EAJRS2018@リトアニア・メモのindex #201809eu
●その1:EAJRS
http://egamiday3.seesaa.net/article/462276778.html
●その2:リトアニアとその予習
http://egamiday3.seesaa.net/article/462400142.html
●その3:旅行事務と街の感想
http://egamiday3.seesaa.net/article/462277161.html
●その4:食レポ&ビアライゼ
http://egamiday3.seesaa.net/article/462278000.html
●特別編の1:リトアニアで話しこんできた記録
●特別編の2:地球の歩き方旧版で見るリトアニア近年史
2018年10月26日
EAJRS2018@リトアニア・メモその2:リトアニアとその予習 #201809eu
リトアニア全般について予習したメモとしての、「物の本によれば」シリーズ。
●リトアニア全般
・むかしむかし、海外の日本研究なるものにまだほとんど染まっていなかった学生時分に、「リトアニアでは徒然草がたくさんの人に読まれているらしいよ」という雑誌記事みたいなのを読んだことがあって、それ以来ずっと、いつかはバルト三国、特にリトアニアには行ってみなければ、という「togoリスト」に長年延々と残ってました。まさか仕事で行く羽目になるとは、ちょっとヤな誤算。(注:しかもいま調べなおしたら、徒然草が読まれてたのはエストニアだった)
・リトアニア語、言語人口300万人。リトアニアの街にはキリル文字が並んでるのかなと無知な誤解をしてた。まったくそんなことなかった。ただ、イタリア語やドイツ語のように字面でなんとなく想像がつくというようなボキャブラリーでは、いっさいなかった。
・コートいるんじゃないかくらいの覚悟で冬支度してきたら、暑かった。日射しのあたる屋根裏の宿部屋や、鉄道の2階建て車両なんかは、ただの夏。聞けば、今年の夏は北欧どこも暑かったらしく、ノルウェーでも30℃にいたるものの、そもそもご家庭に冷房機なんかつけてない土地柄だから余計につらい、と。EAJRS会場も、冷房をつけたり消したりとたいへんだった模様。
・物の本によれば、リトアニアの名産品はリネンと木工品らしい。ふだん買い慣れないものが名産品だと、何か買うということが難しい。
・あんなに「一度は行かなきゃ」と長年togoリストをあたため続けてたリトアニアでしたが、実際来てみると、国柄や街並みに大いに感銘を受けたという感じでもなく、食や風物がヒットしたわけでもなく、ビールは堪能したかな、くらいで、まあこんなものかという感じでふんわりと国を去りました。さようならリトアニア。また気が向いたらふんわり来るでありましょう。
●予習本
・明石書店のエリアスタディーズにまさかのリトアニアが無い事件。わりとつらい。
・エリアスタディーズのシリーズだけでなく、リトアニアのことを勉強できるちょうどいい感の本がなかなかないくて、いまいち準備というか予習がすすまなかった感がある。
・『物語バルト三国の歴史』(中公新書)を通読。
・これでたどったリトアニア史はなかなかにハードだった。
・ごくごくざっくりした通史理解。
ドイツ騎士団・ドイツ商人(バルトドイツ人)
→ミンダウガス(リトアニア統一王)
→ヴィリニュスが首都になる+大公国になる(ヴィータウタス大公、領土めっちゃでかい)
→ポーランドと一体化してポーランド化が進む
→近世、ロシア領になってロシア化が進む
→民族意識
→I戦時、ドイツ占領
→I戦後、バルト三国成立
→ポーランドがヴィリニュス占領
→II戦時、ソ連占領
→ナチスドイツ占領
→II戦後、ソ連再占領
→パルチザン・「森の兄弟」⇔ソビエト化(民族消滅の危機)・KGB
→独立(人間の鎖、血の日曜日、テレビ塔)
・ユダヤ人については、中世に大勢迎え入れたとか、ポーランドと一体化してからさらに進んだとか、19C-20C当たりは特にヴィリニュスの人口の半分はユダヤ人だったとか、「北のエルサレム」の異名を持つとか、
・リトアニアのシンボルイメージたる白い騎士は、中世にドイツ騎士団と戦ったものらしい。そのでかでかとしたマークがいまはドイツ製鉄道車両の側面にでっかく描かれてるという。
・ドイツ商人(リューベック等)その他の交易通商のルートでもあった。
・国外脱出者もかなり多く、アメリカのポーランド系移民の中には実際はリトアニア人も結構含まれている云々。ロシア化政策の中、アメリカ他の国で出版されたリトアニア語出版物が持ち込まれた云々。19世紀末の在米リトアニア移民は70-80万人いて祖国のための活動を云々。
・『バルト三国歴史紀行・リトアニア』を通読。
・バルト三国関係の本を探してたら何かというとリストアップされてくる3冊本で、たいていの図書館にも書店にも置いてるようで、他がかなりぶあつい専門書ばかりな中で概説書っぽいたたずまいなので、手にとって通読してみるんだけど、確かに概説っぽくはあるものの、随所に個人的な感想とか、ソースの示されない情報とか、体験談とその私的コメントとかあって、これちょっと大丈夫かな感があって、特に大学図書館に置いてて大丈夫かしらと思うんだけど、でもやっぱり他に手の出せるいい感じの関連本がないので、結局これを読むことになる。ガチガチの専門書だけでなく、小洒落たガイドブックだけでなく、その分野の専門家が手頃な入門書・概説書(専門外の人に届くような)をちゃんと書いて世に出す、っていうのはすごく大事なことなんじゃないのかなって、思たです。
・予習期間内に読めてなかった1冊を、行きの機内で読んでた。『リトアニア : 小国はいかに生き抜いたか』。これがかなり精神的につらい。もう、言葉に書けない、書こうとするときっつい単語ばっかり並ぶんだもの。そんなところ、いまは平和ですよという顔をしているところに、これから行こうとしている途上で、読んじゃった本。街を歩いてるとああいう建物が、車窓を眺めてるとああいう森が、あんな惨劇のマジ舞台だったんじゃないかみたいに想えてくるので、つらい。KGB、パルチザン、森の兄弟、強制労働、シベリア送り、蹂躙、拷問、虐殺、そういう話がずっと続く。そういう”目に見える”ような時代が過ぎたあとは落ち着いたかのように見えるかもしれないけど、その後の時代はロシア語教育その他によるリトアニア文化破壊のフェーズであるわけで、したがってればいいんじゃないの的な、そっちはそっちで寒気がしておそろしい。
●予習@ヴィリニュス
・以下、予習本その他で勉強した、ヴィリニュスの”物の本によれば”シリーズ。
・ヴィリニュスの街を端的に言うと、13世紀、カトリック、バロック、路地、教会。
・物の本によれば、ヴィリニュスの旧市街は「東ヨーロッパではもっとも広い」という位置づけとのこと。とにかく、ちょっと歩いただけでも古式ゆかしい民家建造物や路地が立ち並ぶ、いわゆる”迷路のように入り組んだ”系の町並みがだらだらとひろがってるらしく、歩くだけでも楽しい街なんだろうなということがわりと想像できる。全体的に茶褐色ベースなのが、また小洒落てる。
・物の本によれば、ヴィリニュスの中心的存在たる大聖堂には、大聖堂広場があり、鐘楼がある。で、その広場の一角にあるのが「人間の鎖」の起点を示すプレートで、1989年8月23日、まだ旧ソ連下にあったリトアニア・ラトビア・エストニアの市民およそ200万人が、ここヴィリニュスからタリンまで600km間、せーので手をつないで人間の鎖を作り、もってこの3国の独立を訴えたという。
・物の本によれば、ヴィリニュス大学は観光客が訪れる魅力スポットとしてわりと定番らしい。16世紀創立・ヨーロッパで3番目という古さ。たくさんの中庭と、成立期も建築様式も異なる校舎とが、迷路のように交差するキャンパス。現役で学生たちが使ってる校舎内や学内書店には、天井と壁いっぱいのフレスコ画が描かれてたりするという。図書館の古書展示室も豪華だという。地球の歩き方に写真が載ってるからまちがいないし、もっと驚くことに、入場料1.5ユーロでちゃんとパンフもある。そんなところ、らしい。位置的には、旧市街のど真ん中。
・物の本によれば、聖アンナ教会という教会は茶褐色煉瓦でゴシック様式で、あまりの美しさにナポレオンが「フランスに持って帰りたい」などと、明治村に行ったときのegamiday氏のような戯言を言ったとか言わないとか。ナポレオンの話をリトアニアではちょいちょい耳にする。ナポレオンがロシア攻めの途中でリトアニアを通ったときは歓迎ムードだった、という話は、ほんとかどうかわからない。
・物の本によれば、旧市街から川向こうにウジュピス地区というエリアがあり、歴史的には職人階級の町、近年では芸術家や若者の町、それが高じて「ウジュピス共和国」宣言が出されたり憲法が掲げられたり、というパターンのやつ。どの国のどの街にもたいてい、とんがったキャラからの半観光地化的な、あるいは町ごと吉田寮的な、あるいは歩けばいかにも下北沢的な、そういうエリアってよくあって、自分の中でヒットしさえすればすごしやすいんだろうなって思う。
・物の本によれば、ヴィリニュス市内の中心に大きなユダヤ系住民エリアがあり、北のエルサレムと言われるほどユダヤ人住民がいた土地柄だったところが、ドイツ侵略以前から虐殺が始まり、戦前20数万人いたユダヤ人が戦後は数百人だったと。これが、杉原千畝と同時代の話なわけで、なんかもう、言葉がない。
●リトアニア全般
・むかしむかし、海外の日本研究なるものにまだほとんど染まっていなかった学生時分に、「リトアニアでは徒然草がたくさんの人に読まれているらしいよ」という雑誌記事みたいなのを読んだことがあって、それ以来ずっと、いつかはバルト三国、特にリトアニアには行ってみなければ、という「togoリスト」に長年延々と残ってました。まさか仕事で行く羽目になるとは、ちょっとヤな誤算。(注:しかもいま調べなおしたら、徒然草が読まれてたのはエストニアだった)
・リトアニア語、言語人口300万人。リトアニアの街にはキリル文字が並んでるのかなと無知な誤解をしてた。まったくそんなことなかった。ただ、イタリア語やドイツ語のように字面でなんとなく想像がつくというようなボキャブラリーでは、いっさいなかった。
・コートいるんじゃないかくらいの覚悟で冬支度してきたら、暑かった。日射しのあたる屋根裏の宿部屋や、鉄道の2階建て車両なんかは、ただの夏。聞けば、今年の夏は北欧どこも暑かったらしく、ノルウェーでも30℃にいたるものの、そもそもご家庭に冷房機なんかつけてない土地柄だから余計につらい、と。EAJRS会場も、冷房をつけたり消したりとたいへんだった模様。
・物の本によれば、リトアニアの名産品はリネンと木工品らしい。ふだん買い慣れないものが名産品だと、何か買うということが難しい。
・あんなに「一度は行かなきゃ」と長年togoリストをあたため続けてたリトアニアでしたが、実際来てみると、国柄や街並みに大いに感銘を受けたという感じでもなく、食や風物がヒットしたわけでもなく、ビールは堪能したかな、くらいで、まあこんなものかという感じでふんわりと国を去りました。さようならリトアニア。また気が向いたらふんわり来るでありましょう。
●予習本
・明石書店のエリアスタディーズにまさかのリトアニアが無い事件。わりとつらい。
・エリアスタディーズのシリーズだけでなく、リトアニアのことを勉強できるちょうどいい感の本がなかなかないくて、いまいち準備というか予習がすすまなかった感がある。
・『物語バルト三国の歴史』(中公新書)を通読。
・これでたどったリトアニア史はなかなかにハードだった。
・ごくごくざっくりした通史理解。
ドイツ騎士団・ドイツ商人(バルトドイツ人)
→ミンダウガス(リトアニア統一王)
→ヴィリニュスが首都になる+大公国になる(ヴィータウタス大公、領土めっちゃでかい)
→ポーランドと一体化してポーランド化が進む
→近世、ロシア領になってロシア化が進む
→民族意識
→I戦時、ドイツ占領
→I戦後、バルト三国成立
→ポーランドがヴィリニュス占領
→II戦時、ソ連占領
→ナチスドイツ占領
→II戦後、ソ連再占領
→パルチザン・「森の兄弟」⇔ソビエト化(民族消滅の危機)・KGB
→独立(人間の鎖、血の日曜日、テレビ塔)
・ユダヤ人については、中世に大勢迎え入れたとか、ポーランドと一体化してからさらに進んだとか、19C-20C当たりは特にヴィリニュスの人口の半分はユダヤ人だったとか、「北のエルサレム」の異名を持つとか、
・リトアニアのシンボルイメージたる白い騎士は、中世にドイツ騎士団と戦ったものらしい。そのでかでかとしたマークがいまはドイツ製鉄道車両の側面にでっかく描かれてるという。
・ドイツ商人(リューベック等)その他の交易通商のルートでもあった。
・国外脱出者もかなり多く、アメリカのポーランド系移民の中には実際はリトアニア人も結構含まれている云々。ロシア化政策の中、アメリカ他の国で出版されたリトアニア語出版物が持ち込まれた云々。19世紀末の在米リトアニア移民は70-80万人いて祖国のための活動を云々。
・『バルト三国歴史紀行・リトアニア』を通読。
・バルト三国関係の本を探してたら何かというとリストアップされてくる3冊本で、たいていの図書館にも書店にも置いてるようで、他がかなりぶあつい専門書ばかりな中で概説書っぽいたたずまいなので、手にとって通読してみるんだけど、確かに概説っぽくはあるものの、随所に個人的な感想とか、ソースの示されない情報とか、体験談とその私的コメントとかあって、これちょっと大丈夫かな感があって、特に大学図書館に置いてて大丈夫かしらと思うんだけど、でもやっぱり他に手の出せるいい感じの関連本がないので、結局これを読むことになる。ガチガチの専門書だけでなく、小洒落たガイドブックだけでなく、その分野の専門家が手頃な入門書・概説書(専門外の人に届くような)をちゃんと書いて世に出す、っていうのはすごく大事なことなんじゃないのかなって、思たです。
・予習期間内に読めてなかった1冊を、行きの機内で読んでた。『リトアニア : 小国はいかに生き抜いたか』。これがかなり精神的につらい。もう、言葉に書けない、書こうとするときっつい単語ばっかり並ぶんだもの。そんなところ、いまは平和ですよという顔をしているところに、これから行こうとしている途上で、読んじゃった本。街を歩いてるとああいう建物が、車窓を眺めてるとああいう森が、あんな惨劇のマジ舞台だったんじゃないかみたいに想えてくるので、つらい。KGB、パルチザン、森の兄弟、強制労働、シベリア送り、蹂躙、拷問、虐殺、そういう話がずっと続く。そういう”目に見える”ような時代が過ぎたあとは落ち着いたかのように見えるかもしれないけど、その後の時代はロシア語教育その他によるリトアニア文化破壊のフェーズであるわけで、したがってればいいんじゃないの的な、そっちはそっちで寒気がしておそろしい。
●予習@ヴィリニュス
・以下、予習本その他で勉強した、ヴィリニュスの”物の本によれば”シリーズ。
・ヴィリニュスの街を端的に言うと、13世紀、カトリック、バロック、路地、教会。
・物の本によれば、ヴィリニュスの旧市街は「東ヨーロッパではもっとも広い」という位置づけとのこと。とにかく、ちょっと歩いただけでも古式ゆかしい民家建造物や路地が立ち並ぶ、いわゆる”迷路のように入り組んだ”系の町並みがだらだらとひろがってるらしく、歩くだけでも楽しい街なんだろうなということがわりと想像できる。全体的に茶褐色ベースなのが、また小洒落てる。
・物の本によれば、ヴィリニュスの中心的存在たる大聖堂には、大聖堂広場があり、鐘楼がある。で、その広場の一角にあるのが「人間の鎖」の起点を示すプレートで、1989年8月23日、まだ旧ソ連下にあったリトアニア・ラトビア・エストニアの市民およそ200万人が、ここヴィリニュスからタリンまで600km間、せーので手をつないで人間の鎖を作り、もってこの3国の独立を訴えたという。
・物の本によれば、ヴィリニュス大学は観光客が訪れる魅力スポットとしてわりと定番らしい。16世紀創立・ヨーロッパで3番目という古さ。たくさんの中庭と、成立期も建築様式も異なる校舎とが、迷路のように交差するキャンパス。現役で学生たちが使ってる校舎内や学内書店には、天井と壁いっぱいのフレスコ画が描かれてたりするという。図書館の古書展示室も豪華だという。地球の歩き方に写真が載ってるからまちがいないし、もっと驚くことに、入場料1.5ユーロでちゃんとパンフもある。そんなところ、らしい。位置的には、旧市街のど真ん中。
・物の本によれば、聖アンナ教会という教会は茶褐色煉瓦でゴシック様式で、あまりの美しさにナポレオンが「フランスに持って帰りたい」などと、明治村に行ったときのegamiday氏のような戯言を言ったとか言わないとか。ナポレオンの話をリトアニアではちょいちょい耳にする。ナポレオンがロシア攻めの途中でリトアニアを通ったときは歓迎ムードだった、という話は、ほんとかどうかわからない。
・物の本によれば、旧市街から川向こうにウジュピス地区というエリアがあり、歴史的には職人階級の町、近年では芸術家や若者の町、それが高じて「ウジュピス共和国」宣言が出されたり憲法が掲げられたり、というパターンのやつ。どの国のどの街にもたいてい、とんがったキャラからの半観光地化的な、あるいは町ごと吉田寮的な、あるいは歩けばいかにも下北沢的な、そういうエリアってよくあって、自分の中でヒットしさえすればすごしやすいんだろうなって思う。
・物の本によれば、ヴィリニュス市内の中心に大きなユダヤ系住民エリアがあり、北のエルサレムと言われるほどユダヤ人住民がいた土地柄だったところが、ドイツ侵略以前から虐殺が始まり、戦前20数万人いたユダヤ人が戦後は数百人だったと。これが、杉原千畝と同時代の話なわけで、なんかもう、言葉がない。
2018年10月20日
EAJRS2018@リトアニア・メモその4:食レポ&ビアライゼ #201809eu
食レポ&ビアライゼ(ビール紀行)です。
なお、食レポが充実するのは、それ以外はほぼずっとインドアだった証拠。
まあだらだらと長いので、最後の「ビール図書館」だけ見て帰ってください。
●総論
・リトアニアは一人当たりのビール消費量が世界トップ10に入る土地柄(https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=3491&post_no=3958)で、ふわっと入ったレストランにもパブにもその店オリジナル銘柄のビールがふつーにあったりするので、そういう意味でまたちゃんと行きたい。(ちゃんと飲めてない)
・リトアニアでお世話になったスーパーは、Rimi、iki、Maxima、SILAS
・なお、とにかく物価が安い。日本でビール飲むの馬鹿馬鹿しくなる。飲むけど。
●9/10
○夜+ビール
![IMG_3146.JPG]()
・↑「Aline Leiciai」という名前の、醸造所持ちビアパブレストラン。ネットで紹介されてたので来た。来たっていうか、宿のすぐ真ん前。有名どころなのかもしれない、なぜなら先生夫婦に再会というEAJRSあるある。


・醸造所持ちレストランに飲み比べセット(6種)があると聞いたら、そりゃオーダーするじゃないですか、そしたら↑こうなった(隣席の女子ペアから軽く声があがってたw)。飲み比べでまさかの1杯200ml×6種、全部飲んだら1.2リットル。ていうか飲み比べセットのグラスってもう少し小さいと思うんだけど、さらに言うと200ml超えてるんじゃないかという気もする。
・で、最初給仕のお姉さんがビールの種類説明してくれたんだけど、飲んでるうちにだんだんわかんなくなってきた。ポーターとIPAはさすがにわかるけど、2と3の正体が不明、2はセゾンかしら、みたいになってわかんなくなった、というのも実は、どれもこれもが全体的に酸味の効いた味がする。ポーターも苦みや甘味より酸味がまず強い感がするし、IPAもなんかベースに酸っぱ味流れてないかと思ってしまう。セゾンらしきものをセゾンと思えないくらい。「ラガー」って言われたやつだけ、麦味の香るやつだった。
・というわけで1日目で早くも「リトアニアのビールはどれも酸味説」が浮上。

・第1リトアニアフードが、このツェペリナイ、スモールポーション。つまり通常は1人前2個なのがお定まりらしいのだけど、最近では地元の人もそれを”多い”と感じるくらいらしく、1個だけ注文できるのがわりと普及してるっぽい。で、食べてみると正直1個で充分感ある。構造としてはジャガ芋おはぎの中身豚ひき肉で、ジャガイモ部分はもっちりでなくもっちゃりしてて特に味付けはなく、中身の豚ひき肉にもさほどの味はついてなく、もっと言うとサワークリームの方もサワーでもクリームっぽくもなくさほど味もついてなくて、もっぱら、炒めベーコンの塩気で食べる感じになってる。
・そういう、もっぱらベーコン脂の塩気で味付けしながらの料理を口に含んでると、なんというか奇妙な話ですが、これしきを郷土料理とする土地をなぜドイツやポーランドやソビエトは執拗に奪い合い責め立てる必要があったんだろうか、っていう予習した近代史にいきなり想いが及ぶんですね。ほっときゃいいじゃん、なぜあんな執拗に。それもう「内なる怯え」だろうとしか思えないんですよね。
・注:いま軽くディスりましたよね。
・なお、カードで払うときにチップどうしたらいいかときいたら、チップはキャッシュの時だけと言われた。それ以来、どこでもちゃんとチップ払ってない。どうしたもんか。
・なおなお、スーパーで夜食用に買っておいた「ミラノサラダ」(トマトベースのマカロニサラダ)が結局今期間中かなり上位で美味かった。
●9/11
○朝
・宿の朝食

・チーズとマッシュルームをソテーしたのをまいたクレープ、が塩気が効いててこれは良かった。
・宿の朝食所で日本人グループの人たちが「部屋の冷蔵庫にあった水が塩水だった」と言ってて、何言ってるんだろうこの人たちと思ってたら、スーパーでふわっと買って飲んだ水がめちゃめちゃ塩っぱかった。「ヴィタウタス」という大公の名前がついた、要するに、ミネラル分が超マシマシで入ったミネラルウォーター、ということらしい。いや、身体に良いのかもしれんけどさすがにつらい。
○昼

・市場の軽食堂的なところで昼食。たぶんこれがリトアニア料理のひとつ「キビナイ」(英文でポテト・ダンプリングと書いてあった)で、マッシュポテトを平たい団子状にして焼いたのの中に、豚ひき肉が入ってて、キノコを炒めたようなソースとサワークリームがかかっており、ツェペリナイと歯ごたえが違うだけでほぼ同類であり、なんというかいろいろな意味で、わりとマジに「もうたくさん」と思った一幕であった。リトアニアのジャガイモ料理、2食で定量越え問題。
○夜
・宿近の小ぶりスーパー(iki)で酒類+軽めの買い物を済まそうとしたところ、店内物色中にうっかり夜8時を過ぎてしまい、酒類がタイムアウトになってしまった、という事件発生。
・しかも、海外滞在中の食生活の筆頭的たのみの綱である”生パスタ”が、なぜかいっさい売ってない土地柄なんだということが判明。なんと、生パスタ売ってない国なんてのあるんだ、と。俄かには信じられなくて、1時間くらいかけて何軒かスーパーをハシゴしてみたけど、まあまあの大型店に行っても置いてなかったのでビビった。そのハシゴの結果として、それ以外の食材をたんまり買い込むかたちになった。ちなみに後日、カウナス最大級のショッピングモール内の最大級スーパーの中で、生フェトチーネ1種類だけ見つけた。
○ビール

・「HOP DOC」という、アメリカンというよりイマドキ感なビール。ヨーロッパ各地の有名どころなクラフトビールが、サーバでも並んでるし、カウンター内のショーケースにはボトルや缶も並んでて、各地のクラフトビールをということにそうとうお熱が入ってるらしく、常陸野のふくろうマークの青いラベルのも並んでるから、おみそれしましたと言うしかなかった。
・そういった意味では、疲れてたからとは言え、1杯目あまり考えずLeffeとか、ふわっとしてたな。

・↑あてで、スターターと書いてあるし大した値段じゃないからと思って、油断してスティックチキンみたいなのもらったら、揚げたての本気のやつだった。ディップソースのオイリーなのがさらに本気で美味い。


・↑2杯目に飲んだのが、「Is Stokholmo」という名前のビールで、「Milkshake Mango Pale Ale」って書いてあるから、なんだろうと思って飲んだら、甘いフルーツ系のやつでこれは流行ると思った。ニューイングランドIPAっぽいのかな。

・↑3杯目はドイツのヘーフェヴァイツェンでしめた。
●9/12
○朝
![IMG_3313.JPG]()
・ベーコンと野菜の塩焼きラーメン風パスタ。豚肉と白菜のダシスープ。スーパー惣菜のコールスローサラダと鰊の酢漬け(生魚が食べられるバルト海沿岸は大吉)。
○昼

・カウナス中心街の日本食レストラン「KAMAKURA」。ジャガイモにはやくも飽きていたひっぱりもあるせいか、ヨーロッパで食べられる日本料理定食としては、かなり美味ほうだという印象(鶏の甘酢あんかけを日本食とするかは別問題)。米は長粒米だけど、それも気にならないくらい。しかもこれで5ユーロという物価。緑茶1.2ユーロがレジで忘れられるというお茶目付き。指摘すると感謝される。
○夜

・レセプションの立食。物の本によれば、リトアニアは魚介類を食べる機会が少なくあるとしたら川魚、的なことを読んだ覚えがあったのだけど、この立食で謎の大魚姿焼きに遭遇、骨っぽくて大味。ほかにも、ふんわりした白身魚みたいなのもあり。我々がふだん何も考えず口にしてる”白身魚”はこんな感じ。
○ビール

・写真は、そのあとのビール。Svyturysは18世紀にさかのぼるリトアニアの老舗ブルワリーらしい。たぶん2杯目がKさんが美味しそうに飲んでた白で、さすがロンドンっこのK先輩は美味そうなビールちゃんとみつけるよな、っていつも思う。みんなで行ったけど場所はなんか覚えてない。RePUBlicに入れなくて次に行ったからその近く。Gさんがビリヤードか何かのビデオを食い入るように見てたのが確かここ。
・なお、寝てたらしい。
●9/13
○朝、省略。
○昼、用事があってバタバタしてたため、何を食べたか食べなかったかも覚えてない。
○夜+ビール

・EAJRS恒例トラディショナルディナー。旧市街のSenieji Rusiai(Old Russianの意、https://seniejirusiai.lt/)という半地下のレストラン。食事としては「Pork loin medallions with chanterelle sauce, potatoes and cherry tomatoes」とデザートだった、はずなんですが、”とある理由”(註:別項参照)から、まったく味がわからない状態にあったため、ほとんど印象がない。まあなんか、お肉をクリームソースで食べた、くらいのもん。
・なおビールについては若干の知見を得る機会があって、ネイティブの学生さんがおっしゃるには、リトアニアではたいていどの店も(ブリュワリーを持っていないにしろ)自分とこのオリジナル銘柄のビールを持ってるものなんだ、ということ。え、それがほんとならとんでもないビール大国なんじゃないの(ドイツでもそんなことはなかったんじゃないか)と半信半疑だったんだけど、でも確かにその後注意してみると、ふわっと入ったビアパブにその店の名前のついたビールがあったりするから、あ、これまあまあマジなんだな、と思いました。
・なお、以下のビールがそのオリジナルビールかどうかは不明。ポーターはたぶんちがう。


https://www.ratebeer.com/beer/volfas-engelman-imperial-porteris/98830/
・↓その後、飲み直しにHOPDOCへ。地元カウナスのGenysというブルワリーの、アメリカンペールエール。こうしてまたカウナスにも行きつけのビール屋さんができてしまったのだった。

●9/14
○朝

・↑深刻な生パスタ不足におちいった不運なegamiday氏のもとに、どうやらリトアニアではまあまあ米が食べられるらしいという真偽不明の情報がとびこみ、確かにスーパーでふつーに長粒米が売ってたので、キッチンの鍋で炊いてみたら上手いこといったという。これに、スモークサーモンの中落ち(あら)が加わると一気に和朝食感が出る。さらにチキンのハーブ煮のパックになったやつがあったので付け合わせる。しかも目を疑ったのが、「昆布を細切りにして野菜とマヨネーズで和えたの」というのが、ふつーに(和食としてではなくただただふつーに)あちこちのスーパーで売っててビビった。ていうか、あのアイルランドがジャガイモ飢饉の時ですら口にしなかったという昆布を、こちらではこうやってふつーに食べるのか??
・中心街のGreenCafeというところが、通いたい良さげカフェだったので、次へ申し送り。
○昼
・ふるまいランチ。チキンと焼きリンゴ。なお、この後ヴェンダーワークショップの準備があったため、急いで辞す。



○夜+ビール


・RePUBlicというビアパブ。ビールはあまり覚えてない(パウラーナーだけわかる)。
・この日飲んだビールは、ツイートによれば、RePUBlicのハウスラガー。Raudonu Plytu(http://www.raudonuplytu.lt/)。パウラーナーのヘーフェヴァイツェン。Genysのアメリカンペールエール。よう飲んでるな。

・↑リトアニアのビールおつまみの定番その1、黒パンの細切りを揚げたという、身も蓋もないもの。これはチーズとガーリックオイルもかかってたのかな。

・↑リトアニアのビールおつまみの定番その2、ミミガーのフライ。なんかパブに来てちゃんとリトアニア料理を味わえてるの、なかなか来てるなと思った。

・↑リトアニアのローカルな謎飲み物「ギラ」なるもの。パンと水を発酵させたソフトドリンクらしい。Tさんたちが事前に別の場所でこれを飲んだところ「醤油とコーラを混ぜた味」だった、とはしゃいでるので、みんなで味見してみると、どうもこれは缶入りとかではないかなりフレッシュな作りのやつだったらしく、表現すると「チェルシーを飲み物にした感じ」だった。なお、後日帰りのヴィリニュス空港に缶入りがあったので実飲してみたところ「スタウトな冷やし飴」が最適な表現だったと思われ、総合して、謎。
・なお、寝てたらしい。
●9/15
○昼

・会場から離脱して、移動のためにカウナス駅のコインロッカーに荷物を預けたあとで、急いでとった食事。バスターミナルのフードコート的なところで、ついにピンクのサワークリームスープ(シャルティバルシュチ、ビーツとサワークリームなのでピンクになる、冷製スープ)。ネイティブ学生さんが「サワークリームが苦手という人こそ、試してみて大丈夫」的なことをおっしゃるので、おそるおそる食べてみたら、まあ、ふつーだった。でも、あまり好きじゃないサワークリームをスープでしかも冷静で食べて、ふつーと思えるなら、それだいぶうまくできてるんだな、と思った。メインはわらじのようなチキンカツの南蛮漬けに、その他いろいろの付け合わせ。フードコートとはいえこれで6ユーロくらいだからやっぱり安い。
・あと、やっぱ魚より肉な土地なんだな、と思う。
○ビール

・「Alaus Biblioteka」(ビール図書館)という謎のビアパブがあると聞いて、そりゃ来ざるを得まいと。




・ビール図書館? 本が置いてあるパブならあちこちにあるでしょ? いや、そうじゃないです。壁一面が書架になっている。書架に各種類のビールが分類・配架されている。ビール分類表が別途掲示されている。カード目録かのような書類ケースもある。雑誌がハンガーにかかっている(これおかしくない?)。カウンターの向こうの女性が眼鏡をかけている(おい)。しかも、カウンターの女性にどんなビールが飲みたいかを言うと、レファレンスとしてわりと丁寧に相談にのってくれるし、紹介の仕方も説明的。あ、これ図書館だわ、ていう演出。




・ここで飲んだビール。NewCastleのブラウンエール(たぶんイギリス)。Sakiskesというところはリトアニアのブルワリーらしいのですが、そこのビーツのルーツで作ったベルリーナーヴァイセってもはや川口浩ばりの冒険心で飲んでみた(特に感想は残っていない)。それと、ここにもやはりニューイングランドIPAがあるという(「ネイパ」て言うからなんだろうと思ってたらNE IPAだった)のでそれも。ニューイングランドの進出具合がやばい。
・しかしここでも、”とある理由”(註:別項参照)から、味が印象に残りにくい状態にあったため、コメントが少ない。


・↑最終夜にスーパーで入手した惣菜。ここまで露骨に昆布を食する土地もあるんだなと学んだ。パッケージから察するにロシア系の文化なのかしら。
●9/16

・↑飛行機乗り換えのヘルシンキでシーフードのランチ。塩と油と魚で胃が整った感。
なお、食レポが充実するのは、それ以外はほぼずっとインドアだった証拠。
まあだらだらと長いので、最後の「ビール図書館」だけ見て帰ってください。
●総論
・リトアニアは一人当たりのビール消費量が世界トップ10に入る土地柄(https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=3491&post_no=3958)で、ふわっと入ったレストランにもパブにもその店オリジナル銘柄のビールがふつーにあったりするので、そういう意味でまたちゃんと行きたい。(ちゃんと飲めてない)
・リトアニアでお世話になったスーパーは、Rimi、iki、Maxima、SILAS
・なお、とにかく物価が安い。日本でビール飲むの馬鹿馬鹿しくなる。飲むけど。
●9/10
○夜+ビール
・↑「Aline Leiciai」という名前の、醸造所持ちビアパブレストラン。ネットで紹介されてたので来た。来たっていうか、宿のすぐ真ん前。有名どころなのかもしれない、なぜなら先生夫婦に再会というEAJRSあるある。
・醸造所持ちレストランに飲み比べセット(6種)があると聞いたら、そりゃオーダーするじゃないですか、そしたら↑こうなった(隣席の女子ペアから軽く声があがってたw)。飲み比べでまさかの1杯200ml×6種、全部飲んだら1.2リットル。ていうか飲み比べセットのグラスってもう少し小さいと思うんだけど、さらに言うと200ml超えてるんじゃないかという気もする。
・で、最初給仕のお姉さんがビールの種類説明してくれたんだけど、飲んでるうちにだんだんわかんなくなってきた。ポーターとIPAはさすがにわかるけど、2と3の正体が不明、2はセゾンかしら、みたいになってわかんなくなった、というのも実は、どれもこれもが全体的に酸味の効いた味がする。ポーターも苦みや甘味より酸味がまず強い感がするし、IPAもなんかベースに酸っぱ味流れてないかと思ってしまう。セゾンらしきものをセゾンと思えないくらい。「ラガー」って言われたやつだけ、麦味の香るやつだった。
・というわけで1日目で早くも「リトアニアのビールはどれも酸味説」が浮上。
・第1リトアニアフードが、このツェペリナイ、スモールポーション。つまり通常は1人前2個なのがお定まりらしいのだけど、最近では地元の人もそれを”多い”と感じるくらいらしく、1個だけ注文できるのがわりと普及してるっぽい。で、食べてみると正直1個で充分感ある。構造としてはジャガ芋おはぎの中身豚ひき肉で、ジャガイモ部分はもっちりでなくもっちゃりしてて特に味付けはなく、中身の豚ひき肉にもさほどの味はついてなく、もっと言うとサワークリームの方もサワーでもクリームっぽくもなくさほど味もついてなくて、もっぱら、炒めベーコンの塩気で食べる感じになってる。
・そういう、もっぱらベーコン脂の塩気で味付けしながらの料理を口に含んでると、なんというか奇妙な話ですが、これしきを郷土料理とする土地をなぜドイツやポーランドやソビエトは執拗に奪い合い責め立てる必要があったんだろうか、っていう予習した近代史にいきなり想いが及ぶんですね。ほっときゃいいじゃん、なぜあんな執拗に。それもう「内なる怯え」だろうとしか思えないんですよね。
・注:いま軽くディスりましたよね。
・なお、カードで払うときにチップどうしたらいいかときいたら、チップはキャッシュの時だけと言われた。それ以来、どこでもちゃんとチップ払ってない。どうしたもんか。
・なおなお、スーパーで夜食用に買っておいた「ミラノサラダ」(トマトベースのマカロニサラダ)が結局今期間中かなり上位で美味かった。
●9/11
○朝
・宿の朝食
・チーズとマッシュルームをソテーしたのをまいたクレープ、が塩気が効いててこれは良かった。
・宿の朝食所で日本人グループの人たちが「部屋の冷蔵庫にあった水が塩水だった」と言ってて、何言ってるんだろうこの人たちと思ってたら、スーパーでふわっと買って飲んだ水がめちゃめちゃ塩っぱかった。「ヴィタウタス」という大公の名前がついた、要するに、ミネラル分が超マシマシで入ったミネラルウォーター、ということらしい。いや、身体に良いのかもしれんけどさすがにつらい。
○昼
・市場の軽食堂的なところで昼食。たぶんこれがリトアニア料理のひとつ「キビナイ」(英文でポテト・ダンプリングと書いてあった)で、マッシュポテトを平たい団子状にして焼いたのの中に、豚ひき肉が入ってて、キノコを炒めたようなソースとサワークリームがかかっており、ツェペリナイと歯ごたえが違うだけでほぼ同類であり、なんというかいろいろな意味で、わりとマジに「もうたくさん」と思った一幕であった。リトアニアのジャガイモ料理、2食で定量越え問題。
○夜
・宿近の小ぶりスーパー(iki)で酒類+軽めの買い物を済まそうとしたところ、店内物色中にうっかり夜8時を過ぎてしまい、酒類がタイムアウトになってしまった、という事件発生。
・しかも、海外滞在中の食生活の筆頭的たのみの綱である”生パスタ”が、なぜかいっさい売ってない土地柄なんだということが判明。なんと、生パスタ売ってない国なんてのあるんだ、と。俄かには信じられなくて、1時間くらいかけて何軒かスーパーをハシゴしてみたけど、まあまあの大型店に行っても置いてなかったのでビビった。そのハシゴの結果として、それ以外の食材をたんまり買い込むかたちになった。ちなみに後日、カウナス最大級のショッピングモール内の最大級スーパーの中で、生フェトチーネ1種類だけ見つけた。
○ビール
・「HOP DOC」という、アメリカンというよりイマドキ感なビール。ヨーロッパ各地の有名どころなクラフトビールが、サーバでも並んでるし、カウンター内のショーケースにはボトルや缶も並んでて、各地のクラフトビールをということにそうとうお熱が入ってるらしく、常陸野のふくろうマークの青いラベルのも並んでるから、おみそれしましたと言うしかなかった。
・そういった意味では、疲れてたからとは言え、1杯目あまり考えずLeffeとか、ふわっとしてたな。
・↑あてで、スターターと書いてあるし大した値段じゃないからと思って、油断してスティックチキンみたいなのもらったら、揚げたての本気のやつだった。ディップソースのオイリーなのがさらに本気で美味い。
・↑2杯目に飲んだのが、「Is Stokholmo」という名前のビールで、「Milkshake Mango Pale Ale」って書いてあるから、なんだろうと思って飲んだら、甘いフルーツ系のやつでこれは流行ると思った。ニューイングランドIPAっぽいのかな。
・↑3杯目はドイツのヘーフェヴァイツェンでしめた。
●9/12
○朝
・ベーコンと野菜の塩焼きラーメン風パスタ。豚肉と白菜のダシスープ。スーパー惣菜のコールスローサラダと鰊の酢漬け(生魚が食べられるバルト海沿岸は大吉)。
○昼
・カウナス中心街の日本食レストラン「KAMAKURA」。ジャガイモにはやくも飽きていたひっぱりもあるせいか、ヨーロッパで食べられる日本料理定食としては、かなり美味ほうだという印象(鶏の甘酢あんかけを日本食とするかは別問題)。米は長粒米だけど、それも気にならないくらい。しかもこれで5ユーロという物価。緑茶1.2ユーロがレジで忘れられるというお茶目付き。指摘すると感謝される。
○夜
・レセプションの立食。物の本によれば、リトアニアは魚介類を食べる機会が少なくあるとしたら川魚、的なことを読んだ覚えがあったのだけど、この立食で謎の大魚姿焼きに遭遇、骨っぽくて大味。ほかにも、ふんわりした白身魚みたいなのもあり。我々がふだん何も考えず口にしてる”白身魚”はこんな感じ。
○ビール
・写真は、そのあとのビール。Svyturysは18世紀にさかのぼるリトアニアの老舗ブルワリーらしい。たぶん2杯目がKさんが美味しそうに飲んでた白で、さすがロンドンっこのK先輩は美味そうなビールちゃんとみつけるよな、っていつも思う。みんなで行ったけど場所はなんか覚えてない。RePUBlicに入れなくて次に行ったからその近く。Gさんがビリヤードか何かのビデオを食い入るように見てたのが確かここ。
・なお、寝てたらしい。
●9/13
○朝、省略。
○昼、用事があってバタバタしてたため、何を食べたか食べなかったかも覚えてない。
○夜+ビール
・EAJRS恒例トラディショナルディナー。旧市街のSenieji Rusiai(Old Russianの意、https://seniejirusiai.lt/)という半地下のレストラン。食事としては「Pork loin medallions with chanterelle sauce, potatoes and cherry tomatoes」とデザートだった、はずなんですが、”とある理由”(註:別項参照)から、まったく味がわからない状態にあったため、ほとんど印象がない。まあなんか、お肉をクリームソースで食べた、くらいのもん。
・なおビールについては若干の知見を得る機会があって、ネイティブの学生さんがおっしゃるには、リトアニアではたいていどの店も(ブリュワリーを持っていないにしろ)自分とこのオリジナル銘柄のビールを持ってるものなんだ、ということ。え、それがほんとならとんでもないビール大国なんじゃないの(ドイツでもそんなことはなかったんじゃないか)と半信半疑だったんだけど、でも確かにその後注意してみると、ふわっと入ったビアパブにその店の名前のついたビールがあったりするから、あ、これまあまあマジなんだな、と思いました。
・なお、以下のビールがそのオリジナルビールかどうかは不明。ポーターはたぶんちがう。
https://www.ratebeer.com/beer/volfas-engelman-imperial-porteris/98830/
・↓その後、飲み直しにHOPDOCへ。地元カウナスのGenysというブルワリーの、アメリカンペールエール。こうしてまたカウナスにも行きつけのビール屋さんができてしまったのだった。
●9/14
○朝
・↑深刻な生パスタ不足におちいった不運なegamiday氏のもとに、どうやらリトアニアではまあまあ米が食べられるらしいという真偽不明の情報がとびこみ、確かにスーパーでふつーに長粒米が売ってたので、キッチンの鍋で炊いてみたら上手いこといったという。これに、スモークサーモンの中落ち(あら)が加わると一気に和朝食感が出る。さらにチキンのハーブ煮のパックになったやつがあったので付け合わせる。しかも目を疑ったのが、「昆布を細切りにして野菜とマヨネーズで和えたの」というのが、ふつーに(和食としてではなくただただふつーに)あちこちのスーパーで売っててビビった。ていうか、あのアイルランドがジャガイモ飢饉の時ですら口にしなかったという昆布を、こちらではこうやってふつーに食べるのか??
・中心街のGreenCafeというところが、通いたい良さげカフェだったので、次へ申し送り。
○昼
・ふるまいランチ。チキンと焼きリンゴ。なお、この後ヴェンダーワークショップの準備があったため、急いで辞す。
○夜+ビール
・RePUBlicというビアパブ。ビールはあまり覚えてない(パウラーナーだけわかる)。
・この日飲んだビールは、ツイートによれば、RePUBlicのハウスラガー。Raudonu Plytu(http://www.raudonuplytu.lt/)。パウラーナーのヘーフェヴァイツェン。Genysのアメリカンペールエール。よう飲んでるな。
・↑リトアニアのビールおつまみの定番その1、黒パンの細切りを揚げたという、身も蓋もないもの。これはチーズとガーリックオイルもかかってたのかな。
・↑リトアニアのビールおつまみの定番その2、ミミガーのフライ。なんかパブに来てちゃんとリトアニア料理を味わえてるの、なかなか来てるなと思った。
・↑リトアニアのローカルな謎飲み物「ギラ」なるもの。パンと水を発酵させたソフトドリンクらしい。Tさんたちが事前に別の場所でこれを飲んだところ「醤油とコーラを混ぜた味」だった、とはしゃいでるので、みんなで味見してみると、どうもこれは缶入りとかではないかなりフレッシュな作りのやつだったらしく、表現すると「チェルシーを飲み物にした感じ」だった。なお、後日帰りのヴィリニュス空港に缶入りがあったので実飲してみたところ「スタウトな冷やし飴」が最適な表現だったと思われ、総合して、謎。
・なお、寝てたらしい。
●9/15
○昼
・会場から離脱して、移動のためにカウナス駅のコインロッカーに荷物を預けたあとで、急いでとった食事。バスターミナルのフードコート的なところで、ついにピンクのサワークリームスープ(シャルティバルシュチ、ビーツとサワークリームなのでピンクになる、冷製スープ)。ネイティブ学生さんが「サワークリームが苦手という人こそ、試してみて大丈夫」的なことをおっしゃるので、おそるおそる食べてみたら、まあ、ふつーだった。でも、あまり好きじゃないサワークリームをスープでしかも冷静で食べて、ふつーと思えるなら、それだいぶうまくできてるんだな、と思った。メインはわらじのようなチキンカツの南蛮漬けに、その他いろいろの付け合わせ。フードコートとはいえこれで6ユーロくらいだからやっぱり安い。
・あと、やっぱ魚より肉な土地なんだな、と思う。
○ビール
・「Alaus Biblioteka」(ビール図書館)という謎のビアパブがあると聞いて、そりゃ来ざるを得まいと。
・ビール図書館? 本が置いてあるパブならあちこちにあるでしょ? いや、そうじゃないです。壁一面が書架になっている。書架に各種類のビールが分類・配架されている。ビール分類表が別途掲示されている。カード目録かのような書類ケースもある。雑誌がハンガーにかかっている(これおかしくない?)。カウンターの向こうの女性が眼鏡をかけている(おい)。しかも、カウンターの女性にどんなビールが飲みたいかを言うと、レファレンスとしてわりと丁寧に相談にのってくれるし、紹介の仕方も説明的。あ、これ図書館だわ、ていう演出。
・ここで飲んだビール。NewCastleのブラウンエール(たぶんイギリス)。Sakiskesというところはリトアニアのブルワリーらしいのですが、そこのビーツのルーツで作ったベルリーナーヴァイセってもはや川口浩ばりの冒険心で飲んでみた(特に感想は残っていない)。それと、ここにもやはりニューイングランドIPAがあるという(「ネイパ」て言うからなんだろうと思ってたらNE IPAだった)のでそれも。ニューイングランドの進出具合がやばい。
・しかしここでも、”とある理由”(註:別項参照)から、味が印象に残りにくい状態にあったため、コメントが少ない。
・↑最終夜にスーパーで入手した惣菜。ここまで露骨に昆布を食する土地もあるんだなと学んだ。パッケージから察するにロシア系の文化なのかしら。
●9/16

・↑飛行機乗り換えのヘルシンキでシーフードのランチ。塩と油と魚で胃が整った感。
EAJRS2018@リトアニア・メモその3:旅行事務と街の感想 #201809eu
●旅程・旅行事務
・9月4日台風21号の被害で関空が使えなくなったので、どうなるんだろうと気を揉んでいたところ、Finnairさんから何の説明も注釈もない、ただただ出発地が「NGO」と書かれたe-チケットPDF”だけ”がメールで届き、説明を求めて日本オフィスに電話するもいつまで経ってもつながらず(まあそりゃそうか・・・)、最終、ただただ中部国際空港現地へ行くのみ、という状態だった。ちなみに往路便は、KIX-HEL便がキャンセルとなったため、もともとあったNGO-HEL便にチケットが変更されたパターン。中部国際空港現地では「オーバーブッキングなので他便に振り替えてくださる方を求めてます」との掲示あり。
・帰国便も関空到着できず、旅程2日目くらいに早くもFinnairさんからメールが来てた。ちなみに復路便は、もとあったHEL-KIX間を飛ぶ便の到着地がNGOに変更、というパターン。さらにもともとあったHEL-NGO便もあるから、名古屋行き便が2機あることになる。ヘルシンキ乗り換え時に一瞬迷った。
・出発日の前日が休日(勤務日じゃない)だと、ものすごく余裕があるのだな、というのがわかった。大事。朝8時までに中部国際空港、とかいうスケジュールだとなおさら。
・一方、朝8時までに中部国際空港はさすがにつらい。5時半に家出、6時に京都駅、新幹線→名鉄乗り換えが微妙にストレスフルな名古屋駅、7時過ぎですでに疲労困憊、そして名鉄が不愉快に混む。
・なお、NGOのFinnairはネットチェックイン済みでも混みがちな模様。
・↑知ってる人には有名な、ヘルシンキ空港のアイドル。
・空港で先生ご夫婦に会う、EAJRSあるある。
・ヴィリニュス空港には、複数箇所に、”空港→市内への移動方法パスファインダー”的な掲示があって、しかもそれが真新しく、来訪者ケアに力を入れ始めているという感じかしら。
・ちなみにバスは、ルートが多くはなく、バス停間隔が遠いので、どこへ行くにしろ結局だいぶ歩くことになる。これはカウナスもヴィリニュスも同じ。例えば駅から初日宿まで、遠回りルートで5分バス(ていうか乗り合いタクシー)、降りて5分徒歩、みたいな感じ。
・とはいえ、ヴィリニュスの駅前公園のキオスクでおばちゃんに必死に紙を見せて1日バスカードを買ったり、カウナスの駅前新聞スタンド(Spauda)でおばちゃんに必死に紙を見せてバスカードに7日チャージさせたり、交通ICの類はわりとちゃんと予習して手に入れていたegamiday氏。
・ところがカウナスのバスICカードを実際にバスでかざすとなぜか使えず、あとでネットで調べて初回の有効化操作を知った。ていうか、それをバスのドライバーが知らなかったのどうにかならんのかと思った。しかも、その後も”なぜか使えない”ことが何度かあり、まあまあの回数で現金支払いもしてた。安い(1乗り1ユーロ)のが救い。
・これもバスなんだろうなと思いながら乗ってたのが、でっかいバンみたいなので、どうやら”乗り合いタクシー”的扱いのやつらしく、現金で乗ると1.3ユーロくらいというちょっと割高。なおGoogleMapはえらくしたもんで、ルート検索するとこの両者をちゃんと色分けで出す。
・食事処で先生ご夫婦に会う、EAJRSあるある。
・ヴィリニュス→カウナス間は、鉄道で移動。券売機がない(窓口)。本数が少ない。車両がドイツ製(自分にはおなじみ)で、リトアニア騎士マークがかっこいい。そしてとてつもなく日射しが暑く、そのせいで車内が灼熱、がんがん冷房入れているけどなかなか効かないというパターンで、しかたなく出発まで駅のベンチで涼む。
・なんで自分、冬服支度なんかしてきたんだろう・・・。
・街に買い物に出ると広場で旧知のライブラリアンに会う、EAJRSあるある。
・GoogleマップでH&Mがあると言うから行ってみたら、そんなもん影も形もないという、Googleマップあるある。(頼りにしてたので一気に困った)
・行き(資材を事前に郵送)は良い良い、帰り(資材を手荷物で自力持ち帰り)は怖い。ていうか配り物はマジでごく少部数でいい。だいぶ捨ててきたし、それでもなお手荷物過多で辟易した。両手に手荷物云々って、沢田研二かと。ていうか、ひとりでブース設営も発表も運搬もは無理。今回駅のコインロッカーをフル活用して事なきを得たけど、それがなかったら終わってた。
・それで荷物を増やしたくないからと言って土産をぎりぎりまで買わず空港で調達するつもりにしてたら、まさかのヴィリニュス空港がぜんっぜん商売っ気皆無で、買えるものがマジでチョコレートくらいしかないという危機に。リネンとか工芸品が名産で良さげ、とかいう小洒落予習はどこへ雲散霧消したんだ、と。
・そして小さい空港から出立すると、国を去るのもふんわりした感じになって、あまり感慨がわかない。
・帰りの空港で続々と日本人参加者が集まるE、AJRSあるある。
・乗り換えのヘルシンキで昼食と土産の調達をしてたわけですが、ヴィリニュス空港が極小だったのに比べて、ヘルシンキはさすが相当でかい。疲れる。
・それで乗り換えのヘルシンキで土産としていかにも北欧っぽいおしゃれ布物を買ったら、よく見るとメイドインジャパンだった事件。
・なお、全日程をとおして常に時差ボケに悩まされていた模様。これは毎年のことなので仕方がない。
●宿
・初日ヴィリニュス宿。なんか古農家風を装ってる。想定外に流しがある。想定外に暑い(屋根裏)。夜帰ってきたら扉が開かなくて、そばのおっちゃんに助けられた(注:ボタンを押すだけ)。
・カウナスでは複数日の逗留になるからと、キッチン(注:心と体の安定剤)付きの宿を探したところ、ちゃんとしたwebサイトだからてっきりちゃんとホテルかと思ったら、民泊だった。事前連絡(これもだいぶふんわりしてた)にあった落ち合う通りの番地にいったら、レストランしかなかった。ウェイトレスのおねえさんに聞いたら知らんと言われ、中庭なんじゃない?と言われて、ネイティブな住民ばかりの中庭に無理くり入って待ってても、全然誰も来ない。
テキストメッセージでやりとりしようぜと事前に言われてたけど、自分のiphone+レンタルモバイルwifiがテキストメッセージを受け付けてくれない(←これはかなり死ねる)。そしたら、なぜかイタリアの国番号で電話がかかってきて、案の定、内と外で行き違ってた。いかにもなファッションの兄ちゃんで、イタリアから来てると言うので、ああ、なんか、いろいろ納得した。っていうか、そうと知ってたらそれなりに対応してた。
・ラスト前日ヴィリニュス宿はまあふつうのホテルでしたが、やはり朝食時間開始が遅く断念のパターン。それ以外は特に印象がない。
●街@ヴィリニュス
・着陸前の窓から見下ろすヴィリニュス近郊は、たっぷりの緑地にマシュマロのような家をばらまいたような。空港は新品感にあふれてるし、空港周辺はいまどきの整えられた小ぎれいさだし、かと思えばふつーに古民家が建ってたりする。のどかで清楚な田舎感。とてもあんな凄惨な歴史に思い及ばない。
・そして空港から市内までの数キロ間の郊外地に、落書きとかゴミとか荒地の類が見かけられなかったので、なんだろうハイソな土地柄なんだろうか、と思った。実際には、駅周辺になればやはりそれなりに落書きや荒れた建物とかあったり敷石のあちこちが欠けてて整備されてなかったりもした(にしてもゴミは少ない)。もう何十年も、つまり旧ソ時代から修繕してないような古い建物もたくさんあって、それをめいめいまだらに&まばらにリノベーションしては、新規な小洒落たお店を開店してる、というような新旧ないまぜ感。
・↑これがたぶん第一ヴィリニュス風景。気球と鉄道とテレビ塔。
・↑第二ヴィリニュス風景、宿インしてすぐ、スーパーに買い出し行きがてら、街の距離感と空気感安心感をはかるために街ぶらした時の、市庁舎前広場付近。ふつーにカフェに人がいたり、ベビーカーの家族連れが歩いてたりする、平凡でどこにでもありそうなヨーロッパっぽい街の、何のへんてつもない宵の口の風景。ほんと、あれですね、自由と平和が一番大事だという思いしか出てこないですね。
・↑ちなみに、宿近の路上にあったプレート。このあたりがユダヤ系住民のエリアだった。
・↑宿から&宿付近
・早朝のあいた時間(註:眠れずに起きた)、朝食前(註:実は朝食設定時刻がどこもまあまあ遅い)に、軽く街を見る。
・↑旧市街地を一望した感じ
・↑テレビ塔を望む感じ
・↑ヴィリニャ川。ヴィリニャ川にできた街がゆえのヴィリニュス。
・そうやって街を歩くと、EAJRS知人にばったり会うのももはや恒例。
・↑街を歩いてると、バルト3国の戦時・旧ソ連下から独立あたりまでの報道写真を青空展示してるのに行きあったりする。本当に、自由と平和のことを強く思う。
・リトアニアはカトリック信仰のとてもあつい国らしく、ヴィリニュスの街を歩けばこれでもかというくらいの数の教会を目にすることになる。左京区におけるファミリーマートの3倍くらいはある。
・↑ヴィリニュスで筆頭的なスポットのひとつ、「夜明けの門」というのは昔の城門だったところが礼拝堂になってて聖母マリアの像が祀ってある、というところで、宿から駅へ向かう途上なのでのぞいて見ようとおもったんだけど、実際にはかなりあついあついマジな信仰スポットで、たくさんの人が念入りにお参りしてはって、とてもひょいっとのぞけるような空気のところじゃなかった。こうやって遠くから拝むだけで充分です。
●街@カウナス
・カウナスを代表するメインストリートが、まさかの全面工事中で、砂利道&フェンスだらけで、歩くのもしんどいわ物買ったりするのもひと苦労だわだった。
・ていうか、カウナスの街全体が全面的に改装中らしい。とにかくあちこちが工事中。
・↑カウナスの中でも一番好きだったかもしれない街並み。市庁舎広場前で、一様で無いいろんなタイプのでもどれも歴史ありそうな建造物が、しかも現役で活用されてる感。
・↑この写真はEAJRS恒例トラディショナルディナーで行ったレストランの、壁画。1812年、ナポレオンがロシア攻めの際にこの店の前の通りをとおったという。この通りはカウナス旧市街のメインストリートで、名をヴィリニュス通りと言い、要はヴィリニュスへ続く道ということ。↓いまでは平和でにぎやかなレストラン街。(ちなみに宿はここからワンブロック未満)
・↑リトアニアと言えば気球、というようなことも何か聞いたことある。
●EAJRSエクスカーションで見たカウナスの街
・EAJRS名物、エクスカーションでカウナスの街をひととおり拝見しました、その記録。
・杉原千畝のハウス。
・街中ではいっさい見かけなかったのに、ここには山ほどの日本人が来てるから、いったいどこに居たんだろうこの人たちは?ってなるんだけど、まあ、お互い様ですけどね。
・内部は資料館のようになっているし、周囲は高級住宅地然としてるけど、この門が当時のリアルな門だったかどうかはわかないけど、現場としてはまさにここなんだよな、と思うと、やっぱりなかなかぐっとくる。
・物の本によれば、杉原千畝の話はそれはそうとして、ほかのヨーロッパのいくつもの都市で日本通過ビザが発給されてて、実際満州では受け入れ盛んだったということ。それから、その後リトアニアにドイツが来る“前”に虐殺は始まってて、戦前20数万人いたユダヤ人が戦後は数百人だったということ。杉原千畝の話をする時はセットでこれらを忘れないようにする。
・↑ちなみに、スギハラハウス周囲の高級住宅地の建築様式にも何か歴史的謂われがあるとかないとかいう話を、どこかで読んだ記憶があるのですが、保留。
◆3529,3524、3523
・↑川縁の教会・ヴィータウタス教会は、15世紀のゴシック様式とのことで、1946年洪水の水位がプレートで掲げられてる。あと結婚式。なお、この日市内のあちこちでウェディング姿の人らを見かける。
・↑「ペルクーナスの家」と呼び習わされるこの建物も、15世紀ゴシックで、リトアニアというのはカトリックにあつい土地柄ながらも、それ以前はさらにかなりあつい自然信仰があったらしく、これはその雷の神様(ペルクーナス)をまつった場所だったのだそうな。
・↑市庁舎広場
・↑大聖堂。カウナス最古とのこと。
・↑修道院的なところの中庭
・カウナス城。新郎が新婦をお姫様抱っこしてこの橋を渡る、というなんか恒例的なチャレンジがあるらしい。
・↑かつて靴工場だった建物に芸術家が自画像の壁画を描いたらしい。なんかこう、嵐山の吉本ショップが結局撤去した間寛平の大看板を思い出す。
EAJRS2018@リトアニア・メモその1:EAJRS #201809eu
EAJRS(日本資料専門家欧州協会 : European Association of Japanese Resource Specialists)は、今年で29回目、2018年9月12日〜15日という日程で、リトアニアはカウナスののヴィータウタス・マグヌス大学で開催されました。
今年は20カ国から計99人の司書・研究者・企業等の各種専門家が参加、31本の発表の他、ワークショップ、レセプション、エクスカーション、インフォーマル・コミュニケーション等々で、濃密とっぷりとした4日間を過ごしてきたわけです。
その本編の様子を一部ご紹介します。
なお、来年は2019年9月にチューリッヒ(スイス)で開催の予定。
●この記事のハイライト
・アクセスできるルートを複数用意して多くの人たちにアクセスしてもらう、というあたりがさすがの東文研先輩
・(海外で日本を学ぶ)学生は、本を読みたいが、何を読んだらいいのかわからない。
・学生が求めているのは、CJKが同時に検索できること(日本語だけ英語だけとかじゃなく)。「日本」よりも「東アジア全体」を志向する。日本研究の支援、とは何を指すのか?
・日本語によるデジタル資料よりも、英語による資料を使う傾向が高い。OCLCで探すとかではなく、JSTORやEBSCOで電子化された英語文献を探して利用するのが主流。
・いわゆるラーニングサイトの類(JFのなど)はあまり使われていない。
・大学等の機関出版物について、「待っていれば寄贈してもらえるもの」か「販売されているので買わなければならないもの」かがわかりにくく混乱している。




●EAJRS本編
○「Video games as a resource in Japanese Studies」
https://www.eajrs.net/video-games-resource-japanese-studies-2018
ライプツィヒ大学図書館の研究者とシステムライブラリアンのお二人による報告。4500点の日本製ゲームをコレクションとして所蔵していて、ゲームを実体験できる「ラボ」の設置(The [j]Games lab)と、リサーチプロジェクト(http://diggr.link)の2本立て。保存が課題なのはもちろんのこと、実際の研究にはコレクションと24/7アクセス可能なプレイ場所の確保が必要とのこと。メタデータは、RDAとMARC21によるビデオゲームカタロギングのベストプラクティスを、2015年に作成。(「立命館ののメディアアートデータベースを使ってデータをリッチにしている」と聞こえたように思うんだけど、文化庁のやつかな?)
フロアからの質問やコメントがかなり多かった発表のひとつで、「モバイルのフリーオンラインゲームは?」「メタデータスキーマはインターナル?」などなど。
○「明治期〜昭和期刊行博覧会・展覧会資料のオープン・アクセス化事業」
https://www.eajrs.net/make-japanese-exposition-and-exhibition-materials-open-access-2018
橘川さん@東京文化財研究所。東文研がゲッテイ研究所と共同で、日本近代の博覧会資料(万国博覧会、内国勧業博覧会)と美術展覧会資料(図録、報告書、写真帖など含む)のデジタルアーカイブ化をおこなっている、という報告。特に「欧米における日本美術・文化財受容」に吉とのこと。まず、所蔵コレクションの検索可能化としては、CiNii Books(書誌を詳細に書いた)、美術図書館横断検索、OCLCのセントラルインデクス(WorldCat検索可)。そしてその翻刻・復刻出版によるアクセス可能化。さらにこれのデジタルアーカイブを、ゲッティリサーチポータルに収録させる。というように、アクセスできるルートを複数用意して多くの人たちにアクセスしてもらう、というあたりがさすがの東文研先輩、egamiday氏の憧れるところであります。ちなみに博覧会展覧会資料の閲覧webサイトを2019年6月に公開予定とのこと。よく心ない揶揄表現として使われる”電子展覧会””電子紙芝居”にだってそれなりの意味があるはず、と個人的には思う。
○「What are "Japanese studies resources" for Finnish students learning Japanese? 日本語を学ぶフィンランド人学生にとって「日本資料」とは何か」
布施さん@ヘルシンキ大学。これはマジ注目してたやつ。
・ヘルシンキ大学には2018-2020のデジタイゼーションのロードマップがある。
・大学のデジタルポリシーが研究目線のため、学生学習の実態に即していない?
・学生の10%が外国語履修に日本語を選んでいる。(!)
・日本語学習の現場におけるデジタルリソースについて聞き取り調査。例えば、実際に使っているデジタルリソースは電子辞書であり、google翻訳であり、AsiaPortalを介した日本語新聞であり、と。
・一方で、いわゆるラーニングサイトの類(JFのなど)はあまり使われていない。これは発表者も意外だったとのこと。(これは要注目)
・学生が求めているのは、CJKが同時に検索できること(日本語だけ英語だけとかじゃなく)。
・学生が求めているコンテンツは、フリーのテレビ番組、フリーの新聞。
・学生たちのITスキルは高く、他分野なら活用できているデジタルリソースだが、日本語学習に関してはリソースの方がついていってない。(ごめんなさい・・・)
・学生は教師が作成したデジタル資料のリストを参照するよりも、グーグルなどのサーチエンジンでデジタル資料を探し使用する傾向がある。(これは、自分が学生だったらと考えると、なんとなく気持ちはわかるんだけど、それはなぜか。ブラウズよりもサーチ? いったんリストを経由するより、直で手元のサーチエンジン? 教師が作成したという”信頼性”より、手っ取り早さや利便性があれば適合度はだいたいでいい?)
・日本語によるデジタル資料よりも、英語による資料を使う傾向が高い。(極私的最重要課題)
○「A report of utilization of library resource for Japanese language class activity in Vytautas Magnus University 日本語授業における図書館資料を用いたクラス活動の実践と課題:ヴィータウタス・マグヌス大学の取り組み」
Takagi Kayako (Vytautas Magnus University)
https://www.eajrs.net/utilization-library-resource-japanese-language-class-activity-2018
本を読みたい学生は7割だが、図書館で実際に借りたのは2人。学生は、本を読みたいが、何を読んだらいいのかわからない、と。→Class Activity「私が読んだ本」(この課題はどの分野でも誰相手でも同じだなと思ったので、自分も取り組む。)
○ヴィータウタス・マグヌス大学図書館の見学
VMU図書館の日本語資料は、約4400冊。+他言語の日本関係資料が約2000冊。

○「国立歴史民俗博物館の総合資料学システム「khirin(Knowledgebase of Historical Resources in Institutes)」と日本の「デジタルアーカイブ」の現状」
https://www.eajrs.net/system-integrated-studies-cultural-and-research-resources-2018
後藤さんたち@歴博。khirinは日本の歴史資料のデジタルネットワークをつくるもの。災害時の資料保存も視野に入れている。館蔵資料データ、資料調査カードデータなどを統合する。
その他歴博さんのデジタルアーカイブには、目録系のデータベースと画像系のデータベースがある。随所がリンクでゆるくつながってるのが特徴かなという感じがする。

○「Developing research data management services for Japanese studies in the library: a project report 図書館における日本学科研究データ管理サービスの開発 : プロジェクトレポート」
Wagner, Cosima (Freie Universitt Berlin)
https://www.eajrs.net/research-data-management-services-japanese-studies-library-2018
図書館にマテリアルはあっても担当者に専門性がない、ノンラテンスクリプトに理解が得られない、など。
○「歴史的典籍NW事業における日本古典籍のデジタル化コレクションとその利活用」
国文研さん。現在は連携先機関を増やすフェーズとのこと。

○「Corpus of historical Japanese」(『日本語歴史コーパス』 ver. 2018.9)
国語研さん。コーパス作成にあたり、天草本平家のローマ字について影印本では読み取れないところがあり、BLで原本とデジタル版写真を調査した、というお話が印象的。なおBLの天草本平家をPDで公開予定とのこと。
○「十七世紀にヨーロッパへ届いた日本書籍について The first Japanese books to reach Europe?」
ピーター・コーニツキー先生@ケンブリッジ大学。
いろいろ面白い話満載でしたが、自分なんかのメモより、たぶん近著のほうが詳しくて正確で正しいと思うので、是非そちらをご購入ください。
http://www.heibonsha.co.jp/book/b372199.html
○「日本学関連データベースリストをみんなでつくろうプロジェクト」の紹介
たくさんあるデータベース・デジタルアーカイブのリストを共同構築&共有しよう、という活動。Googleフォームで入力→スプレッドシートに蓄積→csv、XMLで取り出し、という仕組みで、例えばXMLの活用例として、整形してwebページに載せることができる等。将来的には「国際リンク集」@人間文化研究機構と連携できればよい。フロアからの意見として、.”日本”だけに限るのは無理があるのでは?(東アジア等)との意見もあり。
●フィードバック
今回の日文研からの参加は、
-発表「国際日本文化研究センターにおける国際ILL/DDSの新サービス : 課題と展望」
-ブース出展で広報
-ワークショップ出展で広報&対話



いろんな方とのいろんなシーンで得られたフィードバックの類は、以下の通り。
・地元大学院生から総研大への留学について、また参加した各国の研究者から外国人研究員への応募について、具体的に興味を示す方が複数いた。パンフ類の用意と説明の準備はしておいたほうがよい。(どんな先生が何を研究しているのかを問われる)
・また、特に大学院生等の若い世代は研究対象として「日本」よりも「東アジア全体」を志向する人が多く、「日本研究の支援、とは何を指すのか?」という考え方も問われるかと思われる。
・国立国会図書館が進めるジャパンサーチ事業、同じく国立国会図書館によるデジタルコレクションの図書館送信サービスの海外対応、国文学研究資料館の歴史的典籍ネットワーク事業(古典籍デジタルアーカイブ化)に対して、かなり大きな期待が寄せられている。他の日本各機関もこの反応と期待を心得ておいて、特にジャパンサーチ事業や歴史的典籍ネットワーク事業へは積極的に連携・協力していく方向で動いたほうがよい。
・妖怪をテーマとした研究・学習については大学院生以下の若者からの人気が特に高く、教員からも学習教材・指導用資料としての要求が多く聞かれた。日文研の妖怪関連データベースを紹介するとかなり好評だったが、逆に言えばまだまだ周知されていないところが多いという意味でもある。妖怪資料をひとつのトピックとして案内・広報の準備をしたほうがよいかもしれない。特に、怪異妖怪伝承データベースは画像データベースではないものの、紹介してみれば研究・学習指導にかなり有効なツールであることがわかる。
・配布物の中では、絵はがき(プリンターでお手製)と「目で見る日文研」(いわゆるIRとして作ったヴィジュアルな配り物)が特に好評で、自ら手に取って持ち帰る人が多かった。「目で見る日文研」は実物をひろげて展示するとかなり目立って良い。
・特に若い世代の研究者で、(伝統的な人文学ではなく)政治学などを専攻する人は、研究対象が日本でも英語文献が中心で、OCLC WorldCat等で日本語資料を検索するというよりは、JSTORやEBSCOで電子化された英語文献を探して利用するのが主流となっていることがわかった。日本からの出版物の電子的配信や目録等の情報発信においては、海外のプラットフォームやディスカバリーシステムを意識する必要がある。
・日文研出版物は、新刊本に興味が多く集まるが、日文研出版物のうちどれが「寄贈してもらえるもの」でどれが「寄贈してもらえないもの」か(「待っていれば寄贈してもらえるもの」か「販売されているので買わなければならないもの」か)がわかりにくく混乱させていることがわかった。商業出版者から出している等の理由で必ずしも寄贈できるわけではないという出版物が増えているので、そのことをわかってもらう工夫も必要になっているかと思われる。
・今回は非公式ながら、日本研究に役立つデジタルアーカイブのリンク集構築について、関係者と意見交換をする機会を得た。このように各国の日本資料専門家が集まる機会を活用して、業務に直接関連するミーティングを持つことも考えられる。
以下、特に発表(OCLC WorldCatとWorldShareへの日文研参加)について。
・総じて好評。
・OCLC WorldShare以外の方法でも引き続き受け付けるのか。→Yes
・日本の大学でのOCLC WorldShare参加は、依頼するほうにメリットのあるところであればできるのではないか。
・(BritishLibraryの司書)BritishLibraryでも同じ方法で目録の一括登録に挑戦したいと思う。
・新規書誌登録17万件は本当に新規か。重複も多いのでは無いか。
・某国図書館から某県立図書館に依頼を送ったら、前例が無いから無理みたいな断り方をされたらしく、結構ご立腹で抗議したとのこと。そんなんはまだまだありそうだし、そういった意味でやはり”クリアリングハウス”的機能を次には考えないといけない。
今年は20カ国から計99人の司書・研究者・企業等の各種専門家が参加、31本の発表の他、ワークショップ、レセプション、エクスカーション、インフォーマル・コミュニケーション等々で、濃密とっぷりとした4日間を過ごしてきたわけです。
その本編の様子を一部ご紹介します。
なお、来年は2019年9月にチューリッヒ(スイス)で開催の予定。
●この記事のハイライト
・アクセスできるルートを複数用意して多くの人たちにアクセスしてもらう、というあたりがさすがの東文研先輩
・(海外で日本を学ぶ)学生は、本を読みたいが、何を読んだらいいのかわからない。
・学生が求めているのは、CJKが同時に検索できること(日本語だけ英語だけとかじゃなく)。「日本」よりも「東アジア全体」を志向する。日本研究の支援、とは何を指すのか?
・日本語によるデジタル資料よりも、英語による資料を使う傾向が高い。OCLCで探すとかではなく、JSTORやEBSCOで電子化された英語文献を探して利用するのが主流。
・いわゆるラーニングサイトの類(JFのなど)はあまり使われていない。
・大学等の機関出版物について、「待っていれば寄贈してもらえるもの」か「販売されているので買わなければならないもの」かがわかりにくく混乱している。
●EAJRS本編
○「Video games as a resource in Japanese Studies」
https://www.eajrs.net/video-games-resource-japanese-studies-2018
ライプツィヒ大学図書館の研究者とシステムライブラリアンのお二人による報告。4500点の日本製ゲームをコレクションとして所蔵していて、ゲームを実体験できる「ラボ」の設置(The [j]Games lab)と、リサーチプロジェクト(http://diggr.link)の2本立て。保存が課題なのはもちろんのこと、実際の研究にはコレクションと24/7アクセス可能なプレイ場所の確保が必要とのこと。メタデータは、RDAとMARC21によるビデオゲームカタロギングのベストプラクティスを、2015年に作成。(「立命館ののメディアアートデータベースを使ってデータをリッチにしている」と聞こえたように思うんだけど、文化庁のやつかな?)
フロアからの質問やコメントがかなり多かった発表のひとつで、「モバイルのフリーオンラインゲームは?」「メタデータスキーマはインターナル?」などなど。
○「明治期〜昭和期刊行博覧会・展覧会資料のオープン・アクセス化事業」
https://www.eajrs.net/make-japanese-exposition-and-exhibition-materials-open-access-2018
橘川さん@東京文化財研究所。東文研がゲッテイ研究所と共同で、日本近代の博覧会資料(万国博覧会、内国勧業博覧会)と美術展覧会資料(図録、報告書、写真帖など含む)のデジタルアーカイブ化をおこなっている、という報告。特に「欧米における日本美術・文化財受容」に吉とのこと。まず、所蔵コレクションの検索可能化としては、CiNii Books(書誌を詳細に書いた)、美術図書館横断検索、OCLCのセントラルインデクス(WorldCat検索可)。そしてその翻刻・復刻出版によるアクセス可能化。さらにこれのデジタルアーカイブを、ゲッティリサーチポータルに収録させる。というように、アクセスできるルートを複数用意して多くの人たちにアクセスしてもらう、というあたりがさすがの東文研先輩、egamiday氏の憧れるところであります。ちなみに博覧会展覧会資料の閲覧webサイトを2019年6月に公開予定とのこと。よく心ない揶揄表現として使われる”電子展覧会””電子紙芝居”にだってそれなりの意味があるはず、と個人的には思う。
○「What are "Japanese studies resources" for Finnish students learning Japanese? 日本語を学ぶフィンランド人学生にとって「日本資料」とは何か」
布施さん@ヘルシンキ大学。これはマジ注目してたやつ。
・ヘルシンキ大学には2018-2020のデジタイゼーションのロードマップがある。
・大学のデジタルポリシーが研究目線のため、学生学習の実態に即していない?
・学生の10%が外国語履修に日本語を選んでいる。(!)
・日本語学習の現場におけるデジタルリソースについて聞き取り調査。例えば、実際に使っているデジタルリソースは電子辞書であり、google翻訳であり、AsiaPortalを介した日本語新聞であり、と。
・一方で、いわゆるラーニングサイトの類(JFのなど)はあまり使われていない。これは発表者も意外だったとのこと。(これは要注目)
・学生が求めているのは、CJKが同時に検索できること(日本語だけ英語だけとかじゃなく)。
・学生が求めているコンテンツは、フリーのテレビ番組、フリーの新聞。
・学生たちのITスキルは高く、他分野なら活用できているデジタルリソースだが、日本語学習に関してはリソースの方がついていってない。(ごめんなさい・・・)
・学生は教師が作成したデジタル資料のリストを参照するよりも、グーグルなどのサーチエンジンでデジタル資料を探し使用する傾向がある。(これは、自分が学生だったらと考えると、なんとなく気持ちはわかるんだけど、それはなぜか。ブラウズよりもサーチ? いったんリストを経由するより、直で手元のサーチエンジン? 教師が作成したという”信頼性”より、手っ取り早さや利便性があれば適合度はだいたいでいい?)
・日本語によるデジタル資料よりも、英語による資料を使う傾向が高い。(極私的最重要課題)
○「A report of utilization of library resource for Japanese language class activity in Vytautas Magnus University 日本語授業における図書館資料を用いたクラス活動の実践と課題:ヴィータウタス・マグヌス大学の取り組み」
Takagi Kayako (Vytautas Magnus University)
https://www.eajrs.net/utilization-library-resource-japanese-language-class-activity-2018
本を読みたい学生は7割だが、図書館で実際に借りたのは2人。学生は、本を読みたいが、何を読んだらいいのかわからない、と。→Class Activity「私が読んだ本」(この課題はどの分野でも誰相手でも同じだなと思ったので、自分も取り組む。)
○ヴィータウタス・マグヌス大学図書館の見学
VMU図書館の日本語資料は、約4400冊。+他言語の日本関係資料が約2000冊。
○「国立歴史民俗博物館の総合資料学システム「khirin(Knowledgebase of Historical Resources in Institutes)」と日本の「デジタルアーカイブ」の現状」
https://www.eajrs.net/system-integrated-studies-cultural-and-research-resources-2018
後藤さんたち@歴博。khirinは日本の歴史資料のデジタルネットワークをつくるもの。災害時の資料保存も視野に入れている。館蔵資料データ、資料調査カードデータなどを統合する。
その他歴博さんのデジタルアーカイブには、目録系のデータベースと画像系のデータベースがある。随所がリンクでゆるくつながってるのが特徴かなという感じがする。
○「Developing research data management services for Japanese studies in the library: a project report 図書館における日本学科研究データ管理サービスの開発 : プロジェクトレポート」
Wagner, Cosima (Freie Universitt Berlin)
https://www.eajrs.net/research-data-management-services-japanese-studies-library-2018
図書館にマテリアルはあっても担当者に専門性がない、ノンラテンスクリプトに理解が得られない、など。
○「歴史的典籍NW事業における日本古典籍のデジタル化コレクションとその利活用」
国文研さん。現在は連携先機関を増やすフェーズとのこと。
○「Corpus of historical Japanese」(『日本語歴史コーパス』 ver. 2018.9)
国語研さん。コーパス作成にあたり、天草本平家のローマ字について影印本では読み取れないところがあり、BLで原本とデジタル版写真を調査した、というお話が印象的。なおBLの天草本平家をPDで公開予定とのこと。
○「十七世紀にヨーロッパへ届いた日本書籍について The first Japanese books to reach Europe?」
ピーター・コーニツキー先生@ケンブリッジ大学。
いろいろ面白い話満載でしたが、自分なんかのメモより、たぶん近著のほうが詳しくて正確で正しいと思うので、是非そちらをご購入ください。
http://www.heibonsha.co.jp/book/b372199.html
○「日本学関連データベースリストをみんなでつくろうプロジェクト」の紹介
たくさんあるデータベース・デジタルアーカイブのリストを共同構築&共有しよう、という活動。Googleフォームで入力→スプレッドシートに蓄積→csv、XMLで取り出し、という仕組みで、例えばXMLの活用例として、整形してwebページに載せることができる等。将来的には「国際リンク集」@人間文化研究機構と連携できればよい。フロアからの意見として、.”日本”だけに限るのは無理があるのでは?(東アジア等)との意見もあり。
●フィードバック
今回の日文研からの参加は、
-発表「国際日本文化研究センターにおける国際ILL/DDSの新サービス : 課題と展望」
-ブース出展で広報
-ワークショップ出展で広報&対話
いろんな方とのいろんなシーンで得られたフィードバックの類は、以下の通り。
・地元大学院生から総研大への留学について、また参加した各国の研究者から外国人研究員への応募について、具体的に興味を示す方が複数いた。パンフ類の用意と説明の準備はしておいたほうがよい。(どんな先生が何を研究しているのかを問われる)
・また、特に大学院生等の若い世代は研究対象として「日本」よりも「東アジア全体」を志向する人が多く、「日本研究の支援、とは何を指すのか?」という考え方も問われるかと思われる。
・国立国会図書館が進めるジャパンサーチ事業、同じく国立国会図書館によるデジタルコレクションの図書館送信サービスの海外対応、国文学研究資料館の歴史的典籍ネットワーク事業(古典籍デジタルアーカイブ化)に対して、かなり大きな期待が寄せられている。他の日本各機関もこの反応と期待を心得ておいて、特にジャパンサーチ事業や歴史的典籍ネットワーク事業へは積極的に連携・協力していく方向で動いたほうがよい。
・妖怪をテーマとした研究・学習については大学院生以下の若者からの人気が特に高く、教員からも学習教材・指導用資料としての要求が多く聞かれた。日文研の妖怪関連データベースを紹介するとかなり好評だったが、逆に言えばまだまだ周知されていないところが多いという意味でもある。妖怪資料をひとつのトピックとして案内・広報の準備をしたほうがよいかもしれない。特に、怪異妖怪伝承データベースは画像データベースではないものの、紹介してみれば研究・学習指導にかなり有効なツールであることがわかる。
・配布物の中では、絵はがき(プリンターでお手製)と「目で見る日文研」(いわゆるIRとして作ったヴィジュアルな配り物)が特に好評で、自ら手に取って持ち帰る人が多かった。「目で見る日文研」は実物をひろげて展示するとかなり目立って良い。
・特に若い世代の研究者で、(伝統的な人文学ではなく)政治学などを専攻する人は、研究対象が日本でも英語文献が中心で、OCLC WorldCat等で日本語資料を検索するというよりは、JSTORやEBSCOで電子化された英語文献を探して利用するのが主流となっていることがわかった。日本からの出版物の電子的配信や目録等の情報発信においては、海外のプラットフォームやディスカバリーシステムを意識する必要がある。
・日文研出版物は、新刊本に興味が多く集まるが、日文研出版物のうちどれが「寄贈してもらえるもの」でどれが「寄贈してもらえないもの」か(「待っていれば寄贈してもらえるもの」か「販売されているので買わなければならないもの」か)がわかりにくく混乱させていることがわかった。商業出版者から出している等の理由で必ずしも寄贈できるわけではないという出版物が増えているので、そのことをわかってもらう工夫も必要になっているかと思われる。
・今回は非公式ながら、日本研究に役立つデジタルアーカイブのリンク集構築について、関係者と意見交換をする機会を得た。このように各国の日本資料専門家が集まる機会を活用して、業務に直接関連するミーティングを持つことも考えられる。
以下、特に発表(OCLC WorldCatとWorldShareへの日文研参加)について。
・総じて好評。
・OCLC WorldShare以外の方法でも引き続き受け付けるのか。→Yes
・日本の大学でのOCLC WorldShare参加は、依頼するほうにメリットのあるところであればできるのではないか。
・(BritishLibraryの司書)BritishLibraryでも同じ方法で目録の一括登録に挑戦したいと思う。
・新規書誌登録17万件は本当に新規か。重複も多いのでは無いか。
・某国図書館から某県立図書館に依頼を送ったら、前例が無いから無理みたいな断り方をされたらしく、結構ご立腹で抗議したとのこと。そんなんはまだまだありそうだし、そういった意味でやはり”クリアリングハウス”的機能を次には考えないといけない。
2018年10月05日
2018年8月+9月のまとめ
■2018年8月のまとめ
●総評:
酷暑+業務過多で、さらに何もできない。
●まとめ
・井上章一怒りの書2点、『日本の醜さについて』『学問をしばるもの』
・念のため、のべそえる。
・極私的理解の日光図示
・極私的理解の箱根伊豆図示
・「この世界のかたちをミニに」
・フェイスブックが滅ぶ寓話
・六道参り、からの、陶器まつり(実は初)
・『メディアの中の読者 : 読書論の現在』
・「サマータイムマシン・ブルース」2018@京都
・「サマータイムマシン・ワンスモア」@京都
・「「サマータイムマシン・ブルース」「ワンスモア」観劇メモ -- 2001、2003、2005、そして2018 #ヨーロッパ企画」(egamiday 3)
・連休5days、ほぼ職場イン
・OCLCまとめ&パワポつくり
・「末法展始末記」
・新録画機というインフラと、ギガが減りまくる宅外視聴
・あなたの「大文字」はどこから? 私は加茂街道から。
・これや、これがわしらの宙船や! オールを他人にまかせるなよ!!
・アーモンドのように風味豊かな枝豆の茶豆
・岡山駅のはかどるスーパー
・今日のお昼
・また台風
・リトアニア本各種通読の日々
・Go and Mo
・あまりな業務過多のため、「電車やバス内で読んでる本やツイートを無意識に音読し始める」を発症
・「カメラを止めるな!」
■2018年9月のまとめ
●総評:
帰国前の業務過多と、帰国後の業務過多で、マジもう無理、何もできない。
●まとめ
・京都学生演劇祭@吉田寮食堂。むき出しの舞台、寄り集まったような運営と観客、セーブすることなく全力で叩きつけるような芝居、そして吉田寮食堂の建築。
・また台風
・忽布古丹醸造、おまたせIPA
・FinnairからNGO変更の無言メール
-----------------------------------------------------
(以下、リトアニアは別途。主なまとめ)
・『リトアニア : 小国はいかに生き抜いたか』
・自由と平和が大事
・実はビール大国・リトアニア、そのクラフトビールどれも酸っぱい説
・キビナイ、ツェペリナイ、サタデナイ。
・「食事、ツェペリナイ。ジャガ芋おはぎの中身豚ひき肉、サワークリームとベーコン炒め。奇妙な話、これを口に含んで考えたのが、これしきを郷土料理とする土地をなぜドイツやポーランドやソビエトは執拗に奪い合い責め立てる必要があったか。それもう「内なる怯え」だろうとしか思えないんですよね」
・ワンオペでブース+ワークショップ+発表は無理問題
・必死の英会話ディナー、料理の味わからない問題
・ヴィリニュス空港、商売っ気皆無で土産危機問題
・NGOはつらいよ問題
-----------------------------------------------------
・トウモロコシに次ぐトウモロコシ
・パーマ大佐「J-POPの歌詞あるあるの歌」
・リプレイスという悪夢がスタート
・「サマータイムマシン・ブルース」2018@大阪
・「サマータイムマシン・ワンスモア」@大阪
・「市民と考える吉田寮再生100年プレゼン&シンポジウム」
・秋期寄席がスタート
・起震車(初)、酔う。
・消火器(初)
・ドキュメンタリー「春画と日本人」
・「小説禁止令に賛同する」
・「TIMELESS」
・何度目だ台風
●夏テーマの進捗
・ドイツまとめ (→停滞中)
・秋期寄席のデザインし直し (→んー、まあぼちぼち)
・リトアニア準備+OCLCまとめ (→よくできました)
●10月の月テーマは
・ドイツ・OCLCまとめ他、執筆を多めにする
・エクスカーション他、出歩きを多めにする(季節柄)
・2軒目の整備に着手する(季節柄)
、の3本です。
やっと暑くなくなったので、季節柄のことを中心に。
ていうか、もうここにいたっては、今年は10月が勝負だなという気がしてきた。