2015年12月29日

極私的・egamiday十大ニュース 2015

  
 得とか損とか気にしてはいけない、だからこその”極私的”である、という言い訳含みの年末まとめ企画、第3弾。
 我が身の今年の汚れは今年のうちに清めたい、ていう感じでふりかえる、十大ニュース。


●egamiday氏、真田丸・堺雅人の肖像権をおもいっきり侵害
 今年5月、某志社大学司書課程の学生を対象にしたガイダンス&ホームカミングデーが行われました。全体会の講演に登壇したegamiday氏でしたが、YouTubeの某映画から大量にキャプチャした堺雅人(2016年大河ドラマ「真田丸」主演)の画像を、何度も何度も画面に投影しつつ平然と漫談を続けるという、肖像権というか著作権というか、これやっちゃっていいのか?という疑惑が持ち上がっています。この疑惑に対しegamiday氏は「教育機関における教育目的だ」(著作権法第35条)と釈明していますが、権利どうこうよりもまず"わかるやつだけわかればいい"的なネタがそもそもどうなんだという指摘もあり、またTPPによって導入されるという"非親告罪化"の動向如何によっては進退窮まるおそれも出てきそうです。

●egamiday氏、厚切りジェイソン化が止まらない
 某志社大学司書課程科目への非常勤講師としての出講、いわゆる”寄席”が、秋学期から1コマ増えたegamiday氏ですが、厚切りジェイソン化(またはケーシー高峰化)が止まらない模様です。さる情報筋によればegamiday氏は事務に無理を言って、教室をホワイトボードとプロジェクタが同時に使える部屋に変更。パワポや口頭でわかりにくい説明をホワイトボードへの図示で補っている、とのことですが、そのあまりの書き殴りのひどさにその教室だけインクの減りが異様に早いと一部では噂されています。さらに調子に乗ったegamiday氏、勢い余ってパワポに書いてあるのと同じことをホワイトボードにもさらに書くといった"セルフトレース疑惑"ばかりか、そもそも某志社大学の授業準備を某命館大学の図書館に入り浸ってやるという"不正流用疑惑"も。この実態を受けて政府与党は、egamiday氏のホワイトボードマーカー購入を軽減税率の対象外とする方向で検討を進めています。グラッチェ・アミーゴ。

●egamiday氏の海外渡航、今年は2回
 egamiday氏の2015年の海外渡航は、6月の台湾、9月のオランダの2件に及ぶことが明らかとなりました。ただしいずれも旅情とはほぼ無縁の学会出席であり、ほとんどの時間をスクリーンに投影されるパワポを見上げながら過ごすという残念な結果に終わっています。その反動からか夜間になると、台北では屋台で食べ歩き、オランダではビールを飲み歩きする様子がTwitter上で多数目撃されており、その享楽的な姿を強制的に見せられた人びとから「egamidayを許さない」「egamiday感じ悪いよね」等の非難の声があがっています。

●egamiday氏、オランダ過積載事件
 そのegamiday氏ですが、9月のオランダ渡航において、ぱんっぱんに膨らんだキャリーケース(通称:ガラガラ)2個を左右両手に握りしめ、スキポール空港内やライデンの運河沿いを右往左往する様子もまた目撃されています。原因は参加した学会においてブース出展することになったものの、あまりにも大量のパンフ・チラシなどの配り物を用意してしまったため。案の定、長机に積み上がった紙束はなかなか減ることがなく、ついにはフロアに乗り込んでむりやり配って(=押しつけて)まわるという暴挙に出たegamiday氏に対し、「egamidayを許さない」「egamiday感じ悪いよね」等の非難の声があがっています。なお専門家によれば「初回はたいていはりきってたくさん持って来ちゃうんですよね」とのことです。

●egamiday氏、オランダのスタバで新たにお気にのソファを発見
 昨年(http://egamiday3.seesaa.net/article/411018175.html)、行きつけのスタバ改装によりお気にのソファが撤去され、そのQOLの低下が危ぶまれたegamiday氏でしたが、出張先のオランダ・ライデン駅前のスタバにて新たにお気にのソファを発見した模様です。egamiday氏によれば、京都某小路店にかつてあったのとほぼ同じく、座るだけで身体にエネルギーがチャージされるという、見事なまでに我が身にフィットしたソファだったということです。交通アクセスもよく過ごしやすい街・ライデンにエネルギーチャージ機能付きのソファ発見ということで、今後egamiday氏のヨーロッパ旅行において”宿屋”的存在になることが予想されます。

●egamiday氏、MALUIで酒呑めない事件
 6月のMALUI Talk & 名刺交換会、11月の秋の親睦会と、近畿地区では今年2度のMALUI飲み会が催されましたが、その両方で世話役をつとめたegamiday氏、いちおうの責任感らしきものを発揮したのか、一次会がすべて終わるまでは我慢して酒を呑まない、たぶん呑まないと思う、呑まないんじゃないかな、まあ、呑んだとしてもたくさんは呑まない、という苦しい立場に立たされていた模様です。案の定、二次会ではその反動に襲われる、ということで昨年に引き続き数値的に懸念されています。関係者からは「そんなことより司会をもっとちゃんとやってほしかった」との怒りのFAXが届いています。

●egamiday氏、休肝日を本格的に導入
 酒の話題ばかり続くegamiday氏、さすがにそろそろマズイと思い始めたのか、秋口より週1日を休肝日とする制度の導入に踏み切りました。これにより、およそ20数年ぶり、ていうか人生初レベルで酒類の摂取回数が著しく減少するであろうと予想されています。四半世紀近くやってこなかったことを無理やり定期的にやらなければならないということで、Googleカレンダーにわざわざ「酒を呑まずに寝る日」と書き込む、当日は炭酸水やノンアルコールビールを買い込む、呑まなくても眠れるように8時頃から調整に入る、万一眠れなかったとしても翌日支障がないように金曜日を休肝日とする、などのあの手この手を駆使しており、いまのところわりとあっけなく成功している模様です。ただしこの休肝日制度、「外で飲み会が催される日の場合は、これはまあしょうがないわけだから、適用しない」という抜け穴があるとのことで、何がしょうがないだ、とその効果が疑問視されています。それどころか一説によれば、意図的に金曜日に外での飲み会が入るようにegamiday氏がなんとなあく調整しているのではないか、との疑いもあり、いろんな意味でメスが入るのも時間の問題かと思われます。

●egamiday氏のファミリーヒストリー、祖先はまさかの刀剣男子だった
 資料調査や現地取材をもとに家族の歴史をたどる「ファミリーヒストリー」。今週のゲスト・egamiday氏の祖先が備前長船の刀工だったことが、egamiday氏自身の調査で明らかとなりました。『長船町史』には短いながらもその家系と刀工としての活動が記載されており、また備前長船刀剣博物館ではその作品が展示されています。
 egamiday氏のコメント:「へぇー、刀工だったんですか、知らなかったですね。はい、驚きました。刀ですか、ね、流行ってますよね。・・・うん、初めて知りました。きいたことなかったです。・・・・・・そっか、刀かー。」

●egamiday氏、紙貼りのおっさんになる
 紙貼り職人の朝は早い。京都・桂坂のとある図書館。そこには、黙々と書架に紙を貼るegamiday氏の姿があった。
 「こうやって紙を貼ってね、この棚の本を何階の何番の列の書架に移動してくれって、業者さんに指示するんですよ。そうするとね、つぅーっとやってきて、つぅーっと持っていってくれるの。なんというか、これこそ自然の力だなあって思うねえ」
 今年新しい建物をオープンさせたこの図書館は、2月と8月の2度、図書の大規模な館内移動をおこなった。その数およそ30万冊。50万冊ある全蔵書の6割を動かしたことになる。
 「頭おかしいよね、動かしすぎだろうっていう。よくも破綻させずに動かせたもんだよって、自分でも思うよね」
 そんなegamiday氏、紙貼り職人としての長年の経験から、ある特技を身につけたという。
 「6段くらいの高さの書架ならね、踏み台無しでも天板に紙貼れるようになったね。紙の先にメンディングテープをつけといてね、こうやって手をのばして、天板の縁のところにテープをぺたってくっつけるんだ。やってみな、結構コツがいるんだよ。まあでも、この技術も俺らの代で終わりだね、後継者がいないから。若い人たちはこういう地味な仕事やりたがらないよね、たいていオープンなんとかだアクティブなんとかだっつって、町に仕事しに出ちゃうからね。でもね、これやらないと本が動かせないんだよ」
 最後はよくわからない愚痴をつぶやくegamiday氏。その後ろ姿が朝靄とともに映像文化資料室へと消えていくのを、我々は静かに見送った。(ナレーション:川下大洋)

●egamiday氏の2015年、全体的に”ぬるかった”んじゃないか疑惑
 egamiday氏の今年の「egamiday3」へのブログ記事投稿が、年末振り返り記事を除くと全部で21件にしかならないことが明らかとなりました。15年続くegamiday氏のブログ活動の中でも圧倒的かつけちょんけちょんに少ない件数です。ピーク時には同時に約10種類もの異なるブログを並立しSeeSaaブログを飽和状態にさせていたという往時の姿は、いまや見る影もありません。取材に対しegamiday氏は「なんかこう、知らないうちに1年経ってた。忙しかったのはまちがいないと思うんだけど、何に忙しくて結果何が残ったかがいまいちわかんない」と、ぬるかった疑惑の1年間をつかみどころのないコメントで表現しました。何より、十大ニュースのひとつがこんな話題であるということ自体がその様を如実に物語っています。ちなみに次点候補として挙がっていたトピックスには「egamiday氏、隠岐島で涙の食品ロス」「egamiday氏、去年の祇園祭で燃え尽き症候群疑惑」「egamiday氏、今年も春画に振り回される」などがありました。

 以上、極私的十大ニュース2015でした。
 来年はもうちょっとがんばりましょう。
posted by egamiday3 at 11:06| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

極私的・今年のアルファ本棚行きコンテンツリスト 2015


 自分用ふりかえり第2弾。
 自宅の”アルファ本棚”と読んでる本棚に置いておきたい極私的アルファ級のコンテンツを、書籍メディアに限らずリストアップしたもの。

『論文の書きかた』
『新版論文の教室』
『徒然草の十七世紀』
「へにける年」(丸谷才一『後鳥羽院』所収)
『オランダを知るための60章』
『もういちど読む山川世界現代史』
『ハウス・オブ・ヤマナカ』
『歴史を学ぶということ』
「スーパープレゼンテーション新春SP 伊藤穰一×山中伸弥 未来を語る」(テレビ)
三谷幸喜脚本「オリエント急行殺人事件」第2夜(ドラマ)
「祖谷物語」(映画)
「ウラバラス」(テレビ・ドラマ「ウロボロス」副音声)
「ブラタモリ京都完全版」(テレビ)
「日本人は何をめざしてきたのか 吉本隆明」(テレビ)
「表参道高校合唱部」(ドラマ)
「カズオ・イシグロ 文学白熱教室」(テレビ)
「トムとジェリー」(アニメ)
鹿港(街)
ライデンの地ビール(食)
中野劇団「誘拐」(演劇)
ベビー・ピー「SF珍島物語」(演劇)
「The LAB」(研究不正啓発のインタラクティブweb動画)
「Open Letter in Support of Historians in Japan(日本の歴史家を支持する声明)」
posted by egamiday3 at 09:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

極私的流行語大賞 2015

 
 毎年恒例の、自分しか得しない、年末振り返りリスト。
 自分用なのでこれといった解説もなく。

マッ↑サン(イントネーション)
絵馬
有酸素運動/ログ
聴講会
人文学・人文系
egamidayさん
驚きの寒さ
MALUI
バルサミコ酢
台北
後鳥羽院
うちは新古今和歌集をっちゃ編もう思うげん(能登弁としての)
ブース
キッチン付き(旅行先宿所としての)
プロポーザル
ネスカフェ・エスプレッソ
〇〇登場ーっ
もう金曜日
バス爆睡、起きたら京都駅
京都から東京に行くときあるある:安田美沙子
一緒に堀川高を目指そう
有意に差があるって言いたい
大学院
警察(図書館議論としての)

posted by egamiday3 at 09:11| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月24日

2015年"海外の日本図書館・日本研究" 極私的まとめ ( #本棚の中のニッポン )


 海外の日本図書館や海外の日本研究に関する話題、これをまあ仮に #本棚の中のニッポン 的なトピックと呼びますが、2015年にはあんなことこんなことあったでしょう的な振り返りを、簡単なヘッドライン&リンクでまとめてみた感じです。年一で続けていくことでそのうち点が線になりかたちができていきますように、ていう。

 あくまで自分の管見&体感範囲からのピックアップになっていますし、取り上げるか取り上げないかも自分からの半径で判断する感じになっちゃってますが、まあこれは、人に見てもらうためのまとめと自分があとで参照するためのまとめとがハーフ&ハーフになってるからだと思うんで、偏りがあるのはご容赦願えればと思います。”極私的”ですからそんなもんです。キュレーションなんてしょせん色眼鏡です。

 あと、政治まわりで熱臭い話が多かったな、ていうか、多くなっていくんだろうな、ていう感じでもあります。  

 2014年版はこちら。
 2014年"海外の日本図書館・日本研究" 極私的まとめ ( #本棚の中のニッポン )
 http://egamiday3.seesaa.net/article/410621340.html

 こんな感じの海外日本図書館&日本研究に関する話題をTwitterで流している専用アカウントがこちら。
 (短信)海外日本研究と図書館 (@JLA_line) | Twitter
 https://twitter.com/jla_line


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 2015年"海外の日本図書館・日本研究" 極私的まとめ
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●1月
・東京外国語大学、2023年度までに海外38大学に日本研究や日本語教育の拠点「グローバル・ジャパン・オフィス」を設置する構想を発表
-http://tufs-sgu.com/gjo/

・早稲田大学、角田柳作記念国際日本学研究所を設立
-http://flas.waseda.jp/jcs-j/

●2月
・大阪大学で国際シンポジウム「歴史的典籍画像の30万点Web公開と国際共同研究」開催
-http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/seminar/2015/02/6427

●3月
・人間文化研究機構が「日本研究と日本における人間文化研究情報の国際リンク集」を公開
-http://www.nihu.jp/sougou/kyoyuka/japan_links/index_ja.html

・AAS・CEAL・NCC2015年次大会、シカゴで開催
-E1671 - 2015年CEAL年次大会・NCC公開会議<報告> | カレントアウェアネス・ポータル
 http://current.ndl.go.jp/e1671
-AAS/CEAL/NCC 2015 Chicago(まとめ) - egamiday_wiki
 http://egamiday.sakura.ne.jp/wiki/AAS/CEAL/NCC_2015_Chicago%EF%BC%88%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%EF%BC%89

●4月
・日本政府によるアメリカ コロンビア大学・ジョージタウン大学・マサチューセッツ工科大学に対する政治・外交分野の研究支援が発表される
-http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002069.html

●5月
・アメリカをはじめとする歴史研究者187人が「日本の歴史家を支持する声明」を発表
-https://networks.h-net.org/open-letter-support-historians-japan-0
-http://www.asahi.com/articles/ASH575KGGH57UHBI01Y.html
-http://www.asahi.com/articles/DA3S11741742.html
-http://egamiday.sakura.ne.jp/wiki/%E3%80%8COpen_Letter_in_Support_of_Historians_in_Japan%E3%80%8D

●6月
・2019年の第25回世界博物館大会(ICOM)開催地が京都に決定
-http://current.ndl.go.jp/node/28609

・KADOKAWAが「COOL JAPAN FOREST構想」を発表
-http://www.asahi.com/articles/ASH645QL3H64UCVL00S.html

・近畿地区MALUIによる「MALUI Talk in Kyoto」開催、テーマは”日本情報の海外発信”
-https://kinkimalui.wordpress.com/maluitalk2015/

・明治学院大学とハーバード大学「アクセスの再定義 : 日本におけるアクセス、アーカイブ、著作権をめぐる諸問題」開催
-「(メモ)「アクセスの再定義 : 日本におけるアクセス、アーカイブ、著作権をめぐる諸問題」(2015.6.13): egamiday 3」
 http://egamiday3.seesaa.net/article/420639586.html

・台北でAAS in Asia 2015開催
-http://aas-in-asia.meeting.sinica.edu.tw/
-「AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その1)」
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421699189.html
-「AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その2)」
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421800363.html
-「AAS in Asia 2015, Taipei 参加メモ #AASinAsia」
 http://togetter.com/li/837823

●7月
・ボストン美術館での着物イベントに対する抗議活動とその議論
-「Museum of Fine Arts backs down over kimono event in response to protests - Arts - The Boston Globe」 https://www.bostonglobe.com/lifestyle/style/2015/07/07/mfa-backs-down-over-kimono-event-response-protests/lv9NHcnpW0lsRE77d9hvkI/story.html

・九州大学で田中あずささん(ワシントン大学司書)による講演会「A Journey to Become a Librarian」
-http://cheb.hatenablog.com/entry/2015/07/23/000000

・国立国会図書館が海外の日本研究を支援するためのページを開設
-http://www.ndl.go.jp/jp/japanesestudies/index.html

●8月
・「韓国、外交部(外務省)傘下の国立外交院に日本研究センターを開設 | カレントアウェアネス・ポータル」
-http://current.ndl.go.jp/node/29162

・安倍首相が「戦後70年談話」を発表
-「安倍談話: 首相のジレンマを反映、課題残す | nippon.com」
 http://www.nippon.com/ja/in-depth/g00305/

・NDL、イギリスとドイツで日本研究司書を対象に「日本情報の調べ方(人文分野)」の研修を開催
-「E1728 - 英国・ドイツでの日本研究司書へのレファレンス研修を終えて | カレントアウェアネス・ポータル」
 http://current.ndl.go.jp/e1728

●9月
・牧野泰子. 「アメリカ図書館界に足跡を残した思い出の人々」. 『日本古書通信』. 2015.9, 1034号.
-福田なをみ、甲斐美和、奥泉英三郎を紹介

・北京日本学研究センターが開設30年を迎える
-「北京日本学研究センターの30年――徐一平主任教授に聞く - 中国国際放送局」
 http://japanese.cri.cn/782/2015/10/06/302s242079.htm

・「紀伊國屋書店、電子書籍サービス「Kinoppy」を海外会員向けに提供開始 - ITmedia eBook USER」
-http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1509/17/news045.html

・EAJRS(日本資料専門家欧州協会)2015年次大会がオランダ・ライデンで開催。
-http://eajrs.net/node/355
-https://www.youtube.com/results?search_query=eajrs+leiden
-「E1734 - 第26回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル」
 http://current.ndl.go.jp/e1734

●10月
・著作権に関する条項を含む(環太平洋パートナーシップ協定)について参加国が大筋合意

・「猪口邦子議員からいきなり本が送られてきた――「歴史戦」と自民党の「対外発信」 / 山口智美 / 文化人類学・日本研究 | SYNODOS -シノドス- 」
-http://synodos.jp/politics/15387

・国際日本文化研究センター(日文研)、Twitterアカウント(@NICHIBUNKENkoho)の運用開始
-https://twitter.com/NICHIBUNKENkoho

・「訪日外国人、過去最高更新、「年間2000万人」の政府目標も前倒し達成の勢い | nippon.com」
-http://www.nippon.com/ja/genre/society/l00129/

・『海外平安文学研究ジャーナル』、パスワード無しで公開開始
-http://genjiito.org/journals/

●11月
・「日本マンガのインドネシア語版電子書籍サイト イーブックがオープン 」
-http://www.animeanime.biz/archives/22003

・図書館総合展2015で「海を渡る日本の学術書」開催
-「海を渡る日本の“学術書” | 図書館総合展」
 http://www.libraryfair.jp/forum/2015/1885
 https://youtu.be/0ofZIN8J5kE
-「図書館総合展2015「海を渡る日本の学術書」 #海を渡る日本の学術書 #図書館総合展 - Togetterまとめ」
 http://togetter.com/li/899264

・NHK「ETV特集 戦後70年企画「ドナルド・キーンの日本」」を放送
-http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259515/

・「ルーヴル美術館総監修「漫画館」が日本に 2016年夏から」
-http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1511/16/news098.html

・「変体仮名」をゲーム感覚で身につけられる無料スマートフォンアプリ
-http://current.ndl.go.jp/node/29862
-英語版も、共同開発者のカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)によって米国・欧州などに向けてリリースされる

・「海外日本美術資料専門家(司書)の招へい・研修・交流事業 2015*」(略称:JALプロジェクト)開催
-JAL プロジェクト2015のご案内 | 東京国立近代美術館
 http://www.momat.go.jp/am/visit/library/jal2015/
-ワークショップ「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための提言II」(海外日本美術資料専門家(司書)研修・2015)のメモ: egamiday 3
 http://egamiday3.seesaa.net/article/430552792.html

(2015年12月)
・インドに日本センター設置へ
-http://www.sankei.com/world/news/151213/wor1512130024-n1.html

・超党派議員連盟が「MANGAナショナル・センター」の実現を要請
-http://www.asahi.com/articles/ASHDL3Q4BHDLUCVL00D.html
-マンガ・アニメ・ゲームに関する資料を収集し、情報発信の拠点とする

posted by egamiday3 at 20:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月03日

(メモ)「電子書籍への期待 : 大学図書館の視点」(入江伸@「電子図書館サービスへの期待」図書館総合展2015)


 電子図書館サービスへの期待 | 図書館総合展2015
 http://www.libraryfair.jp/forum/2015/1829

 上記フォーラムより、慶應・入江伸さんの「電子図書館サービスへの期待」を主に見たののメモ。


・ProQuestがExlibris社を買収した、ということは、コンテンツと(図書館)システムとが一体化しないとどうやらやっていけなさそうだよ、ということか。
・国内の大学図書館の現状。
-洋雑誌は電子に移行し終わった。洋図書は移行途中。和雑誌は紙のまま。
-電子は管理が複雑。
-サービス・貸出は和図書中心。
-研究は電子環境へ移行した。
-教科書のシラバス指定、教科書売り上げは減少。
・海外の大学図書館の現状
-Google Books、HathiTrust、shared print
-1000万冊を超える本が電子で見られる。
最近は、アメリカ留学から帰国した研究者から「HathiTrustは使えないのか」と問われる。(電子ジャーナルは日米ともに使える)
・中国・CADAL

・電子学術書利用実験プロジェクト(2010)
→OverDrive利用実験
→JDLS(=日本電子図書館サービス)利用実験

・電子学術書利用実験プロジェクト(2010)
-貸出の多い×新刊でない書籍、を対象に集める
-ダウンロード型×個人認証
-OPACからシームレスに接続
-版面画像を提供
-テキストが必要(実用としては、OCRかけっぱなし程度の精度でいい)
-読む本ではなく、”教科書”(付箋・メモ)として使う
-電子書籍単体でなく、同じ本棚で自前のPDF(授業レジュメなど)も統合的に利用する
-すべての資料をインターネットからアクセスできる環境がほしい
(新刊の電子書籍、アーカイブ名パッケージ、パブリックドメイン)

・以上をもとに、実験環境を設計した
(慶應、京セラ、大日本印刷、学術出版社)

・学生の声
-紙と電子は別(使い分ける)
-検索と発見が重要
-コンテンツの量が必要

・刊行からしばらく年数の経った書籍を、電子書籍化して、パッケージで安価に提供してほしい。そうでもしないと学生は”本自体”から離れてしまう。
・教育・学習のあり方が変わっているわけだから、出版も変わらないといけないし、図書館も変わらないといけない。逆に言えば、学術書(和書)の電子書籍化を、教育手法の変化と結びつければ、ビジネスに拡がる可能性がある。(マイクロコンテンツ×少額課金、大規模アーカイブ、教育コンテンツ制作との統合)

・JDLS(=日本電子図書館サービス)利用実験
-PDFダウンロードができてほしい
-大学認証に対応していない
-OPAC・ディスカバリからの経路が不明
-1冊づつの買い取り×貸出期間制限がある→図書館での導入は無理

・求める電子書籍プラットホーム像
・コンテンツ
-大学図書館利用トップの10万冊規模を、見たいときに利用できるように
-EPUB
-全文検索
-オフラインで使える(ダウンロードできる)
-マルチプラットホーム(プラットホーム間の同期)
-OPAC・ディスカバリからたどれる
-メモ・付箋・SNSなど学習機能の充実

posted by egamiday3 at 21:45| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月01日

ワークショップ「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための提言II」(海外日本美術資料専門家(司書)研修・2015)のメモ

 JAL プロジェクト2015のご案内
 http://www.momat.go.jp/am/visit/library/jal2015/

 海外で日本美術を担当している司書・研究者・専門家の人たちを、日本に招いて研修をおこなう、という事業(通称「JALプロジェクト」)が去年から始まっていまして、今年はその2年目で、11月中頃から2週間くらいでおこなわれていたんですが、その最終日におこなわれた公開ワークショップ(「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための提言II」)が東京国立近代美術館(2015.11.27)でありまして、それに参加してきました、ていうののメモです。
 (ちなみに会場が地下だったせいで当日ツイートとかしてませんパターン。)

 概要としては、
・文化庁の補助金による事業
・2014-2016の3年計画
・東京国立近代美術館さんがメイン
・今年の参加者は9人
・東京+関西・福岡の各種機関見学と、研修、グループワークなど
 という感じ。

 まずはダイジェストとして、極私的にこれは注目、ていうピックアップと、自分なりに考えたことのもろもろを。


●極私的に注目したことのピックアップ
・NDLデジタルコレクションについて。図書館送信対象資料については、海外からはアクセスできず、かつ、ILLも停止している。→デジタルアーカイブの連携に関する実務者会議(2015.11)で海外からのアクセスについて言及があったとのこと。(<e>ここ要確認)
・2019年には”非欧州美術”図書館として統合される予定(フンボルト・フォーラムと呼ばれる複数団体による施設(←<e>要後追い))。
・ユーザにとってはその資料がミュージアムにあろうがライブラリーにあろうが関係ない、どっちも同じ。なのに、そこで検索・探し方やアクセス・手続きが異なるのはいかがなものか。
・例:ハーバード大学の新OPAC(ディスカバリーシステム)であるHOLLISプラスでは、アイルランドのチェスター・ビーティー・ライブラリーが持っている絵巻物のデジタル画像がヒットする。(注:これは、チェスター・ビーティーの所蔵品のスライドをハーバードの美術館が持っていて、それをデジタル化したものを、チェスター・ビーティーから許諾をとってアクセス可能にさせている。)
・日本では、すこしでもデータが不十分であれば公開しない傾向にある。ユーザにとっては、不完全でもいいから出しておいてほしい。
・例:Visualizing Cultures@MIT。日本のコンテンツを一般の人に紹介する方法として、デジタル化画像と論文とをリンクさせる。コンテンツを英語化するのは難しくても、英語しか分からない人にそのデジタル化画像のことがわかるようにする。(<e>この試みは学ぶところが多いはず。そのリンクは誰がどうメンテしているのか?)
・例:アート・ライブラリー・コンソーシアムの美術図書館横断検索システム。ただ、各参加館のプロフィールがわかりにくいので、その紹介をつけておいてほしい。(例:http://lahlf.weebly.com/libraries.html)(←<e>そうそう、シンプルなんだけど、実はこういうのって意外とないよねっていう。)
・例:「Artstor」(http://www.artstor.org/)のような、国際的なポータルサイトに参加してデータを提供してほしい、こういうところで見つかりやすくアクセスしやすくなるように。(Artstorに載っている日本美術作品は、日本以外の機関からの情報ばかり)
・海外からの日本語でない問い合わせに、返事をください!(<e>これはマジ)

●自分なりに考えたことのもろもろ
・プラハは行かなあかん。
・ていうか、ベルリン行かなあかん。
・何はなくとも、検索のローマ字対応・アルファベット対応。
・何はなくとも、英語メールに返事。これは常に意識しているつもりの自分でもたまにうっかりSPAMと混同して消してしまうくらいなので、マジでキャンペーン張ってもいいくらいの。
・ていうか、「ローマ字で検索したいというニーズがあると初めて知った」っていう意見もあって、こういうことは根気強く説明して広めていかないとな、そりゃまあ普段意識してなければ知るよしもないっていうのは自分だって別のことであればそうなっちゃうわけだしな、っていう感じ。
・あとすごく気になったのが、受講者の皆さんが口々に言う、「あちこち訪問して、いろんな人に話をきいて、いろんなデータベースがあるのを知った」ていうの。ネットで公開しているはずの「データベース」を、現地訪問して初めて知る、ということの意味。もちろんその気持ちは自分にもわかるし、そういう側面があるのは確かなんだけど、あまりにも皆さんが揃ってそれを言うので、え、ちょっと、そんなにもか?とビビってしまった。
 それは、日本のデータベースが引き籠もり型なせいで知られてないのか? それとも日本だろうがなんだろうがデータベースなんてしょせんはやっぱりそういうものだ、っていうこと? ネットにある、検索でヒットする、そんなことだけでは「自分の役に立ちそうなもの」を見つけること・出会えることはなかなか難しい、そこで所謂”キュレーション”が必要、ということか? 例えば、たまたまその会場でお会いした方は高島屋の歴史資料を研究していた人なんだけど、自分の研究に必要な思わぬ資料を「こういうのもあるんですけど」と人に紹介してもらって初めて知った、そういうのは検索ではなかなか出てこない・見つからない、みたいな話をちょっとしてた。この界隈の問題はもっと考えられるべきかと思う。
・当日のディスカッションでは、突然発言を求められてあたふたした結果、ローマ字とメールのようなものすごく限定的な話しかできなくてプチ落ち込んだけど、ほんとはもっとあれこれ考えるべきことがこの会にはあったはず。ただ、今回のワークショップは話題のジャングルがちょっと広大すぎて、話のとっかかりが見つけられなかったのだよ・・・。


 以下、本文です。
■全体概要
■各受講者による自己紹介/所属機関紹介プレゼン
■講演
■受講者による提言プレゼン
■コメント・ディスカッション

 文中の<e>はegamidayさんのコメントです。

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■全体概要

 事務局長・水谷さん(東京国立近代美術館)による基調報告

・JALプロジェクトの目的
1 受講者が研修で理解を深める
2 日本の美術図書館員のほうが海外の図書館の理解をする
3 相互理解と交流
4 ネットワークの継続
5 日本の美術図書館を海外の目から客体化する
・2014の受講者はおおむね日本人だったため、安心と予断があった。今年はそうではない。
・MLA-Diversity
・海外から日本の資料・情報へのアクセスに障壁がある。
★・例:NDLデジタルコレクションについて。図書館送信対象資料については、海外からはアクセスできず、かつ、ILLも停止している。→デジタルアーカイブの連携に関する実務者会議(2015.11)で海外からのアクセスについて言及があったとのこと。(<e>ここ要確認)
・画像データベースの検索ひとつとっても、IME起動の必要があったり、アルファベット(ローマ字)で検索すると検索結果が異なったりする、という問題がある。


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■各受講者による自己紹介/所属機関紹介プレゼン

 参加した受講者9名が、それぞれ自己紹介や国・所属機関の事情について(以下敬称略)

●ヤナ・リンドヴァー(プラハ国立美術館東洋美術部)
・プラハ国立美術館
・1796年創立、キンスキー宮殿にあり。
・1951年に東洋美術部設立。現在はキンスキー宮殿に常設展示を持つ。
・展示プロジェクト(2014 チェコにおけるジャポニズム展)
・17世紀〜大正時代の美術品コレクション、薩摩治カ八のコレクション(寄贈)、写本・絵巻物等、
★・コレクションの数で言うと、美術館全体で14000点、うち日本の美術品が7000点以上ある。ヨーロッパ内でも多いほうです。(<e>やばい、プラハ行かなあかん)
・図書室の東洋美術部蔵書は5000冊(日本1450冊)
・学芸員は展覧会準備に当たって展示作品をどう把握するかに焦点をおく。図書室担当者は文献やその整理から情報を把握しようとする。

●ジヨン・ウッド(ロンドン大学SOAS図書館)
・ソウル出身→イギリス
・SOAS図書館は国の指定研究図書館(5つ)のひとつ。130万冊所蔵。人文・社会・法律・芸術・考古学。サブジェクト・ライブラリアンが11名所属。
・芸術・考古学の蔵書は、各種言語で約50000冊。SOAS図書館の中において(言語ではなく)”主題”で独立しているコレクション。
・芸術分野サブジェクトライブラリアンとしての前任者が日本人だったことや、セインズベリー日本芸術研究所などから寄付金を受けていたことから、日本美術に関する書籍がヨーロッパ内でも充実している。
・電子資料の充実。電子資料の管理のためにオープンソースの図書館システムであるKuali OLEを導入している。
・デジタル・ライブラリを来年公開する予定。(<e>これは要後追い)
・サブジェクト・ライブラリアンの役目は、Collection DevelopmentやInformation Literacyなどの実務、学科会議出席や助成金獲得活動などのマネジメント、研究活動。
・現代は資料や情報が”ありすぎる”ほうが問題の時代であり、その選択や編集をおこなうことがサブジェクト・ライブラリアンとしての重要な役割。
・サブジェクト・ライブラリアンだとは言ってもそのカバーすべき範囲は広く、一人ですべての専門知識を身につけることは難しい。重要なのは「知っていること」だけでなく、「それをどこで見つけるか」を知っていること。

●ヴィーベッケ・オセット・グスタヴセン(オスロ大学人文社会学図書館)
・オスロ大学人文社会学図書館は、ノルウェー国内で最大規模。
・日本コレクションは1970年代から増加し始めた(同時期に人文学科で東アジア学教育が始まったため)
・国際交流基金からの継続的な日本書籍寄贈を受けていた。
・現在も日本学は盛んで、定員以上の学生希望がある。
日本語の書籍よりも、英語による学術書が主
・古典籍90タイトル400冊(1900年代初頭に購入か)。肉筆画帖13点あり。
・日本のポピュラーカルチャーの展示会。オスロ大学の矢部さんの協力のもと展示を企画。
・司書の将来像として、ヨン・ビングの言葉。「こんなにたくさんの情報があってまだ図書館が必要か、という質問は、これだけ道路があってなお道路地図が必要か、と問うのと同じことだ」

●メアリー・レッドファーン(チェスター・ビーティー・ライブラリー)
・チェスター・ビーティ・ライブラリーは図書館というより博物館
・日本コレクション1775点
・アルフレッド・チェスター・ビーティー卿の美術品収集。1917年に山中商会の顧客として日本を旅行したときに、絵入り本・奈良絵本に興味を持ち収集を始める。
・1953年創立→2000年にダブリン城に移転、展示公開に力点を置く。
・参考図書・閲覧室。16000冊所蔵。
・OPACも画像DBも日本コレクションの一部しか収録されていない。冊子体の目録・図録がある。
アイルランドで日本美術を所蔵展示するところはここくらいしかない

●ケビン・トレント・マクドウエル(オレゴン大学図書館)
・オレゴン大学図書館の日本研究司書。
・日本語蔵書はおもに文学・歴史・芸術関連。図書4万冊、雑誌176タイトル、DVD600点。
・オレゴン大学美術館は、日本美術3000点を所蔵。
・ガートルード・バス・ワーナー。旅行家でアジア美術をコレクションしていた。その日本美術コレクションがオレゴン大学美術館のコレクションとなった。(幻灯スライドなど)

●キャロリーン・ジェーン・ワグーラ(ピッツバーグ大学)
・中世・仏教美術の博士課程学生・TA。
他分野の学部生に国際文化教育の一環として日本美術について教える。(大学ギャラリー、作品レプリカなど)
・ヒルマン・ライブラリー(中央図書館)内に東アジア図書館がある。1965年から日本資料を収集し始める。
・現在ではスタディスペースの確保のために、東アジアの蔵書を閉架扱いにしたりデジタル資料でまかなうようになっている。

●コルドゥラ・トライマー(ベルリン国立博物館美術図書館/アジア美術館図書館)
・ベルリン国立博物館は、プロイセン文化財団の一部として、15の博物館と4つの研究書からなる。
・美術図書館は1867年創立。研究図書館と博物館との複合施設で、3施設に60数人の職員が勤務する(<e>!)。蔵書55万冊。
・アジア美術館図書館は蔵書4万冊。学生・学芸員らが利用。司書はトライマーさん1人(<e>!)。
★・2019年には”非欧州美術”図書館として統合される予定(フンボルト・フォーラムと呼ばれる複数団体による施設(←<e>要後追い))。そのために目録のオンライン化、請求記号の調整など。
・デジタル化、オープンアクセス(ヨーロピアナなど)

●文貞姫(韓国美術研究所)
・韓国美術研究所の研究員。
・「京城日報」の美術イメージのデータベース化プロジェクトなど。
・今後は朝鮮半島に限らず台湾などへもその対象をひろげ、当時の芸術家の分析にあてる。

●李世泳(韓国国立現代美術館)
・海外で所有する韓国文化財のデータベース化事業をおこなう。
・国立現代美術館は3つの美術館からなる。ソウル館は2013年開館。図書館・アーカイブ関係の部署として、美術研究センターとデジタル情報室とがある。
・デジタルアーカイブに必要なのは日本その他との連携である。


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■講演

 ハーバード・イェンチン図書館の日本研究司書、山田マクヴェイ久仁子さんによる特別招待講演。
 「視聴覚資料へのアプローチ : 北米日本研究図書館の現状と課題」

・米国の日本研究 現況(2012JF調べ):2774大学のうち、学部生レベルで日本研究専攻課程があるのは361
。日本語資料を所蔵する大学図書館は67(うち4万冊以上は31)。
・大学図書館の使命とは、教育研究の支援である。その中でファクターや媒体や手法は変わっていくのでそれにあわせていくことが必要。
・ひとことで「FINE ARTS」と言っても、たとえばLCCでは「写真」「動画」はT:Technologyのカテゴリになってしまう。でも、北米における日本×芸術関係の博士論文を概観してみると(プロクエストで検索)、写真や動画が多く含まれている。伊勢神宮もあればヒップホップもある。非常に多様な学問領域が交差して学際的になっているのが実際のところだ。
・(ちなみに、北米の日本関係博士論文・修士論文は、1890年以降2015年までで3023件(プロクエスト検索)。そのうち芸術に関するものが166件。)
・例:『日本美術全集』第19巻は「拡張する戦後美術」。「複製技術の進展と普及によって飛躍的に流布した写真・デザインに加え、純粋な美術としてとらえられてこなかった漫画や特撮美術も我が国ならではの戦後美術を代表する表現として、進んで取り上げた」という。こういう美術という概念の多様な広がりは、今後の図書館での収書の方向にも影響するだろう。
・学生の例1。近世の刷り物の研究。文学・地理・宗教と大きく関わる。イギリス・ケンブリッジ大学の勉強会にアメリカからスカイプで参加する。
・学生の例2。日本中世物語文学の研究。絵巻物という美術の一次資料が、日本文学研究に必要。
・ユーザにとってはその資料がミュージアムにあろうがライブラリーにあろうが関係ない、どっちも同じ。なのに、そこで検索・探し方やアクセス・手続きが異なるのはいかがなものか。その意味でも、所蔵資料のデジタル化と公開を進めていくのは必要なこと。
★・例:ハーバード大学の新OPAC(ディスカバリーシステム)であるHOLLISプラスでは、アイルランドのチェスター・ビーティー・ライブラリーが持っている絵巻物のデジタル画像がヒットする。(注:これは、チェスター・ビーティーの所蔵品のスライドをハーバードの美術館が持っていて、それをデジタル化したものを、チェスター・ビーティーから許諾をとってアクセス可能にさせている。)


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■受講者による提言プレゼン

 9人の受講者が、3人×3グループをつくって、もろもろの提言をプレゼンをするというコーナー。

●日本における美術資料管理・検索システムの課題と展望
・・国立美術館・博物館の学芸員作業における問題点
・それぞれのデータベースをできるだけオープンに、海外からの利用者にもわかりやすくしてほしい。
・デジタル・コレクションだけでなく、レファレンス・ツールとしての別のデータベースと連携することで、調査・研究がしやすくなるように。
・日本語がまだ充分に分からない研究者でも検索できるように、言語選択・ローマ字検索などが必要。
・日本資料・日本美術を紹介する展覧会が、世界各地でもっと開催できるように、プロジェクト助成をおこなってほしい。
・・日本の研究図書館の課題
・データベースの検索方法がわかりにくい。
・ローマ字検索ができるところがほとんどない。
・ソーシャル・メディアに積極的に関与するべき。これは、複数の通信チャンネルを持つべきということ。
・研究図書館の資料は、研究者や学生だけでなく、オープン・アクセスで一般の人にも提供されるべき。
・・日本の美術資料管理・検索システムに関する提言
・メタデータの標準化などにより、日本の各種機関にある資料を一括で検索できることが必要。便利なデータベースは各機関にあるがそれぞれ孤立してしまっている。ヨーロピアナが良い例。
・複数機関同士もそうだが、それだけでなく、同じ機関内でも協力をして、図書館資料と、美術作品、アーカイブとを統合したデータベースを。
・アート・アーカイブの専門家が必要。
漢字・仮名・アルファベットのどれでも検索できるように

●保護から効率化へ 日本美術図書館におけるデータベース、アクセス、コラボ
・これまでの保存重視から、活用重視へという考え方が重要。
・・リソースとしてのデータベース
・データベースがユーザのニーズと合致していない。
日本では、すこしでもデータが不十分であれば公開しない傾向にある。ユーザにとっては、不完全でもいいから出しておいてほしい
・一般向けの入門的なコンテンツをつくること。
・例:V&Aミュージアム。一般ユーザ向けのインタフェースは見やすく、解説文なども加えている。手間や時間はかかるが、国立機関なので情報開示が重視されており、また情報が不充分であったとしても公開されている。研究者にはデータが不十分であってもいい。
★・例:Visualizing Cultures@MIT。日本のコンテンツを一般の人に紹介する方法として、デジタル化画像と論文とをリンクさせる。コンテンツを英語化するのは難しくても、英語しか分からない人にそのデジタル化画像のことがわかるようにする。(<e>この試みは学ぶところが多いはず。そのリンクは誰がどうメンテしているのか?)
・しかし、そもそもユーザがデータベースを見つけられなければ意味がない
・・入門者のためのアクセス推進
・ポータルサイトの必要性。海外のユーザのアクセスが便利になるように。
★・例:アート・ライブラリー・コンソーシアムの美術図書館横断検索システム。ただ、各参加館のプロフィールがわかりにくいので、その紹介をつけておいてほしい。(例:http://lahlf.weebly.com/libraries.html)(←<e>そうそう、シンプルなんだけど、実はこういうのって意外とないよねっていう。)
・海外の特に学生がとっつきやすくなるように、概要やヘルプだけでも英語で。
★・例:「Artstor」(http://www.artstor.org/)のような、国際的なポータルサイトに参加してデータを提供してほしい、こういうところで見つかりやすくアクセスしやすくなるように。(Artstorに載っている日本美術作品は、日本以外の機関からの情報ばかり
・・コレクション収集に関するコラボレーション
・美術図書館で資料を分担収集して、コンソーシアム内で共有する。
・Orbis-Cascade Alliance。オレゴン・ワシントンの37の学術図書館による、コレクション収集に関するコンソーシアム。

●美術資料のグローバルな客体化へ向けて
・・グローバル時代の美術資料データベースの共有性
・日本のデータベースはローカリズムが強い。グローバル化し、アクセスとコラボがしやすくなるように。
・海外の機関とコラボしてプラットフォームを開発する。
・・オープンとアクセスの再検討
デジタル化してもインターネットで公開しない例が日本にはある。海外での利用者の範囲を広めてほしい。
データベースをその美術館や機関内の人だけで作成するのではなく、海外の研究者等と共同で構築したほうがいい
・コンテンツのオープン化。例えば、所蔵作品だけに限る、とか、国宝・重要文化財などに限るなどの例。このように資料の対象範囲を限定されてしまっては、研究が深まらない。(良品主義。価値が高いと指定したものに限ってデータベース化しているようだったら日本美術への理解は深まらない。美術の階層化につながる)
・日本語以外の言語での解説やブラウジングの仕組みがないと、海外のユーザや一般のユーザはアクセスできない。様々な利用者を考える必要がある。
・例:メトロポリタン美術館 Heilbrunn Timeline of Art History(http://www.metmuseum.org/toah/)。関連コンテンツへのリンクの提供など。
・・探索を簡単にすること。
・そのコンテンツの目的は何か? 対象ユーザは誰か? そのユーザはどのように発見可能か?
・日本国内における日本美術史の研究も、国際的観点に立つことが必要。
・メタサーチシステム(例:KVK)、表記の揺れを吸収するマッピング、標準化。
・海外研究者がプロジェクトに参加することで改善できる。
・日本版ヨーロピアナが必要。(NDLサーチはもっと参加館を多く)
海外からの日本語でない問い合わせに、返事をください!(<e>これはマジ)


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■コメント・ディスカッション

●小出いずみ「アウェイとホーム」
・・日本への期待について
・アクセスを容易にする: 言語、使いやすさ、制度、思い込み(固定観念)
・「日本語の本やwebサイトが海外で読まれるわけがない」ことはない。
・情報を豊富にする: メタデータの標準化、連携、統合、プラットフォーム
・国内・館内・館間のコラボレーションが必要。これによって研究対象へのアプローチの多角化が可能になる
・・研究潮流の変化について
・研究手法の変化: デジタル化
・一次資料・アーカイブズ資料への注目
・研究対象の変化・ひろがり: ポピュラーカルチャー
・横断的、複合的
・研究のグローバル化(研究対象、研究主体)
・・まとめ
・ニーズはユニバーサルである。
・アウェイの支援をすれば、それはホームの支援になる。
・私たちはコラボレーションすべき。

●ディスカッション
・問い合わせをどこに出していいか分からない。窓口をはっきりさせてほしい。
・コンタクトフォームをつくっておいてほしい。
・Japan Art History Forumやeastlib にはいってください。
・いろいろ言いましたが、日本だけでなくどの国でもできてないことが多いんです。(ていうフォロー)

posted by egamiday3 at 21:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする