぜ発表時にたくさん盛り込みたいっていう気持ちになっちゃうのか、って考えたら、それは、その1回の発表の場でしかアウトプットできないんじゃないか、っていうおそれの気持ちがあるからなんで、ということは、アウトプットをその1回の発表だけに頼らずにちがうかたち・ちがうルート・ちがうメディアでのアウトプットを複数やってけば、載せ盛り込むことも断捨離で伝えやすくすることも両方とも成就できるじゃん!ていう。
つまり、そもそもこのお3人のこれだけの潤沢でfruitfulな調査・研究成果をひとつふたつに収めて終わらすってことが、もったいないというかサイズとしてちぐはぐな話なわけで、せめて、最低でも『大学図書館研究』に1本、できれば3人それぞれで計3本の記事を、って思うし。あと各自が取り組んだテーマをもっとフォーカスさせて、近畿・国内の各所・各団体での催しで発表しなおしてもらったらいいし。ていうか小分けにテーマ設定すれば、精華町方面が黙ってるわけもないCA案件の宝石箱なわけだし。
アウトプットは事後に限ることではなくて、こないだやってたあのプログラムはなんだったっけ、IFLAやRDAやに行った人が道中でブログやTwitterやFacebookにガンガン流してたやつ。
・余はいかにして(RDA調査紀行)
http://rdaresearch2013.blog.fc2.com/
・#国大図協派遣 @sabarya さん、シンガポールを行くの巻 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/551327
もちろん、ブログ・Twitter・Facebookはリアルタイムじゃなきゃいけないなんて、誰も決めてないので、いまからでも成果を逐次upしちゃったらいいんだけの話ですけど。どう考えたって数ヶ月で幕引きできるような研究テーマでもなさそうだし、「我々の闘いはこれからだ!」って言えばいいんだし、実際これからなんだろうし。
・↑要するに、あたし自身、当日2時間半の話を聞いても全然聞き足りなかったので、もっと聞きたいっていう。
・研修における”アウトプットのデザイン”も、今後のこういう企画では必須になっていきますね。
・内容のことを何も触れてないですが(笑)、あたしにとってはどのテーマも離れて久しい感じだったので、すげえおもろかったし勉強になりました。m(_ _)m
・Yさんの「言うだけならタダ」という、今後こうしてったらいいんじゃないか放談がおもろかったし、うなずけるし、想いが伝わってきた。ていうか”本編”だった。そう、どんなことだって最初は「言うだけならタダ」から始まるわけなんで、その精神はすごく大事だと思たです。
・モバイル端末向けサービスの肝って、モバイル端末上で何ができるか/すべてができるか、よりは、そのモバイル端末と図書館現地・資料現物・職員その他のオフライン的存在・物理的現実世界とがどうシームレスにつながるか、のほうじゃないかなあと思たです。
その典型的なのがGPS地理情報を活用したアプリやモバイル向けサービスで、アレは要はモバイル端末内の情報・仮想と、いまここの場所っていう物理的現実とを、端的に結びつけることにいともたやすく成功しているわけで、だからGPS使ったサービスってたくさんあって人気だし、いまどきそれなしのアプリなんて、くらいの勢いなんじゃないかな。
・あとは全体的に、Sくんの鼻の下がのびてるなあ(@フォトアルバム)という印象が残った。
それは別にしても、みなで旅を楽しんでるなというのがよくわかった。あたしなんかもうこんな新鮮な気持ちとピュアな瞳で海外旅行なんてできないかもしれない・・・><