2019年04月30日

2019年04月29日のtweet (@egamiday)










































































































































posted by egamiday3 at 00:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月29日

2019年04月28日のtweet (@egamiday)




























































































































































































posted by egamiday3 at 00:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月13日

201806eu・ドイツ日記 index


2018年6月、ドイツ旅行の記録 index。


map_201806eu.png

A ハンブルク
B ロービュ(デンマーク)
C リューベック
D ベルリン
E ライプツィヒ
F ハレ
G バンベルク
H ミュンヘン
I ザンクトガレン(スイス)
J チューリッヒ(スイス)


●旅の概要、そしてその参考文献

0日目その1「旅の概要」
http://egamiday3.seesaa.net/article/460485487.html

0日目その2「旅の参考文献」
http://egamiday3.seesaa.net/article/460443477.html


●ハンブルクからコペンハーゲンを目指すも挫折する話

「このフライトは、ドイツ3B方面行きです」@関空→ヘルシンキ→ハンブルク(1日目その1)
http://egamiday3.seesaa.net/article/460560859.html

「このピルスナーは、アルトビール寄りです。」@ハンブルク(1日目その2)
http://egamiday3.seesaa.net/article/460666675.html

「ハンブルク、あっ美味しい。」@ハンブルク(2日目その1)
http://egamiday3.seesaa.net/article/460733370.html

「この車両は、コペンハーゲン方面行きです?」@ハンブルク→コペンハーゲン?(2日目その2)
http://egamiday3.seesaa.net/article/460820050.html

「今度こそは、デンマーク方面行きです」@デンマーク?(2日目その3)
http://egamiday3.seesaa.net/article/460877916.html

「この世界のかたちをミニに」@ハンブルク(2日目その4)
http://egamiday3.seesaa.net/article/460913792.html


●リューベックという町がどうやら気に入ったらしい話

「ハンザという市の女王」@リューベック(3日目その1)
http://egamiday3.seesaa.net/article/461089900.html

「ありし日のままのすがた見せる書庫」@リューベック(3日目その2)
http://egamiday3.seesaa.net/article/463200771.html


●ベルリンの街と歴史の影を踏みしめるように歩いた話

「このローカル線は、無駄な乗り換え経由、未来都市ベルリン方面行きです。」@リューベック→ベルリン(3日目その3)
http://egamiday3.seesaa.net/article/463270849.html

「今はもうない」@ベルリン(3日目その4)
http://egamiday3.seesaa.net/article/463541282.html

「本を焼く者はやがて人を焼く」@ベルリン(4日目その1)
http://egamiday3.seesaa.net/article/463661454.html

「ベルリンは晴れているか」@ベルリン(4日目その2)
http://egamiday3.seesaa.net/article/463772374.html


●ライプツィヒとハレでそれなりに観光体験しながらなんか理屈こねてる話

「ガスト・イン・トランスレーション」@ライプツィヒ(4日目その3)
http://egamiday3.seesaa.net/article/463821713.html

「ハレったらいいね」@ハレ(5日目その1)
http://egamiday3.seesaa.net/article/463890339.html

「メフィストに叱られる」@ライプツィヒ(5日目その2)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464137673.html


●バンベルクという町がどうやら相当気に入ったらしい話

「ラオホ、ちょっと鼻につくビール」@バンベルク(5日目その3)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464225788.html

「マジカル・ランドスケープ」@バンベルク(6日目その1)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464274350.html

「酢漬けものに慣れない私たち」@バンベルク(6日目その2)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464394672.html


●ビールの底なし沼・ミュンヘンでヘーフェヴァイツェンに沈んでいく話

「シュバイネハクセとの非常な相性」@ヴァイエンシュテファン(6日目その3)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464450196.html

「酵母三遷の教え」@ミュンヘン(6日目その4)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464500575.html

「まちが円だっていいじゃないか、ネルトリンゲンだもの」@ネルトリンゲン(7日目その1)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464554897.html

「小麦がときめくヘーフェヴァイツェンの魔法」@ミュンヘン(7日目その2)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464593945.html


●あと、スイス

「この列車は、無駄な乗り換え経由、ドナウ川経由、船旅経由の、スイス方面行きです。」@ミュンヘン→ザンクトガレン(8日目その1)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464908041.html

「酒と泪とザンクトガレン」@ザンクトガレン(8日目その2)
http://egamiday3.seesaa.net/article/464908175.html

「おもひでがポロポロ」@チューリッヒ→関空(8日目その3〜10日目(了))
http://egamiday3.seesaa.net/article/465016855.html

posted by egamiday3 at 00:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月07日

おもひでがポロポロ@チューリッヒ→関空(201806euドイツ8日目その3〜10日目(了))


IMG_2506_201806eu.jpg

 そして。
 この列車は、チューリッヒ方面行きです。
 いよいよ、おしまいの街です。明日帰国。

 ・・・なんですが、なんかトラブルで電車が来なかったり遅れたりみたいになってて、いつ発車するのかよくわかりません。
 その後情報を得たところによれば、チューリッヒまでの間の線路がブロークン?なので、とちゅうで代替バスに乗り換えるらしい。

IMG_2517_201806eu.jpg
IMG_2521_201806eu.jpg
IMG_2522_201806eu.jpg

 見知らぬ謎の駅で降ろされ、謎の満員バスに詰め込まれ、見知らぬ謎の土地で放り出され、謎の駅から、この列車は本当にチューリッヒ方面行きです?

IMG_2527_201806eu.jpg

 やっとのことでチューリッヒ駅着でした。

 チューリッヒ。
 20年ぶり、2度目。

 最初に海外旅行で訪れた(飛行機で着)のが、この街でした。
 あれからもう20年か・・・。
 というわけで、駅近のラスト宿にインして、さっそく街に出て昔の記憶を呼び覚まさせましょう、と。

IMG_2529_201806eu.jpg
IMG_2540_201806eu.jpg
IMG_2544_201806eu.jpg

 ・・・・・・。
 えーと、こんな感じの街だったんだっけ、さっぱり覚えがない
 この後、街角のあちこち・辻々で想い出探しを試みるのですが、え、あたしほんとにこの街に来たんだっけ??とほとんど覚えがない。ていうか、想い出の中にある町並みに符号する場所がない。駅のコンコースがやたら広かったのは、なんとなく覚えてる、気がしなくもない。

 自分はあのころ、この街のことをどう理解してたんだろうか。
 ていうか、湖だのトラムだの、そんなものあったっけ・・・。
 ほんとにあたし、この街に来たことあるんだろうか・・・。

IMG_2543_201806eu.jpg

 なんか音楽祭みたいなのやってた。 

 このあと、地元の友人と合流してビール。

IMG_2550_201806eu.jpg
IMG_2552_201806eu.jpg

 何軒か行ったのですが、めちゃめちゃ眠かったので、何飲んだかほとんど覚えてない・・・何か話もいろいろしてたと思うんだけど・・・・・・ごめんなさい・・・。

 こんなことではダメだ、と、翌朝(2019年6月17日・帰国便が出る日)、街を歩き直してみました。20年前に訪れたはずの場所を探して。

 20年前に訪れた場所その1、泊まったホテル。
 日本から初めて国外に来て初めて泊まったホテルは、旅行会社にてきと−かつ事務的にとってもらった中級のやつで、実際に行ってみると、廊下といい室内といいあちこちに肉付きいい男性の半裸のデッサンが飾ってあって、お、なるほどふつーにこういう感じなのが海外なんだな(ざっくりしてる)、と学んだものでした。
 という、ファーストコンタクトの地を求めて。

IMG_2557_201806eu.jpg
IMG_2559_201806eu.jpg
IMG_2564_201806eu.jpg
IMG_2565_201806eu.jpg

 このへんは夜になるとレストランや飲み屋でにぎわうパターンのところ。
 たしかこのへんのはずなんですが、町並みに何も記憶がない。

 宿の名前は一応わかってて、日本で当時の記録をダンボールひっかきまわして見つけてきた(注:まだPC未所有の時代、すべて紙記録のみ)んです。
 名を「Goldenes Schwert」と言う、豪奢な名前。
 住所も「Marktgasse 14」とわかってる。
 実は、せっかくならここ泊まったろうと思って、日本にいるときからパソコンでいろいろ検索してたんですが、なんかすごくぼんやりしたサイトしか見つからず、予約もできなかったという。

IMG_2561_201806eu.jpg

 住所Marktgasse 14なら、↑ここなんだけどなあ。洋服やさんしかない。裏に入口があるのかな。
 と不審に思いながら、スマホでググって場所を確認してみようとすると。

IMG_2560_201806eu.jpg

 ・・・・・・「閉業」。

 わからないものですね、PCのブラウザでのレイアウトと、スマホのブラウザでのレイアウトとで差があるせいでしょうか。あるいはスマホの位置情報が加味されることによっての差なんでしょうか。使ってるデバイスで得られる情報に違いが生じる、っていう。
 日本で見つけてたサイトも、古い情報が残ったままのゴーストのようなものに、ググって直接アクセスしちゃったとかなんとかなのかな。
 などと、こんなところで”情報のあり方”のようなものに若干の知見を得てる場合でもないのですが、20年前の旅行の時に泊まった部屋から街の様子を撮った↓写真(写ルンです、からの紙焼き)がありまして。

IMG_5127_201806eu.jpg

 そして今朝撮った↓現在の街並み。

IMG_2562_201806eu.jpg

 あー、あきらかにここだな。
 やっとのことで、20年前と現在とがひとつだけ符合しましたね。

 20年前に訪れた場所その2、チューリッヒ大学。
 当時、なんか図書館を見に行こうと思ったらしく、チューリヒ大学のキャンパスあたりで教授っぽい人に図書館どこですかときいたら、なんだかんだで学生さんたちに相手されやいのやいの言われて、最終、”市の図書館と大学図書館とが兼ねられている”という理解を得た、それが正しかったかどうかもいまとなっては怪しいけど、なんかそれっぽい図書館に行った、気がする。

 というわけで、チューリッヒ大学のキャンパスあたりへ。

IMG_2599_201806eu.jpg

 ↑やいのやいの言われてたのは、ここだった、気がする。

IMG_2607_201806eu.jpg
IMG_2608_201806eu.jpg

 ↑これが図書館らしい。よく覚えてない。あ、もちろんまだ開いてない。(朝7時台)

 小雨に降られながらえっちらおっちらやってきましたが、こんな感じでしたね。
 ていうか、写メやツイートが無ければこうも想い出があやふやなもんかな、一応初の海外旅行っていう大イベントな街だったはずなんですけど、想い出すためのよすががないとポロポロとこぼれ落ちていっちゃうんでしょうかね。という、ここでも”情報のあり方”に無理くり結びつけて考えてる場合でもないのですが。

 あとは、↓チューリッヒの街並みをどうぞ。

IMG_2575_201806eu.jpg
IMG_2580_201806eu.jpg
IMG_2588_201806eu.jpg
IMG_2589_201806eu.jpg

 そして。
 ↓この列車は、チューリッヒ空港方面行きです。

IMG_2621_201806eu.jpg
IMG_2620_201806eu.jpg

 というわけで、長かった201806eu、主にドイツの旅、ちょっとだけデンマーク&スイスの巻も、終わろうとしています。ほんとに長かった。書き終わるあいだにリトアニアとデンバーに行ってた。年越すどころか、年度までまたぐとは思わなかった。
 とはいえ、ドイツを離れた昨日の時点で、もうだいぶ旅情は終えて”さよなら”感に満たされているので、帰国までの感情はもはやあっさりしたものです。

 とにかく、ドイツが最高に楽しかった。
 鉄道に次ぐ鉄道。
 ピルスナーと思えないピルスナー。
 リューベックの図書館、ハレの文化財団。
 ベルリンの歴史とその現場。
 バンベルクの酒場。
 ヴァイエンシュテファンというエクスカーション。
 ヘーフェヴァイツェンに次ぐヘーフェヴァイツェン。
 インフラのおかげで旅もはかどるし、がっつりした予習の甲斐もあったし、それでもなお学び足りない奥深さとローカル色。
 そしてビールが美味い。2019年3月に訪れたデンバーもアメリカではビール処として知られていますが、ドイツのビールは「わざわざこの土地まで飲みに来た甲斐があった」とほんとに思わせるような感じ。「ビアライゼ」の言葉は伊達じゃないんだなと。
 行く前から「もう一回行きたい」などと妄言を吐いていましたが、その言のとおり、まちがいなくまた来るでありましょう、ちょっと間を置いて。もっと勉強して。

 自分のためのブログなので、若干の旅行事務的申し送り事項を最後に書き置く。

・チューリッヒの宿が古いタイプの施設で充分に充電が出来ず、まあまあ深刻な電力不足におちいった。コンセントが丸穴2つだけでは飽き足らず、根本が潰れた六角形であることを求めるやつだった。教訓:初日と最終日の宿は事務がはかどる大手チェーン系にすべき。
・チューリッヒの宿をアウトしようとしたら、おばちゃんがやたら朝食をすすめてきて、朝食無しで予約したので断ったらえらく残念がるので、なんだろうなと思ってたら、あとで確認すると朝食付きで予約してた。教訓、そういうところはちゃんとしよう。
・チューリッヒで行きそびれたクラフトビールの店あり。次回に期待。
・行きの関空で4.8キロだった預け荷物が、帰りのチューリッヒ空港では12.2キロだった。どんな旅行をしてきたというのか。

IMG_2643_201806eu.jpg

 ヘルシンキ空港に、美味いエールビールをドラフトで飲ませるバースペースあり。食事も美味くて、電源もある。これは使える。

IMG_2652_201806eu.jpg

 ↑というわけで、なんだかんだで日本に着陸したのでした。

 ちなみに当機着陸の直前(2018年6月18日午前8時前)に、機内wifiを介してゆれくるを受信。
 大阪府北部地震の発生でした。
 関空からなんとかして離脱、その後の諸々なことどもなど、あるにはあったのですが。それはまた別の話。

 ただ、一連の旅のしめくくりとして、奈良方面経由で帰洛する乗り合いシャトルに揺られ、うつらうつらしてた末にふと目を覚ましたところ、ちょうど芸亭跡前(Bibliothek)を通過してた、ということだけ記しておきます。
posted by egamiday3 at 03:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月03日

あなたのデジタルアーカイブはどこから? index


 あなたのデジタルアーカイブはどこから? index


@「私はメタデータから」(その1)赤血球に2つの成分が効く
http://egamiday3.seesaa.net/article/464235925.html

@「私はメタデータから」(その2)まだ見ぬ連携先に狙いを決めて
http://egamiday3.seesaa.net/article/464274503.html

@「私はメタデータから」 (その3)ジャパンサーチでメタデータさらさらのためのCC0/PD習慣
http://egamiday3.seesaa.net/article/464333206.html

A「私は人材育成から」或いは、イシャはどこだ!?について
http://egamiday3.seesaa.net/article/464457867.html

B「私は連携・協働から」
http://egamiday3.seesaa.net/article/464966716.html

posted by egamiday3 at 19:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あなたのデジタルアーカイブはどこから? B「私は連携・協働から」(終)


 「あなたのデジタルアーカイブはどこから?」シリーズの、ラストです。
 Bは「連携・協働から」、という、なんとなく前向きに考えられそうかなっていう話で終わります。

 専門的人材の長期的確保が必要なデジタルアーカイブと、短期間でローテーションな異動を習慣病として持つ大学図書館職員人事の現状とは、本質的に矛盾した関係にある、と。そのため、人材育成によらず別の方法で人材または知識・技術・能力を外部から調達する、現実解的な処方が必要であろう、と。
 で、その処方のひとつが、「連携・協働」、すなわち自館に無い諸要素・・・専門性であったり知識・技術・能力であったりそれ以外のものであったり・・・について、それを持ち備えた外部の人材(=専門家・研究者等)や機関と必要な時に必要なだけ協力しあってなんとかする、ということができればいいんじゃないかな、と。

 「あなたのデジタルアーカイブはどこから? A「私は人材育成から」或いは、イシャはどこだ!?について」
 http://egamiday3.seesaa.net/article/464457867.html

 という前回までの流れにもとづいての、デジタルアーカイブ界隈における連携・協働的な活動を、具体的な事例をベースに考える、主に大学図書館業界を主語にして、という感じです。

 その1、学内の研究者・専門家との連携・協働。
 ていうか、これはもうおおかたの大学図書館の方がいろんなかたちでやってはるだろうなと思いますんで、多くはもうしません。なんせ大学図書館の最大のアドバンテージは”すぐそこに大量の専門家集団がいる”ということであり、これを活用しないなどというマヌケな話はないわけなんで、いくつか拾った事例を淡々と挙げるにとどめます。
 東京大学田中芳男・博物学コレクション。情報系の教員がIIIFやTEIやLODを、資料が専門の教員が解説文やセミナーを、史料編纂所が既存データの提供を、というふうにそれぞれの得意分野で役割分担、というパターン。
 長崎大学幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース。各分野の研究者が学部横断的に集まって「附属図書館古写真資料室」を組織したというパターン。

 その2、外部の専門家との連携・協働。
 国際日本文化研究センターの「朝鮮写真絵はがきデータベース」ですが、これは資料の所蔵者が外部にあり、それの電子化とデータベース公開をセンターでやった、というパターンのやつです。この場合、その所蔵者&関係者がその資料についての最大の専門家ということになり、その協力を得てメタデータや解説の作成にあたっている、ということになります。
 こういうパターンの場合、メタデータどうやってつくるのかというような基礎的な方針の合意だけじゃなく、作ってもらったメタデータ、CC0で流しても(当然)いいよね?というような、のちのちになって効いてくるような合意事項についても、外部・他分野の協力者にとってみれば、いや、何が当然なんですそんなつもりさらさらないですよ、という話にだってならないとも限らないわけなんで、意思疎通と調整は先手先手で丁寧にやっとかないとな、って思いますね。

 その3、教育現場との連携・協働。
 上智大学で開講している「デジタルアーカイブ論」っていうのの事例を、『デジタルアーカイブ学会誌』で見つけて、あーこれいいなー、って思いました。

 柴野京子. 「知る、使う、つくる : 学部授業におけるデジタルアーカイブの実践的理解」. 『デジタルアーカイブ学会誌』. 2018, 2(3), p.277-281.
 https://doi.org/10.24506/jsda.2.3_277

 放送番組センターというところが持っている未公開放送番組について、授業でメタデータを作成するという実習をやって、そのデータをセンターに提供する、ということらしいんですが、センターにとってはデータをゲットでき、学生にとっては資料にじっくり向き合って緊張感&責任感持って実習にあたるという教育効果があり、win-winでよかったね、ていうやつ。(自分も、すこぉしだけ真似してみたりした)

 それから教育という実践例では立命館大学アート・リサーチセンターさんの「ARCモデル」に如くは無しとおもっていて。

 赤間亮. 「立命館大学アート・リサーチセンタ一の古典籍デジタル化 : ARC国際モデルについて」. 『情報の科学と技術』. 2015.4, 65(4), p.181-186.
 https://doi.org/10.18919/jkg.65.4_181.

 海外機関が所蔵する日本美術・古典籍等をデジタルアーカイブ化する、っていう活動なんだけど、ただやっておわりとかじゃなくて、デジタル化なりそれに伴う資料修復なりなんなりについて、必要な実践的スキルを、そこの現地の学生・若手研究者にレクチャーしながら作業を進めていく、という。レクチャーされてスキルを得た人らは、あとは自分らで電子化をきりもりしていく、という。そういうふうに若い世代をプロジェクトの実働に巻き込むことによって、デジタルアーカイブそのものが構築できるよっていうだけじゃなくて、その構築とメンテに必要な人材も育成できて、スキルや知見も広く継承できて、プロジェクトがとりあえず終わってもまだまだ続くデジタルアーカイブのケアが実現していけるよ、っていう。そういうコラボが国際的にできてるっていう意味で、ビジョンの地理的な幅広さも、未来を見据えた時間的な大きさも、すげえ見習わなきゃな、って思うやつです。

 その4、地域の人々・自治体あたりとの連携・協働。
 GだのLだの関係なく、大学はその土地土地での知的インフラ・専門性インフラとしてもっと活躍できるはずじゃないか、っていう希望的な感想を持ったのが、島根大学附属図書館さんの事例でしたね。ここで実践してはるのが、大学教員がその地域にある資料を調査しに行き、何かしら発見し、それを島根大学附属図書館デジタル・アーカイブで収録&公開する、っていうパターン。土地土地の個々の史料なりその所蔵者なりでめいめいにデジタルアーカイブの仕組みなんてそりゃ持てませんでしょうから、それを大学図書館がインフラ提供する、と。これによって、その資料を使った研究・教育ができて教員がよろこぶ、図書館がよろこぶ、さらに自分の所蔵する資料が活きて地域の所蔵者がよろこぶ、あ、三方よし出ましたね、これ。地域が大学の味方になりますよ。
 島根大学さんはそのへん一筋通っていて、「GO-GURa」と称する”地域資料リポジトリ”も構築してはります。県内の自治体と連携して、そこの行政資料を大学のリポジトリが集約・公開する、っていう。これについては下記を参照でぜひどうぞ。

 中野洋平. 「しまね地域資料リポジトリGO-GURa構築の取り組み」. 『図書館雑誌』. 2017, 111(6), p.376-377.
 http://ir.lib.shimane-u.ac.jp/39947

 あれですね、このへんからはもう、「大学図書館にない人材を外部から調達する」じゃなくて、「大学図書館が持てるもの、得意とするものを、外部に届けに行く」っていう連携・協働になってますね。

 その5、ユーザ・市民の参画
 市民とともに構築していくという例では、やはり渡邉先生のヒロシマ・アーカイブを参考にするのが一番じゃないかなと思います。

 田村賢哉,井上洋希,秦那実,渡邉英徳. 「[C24] 市民とデジタルアーカイブの関係性構築: ヒロシマ・アーカイブにおける非専門家による参加型デジタルアーカイブズの構築」. 『デジタルアーカイブ学会誌』. 2018. 2(2), p.128-131.
 https://doi.org/10.24506/jsda.2.2_128.
 渡邉英徳. 『データを紡いで社会につなぐ : デジタルアーカイブのつくり方』. 講談社. 2013.。

 原爆関連資料や被爆体験談等の多様な資料を、地元の高校生や全国のボランティアが活動することによって、アーカイビングしていくというようなもので、アーカイブそれ自体ももちろんのことですが、参加者たちの活動それ自体、記憶の共有とか、世代間・国際間の交流とか、そういうことに価値を見いだすことができるということが、よくわかる好例。
 同じく参画型といえば「みんなで翻刻」プロジェクトを見ないわけにはいかない。古地震資料の翻字翻刻をユーザの手で処理した結果、膨大な量のテキストデータが短期間で生成されたという。同じくユーザ参画型と言えばWikipediaタウンというやつもあって、これはデジタルアーカイブかと言われればまあそうは言い難いものの、仕組み方・仕掛け方としてはこれも見ないわけにはいかないやつだよなって思います。そしてどちらも、クラウドでみんながちょっとづつ労力出し合えば膨大なデータが集められる仕組みだよ、って言ったところで、その仕組みさえあれば自然とデータが集まるというような虫のいいだけの話ではなく、ユーザという名の打ち出の小槌があるわけじゃないので、え、じゃあそのデジタルアーカイブとやらが、そのためのプロジェクトトやらが、ユーザ自身にどういう価値をもたらしてくれるの? どういう魅力がそこにあるの? --例えばユーザ間交流とか、社会への貢献の手応えといったようなものがその一種だろうと思うんですが-- っていうのがちゃんと提示されていてこその、成功への道だよな、って思います。まあそれは畢竟、デジタルアーカイブ自体の意義とは?というところに直結する問題でもあると思うので、どっちにしろ丁寧に考えなきゃな話ですね。

 その6、海外との連携・協働
 既出の立命館大学アート・リサーチセンターもそのひとつですが、海外機関が所蔵する日本資料、在外資料っていう感じのやつですね、そのデジタルアーカイブ化を現地機関と日本の機関とがコラボでやるっていう例も、少なからず聞きます。これはちゃんとやれば日本側の人材育成に大きく貢献するんじゃないかなと。
 というわけでその例をいくつか挙げると。

 「イェール大学所蔵日本関連資料調査プロジェクト」(東京大学史料編纂所、参照:松谷有美子. 「イェール大学図書館の日本資料コレクションに関する最近の研究動向」. カレントアウェアネス. 2016.12.20, CA1885. http://current.ndl.go.jp/ca1885.
 「ハワイ大学所蔵阪巻・宝玲文庫デジタル化プロジェクト事業」(琉球大学附属図書館、参照:Tomita Chinatsu, Bazzell, Tokiko Y. 「越境する沖縄研究と資料II : 「阪巻・宝玲文庫」のデジタル化プロジェクトを通して / 障壁をのり越えて : 太平洋間の協力が貴重資料庫の扉を開く」. 日本資料専門家欧州協会. http://eajrs.net/2015-presentations#tomitac

 特に琉球大学さんの例は、資料の特性によるところもあると思うんですが、似たようなプロジェクトがもっとあちこちであればいいんじゃないかな、って思ってます。

 その7、実務担当者同士の連携・協働
 最後はちらっと毛色の違う話になります。前回「DRFパターン」という謎のフレーズでまとめた、「ローテーション人事でやってきたぽっと出の実務担当新任者を、単館でではなく、大学図書館業界によるコミュニティ全体でサポートする」というやつです。
 現行の短期間でローテーションな異動を旨とする大学図書館職員人事が続く以上、何の知識も経験も文脈も持たずにある日突然デジタルアーカイブの実務担当となる新任職員というのは、年々歳々大量に産出され続けるわけですね。いかに連携だ協働だ外部の専門家だと気勢を張ってみたところで、高度で専門的な技能を求められるらしきプロジェクトに挑むのは、容易ではない、限度というものがあろうかと。そのうえそんなことを担当する部署自体、大きいわけでも複数人いるわけでもないでしょうから、同僚もおらず、相談できる人も学内におらず、未経験だから外部に人的ネットワークがあるわけでもない。そんな悩みを抱えながら日々だましだましデジタルアーカイブ業務に取り組んでいる、っていう実務担当者が、津々浦々の大学図書館に散らばって孤立しているんじゃないかなって想像するだけでも、なんかこう、胸がしめつけられる思いがするんですね。
 そういう、散らばってそれぞれで悩んでるのを解消できるように”コミュニティ”をつくって、リアルなりバーチャルなりに集まれるような”場”を持って、お互いに、困難で悩んでるんダヨーとか、だったらこうしたらイイヨーとか、そういえばこういう話をキイタヨーとか、じゃあ今度みんなでこうしてミヨウヨーとかいうふうに、知見の共有、課題の議論をやっていけば、いいサポートになるんじゃないかなって思うんですね。まあこれ、いわゆるDRFという成功例がすでにあるわけですが、もちろんあれはかなり標準化された世界の話ではありましたけど、それとは一見真逆の個々に多様なデジタルアーカイブでも、いやだからこそ、人と話して知見を共有することでしか解決できないことってあるんじゃないかな、って思いました。
 なおこれについては、某神戸大学さんを中心に実際にそういうことをやってるグループができているということをなんとなく付記しておきます。ていうか、そこからの発想です。


 以上、デジタルアーカイブの問題(主に3つ)にどこから手をつけるか、自分なりに考えたことの、じぶんなりのまとめでした。
 正直、タイトル先行の見切り発車で始めた@ABなので、特にこれといった明確なオチもなく、こんな感じでーす、で終わります。

posted by egamiday3 at 19:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年3月のまとめ

■2019年3月のまとめ

●総評
 いや、まだ全然書き足りない。

●まとめ
・引き続き、ジャパンサーチ。
・あと、違法ダウンロード拡大。
・猪鍋クライシス、箸の上げ下ろしをとやかく言う。
・高野屋でビールの解説を聴く。
・「なにも成しとげられなかった男の、どこにも届かない、俺だけの言葉でした」(尾ア乏しい@「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」)
・デジタルアーカイブのあり方と、大学図書館職員人事の現状とは、本質的に矛盾した関係にある。
・アートドキュメンテーション学会の勉強会@立命館ARCに参加。
・「事務連絡: このブログに「CC BY-NC-SA」のマークをつけました。」(egamiday 3) http://egamiday3.seesaa.net/article/464517110.html
・諸橋大漢和のUSBデジタル版が、米国司書間でプチ炎上。
・キュレーションとジャーナリズムの中間にあたるもの。
・「学校・地域・物語 : 『北白川こども風土記』から探る」(@京都文化博物館、2019年3月9日)。なんだろうこのイベント、天国かな。
・「『#北白川こども風土記』イベント参加メモ : 学校資料・アーカイブ利活用・アクティブラーニングに興味ある方へ向けて」(egamiday 3) http://egamiday3.seesaa.net/article/464539335.html
・『学校資料活用ハンドブック』
・「白川道中膝栗毛」における、アート”パフォーマンス”というあり方。
・キテクレルカナー(など、カタカナ表記による棒読み風のそらぞらしいセリフ)
・Takumiya4周年記念
・Hage-Tama(ウッドミルブルワリーがTakumiya4周年のためにつくったウィートIPA)
・「3億年か4億年」
・OCLC ILL実績まとめ
・”共感”と”理解”について。(「『事件の涙』「そして、研究棟の一室で〜九州大学 ある研究者の死〜」を見て、”共感”と”理解”について考えたメモ」(egamiday 3) http://egamiday3.seesaa.net/article/464578082.html
・タクシー内歴史談義の巻。
・デジタルアーカイブ学会懇親会、2次会、3次会
・「キノコになるねん」「タケノコな」
・「ここが日本の知財本部」
・デジタルアーカイブ学会(本番)
・トークイベント「京都の洛外をテーマに物語をつむぐこと」
・「旅行者」@人間座スタジオ。自分が何者で、どこに居りどこに行くかを、社会に強いられるということ。「世の中のほとんどは知らないところで決まる」と無邪気に笑う女と、「どこかの誰かに言われてここにいるんじゃない」と叫ぶ女と。
・吉田寮公開連続セミナー「21世紀の京都大学吉田寮を考える」
・デンバー
・「ミス・シャーロック」
・Rock Bottom Brewery。デンバーに行きつけのビール屋ができる。ただしヘイジースタイルのビールは3回行って3回ともアウトという憂き目を見る。
・日本食料品店で「おーいお茶濃いめ」という名の精神安定剤を入手する。
・基調講演・ポスターセッション。#CEAL2019をせっせとツイートする、日本人一人とオランダ人一人。ここでもツイートするのは我々だけなのかと。
・アメリカの肉はね、アメリカの肉ですよ。
・アウトリーチ・プログラム
・Whole Foodsの惣菜という精神安定剤を入手する。
・買ってよかったもの:HOP TEA
・買ってよかったもの:シナモンのガムとミント
・デンバーのビール総評: 日本と変わらない(注:たぶん日本が後)
・吉田寮食堂春のオールスター感謝祭
・劇団衛星、やみいち行動、ヨーロッパ仁鶴、喀血劇場
・ユリイカ百貨店。教壇は舞台になる。
・ヨーロッパ仁鶴とヨーロッパ企画がガチで出逢った。
・「部下がこんなにかわいい・・・」
・『インターネットの次に来るもの』
・Go and Mo's 「黒川の笑」
・京都ビアラボ

●3月テーマの進捗
  ・デンバー →がんばった
  ・GW →これから
  ・あらたな1年の計をもまた、身体になじませる →もうちょっとがんばる
  の、3本です。

●4月の月テーマは
  ・寄席、再構成
  ・2019GWeu
  ・カレントアウェアネス読み
  の、3本です。
posted by egamiday3 at 07:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする