2015年07月04日

AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その2)

・AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その1)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421699189.html
・AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その2)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421800363.html
・AAS in Asia 2015, Taipei 参加メモ #AASinAsia
 http://togetter.com/li/837823


●Exhibition(展示ブース)のこと

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 企業やその他団体がブースを借りて展示しているというExhibitionのコーナーです。会場の低層階の人が行き来し集まりそうなところに設置されてある。それで、この人数規模でこの狭い通路みたいなロビーで、20とか30くらいしかブースがないのって、えらいすくないんじゃないか、って思ってたんですけど、でもそれほど混み合ったりしてなくて、そんなに人いなかったな、という印象でした。
 休憩時間はバタバタ移動しなきゃいけないからなのか。分科会に出てない人はどこか外へ出てよそへ行っちゃうからなのか。だいたい毎回こんな感じの人出なのか、いつもはもっとちがってたまたま今回場所の設計があまりよくなかったのか。そのへんはよくわからないです。

 おおむね、パンフやチラシを配る。本の現物を展示する。データベースの紹介をする。ノートパソコンでデータベースのデモをしたり、トライアルの案内をしたり、あと動画を再生したりしてる。そして、ペンとかクリアファイルとかお菓子みたいなんを配っている。それやこれやの手法で、参加者ときっかけを作ってはしゃべっている、という感じ。

 出展しているのは主に、出版社、データベース会社、大学出版会が主だなという感じなんですが、その中にあってちょっと印象に残った出展者が、当の中央研究院のデジタルセンターというところ。まさにこの建物の一角にオフィスを陣取ってはる組織らしいんですけど、そこがこの中央研究院における”デジタル化事業”を担ってはるとのこと。30人くらいのメンバーがデジタルセンターにいて、デジタルの専門家だったり資料の専門家だったりデザインの専門家だったりという各種の役割を持った人たちがいっしょになって、デジタルなコンテンツを作成しているという。それは、中央研究院内の台湾史研究所の持つ史料のデータベースであったり、歴史語言研究所のデータベースであったりするわけです。
 というような話を、そのブースにいた学生スタッフらしき2人と、チーフらしき人1人が英語であれやこれや説明してくれはる、という感じのイベントですね。

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 ブースでは、各種デジタルコンテンツのパンフ類やクリアファイルを配ってたり、出版物を展示してたり、背後のボードに大きく印刷したポスターを掲示してたり、という感じ。あと、ノートパソコンをテーブル上に置いて、目玉らしき古地図のデジタル画像のデモンストレーションみたいのをやってました。

 あとは台湾の学術データベース会社の人らにお会いして、日本語でいろいろ説明をしてもらってました。台湾日日新報とか、うちめっちゃいるやん、みたいなの。めっちゃ営業熱心、なだけでなくて、日本ではどういうデータベースがあるかとか、どういう出版社があるかとかいろいろインタビューされて、データベースを売るにはどうしたらいいかとか尋ねられるから、ああそれは日本の書店さんに代理店になってもらったほうが、うちらも契約しやすいからそうしたほうがいいですよ、どこどこ堂さんとかどこどこ屋書店さんとか、みたいな話を調子に乗ってしてましたけどね。

 あと、webに載ってるデータベースなんだし日本で自分で見りゃわかるだろう、というようなe-resourceであっても、こういうのってやっぱり普段よっぽど意識することがないと、こまめにチェックしたりする余裕なんか仕事中はないから、こういう場で直に関係者の人と触れて話を聞くと、あらためて、あ、こんなんあるんだねーって気付かされること、たくさんあると思うんですよ、たとえネットで見れるe-resourceであってもやっぱり。そういう出会いが得られるのも、こういう学会とかExhibitionの有用な点だろうなって思います。

 あと、日本からアジア歴史資料センターさんが出展してはりました。ここはすごい、こういうところちゃんと来てはるから。


●ライブラリアンの参加のこと

 研究者以外のライブラリアンがもっと来てるイベントなのかと思ってましたけど、結局、自分と阪大・某山さんも含め、中国専門司書の人も含め、ライブラリアン職じゃなく教員で図書館役職の人も含めて、全部で10人くらいでした。そんなもんかーと思った。(前年のシンガポールは2人だったらしい)
 ただ、ほんとのところはわかりません、上に言う10人は全員が北米と日本の顔見知りグループから成るので、もしかしたら台湾の地元のライブラリアンが参加はしてたけどわかってないだけかもしれない。ただ、わかってない人と出会える構造になってなかった、という感じ。
 でも、2日目の朝一のピリオドで「ライブラリアンシップが云々」ていうテーマのパネルがひとつあって、それが唯一の今回のライブラリアン向け企画だったんですけど、そこにその10人がいて、あとそれ以外にも6-7人の聴衆はいたんですけど、たぶん教員職や研究者の人たちで興味を持った人ら、という感じだったんじゃないかなという。あそこにライブラリアンが混じってくれてたとしても、じゃあ多くて12-3人くらいになるのかな、という。

 ただ、来年はもっと多くなりそうな予感というか、予感だけはFacebookあたりからかなり感じとれますけど。

 あと、あたしはうっかりしててそういうラウンドテーブルがあるって気付かなかったんですけど、台湾のドキュメンタリーフィルムによる映像記録、というテーマのラウンドテーブルがあって、そこにフィルム・アーカイブの人が参加してたらしいです。
 そんなんあったんだ、タイトルだけではわかんなかった、アブストラクトを注意深く読んだら確かにそうだった、という。


●ライブラリアンのパネルのこと

 その、ライブラリアン向けパネルについてです。

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 司会・北米A大学の日本専門司書。
 パネリスト・北米B・C・D大学の中国系司書。
 ディスカッサント・日本E大学の図書館役職にある研究者。
 「Librarianship in a changing world: Google is not enough!」という、ひと目見てライブラリアンなら参加しに来るタイトル。(うん、タイトルはそういうふうに付けてください・・・)
 各パネルの発表は、エンベデッド、アジア言語資料、留学生支援などについての、実践報告、実態調査、事例調査報告の類の感じでした。やっぱりなじみ深いテーマの話を、なじみのあるプレゼン手法でしゃべってもらえると、苦手な英語もわりかしするっと身体に入ってくる感じがしますね。
 ディスカッサントの先生が、自分なりの見解を述べて、それにからめながら発表者各者へひとつづつ質問、という、見てて非常に”美しい”流れになってた、一番いい進行のパネルだったと思います。
 あと、フロアまじえてのディスカッションが、一気に実務・実践的なことが中心の話題になって、そのへんもやっぱりライブラリアンの集まりだな、という感じがしますね。自分も参加して、つい議論に集中しちゃう感じになりましたけど。

 このパネルをオーガナイズしたのは、司会の北米A大学から参加してた日本専門司書の方だったんですけど、これは特にNCC(北米の日本司書の集まり)とかCEAL(北米の東アジア分野司書の集まり)とかの企画、というわけでもなんでもなくて、ご自分でオーガナイズしはったとのこと。
 あと、ライブラリアン系のパネルはもうひとつ申請されてたんだけど、採択されなかったという話もありました。そういうこともあるという。


●レセプション

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●北米ライブラリアンとの会話から

 で、そのレセプションで、ライブラリアンたちでかたまって(数人で)この会のありかたや参加者の行動みたいなことについて、いろいろとしゃべってましたという話。

 そもそもこの北米から来たライブラリアンの人たちも、お目当てのパネルとか以外の時間帯には会場にいなかったらしく、むしろ台北どこどこ図書館とか、どこどこアーカイブみたいなところに、事前に何時に何人というかたちでアポとってて、訪問・見学に行ってはったらしいです。そういう話とか聞いてるともしかして、いろんな分野の複数のパネルに連続して参加する、みたいなことやってるのってあたしくらいのものなのか??というようなことすらちょっと考えてしまうという。
 展示ブースにもそんなに人ががやがやいてたわけではないし、会場全体が人混みしてるわけではないから、みんな、時間を作ってはあちこちに出かけたり、必要なグループの人同士で集まって何かしたりしてるんじゃないかしらと。
 これが、このAASでは毎回そんな感じだというのか、それとも今回の時間設定・プログラム構成・会場の物理的構造によるものなのかはちょっとわかんないですけど、でも、事前にアポとってそういうことしてたっていうなら、要はそういうことなんでしょう、ていう感じですね。 

 で、でもみんながみんなそうやって事前にアポとって用意周到にかつスムーズにあちこちに行けるような、ある種のリテラシーがある人たちばかりではないだろうから、そういうのがプランとして用意されてたらいいね、というようなことは言われてました。それはそれでなるほどと思います、ただまあ、それは誰が何のためにやることなのか、という話になるとは思うんで、ちょっと考えどころではあるんだけど。

 とにかく、こういった学会に来ると、今回の台北はともかくとしても、北米の本体の学会のほうは予定予定で詰め込まれすぎ、朝一から深夜までオーガナイズされすぎで、自由に余裕をもって動いたり、いろんな立場の人と話をしたりっていう状態らしくって、それじゃ集まってる意味ないじゃんね、て思うんですけど、そういうインフォーマルなコミュニケーションを持つ場がほしいんだ、みたいなことです。
 って、みんながみんなそう思ってるとは限らないだろうけど、とは言え、実は自分自身、たった2日このAASに参加しただけでもその気持ちがよくわかるというか、なんかねえ、予備校生みたいな1日をおくってる気になるんですよね。予備校生になったことないからわかんないけど。
 ここにいてたら、誰かに会える、会いたい人に会える、ていうか会う機会もなかったような人となんとなく会える、ていうような”ゆる邂逅”ができるようなデザインになってる場所・時間って、なかったんじゃないかなあって思いますね。

 まあそんなようなことを、アルコールも出ないレセプションの片隅で言いたい放題(英語なので言いたいこともなかなか言えないんだけど)の即席ディスカッションを、してましたよね。

 あとはe-resoruceやオープンアクセスの話とか、司書の専門性の話とか、会えてよかったねみたいな話とか、そんなんのフルーツ盛りみたいな感じ。まあ図書館関係者が寄ったらいつもしてるような話です。


●その他
 このほかにも、4年前に来たときよりなんか中央研究院の周りって垢抜けたんじゃないかなって思ったこととか、バスでちょっと外に出たらひとつ別の駅に行っちゃったこととか、二日目のお弁当をあけたら骨付きもも肉のフライドチキンがごはんの上に乗っかってた衝撃とか、学食的なところで大勢でいただいた台湾料理のレベルの高さとか、ペットボトル自販機の写真を撮るアメリカ人とか、もろもろあるのですけど、まあそういうのはまた別の話。
 とりあえずイベントとしてのAAS in Asia 2015 @台北はこんな感じでした、っていう記録です。
posted by egamiday3 at 23:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月03日

AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その1)

・AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その1)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421699189.html
・AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その2)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421800363.html
・AAS in Asia 2015, Taipei 参加メモ #AASinAsia
 http://togetter.com/li/837823


 AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。
 これはその見聞き考えたことの極私的記録です。
 おおむね極私的印象にもとづきますので、という感じで。

(ちなみに、台湾の美味しいものとか、街や人の様子とか、鹿港という台中の町でのぶら歩きとか、そういった旅情のあれこれはここではごっそり省きます。)
 
 AAS in ASIA 2015
 http://aas-in-asia.meeting.sinica.edu.tw/

 ↓来年おこなわれる予定の、同2016@京都・同志社のこととか。
 AAS-in-ASIA@Doshisha 2016
 https://www.facebook.com/events/1374887112837746/


●AASのこと

 AASとは、Assciation of Asian Studiesの略で、北米におけるアジア研究の学会です。
 アジア研究ですから、日本・中国・韓国から東南アジア・南アジア・大陸内部的なあたりも含みます。分野的にも幅広く、人文系から社会・政治・産業なども含みます。参加者は北米の研究者が中心だろうと思いますが、ヨーロッパ、アジアなどこれも幅広くひろがっています。

 AASは毎年3月後半に毎年1回の学会を北米で開催しています。2000人〜3000人とか参加があるらしいです。
 で、最近になって、同じく毎年1回の学会をアジア地域のほうでも催して、アジア現地の研究者が参加しやすいようにしましょうよね、ということをやり始めたらしいです。それがAAS in Asiaです。2014年にシンガポールでおこない、2015年に台北でおこない、そして2016年には京都でおこなわれる予定であるという。

 その、AAS in Asia 2015 @台北に参加してきました。
 主にひとりで。プライベートで、休暇・私費で。
 ちなみに参加費は、早割で4000台湾ドル。標準で5000台湾ドル。1台湾ドルは4円くらいですから、結構な、あれです。
 私はAASの会員とかではないですけど、会員とかではなくてもふつうに参加できました。ていうか会員とかあるのかどうかちゃんとはわかってない。


●会場とその構造のこと

 2015年6月22日(月)の朝、会場へ向かいました。
 会場は台北の中央研究院(Academia Sinica)とよばれる研究機構です。台北駅近くの宿から会場までは、地下鉄で30分くらい、バスで10分くらい、キャンパス内を歩いて10分くらい。やや緑深い感じのところです。

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 中央研究院の中の人文社会系本部ビルみたいなとこが会場で、低層階に図書館や、大きいホールと会議室があり、上層階に各分野の研究室や小さいセミナールームがあり、というような感じです。開会式や基調講演なんかを大きいホールでやり、各分科会を上層階のあちこちのセミナールームを借りてやる、というような構造になってます。
 ほかに、昼食用の中くらいのホール、ロビーでの企業展示(Exhibition)、というような感じ。

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 学会専用の建物ではないし、そこでは学会だけやってるわけでもないです。だからなのかどうなのか、何というか、この催し全体の”見晴らし”があまりよく見通せないな、という印象はありました。自分がいまいる場所や移動している場所以外では、どこに誰がいて何をやっているのか、何がおこなわれているのかが、いまいち俯瞰では把握できないという感じ。物理的にも、頭の中での把握的にも。


●開会式と人の出入りのこと

 開会式と基調講演は、会場の大きいホールでありました。1日目の開会式・基調講演、2日目夜の伝統芸能鑑賞(レセプション(パーティ)前にみんなが集まる)はこのホールにみんなが集まる、という感じです。逆に言うと、みんなが同じ場所に集まるような機会は、ほぼこの時しかなかったという。
 1日目の基調講演、2日目の芸能鑑賞とも、ざっと見てだいたい200人弱くらいが来てるかな、という感じでした。

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 ただし、プログラムによれば分科会(パネル、ラウンドテーブル)は3日間で120件近くあり、それぞれにパネリストが3-4人いて、規則ではパネリストは学会全体で1回しか登壇できないので、ほんとの参加者は300人から400人、自分のような聞くだけの人を含めれば全部で500人程度はいる計算なわけです。でもそんだけの人がこのホールに来てる様子はまったくないし、各分科会での参加者×同時開催数とか、ロビーやエレベーターの人の行き来具合なんか見てても、そんな規模の人出ではない。

 つまり、たいていの参加者は、自分の参加すべき分科会や参加したい催しの時以外は、ここにはいないわけです、たぶんどっか行ってる、または来てない。
 あたしの知り合いの人の動きを見たり話をしたりしてもなるほどそうだったし、2日目だか3日目だかの朝にたまたまバスで見かけて迷ってたので案内してあげたフランスの宗教学者の人がいたんですけど、なんかもう話聞いてると、登壇する分科会にだけ来たみたいな勢いだったりするという。
 まあそりゃそうか、自分の専門分野がちゃんとある研究者の人たちが来てて、まったく専門の分科会に聞くだけでも出るかっていうと、みんながみんなそんなことはしないでしょうという。

 で、分科会だけでなく、基調講演のような全体会にも来てたり来てなかったりする。
 なので例えば、AASに来てるはずで会いたいけどもケータイとか知らない人だと、会えないし捕まらない、っていう。あたしここに来てるはずのある人に会おう会おうと思ってたんだけど、とうとう会えませんでした。会えなかったの、びびった、マジかと。別にそんな大して広くないビルなのに。そういう感じのイベントなのかなと。

 基調講演は、東洋文庫研究部長の濱下武志先生。ここの1階の図書館にも「濱下武志文庫」と称された書架がありました。
 建物内はwifiあり、ゲストアカウント使えました。wifi超大事。
 外は35度越えの猛暑ですが、中はクーラーがんがんに効かせて(そういう土地柄らしい)薄手のジャンパーを重ね着しないととてもじゃないけどやってられないくらい。

●パネルのこと

 基調講演修了後、分科会の時間がスタートしました。
 分科会は大きく分けて2種類あって、「パネル」と「ラウンドテーブル」。ただ、あたしが参加した「ラウンドテーブル」のひとつは、結局それまで見たパネルとまったく同じ進行をしてたので、そのへんの意識はあんまよくわかんない。
 ので、以下、「パネル」として。

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 パネルは1ピリオドが約2時間(1時間55分)。9時-11時と、11時-13時と、お昼休みを挟んで、14時-16時と、16時-18時。各ピリオドで同時に14の分科会が進行してます、ほぼ毎ピリオドそのくらいいやってる。
 で、間の休憩時間が10分しかありません。しかも各ルームはこの建物のわりとあちこちに点在しているかたちで借りてて、南棟と北棟にわかれてて、エレベーターがだいぶ小さいもんだから、部屋間の移動に結構な時間がかかる。いちおうリフレッシュの軽食とコーヒーがサーブされるエリアが低層階にあるんだけど、休憩時間でもこの人数規模に比したらほぼいないに等しいんじゃないかくらいしか、人を見かけないっていう。あとでたぶんちゃんと紹介するExhibitionにも、言うほど人がいない。だからやっぱり、会いたい人が捕まらない。これはたぶんこの会場の物理的なあれによるものだろうから、毎回こうとは思えないですが、ただ、休憩時間10分というのは留意しておくべきあれかも。(確かにこれが30分あるとまただいぶちがう)

 その14のピリオドのうちのひとつを選んで出ると、小さいセミナールームに15人から30人くらいが参加してるという感じです。椅子・テーブルは「ロ」の字や「コ」の字にテーブルが並んでて、いわゆる教室型の会場じゃないから、なんとなくパネリストも参加者もフラットな立場で参加してる、みたいな感じにはなってる。ちょっといいなこのデザイン、って思います。

 パネルの進行は、司会が1人いてその人が進行する。パネリストが3-4人いて、まずひとりづつ20-30分くらいづつ発表する。これでもう1時間20-30分。それを踏まえたうえで、ディスカッサントの人が1人いて、全体や各発表を講評・コメントしたり、自分の見解を述べたり、パネリストに質問して答えてもらったりということをする。4人それぞれの発表がひとりのDiscussantの視点によって語られていくと、こう、ゆるやかにまとめられていく感があります。これが20-30分くらい。
 残りの時間をフロアからのコメントや質疑応答(これがたくさんあることもあればほとんどないこともある)にあてる、という。質問が自然と全体を巻き込んだディスカッションのようになっていく感じ。

 で、ほぼすべてのパネルが、このかたちの進行でした。
 どの分野も、どの地域のも、どの国の大学から来た人の進行も、これ。だったので、これがここの学会の”やり方”なんだなって思いました。

 あと、なんとなく観察してると、あるひとつのパネルの中での司会の人と、パネリストの人たちと、ディスカッサントの人たちと、あとフロアで聞いてる研究者の何人かの人たちっていうのが、あ、要するにあなたたちお知り合い・お仲間なのね、ていう空気感だった。で、似たようなテーマのちがうパネルに行くと、前に見かけた人とだいたい同じ人が座ってるっていう。

 言語は、すべて英語です。日本分野のテーマで、パネリストも司会も質問者も日本語話者であっても、全部英語。
 
 発表の仕方はさまざまでしたが、だいたい共通して、もうある程度ちゃんとしたペーパー(論文)のかたちでできあがってるものを発表してはるな、という感じ。それを、人によってはがっつりパワポに仕立てて発表したりもするんだけど、むしろそういう人は半分いるかいないかくらいで、2-3枚しかパワポないとか、あるいはまったくパワポなんかないとかで、えんえんとそのペーパーを読み上げてるっていう人だって別にめずらしくないという。それをふむふむってみんなで聞いてるという。
 なんかそれ見てるとね、ああそうか、日本語って相当書き言葉と話し言葉が乖離してる言語なんだなあ、ってまったくあさってな感想持っちゃいましたけどね。
 あと、配付資料はほぼ皆無。
 あー、アメリカだなあー。って思いました。2007年にALAに行ったときに感じたのの再来みたいになった、ていう。


 いま、1日目の午後ピリオドくらいの感想です。
 たぶんつづく。
 パネルの内容のことなにも触れてないですね、たぶんこんな感じです。

posted by egamiday3 at 04:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする