2019年09月29日

2019ヨーロッパ鉄道旅行のindex #2019GWeu

 2019年ゴールデンウィーク期間中、ヨーロッパ鉄道旅行の記録・index。

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A ヘルシンキ
B ストックホルム
C コペンハーゲン
D ハンブルク
E ストラスブール
F リヨン
G ジェノバ
H モンペリエ
I バルセロナ
J リスボン


・0日目 「旅の概要」
 http://egamiday3.seesaa.net/article/467814076.html

・1&2日目 その1「まだ始まってもいない」(関空→ヘルシンキ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/468125607.html

・2日目 その2「もう半フロア欲しい」(ヘルシンキ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/468180622.html
・2日目その3「バルト海にいまは漕ぎ出でな」(ヘルシンキ→ストックホルム)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/469937976.html

・3日目その1「あきらめたらそこで建物の使いこなしは終了」(ストックホルム)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/470378184.html
・3日目その2「胃にもたれないの豚」(ストックホルム→コペンハーゲン)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/470485028.html

・4日目その1「寝床」(コペンハーゲン→ハンブルク→ストラスブール)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/470550898.html
・4日目その2「独と仏とのあいだには 今日泊まりたいストラスブール」(ストラスブール)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/470801399.html
・4日目その3「このひとすじにつながりて」(ストラスブール→リヨン)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/470850884.html

・5日目その1「はるかなジェノバを目指せ」(リヨン→ジェノバ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/470897079.html
・5日目その2「パスタはもっちりだ」(ジェノバ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/470927104.html

・6日目その1「波はどこへ帰るのか」(ジェノバ→マルセイユ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/471351239.html
・6日目その2「絵描きアルル滞在期」(マルセイユ→アルル→モンペリエ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472105823.html

・7日目その1「水上の方角」(モンペリエ→バルセロナ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472713566.html
・7日目その2「神さまはいない」(バルセロナ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472726395.html
・7日目その3「あなたもなんです」(バルセロナ→マドリッド)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472756477.html
・7日目その4「大地上の星」(マドリッド→リスボン)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472756909.html

・8日目その1「シントラのリスト」(シントラ)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472791707.html
・8日目その2「ねっ、簡単でしょ?」(ロカ岬)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472800789.html
・8日目その3「閉店の多い料理店」(リスボン)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472847584.html

・最終日「このビール、ドイツんだ? オランダ【完】」(リスボン→ライデン→アムステルダム→京都)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/472873915.html
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2019ヨーロッパ鉄道旅行・4日目その1「寝床」(コペンハーゲン→ハンブルク→ストラスブール) #2019GWeu

 注:本記事はまる14時間分、ほぼ鉄道の話しか無いです。


 ただいま4月29日の夜、デンマーク・コペンハーゲン中央駅。
 コペンハーゲンから夜行列車で明朝にハンブルク着。さらにそこからドイツをぐっと南下した上に国境を越えて、フランス・ストラスブールまで大胆に移動しよう、という目論見です。

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【egamidayさん、座席夜行でハンブルクへ向かう】

 まずは夜行列車でドイツ・ハンブルクへ向かいます。

 ■22:12 コペンハーゲン中央駅発 →(IC51089/IC430)→ 4/30 05:40 ハンブルク中央駅着

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 しかもご覧ください。座席です。
 あすこがあたしの寝床でございます。  
 座席の夜行、ずいぶん久しぶりな気がする。まだ若い頃は連日連夜あたりまえのように座って眠ってたけどな・・・。

 今宵の寝床には「IC51089/IC430」という番号がついているので、いわゆる「インターシティ」と呼ばれる便になるのかな。長距離で国際間を走る夜行ではあっても、寝台がついてるわけでも高速鉄道というわけでもなく、ふつーの在来線っぽい感じでローカルな駅にも深夜に結構停まったりする。webサイトで調べたお値段も、2等の最低料金なら30ユーロ程度とだいぶお安く、座席も8割方は埋まってる感じだったので、なるほど両国市民にとっての手頃な移動手段なのかな、という感じです。

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 ただ鬱陶しいことに、日本からドイツ鉄道のwebサイトで予約しようとすると、ユーレイルパスホルダー割引が効きそうで効かない。効いてくれそうなフリして、途中で拒否られる。これは悔しいんですが、この便って、北欧からヨーロッパ本土に渡るための必須ルートにあたってしまうので、乗り損ねると柔軟なルート変更が難しいのです。まあしょうがないか、元からお安めだし、と、早めに正規料金で予約確保した、という旅行事務的経緯があります。

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 しかし実際に乗ってみたら、「DSB」って書いてあるということは、これドイツ鉄道じゃなくてデンマーク鉄道の車輌やな。そうか、デンマーク鉄道のwebサイトで予約試してみたら良かったな…しまった…。

 と言ってる間に。
 ほぼオンタイムで列車がコペンハーゲン中央駅を発ちます。
 さようならデンマーク。ありがとうコペンハーゲン。
 たった3時間の滞在で得られたのは、最高の豚肉との出会いでした。

 2等車輌がほぼ満席なのに対し、乗ってる1等車輌はぽつぽつとしか人がおらず、向かいあう4席シートをぜいたくに貸切状態、これでゆったりできますなあ。
 …と思いきや、奥の方で若いのがずっとへらへら電話してて、2-3時間程度の仮眠しかとれませんでした。鬱陶しいやつめ。しかもカフェコーナーに置いてあるクッキーほとんど一人で全部食べやがって、最終的にラクリス(註:薬草を煮詰めてグミにしたような苦くて黒い”菓子”)しか残ってへんやないか。

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 しかたないので、買い込んできたノンアルコールビールを飲みながら旅行事務をこなしてます。
 課題は翌日昼のフランスです、どの便でどう乗り継いで、最終的にどこで泊まることにするのか。

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 こうやって、手製の時刻表をノートに書き出し、この街で何時まで遊ぶなら乗り換えはこうだな、この駅でこう乗り換えるならここには何時まで滞在できるな、などと、複数プランを選び出しておくという。

 そんなことをしているうちにも、列車は真夜中のデンマークを走り抜けていきます。
 コペンハーゲンからオーデンセを経て、ユトランド半島に上陸する。その時点でもう午前2時近いのですが、それでもFredericiaという駅なんかで乗客が何人も降りたり、さらに新たに乗ってきたりするので、ずいぶんと受容のある深夜便なんだなあって思います。眠ってる間に、朝一でドイツに着ける、って感じかしら。
 その後もユトランド半島を駆け抜けるわけですが、深夜の車窓風景、灯りらしい灯りがまったくありません、まっくらです。だからろくに写真も撮ってない。相当な田舎の牧草田園地帯かなんかなんでしょうか、そうはいっても道路の街灯なりなんなり見えてもよさそうなものですが。ムーンライト九州の山陽本線沿線って、全編通して相当都会だったんだなってちょっと思いますね。

 そのうち、デンマーク鉄道の車内wifiがつながらなくなり、またiPhoneにドコモからのお知らせメールが届くなどして、あ、ドイツに入国したんだなと驚かれぬる感じです。
 えらくしたもんで、ドイツに入国した途端、窓の外に道路灯の灯りがやたら増えて車窓風景が明るくなりましたね。山陽本線くらいにはなった。
 よく、昔のヨーロッパ旅行とちがって国境越えがなくなって味気ないよね、みたいな感想を見聞きするんですけど、いやいやそんなことない、灯りとかネット環境とか道路の造りとか、よく見るとわりといろんなところが急に変わったりしてるのを発見するの、まあまあおもしろいもんですよ。

 そんなこんなを経て、朝が来て(結局ほぼ起きてた)。

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 4月30日(4日目)午前5時40分、これもほぼオンタイムで。
 4ヶ国目、ドイツ・ハンブルクに到着しました。

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 我が輩は帰ってきた。ここ、ハンブルクに。
 どこか見慣れた光景、なぜか見知った駅舎。
 …去年の6月以来。(参照:http://egamiday3.seesaa.net/article/460820050.html
 
 いや、ちがうんですよ。あたし別にハンブルクに縁もゆかりも、それどころかさしたる思い入れもお気に入りもまったくないんですけど、まさかあれから1年も経たないうちに再訪することになるなんて、思ってもいなかったわけですよ…。
 えらくしたもんで、この段になるとハンブルク駅舎にすっかり愛着が…。

 というわけで、ドイツ旅情はついこないだまでさんざんやってた(参照:http://egamiday3.seesaa.net/article/465127478.html)ので、とりあえずさっくり飛ばして、このままさっそく5ヶ国目、フランス・ストラスブールに向かおうと存じます。


【egamidayさん、さらに列車を乗り継いでストラスブールへ向かう】

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 さていよいよ、ここから本格的にユーレイルパスが効力を発揮する、という感じになります。
 車内旅行事務の結果、目論んだルートがこんな感じ。

 ■06:18 ハンブルク発 →(ICE71)→ 11:08 カールスルーエ着
 ■11:32 カールスルーエ発 →(ICE9574)→ 12:13 ストラスブール着

 ハンブルクを出た列車が、ハノーバー、ゲッティンゲン、フランクフルト、マンハイムを経て、フランス国境にほど近いカールスルーエに到着する。そのカールスルーエでパリ行きの列車に乗り換えると、さくっと国境越えしてストラスブールに連れてってくれる。という算段です。
 「さらに6時間も乗るのか」と思いました? あたしは「昼にはストラスブール着けるの楽勝」と思う派でした。

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 ここで旅行事務です。
 1本目のカールスルーエ行きは、さすが鉄道大国のドイツだけあって予約不要パスのみで自由に乗れるんですが、2本目のパリ行きICE、これが実はフランス鉄道のTGV扱いらしく、パスに加えて予約券が必要だとおっしゃる。そこでハンブルク駅の券売機をがんばって操作してみたんですが、いっこうに買える様子がない。じゃあチケットオフィスに頼ろうかというと、朝もまだ早いもんですから、6時にならないと開かないという。
 次の列車は6:18発、オフィスが6時オープン、時計を見ながらジリジリとカウンターが開くのを待ってるわけですな。ガラス張りのオフィスですから、制服姿のおばさんがのっそりのっそり席についたりつかなかったりしてるのを、じっとにらみつつ、あと2分、あと1分、…よし、開いた!ってんでスタスタとカウンターに寄ってって。

 『ICE9574 11:32 Karlsruhe→12:13 Strasbourg
  ONLY Reservation, with EURAIL PASS』

 出た、必殺・「あらかじめ書いたメモを見せる」の術
 ”ユーレイルパスを持っている人用の、予約だけのチケットがほしい”という意思を確実に伝えるための、一子相伝の奥義であります。(注:もちろん、ある程度口頭でちゃんと言う)
 しかもさすが鉄道大国(しつこい)ドイツのおばさん、ぽちぽちと端末をいじって、ちゃんとチケット出してくれました。ものの数分です、誰も並んでない朝一でよかった。
 そして予約料は20ユーロ。ちなみに正規運賃は2等なら30ユーロ…、うーん、ほんとに予約必要だったんだろうか…、まあ大人だからちゃんと出すけど。

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 というわけで、次は↑この列車でカールスルーエまで。
 11時過ぎまでまったりしてます。

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 さようならハンブルク。
 短い間だったけど(38分)懐かしかったし、旅行事務がはかどったよ。
 またいつか、あの美味いピルスナー(参照:http://egamiday3.seesaa.net/article/460666675.html)を飲みに来れるといいな。

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 ↑駅売りのパンですが、まずパン生地がクロワッサン的な重ねのやつで、しっとりとしてすごく食べやすいのに加え、バター感がぜんぜんくどくない。生地の焼き目とゴマが香ばしくて、かつ、具のチーズとキュウリが朝の胃にやさしくてありがたい。さすがパン王国・ドイツ。ドイツはパンです。

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 ドイツの車窓、初めの頃こそ↑平べったい田園風景でしたが。

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 ゲッティンゲンを過ぎたあたりから山が多く高低差がある風景になって、トンネルにもしょっちゅう入るようになります。それがドイツ中部の土地並みってことなんでしょうか。
 そしてさすがに緑の豊かさ豊潤さが、申し訳ないけどスウェーデンやヘルシンキあたりとはだいぶちがいますね。春が青い、って感じがする。高速道路や物流トラックセンターみたいなのの向こうに、古寂びた古城っぽい建造物が見えたりする。

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 ↑菜の花畑もあちこちにあります。

 そうこうしているうちに、あれ、そろそろフランクフルトかな、っと思ってると、車窓風景がだんだん都会化していくのがおもしろいですね。最初、教会と村集落、昔ながらの様式と色合いの民家だったのが、その数が増えて途切れ目がなくなり、建物の階数が増えていく。コンクリ建造物が混ざるようになり、車道が整備された町並みになる。集合住宅や商業的建物が出現してくると、ただのフェンスのような無機質な建造物も珍しくなくなり、やがて工場、高層ビル。そして”アム・マイン”の名の通り、↓川を渡って。

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 ↑フランクフルト駅に到着です。
 なお、車窓風景の変化は、最終的に東横イン・フランクフルト店の出現でシメでした。

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 なんだかんだで、これもほぼオンタイムでカールスルーエ駅着。
 パリへ行こうとする人たちでまあまあにぎわってるという感じです。

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 そして↑これが次の列車。TGV9574でありかつICE9574のコードシェア便で、車両はDBさんですね。これは確かシュツットガルト始発で、最終パリまで行く便です。
 こいつが40分くらいで、国境越え&ストラスブールまで連れてってくれます。

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 ↑リアルタイムでGoogleマップを見てますと、どうやら、カールスルーエからバーデンバーデンあたりを経由して、オッフェンブルクの手前で折れて、フランスに入る、という感じのようです。

 そして。

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 ↑ライン川です。
 いままさに、ライン川を越えてドイツを去ろうとしています。
 さようならドイツ、ありがとうドイツ。
 ほんとは離れたくない、大好きよ(ビール的な意味で)。

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 ↑ライン川を越えました。ただいま2019年4月30日、現地時間で正午過ぎ、フランス入国であります。
 風景に特に変わった様子はありません、それは平成から令和への移行が何も変わりようがないのと同じであります。

 で、そのまますぐに。

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 5ヶ国目、フランス・ストラスブールに到着したのでした。

 コペンハーゲンから14時間ほど、まるっきり列車に乗り通しだったわけですが、なんというか、さほどの疲れも倦怠感も特にないです、さくっと乗ってきちゃったなっていう感じ。
posted by egamiday3 at 12:22| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月26日

2019ヨーロッパ鉄道旅行・3日目その2「胃にもたれないの豚」(ストックホルム→コペンハーゲン) #2019GWeu


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 3日目(4/29)午後。
 スウェーデン・ストックホルムを発って、デンマーク・コペンハーゲンへ向かおうとしているところです。
 さらに言うと、実はそのあとの旅程もすでに決まっていて、コペンハーゲン3時間弱の滞在ののち、夜行でドイツ・ハンブルクへ向かいます。

 ■14:25 ストックホルム中央駅発 →(X2000・537)→ 19:31 コペンハーゲン中央駅着
 ■22:12 コペンハーゲン中央駅発 →(IC51089/IC430)→ 4/30 05:40 ハンブルク中央駅着


【海峡の長い鉄橋を抜けると、デンマークであった】

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 ストックホルムを発つこの列車は、X2000と呼ばれるスウェーデン鉄道さんの高速鉄道で、スカンジナビア半島の南へりをマルメまで走り、海峡にかかる長い橋を渡って、コペンハーゲンのある島まで行きます。
 日本からもスウェーデン鉄道(SJ)webサイトで予約可能なやつで、しかもユーレイルパスがあれば若干の予約料のみで確保できる、という旅行事務がはかどるやつです。

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 5時間かかるのか、そうか。
 まあでも、さすがシートがゆったりしてるし混んでもないので、座ってのんびりしてられるでしょう。コーヒーやフルーツもあるし。

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 というわけで、発車です。
 さようならスウェーデン。
 また来るよストックホルム。
 お互いがんばろう、ストックホルム市立図書館(謎の連帯感)。

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 スウェーデン・スカンジナビア半島の車窓風景はどんなんかな、って思ってたんですが、よく考えたら相当南下してる(緯度的にはダブリンくらいまでいく)ので、ふつーの緑地田園風景でした。なんか勝手に岩肌や湿地を想像してた自分の不見識を恥じました。森や林の樹々が背高くてひょろっとしたやつっていう印象があったのと、あとは、なんか細々した湖は多かったなと。細々過ぎて写真もろくに撮れてない状態ではありますが。あと、ずっと西日が当たってた。

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 というわけで、あっというまに南端のルンド駅です。
 このあと、マルメ駅を出たら、いよいよデンマークに渡ります。

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 スウェーデン側の街・マルメはスカンジナビア半島の南西端にあり、いっぽうコペンハーゲンはデンマークのでっかい島・シェラン島の東端にあたります。両街の間には海峡が横たわっていて、その間を橋&トンネルがつないでいる、これをオーレンス・リンクというそうです。その距離が16キロあるといいますから、相当の大橋であり、大事業だったんだろうなと思います(2000年開通、わりと最近)。まあそうしてでもコペンハーゲンとスカンジナビア半島を陸路で結ぶ価値はあったのだなと。

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 とかなんとか言ってるうちに、もうさっそく橋を渡ろうとしています。
 ↑あそこに見える岸がスウェーデン側の本土ですね。今度こそさようなら、スウェーデン。
 ちなみに午後7時でこの明るさです。

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 しばらく橋の上で、長いこと海の上走るねんな大丈夫かしら、と思ってると、途中で島(人工島)に上陸します。車道も併走していて、海がすぐそこにあって、砂やコンクリやしょぼしょぼした草しかないような、海の中道かどっかを走ってるような感じ。
 で、すぐに、今度は海底トンネルに入ります。

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 トンネルを抜けると飛行機会社の巨大建物が見えるなどして、コペンハーゲン・カストラップ空港に着きました。
 まあこれといった旅情感慨の起こる暇のない、あっという間の海越え・国越えでだったのでした。よくできた交通インフラってことかな。

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 19時30分、ほぼオンタイムでコペンハーゲン中央駅に到着。

 というわけで。
 3ヶ国目、デンマーク・コペンハーゲンです。
 7年ぶり3回目。


【egamidayさん、最高に美味なデンマークポークを堪能する】

 コペンハーゲンでの滞在時間は3時間弱しかありません。コペンハーゲン自体はもう3回目なので、これといってどこで何見ようとかいうあれはないのですが、次に乗るのがドイツ・ハンブルク行きの夜行(しかも寝台ではなく座席)なので、いろいろ準備もしないとけない。
 駅のロッカーに荷物を預けて(注:物価高で心折れそうになった)、とりあえず街へ出ます。

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 まずは、腹ごしらえ。
 ネットで日本人の人が書いてたブログを見て、この店いいんじゃない?という駅近の食事屋さんに来てみました。

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 Chicky Grillという店で、駅近とはいえ人通りが少なく(註:あとで調べたらミートパッキングエリアという人気レストラン街ではあるらしい)、めっちゃ地元常連客ばかりっぽい、古ぼけたアメリカンスタイルのカジュアルなダイナー的なところなんだけど、ネット情報ではデンマークの伝統料理を出す店なんだよとおっしゃる。
 こんな感じなんだ。ていうか、昭和感満載、ネイティブ感満載で、何の文脈も持たない旅行者とか相手してくれはるんだろうか、と、入店するやさっそく気が引けてますが。

 とはいえ、デンマークと言えば豚肉でしょう、予習によれば「フレスケスタイ」という名のローストポーク料理がデンマークにはあるらしく、この店でそれがいただけるらしいというのでわざわざ選んで来たわけです。なので、豚肉のために、がんばって「フレスケスタイ」が欲しいのだという旨を伝える。(注:こういうときのために、料理名は現地語と英語の両方で確認しておく) 店のおねえさんも、最初はこの旅行者が何を言いだすかと思ってたようですが、ああ、フレスケスタイね、はいはい、お時間少しかかりますよ、的な感じでさらっと通る。

 しかし見れば見るほど昭和&ネイティブだなあ、シートはぶよぶよだし、カトラリーとかもセルフだし。
 と思いながらのんびり待ってた末に、出てきた料理が↓こちら。

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 いやいや、ちょっと待って。これはけしからんデカい。けしからん分厚い。
 そして、これは多分まちがいなく、美味い。見た目の”照り”で美味いってわかるパターンのやつやん。
 これはワンパクにぐいぐい食い進められるやつだぞ、と身構えて。
 ナイフを入れる。ほおばる。
 うん、ほら美味い。
 肉が照り照りのとろとろじゃないですかね。

 何よりもまず、脂。
 写真でわかりますが、白濁とした脂身がぷるぷるしとるんですが、全体の面積体積に比べて結構な部分を占めておられ、遠慮会釈なくそのままくっついて出てきてるんですが、いやさすがにこの厚みと量の豚脂をこのまま食すと、胃にもたれてげんなりするでしょう。
 と、思いきや。
 これがまったく臭みも重みも嫌みもない、どころか、甘みのある豚の脂。ぜんっぜんいくらでも食べられてしまうから、ヤバいです、背徳感が尋常じゃない。脂だけ食べてもブレーキがかからない、これっぽっちも胃にもたれてこようとする様子がないんです。胃にもたれないの豚です。食べない豚はただの脂だ、です(注:満腹中枢とともに言語中枢がダメージ受けてます)。
 これはもうしょうがない、いろんな数値を気にすることは今夜だけ忘れて、没頭せざるを得ない。

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 それからグレービーソース。甘すぎず辛すぎず薄すぎず重みもなく、さらっとした味付けができるやつ。
 あと、芋。やっぱ北欧やドイツはあれですね、芋の食べさせ方が上手なんですね。芋の品種もちゃんと選んではるんでしょう、しっとりしてねっとりして薄甘くて、豚肉にあてがうのにバッチリな感じがする。
 そしてビーツの甘酸っぱさが最高のパートナーシップ。

 どうしよう。あたしここ通いたいんだけど、どうしたらいいかな…。

 ちなみに、そうやって欲望をぶひぶひ言わせながらほおばってると、あとから来た客が残念そうに帰っていったりして、どうやらフードのラストオーダーがわりとギリギリだったっぽい。危なかったねえ。

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 以上、今回の旅行で得られた食のトップ3に入る逸品、「デンマークの胃にもたれない豚」でした。
 次にまた必ず来る。

 あとは、次の列車の発車時刻まで、駅周辺と中心街をおとなしく街ブラしてるだけの話です。
 コペンハーゲン自体は過去にざっくり見てまわったし、名物のブラックダイヤモンドこと王立図書館にも何度も行ってるので、ふわっと散歩する程度でかまわない。

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 ↑コペンハーゲン中央駅の駅舎。ここは終着駅のパターンじゃなく通過するパターンのやつっぽい。

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 ↑チボリ公園。

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 ↑市庁舎広場。

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 ↑ストロイエと呼ばれるメイン・ショッピング街。

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 ↑前回は無かったであろう新しいショッピングモールっぽい建物やフードコートが、イオン帝国よろしくドシンと居座ってたりして、どこもそんな感じにはなるんだろうな、と。まあ困ったときは最終的にはお世話になるんだろうし、今回の我が輩は昭和なネイティブダイナーと胃にもたれないの豚に見事に邂逅できたので、機嫌良く見守ってあげよう。

 などと、ブラブラしつつ。
 デンマーク名物Irma(女の子ロゴで知られるスーパーマーケット)や、万国共通セブンイレブンで、水やアルコールフリービールを買い出すなどして。

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 22時12分コペンハーゲン発、デンマーク鉄道の夜行列車に乗り込みます。
 次の目的地は、ドイツ・ハンブルク。翌朝5時40分到着の予定です。

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2019年09月25日

今日の「ジャパンサーチ文献読み」メモ: 川島→大向、他



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●川島隆徳. 「ジャパンサーチのシステム・アーキテクチャ」. 『ACADEMIC RESOURCE GUIDE』. 2019.4.29, 743号.
 http://www.arg.ne.jp/node/9738

 読んでると、いや確かにこれ以外の方法は考えられないだろう、という気になってくるような、理路整然としてかつ説得力のある説明。

・「システムの主要なコンセプト・哲学は、以下の3点」、決めない、速い、現代的。
・「現代的」について。「モバイルファースト、SNS対応、SEO、ブラウザ対応、アクセシビリティ、多言語対応といった昨今のWeb開発における標準的な対応項目に加えて、IIIF対応、API、RDF出力等、後発の統合ポータルとして、なるべく「今風」「全部盛り」にした」

・「データベース標準の権利情報は、個別のアイテムの権利情報で上書きすることが可能な仕組みとなっており、ジャパンサーチの肝である細やかな権利情報の管理を実現している」
 →細やかな権利情報の管理を”肝”とするジャパンサーチの姿勢が好き。それは、↓「決めない」にもあらわれてるんだけど。

・「決めない」について。「複数の異なる背景や意図を持ったメタデータを単一のフォーマットで扱うことは、業務上の大きな困難を伴うことが予測される。そこで、ジャパンサーチではフォーマットを「決めない」ことを最大のコンセプトとした」
・2.全体の構成、1.データ構造、(4)アイテム「いくつかの共通項目を設け、そのマッピングを定義してもらっている。これが、先述したラベル定義のなかの共通項目定義である」
「これらの共通項目マッピングは、一般的なメタデータマッピングと異なり「非破壊的」である。すなわち、元々のデータの項目名を変更するのではなく、そのデータのコピーをつくって、決められた名前で元データに挿入する」

→メタデータがそう(決めないことで個々の異なる事情に対応する)だというのはわかってたけど、全体的にあちこちがそうなんだなというのがわかったのが、↓「収集」のところ。

・(3)収集「ジャパンサーチと各データベースの連携はさまざまな方法で行える。管理画面から表計算ファイルをアップロードすることでもよいし、逆にジャパンサーチ側からHTTPでファイルを取得しに行くことも可能である。連携システムの負担は大きいが、巨大なデータベースであればOAI-PMHで差分更新を行うこともできる。これらの1回のアップロードや1回のデータの取得を管理するのが「収集」データ構造である」

 なお、このあと「カスタム検索」あたりから理解できなくなってきたので潔く挫折、読み飛ばしたところ...。(続


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●大向一輝. 「『ジャパンサーチのシステム・アーキテクチャ』を読む」. 『ACADEMIC RESOURCE GUIDE』. 2019.9.23, 764号.
 http://www.arg.ne.jp/node/9906

「ジャパンサーチの関係者やこれから何らかの情報システムに関わるMLA関係者にはこの記事の内容を隅々まで理解していただきたいなと思う。それこそ固有名詞の意味がわかるレベルで。」
 →あ、ごめんなさい...。

2. 「決めない」ための技術
・「後戻りのできない決定を不要にする」「というアプローチが随所に見られる」
・「同じデータを保存用、サービス用に持っておき、後者のデータは自由に加工し、サービスの改善や後述の共通項目の追加・変更を行う際には保存用のデータを元に作り直す、というアプローチであれば各機関にデータ提供のやり直しを求めることもありません。」
・「ジャパンサーチでは、多様なメタデータの中で似た意味を持つ項目は共通項目として扱われます。これも専用のメタデータフォーマットで一律に規定するのではなく、機関ごとに独自のフォーマット内の項目と共通項目間の関係を設定するようになっています。この設定がされていない場合には最低限の機能を果たし、設定すれば画面上の表示や検索結果が充実して利用者のためになるというポジティブなインセンティブが働いており、また関係性を固定化せずにいつでも変更できる柔軟性が重要です。」
・「Elasticsearchでは小規模なインデックスを多数作成しておき、利用時に複数のインデックスを指定して検索する」「別のインデックスとして扱ったうえで、検索対象を「Aの名称」と「Aの著者」に限定するとAの詳細検索機能になり、「Aの著者」と「Bの作者」を検索対象とすれば横断的な人名検索機能として振る舞う」「技術的には検索対象の指定が異なるだけ」

・「決めない」ことの”代償”について言及。「「決めない」は一種のメタメッセージであり、その意図が十全に共有された少数精鋭のメンバーだからこそ実現可能なコンセプトです」
・「相当な自由度を持つ技術的な基盤にいくつかの仮説を載せたもの、です。ここで問われるべきは目に見える仮説のよしあしではなく、私たちが本当に欲しいものは何だろうかというただ一点です。要求をゼロから考え出すのはとても難しい作業ですが、現実のサービスに触れながら、議論しながら、いまだ存在していないサービスの姿を明らかにしていくのは私たちの仕事です。」
 →「決めない」という自由なシステムを提示された我々には、「本当に欲しいものは何だろうか」という”宿題”が出されてるんだな、と理解。

 これも説得力があってわかりやすく、読み終わって思わずブラウザに向かって拍手したでした。(注:もちろんまわりに誰もいない)


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●「国の分野横断統合ポータル ジャパンサーチ試験版公開後の動向」. 『カレントアウェアネス』. 2019.09.19, E2176.
 http://current.ndl.go.jp/e2176

「連携データベースも増えてきている。当初は10機関36データベースであったが,8月末までに12機関45データベースに」
 「今後のジャパンサーチの充実のためには小規模なアーカイブ機関との連携が課題となる」
 ↑
 やっぱり問題はここだなと思いました。川島・大向文献を見ればそれができるシステムが構築されている、はず、なんだけど。


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●「ジャパンサーチ発進!〜連携拡大に向けて」
 https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/201907jps.html
 2019年 7月17日
 国立国会図書館

○「ジャパンサーチ(試験版)の機能と連携方法について」(国立国会図書館 木藤淳子)
 https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20190717_ndl.pdf
・「連携状況(2019年7月9日現在)」として提示されたスライドのところ。「12機関 45データベース メタデータ約1,800万件」ていうのはまあいいのですが、連携先が表で一覧になっていて、「分野>データ提供機関>データベース」っていう構造になってるんだけど、もしかしてこの「分野>データ提供機関」のところの構造が膠着してしまってないかな、という不安を覚えたです。大向・川島文献を読んだ後であるせいで、ちょっと過敏になってたのかもしんないけど、なんていうか、ジャパンサーチと連携機関との関係性において、ここんとこに書いてあるようなツリー構造的な概念っているのか? とっぱらってよくないか? 的な。もしここが凝り固まってたら、連携先増えないんじゃないか。
・中盤以降の「連携までの手順」[メタデータの登録」「お願い」などなどとして書かれている要領は、どれもいちいちわかりやすく説明されていて、どんな小規模機関でもこれで説明されれば半日程度で登録できるだろう、と。これがあるのにまだ何やってるかわからないだのなんだのうだうだ言うてるやつは、窓辺で寝てろと。

○ジャパンサーチ(試験版)との連携事例報告
○国立公文書館 平野宗明
 https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20190717_naj_hirano.pdf
・メタデータ3,573,683件を登録済み(ケタが違う)。でも、ジャパンサーチ経由でのアクセスはまだ伸びていないとのこと(何が原因?)。
・当面の課題は、サムネイル画像と、画像ファイル有無情報の掲載(これが原因?)。

○東京国立博物館 村田良二
 https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20190717_colbase_murata.pdf
・ColBaseのシステムから日本語の作品データをTSVで出力→ Excelファイルにしてアップロード
 →え、東博・ColBaseがExcelアップロードなの?という衝撃。
・3月-6月期のジャパンサーチ経由アクセスが14%
 →こちらは国立公文書館とちがってあきらかに好感触結果が出てる。何が原因?

○国立新美術館 室屋泰三
 https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20190717_artmuseums_muroya.pdf
・国立新美術館もCSV→Excelだった。
・なるほど、「メタデータのライセンス」が課題に挙がるのか、と。図書館屋さんの感触で思い込みを持っててはいけない、それが分野横断ポータル。

 他に、人間文化研究機構 大内英範(https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20190717_nihuint_ouchi.pdf)、立命館大学 金子貴昭(https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20190717_arc_kaneko.pdf)など。

○ジャパンサーチ(試験版)のメタデータ利活用事例報告

○ゼノン・リミテッド・パートナーズ 神崎正英
 https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20190717_xenon_limited_partners_kanzaki.pdf

 「利活用スキーマの利活用」
・利活用モデルをオープンデータに適用
・Wikidataからジャパンサーチを使う
 →この2つはよくわかる。
・利用者による情報の追加
 →これをwikiのようなかたちで受け付けるのはちょっと難しいだろうなとは思うんだけど、「外部から注釈を加える」という発想で「注釈を集約する」仕組みなら、考え方としては「Wikidataからジャパンサーチを使う」と逆方向のやつだし、やろうと思えばできるんだろうなと思たです。

○東京大学情報基盤センター 中村覚
・「データベースを横断した検索」
・「外部エンドポイント(東京大学学術資産等アーカイブズポータル)との統合クエリ」
 →この考え方で、Europeanaや他国の分野横断ポータルとも統合検索できるのかしら。


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 9/24某シンポのは、動画でも上がったらまた”読み”ます。

posted by egamiday3 at 19:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月22日

2019ヨーロッパ鉄道旅行・3日目その1「あきらめたらそこで建物の使いこなしは終了」(ストックホルム) #2019GWeu

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 4月29日、朝。
 2カ国目、スウェーデン・ストックホルム。
 天気は快晴、気温は11度。セーターと厚手のパーカー姿です。

 船がストックホルムに着岸しましたが。
 まずは、船を下りて市内まで行くのにひと苦労です。

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 着岸時にはこの船の乗客全員が集まるわけなので、↑そりゃこうなる。
 そしてフェリーの着いた港はストックホルムのまあまあはずれの位置にありますから、ここからまた移動しなきゃいけない。

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 ↑船会社の連絡バスらしきものに、なんとなく流れで乗って、市の中心部へ向かいます。

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 街が近づくにつれて、え、この街でかいぞ、とやや驚いてます。
 ヘルシンキ、オスロ、コペンハーゲンがだいたい60万人から70万人を行ったり来たりという中で、ストックホルムの市の人口は100万近いということらしいので、なるほど、北欧の雄はここだったか、と。要するにここが仙台なのね、と。

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 というわけで、まずは↑ストックホルム中央駅に無事到着。

 ちなみに港から駅までのバス代が60SEK=約700円、結構お高いじゃないかと思いますが、公共交通とは違って市内までノンストップでサクサク進むので、滞在時間4時間半しかない旅行者にとってはありがたい。

 そう、ストックホルムでの滞在時間は4時間半しかありません。
 現在午前10時頃ですが、14:25にはこの駅からコペンハーゲン行きの次の列車が出ます。

 その4時間半のうちに何がどれだけできるか、今日のウィッシュリストです。
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 @ ストックホルム市立図書館に行く
 A スウェーデンのローカルフードで昼食
 B 旧市街あたりを散策
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【egamidayさん、ついに第2の故郷・ストックホルム市立図書館に詣でる】

 中央駅がでかすぎて裏口から入ってしまい迷う、コインロッカーの英語説明が不完全、地下鉄チケットが初乗り500円超え、等の種々のトラブルを乗り越えながら。

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 ストックホルムの地下鉄↑で、中央駅からOdenplan駅へ。

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 駅から通りへ出て、すぐにわかった。まちがいなく↑アレですね。
 というわけで、今回の旅行における重要目的地その1、ストックホルム市立図書館です。

 ストックホルム市立図書館、まず↓外観がこう。

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 そして↓内側がこう。

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 説明しよう、ストックホルム市立図書館とは。

 Stockholms stadsbibliotek
 https://biblioteket.stockholm.se/

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 創立は1928年。その印象的な図書館建築を手がけたのはグンナール・アスプルンドという当時の建築家。1920年代の北欧新古典主義を代表する作品だよ、と物の本(註:図書館で買った小冊子)には書いてあるわけですが、外観といい内観といい、2000年代に新築されたイマドキ建築だよと説明されてもたぶん信じこまされるだろうな、というくらいの現代風建築ですね、ああ、それがモダニズムへ続くってことなのかな?
 で、なぜわざわざこの図書館まで、重要目的地と称してやってきたのかといえば、うちとこ、すなわち日文研図書館を建てた内井昭蔵氏がモデルにしたのが、このストックホルム市立図書館だと言われているわけです。円形閲覧室と言えば、大英博物館やアメリカ議会図書館が挙がりがちですが、うちとこのモデルはここなんですね。
 下記を参照。

 「<座談会の記録>文献、データベース、出版」. 『日文研』(創立二十五周年記念特別号). 2012, 49, p.162-204.
 http://doi.org/10.15055/00004150
 
 証拠写真として、↓日文研図書館の外観と内側を。

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 ね?、っていう。

 というわけで、テンション上がりきって、写真なりなんなりを上から下から、内から外から、撮りまくったやつのうちのいくつかを載せるギャラリーです。

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 ドーム、上からの日光、円形にぐるりと並ぶ本棚に囲まれる様、その本棚に沿ったカーブの通路、1階フロアを動くスタッフや利用者。
 ふだん日文研図書館に棲まう我が輩にとっては、ああ、ここがふるさとなのだなあ、という至極手前勝手な感慨にひたらざるを得ないわけです。
 いかにいます人名・参考、つつがなきや目録・年鑑(注:ローカルな感慨なのでスルーしてください)。

 ・・・ていうか、写真見ていただくとなんとなくおわかりいただけると思うのですが、この図書館内にいる人たちの半分以上が、カメラで写真撮ってる観光客・見物人です。この図書館、物見遊山の人たちであふれてて、ストックホルム市民と思われる通常の利用者然とした人らがむしろ少数派じゃないかと思われます。
 そりゃ仕方ないかもしれません、ネットでたまに上がってくる「世界の美しい図書館10選」的なまとめ記事の類ではほぼ毎回とりあげられ、おそらく世界的に有名なんでしょう、英語や中国語や何語かわからない語がたくさん飛び交ってます。ていうか、これに比べたら京都祇園の観光公害なんて無いに等しいのでは。
 そんな見物客に囲まれた中で、淡々黙々と仕事してはるフロアのライブラリアンのみなさんの姿に感傷を抱くわけです、それは、似たような構造の建物で仕事をしている身としてのシンパシーなのか、それがオープンな公共施設だとこうなるのかという我が身と重ねた思いなのか。
 おつかれさまです、と。お互いめげずにがんばりましょう、と。
 ・・・いや、うん、自分自身もいまはその”見物人”サイドのひとりだということは自覚してますがな。

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 さてそのスタッフが接客してるデスクやその他の什器をよくよく見てると、ん、あれ、これって固定された什器じゃないな、ということに気付きます。これはたぶんあれだな、可動的な什器をここに置いてるだけだなと。ということは、やろうと思えばいつでもこのフロアを空っぽにすることができるな、と。
 ははあん、なるほど。確かにこの図書館の写真をネットで見かけると、たまに、フロアに何もなくてその本棚とドームだけが印象的に写ってる、などという構図のものもあって、これってどうやって撮ったんだろうと思ってたんですけど。そういうことか。

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 ↑このあとブックトークか何かのイベントをもこのフロアでやろうとしてるっぽいのですが、そのステージや客席も組み立て式な感じのやつ。
 この建物のこのフロアでは、そういうイベントで人を呼び集めることもできるし、普段通りの接客デスクも置けるし、からっぽにすることもできる、と。
 なんというか、特殊な建物を造られてしまって使いづらくて嘆く、という悲話が我々業界には後を絶たないというのが現実ではありますが、とはいえ、こういうふうにしてやりようによってはフレキシブルな運用ができる、という感じなんだなあ、と。なるほど、本気出せば建物は我々の手で使いこなせるはずなんだ、あきらめたらあかんな、と。
 我々は建物や地形によって動きを決定されてしまう運命の子であり、さりながら、その建物や地形を克服できる知恵をも持っているはずではないのか、と。

 それはそれとして。
 この円形の外側には通常の静かで機能的な閲覧室も別途あり、ていうか隣の隣あたりに別館もあり、ということを付け加えておきます。
 ショップで、絵はがき、小冊子、コースターをお土産に買いました。

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 ↑隣には公園があって、上から図書館や市内を眺めることもできます。

 以上、ストックホルム市立図書館詣での巻、でした。

 2時間ほどはしゃいでヘトヘトなので、A昼食へ。

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 ↑ヒョートリエットという市場的なにぎやかエリアの、Pyttirianという店を、ネットか何かで見つけて行ってみた感じ。

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 Pyttipanna、というスウェーデンのローカル料理らしいです。
 語感からなんとなく察せられるように「フライパンの中の小さいものたち」という意味らしく、ジャガイモとソーセージを小さく賽の目にして、塩胡椒で炒めて、目玉焼きを乗せる、といった家庭料理とのこと。食べてみると、うん、そういうふうにつくったな、という予想通りの味がします。お店の人に、ソースかけて食べろ、と言われます。うん、かけて食べたら、そういう味がします。土曜のお昼ごはん感。あと、ビーツが美味いです。

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 パンとサラダとコーヒー紅茶は、セルフで食べ放題っぽいです。
 あと、渇いてたのでローアルコールビールもらいました。


【egamidayさん、ストックホルム旧市街を超高速ツアー】

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 さてこの時点で、列車出発まで1時間。
 中途半端な残り時間ではありましたが、とりあえず行けるところまで旧市街・ガムラスタンへ行ってみます。

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 ストックホルムの旧市街・ガムラスタンと呼ばれる地区は、ストックホルム中央駅の隣の小島的な感じで、橋を渡って徒歩でサクッと行ける場所にあります。13世紀頃ころからの町で、小路、路地、旧建築が密集した、「中世の町並みがのこる」というお定まりの説明文句で紹介される感じのところです。
 本来だと一日かけてもいいくらいの場所らしいですが、えーとね、列車出発まで1時間しかないので、20分で行けるところまで行ったら、即帰途につく、”制限時間内で単純往復”の術という必殺技を使って、歩きに行ってきます。

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 ・・・あ、ダメだ、やばい。
 これめっちゃ好きなパターンの町のやつやん。小路、路地、旧建築、庶民的商店、カーブに、軽い高低差。一日歩けるやつやん、全路地をスキャンするように歩きまくりたい。
 観光客向け仕様のエリアではあるはずなんだけど、鼻につくようなツーリスティックさでもなく、安心してだらだら過ごせる感じがする。

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 大聖堂、外観。

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 ガムラスタンの見せ場その1・Stortorget広場というところで、昔の商館建築が色とりどりに並んでる様。これは映えるし、あとなんとなくオランダっぽくもあるよねと思う。

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 高低差もゆるやかにあるし、くぐり抜け系の路地も結構ある。

 というわけで、仙台並みの大都市の、駅近の、観光仕様エリアながら、次に来たときはぜひもうちょっと時間をとって味わえますように、という感じです。立ち去るのが実に惜しかった。

 次は、デンマーク・コペンハーゲン向かいです。


 ちなみに旅行事務的記録を付け足しておくと、スウェーデン滞在中結局現金はいっさい使うことなく、地下鉄から図書館売店まですべてカードでまかなえました。キャッシュレス社会はとっくに実現してた。スウェーデン語で「カードを抜き取ってください」というフレーズを覚えてしまった気がする。toかtu(覚えてない)。
 結局北欧3ヶ国で現金使ったのは、2.9ユーロ=1回だけ。その後もどの国へ行っても現金ユーロを使うことはほとんどなく、ATMには結局一回も行かなかったんじゃないかな。
 むしろ「このカード、タッチ式じゃないのか?」と問われることがちょくちょくあって、すみません、帰国したら手配しておきます。

posted by egamiday3 at 15:04| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月13日

今日の「CA読み」メモ:「テクノロジー導入に伴う若者と図書館の関係構築」他


●E2157 - 佐賀県立図書館における「漫☆画太郎カード」制作の経緯
 http://current.ndl.go.jp/e2157

 制作の”経緯”を記すという目的の記事なら、こんな感じかしら。”意義”や”効果”の分析がないので保留。


●E2158 - 福井県立図書館の新システム:新機能の導入と連携の強化
 http://current.ndl.go.jp/e2158

 これも↓もうちょっと詳しく知りたいという各地の公共図書館さんは少なくないのでは。
「開発にあたって,筆者が重視した機能は(6)(アーカイブシステムに登録済みの行政刊行物PDF版の検索・印刷機能)である。行政刊行物のPDF版を,図書館の蔵書検索と同じ画面で見ることができるため,利用者は,印刷物を利用するか,データを利用するか選択できる」


●E2159 - ジャーナルプラットフォームの連合体“GLOALL”の結成
 http://current.ndl.go.jp/e2159

「商業出版社によらない各国ジャーナルプラットフォームの連合体の構想(Global Alliance of Open Access Scholarly Communication Platforms:GLOALL)が提案され」
「GLOALLでは,科学的および学術的知識が国際連合の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に不可欠な世界的公共財であるという原則を共有し,多言語学術コミュニケーションに関わる規範,製品およびサービスの開発を促進し,世界の研究への関与を深めるための相互運用性の強化を図る」
「日本においても,国内ジャーナルのオープン性や,和文論文の国際的なアクセス性等への関心が高まり,それらの取組に変革が起こることが期待される」


●E2160 - オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開<報告>
 http://current.ndl.go.jp/e2160

「2019年度京都大学図書館機構講演会「オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開」
「学術出版物のオープン・サイテーション(引用データのオープン化)を推進する国際的なイニシアティブとして,2017年4月に設立されたI4OC(Initiative for Open Citations)」「現在は,出版社に対してCrossrefメタデータに登録された各文献の引用データの公開を促進している」
「オープン・サイテーションが普及することで,研究評価指標の検証が容易となり,新指標の開発が促進され」
「紀要はほぼオープンアクセスであるものの,引用データが組織化されていないことが多い」


●E2162 - どの研究データを保存すべきか:英・Jiscによる調査レポート
 http://current.ndl.go.jp/e2162

 「一部の研究分野や機関にはすでに保存すべき研究データのチェックリスト」とあり、肝はその評価と開発なんだろうな、という理解。

「(「研究公正・再現可能性」)と他者と共有するためのデータを利用可能とすること(「再利用の可能性」)の2つが主要なユースケースである」
「「研究公正・再現可能性」の観点からは生データ,及びデータ処理の一連のプロセスを示したパイプラインの保存が,「再利用の可能性」の観点からは最終的な成果物が利用可能であることが必要」
「分野やデータタイプ別の保存期間,保存場所,保存方法についてはまだ試行錯誤が続く段階」


●E2163 - 起業における図書館活用(3)農業を通して広がった社会貢献
 http://current.ndl.go.jp/e2163

 やっぱこういうのに有用なのは講義やセミナーなんだな、とあらためて理解した。
 ここにこういう資料があり情報があるんだから、てめえのリテラシーでもって活用しに来い、ではアウトリーチにならないし、いまどきはもはやアウトリーチ無しでは活用は無いのでは。


●E2164 - 県立長野図書館「信州・学び創造ラボ」の整備と現状
 http://current.ndl.go.jp/e2164

「行政が用意したハコとサービスを利用者が一方的に消費するという関係性ではなく,自立した市民が主体的に運営に関わり続けていくことが必要」
「整備段階からオープンに至るまでに何度もワークショップを重ね」「ラボがオープンした現在も継続して開催」
「みんなで対話し公共空間を創り上げていくこのプロセス自体が,ラボのコンセプトである「共知・共創」を体現するもの」
「既存の組織が行う定例の企画ですら,誰もが自由に利用できる「開かれた場」というラボの特性を意識することにより,フラットで対話的な工夫が自然となされている」
 →これに尽きるよなあと思うし、そしてこういうことをファシリテートしていくことが一番難しくコストがかかって人材頼りだということ。続けるのもたぶんエネルギーがいる。


●E2165 - 欧州の国立図書館における複写サービスの現状
 http://current.ndl.go.jp/e2165

 ん、これで終わりかな?


●E2166 - 図書館の共同出資による特別コレクションのOA化事業(米国)
 http://current.ndl.go.jp/e2166

「Reveal Digitalが進めるプロジェクトは,コレクションの原資料所蔵館(Source Libraries)とともにデジタル化の対象を決定し企画を立ち上げることから始まる」


●E2167 - アーカイブサミット2018-2019<報告>
 http://current.ndl.go.jp/e2167

 「2018」を無理くり入れるとかいうような、無駄なところにこだわってはるな、という印象。2018はなかった、でも別にかまわんじゃんね。
 あと、「今回がいったんの着地点となる」「アーカイブサミットは今回で一区切りとなる」あたりが隔靴掻痒で、要するに終わったのか?

「長尾氏により,(デジタルアーカイブ整備)推進法には,理念の核となる文言,国立国会図書館法にある「真理がわれらを自由にする」もしくは同氏が国立国会図書館長在任中にそれをベースにして提示した「知識はわれらを豊かにする」に比するもの,を入れるべきではないかという指摘」


●E2168 - 議会図書館の評価指標を考える:英国の事例から<文献紹介>
 http://current.ndl.go.jp/e2168

(1)図書館刊行物の利用に係る指標
(2)図書館への依頼に係る指標
(3)所蔵資料の貸出に係る指標
(4)議会での図書館への言及に係る指標
(5)Google Analyticsによる議会ウェブサイトのアクセス解析データ
(6)Googleアラートを用いた,報道での同館刊行物の言及数やその取り上げられ方
(7)(4)や同館関係のツイートをスクレイピングしたデータ


●E2169 - 図書館総合展2019フォーラムin須賀川<報告>
 http://current.ndl.go.jp/e2169

 なんというか、一文がやたら長かったり、表現にクセがあったり、文章的に多少つっかかるところがある。まあお役所的な文章よりはいいと思うのですが、今回はカレント名物”鬼の査読”は発動されなかったのかな。
 フォーラムの報告なのか図書館設置の経緯なのかも、なんか、ゆらっとしてる。


●E2170 - 「とよはしアーカイブ」公開記念シンポジウム<報告>
 http://current.ndl.go.jp/e2170

 ↓ほえー。
「今回のシンポジウムによって,羽田八幡宮文庫は日本でも最古級の市民が設立した公開図書館といえることが改めて確認された」


●E2171 - 子どもの電子メディアの利用実態と読書との関係
 http://current.ndl.go.jp/e2171

 むしろ問題は↓これな気がする。
「保護者の電子書籍利用率は,約1割であった。」


●E2172 - テクノロジー導入に伴う若者と図書館の関係構築<文献紹介>
 http://current.ndl.go.jp/e2172

 ライブラリアン像がどんどん上書きされてってるなあ。キャッチアップしないと。

「「つながりの学習」とは,若者が仲間や教育者と開かれたネットワークテクノロジーを介し相互協力をしながら,興味を動機とした主体的な創作活動に焦点を当て,自ら新しい知識とスキルを発見し獲得することを核とする学習理論である…誰に対しても開かれている図書館を「つながりの学習」のための理想的な拠点として位置付ける」
「図書館員が若者と強いきずなを結び,若者が応えてくれれば,どんなワークショップも提供できます」
posted by egamiday3 at 04:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月08日

2019ヨーロッパ鉄道旅行・2日目その3「バルト海にいまは漕ぎ出でな」(ヘルシンキ→ストックホルム) #2019GWeu

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 2日目・4月28日、16時頃です。
 ただいま、ヘルシンキ・オリンピアターミナルのフェリー乗り場です。

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 ここから航路で1泊、翌朝ストックホルムに到着するという予定です。


【egamidayさん、船中にイオン帝国を見る】

 ■4/28 17:00 ヘルシンキ発 →(フェリー・タリンク・シリヤライン)→ 4/29 09:45 ストックホルム着

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 船は夕刻にヘルシンキを出港し、フィンランドとエストニアの間を抜けてバルト海に出て、途中でいったん島に寄港して、翌朝にストックホルムに到着します。

 出発前、ヘルシンキからリスボンまでの旅程を検討したとき、最初のネックになったのがこのヘルシンキ−ストックホルム間の海路でした。ヘルシンキからリスボンまで、と豪語したはいいものの、いきなり陸上鉄路でストックホルムまで行くのはだいぶ無理があり、どうしてもここは海路を確保しなきゃいけないから、それを固定したうえでその前後を予定組むことになる、という。
 幸いにして夜行便だったので、宿代が1泊浮く。さらには、ユーレイルパスのホルダーなら半額という特典があるときいて、ほほう、ではせっかくなのでと、良さめの個室を手配しました。

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 ↑ネット予約も実に簡単、そのまま現地チェックインできましたので、みなさんも北欧旅行ではぜひお試しください。(注:アフィリエイトの類は貼ってない、はず)
 ちなみに空路でも片道1万円台くらいみたいなので、何をどう楽しむかによるかと。私は当然、”移動を楽しむ”のです。

 というわけで、ふつーのチケットカウンターで、ふつーに並んでチェックインを済ませて。

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 出航も近いんで、そそくさと乗り場に向かうと。
 途中で陽気なカメラマンに証明写真らしきものを撮られる。
 あと、ピシッとした制服の紳士に出迎えを受ける。
 何かの出国手続きだろうか?とか思いながら乗船すると。

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 ・・・船の中に、イオン帝国が展開されとる
 え、待って、こういうノリの乗り物なのこれ??? 
 あたし、ストックホルムへの移動手段&寝泊まり手段としか考えてなくて、こういうつもりでは来てなかったのですが・・・。

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 確認すると、レストラン数種類、カフェ、軽食バー、お土産売店や免税店があるのはあたりまえ。カジノバーやジャズライブバーもあり、温泉プールもあり。ドラッグストアまであるので、そっか、がんばって買い出ししなくても大丈夫なんだなこれ。(ヒゲそりを買った)
 それなりのビアパブもあるので、とりあえずビールには困らないことがわかって安心しました。(買って乗り込むか迷ってた) じゃあここでひと晩ダラリと過ごします。

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 今夜の寝床。
 明るいデザインでよかったね。窓の外は海、オーシャンビューです。

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 室内テレビにはムーミン専門チャンネルがあって、さすがフィンランド。
 って思ったけど、よく考えたらこれ日本産アニメでしたね(笑)。

 で、早くも出航時刻なので、デッキに出てみました。

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 船体がぼわっと岸から離れ、水面が渦を巻き、海鳥がきゃいきゃい飛び交う。

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 小島があちこちに浮かぶ港を出て、ヘルシンキをあとにする。
 さようならヘルシンキ。ありがとう1ヶ国目フィンランド。良い街でした、あんま知らんけど。

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 待ってろよリスボンめ、絶対にたどり着いたるからな。

 大型客船なので、最上階のデッキまで出れば、海と空が広々と見渡せます。屋根のない青空ゾーンに加えて、ガラス張りの通路もある。

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 ↑ずいぶん晴れて雲ひとつないなあ、と思いながら、そうか北緯がだいぶ高いからまだかなり遅くまで明るいんだな、と。
 ↑もうひとつ、よく見ると北の方に陸地が見えます、そっか、フィンランドの本土ですね。

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 日が高いうちに夕食。
 ビュッフェ形式のそれは、種類が豊富なのは良かったですが、やっぱりシーフードはどれも塩気が濃かったなという。
 なお、お隣の日本人夫婦の会話を聞きながら食べてたので、これといった旅情感が無い。箱根っぽいです。

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 夜9時をまわって、ようやく陽が沈もうとしています。
 脳内BGMが自然と「母を訪ねて三千里」になります、遥かなリスボンを目指せ。

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 日沒するところ。さよなら太陽、また明日会おう。
 ていうか、いい感じの夕空で、こういう色で少しだけ甘めでホップの香りの効いたビールが、美味いんだよなあ、と思います。

 日が沈んで、海がその姿を次第に闇へと変えていくわけです。

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 場所的には↑、南にもエストニア側の陸地があるわけで、確かによく見ると灯りがぽつぽつあるのがわかる。
 北は半島のフィンランド、南は大陸のエストニア、その間を抜けてストックホルムへ向かうべく、バルト海にいまは漕ぎいでな、と。

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 さて、↑船内パブにて今夜のビールです。

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 ↑1杯目、Hopster Pearu IPAというビール。調べたらエストニアのらしいです。(註:そもそもフェリーの運航会社がエストニ便アも込みのところ)
 このくらい濃くて、甘いと言えないくらいほんの少し甘い、っていうくらいが美味くて好きなやつ。

 ・・・ていうか、カウンター内のケース見たらわかるけど、ドラフトだけじゃなくてボトルが相当詰め込まれとるな、という感じ。 

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 ↑2杯目、思わずボトルで、パウラーナーのヘーフェヴァイツェンを注文してしまった。そしたらちゃんとこのヘーフェヴァイツェン用グラスで出るから、めっちゃうれしい。
 しかもここのバーのおっちゃんがちゃんとプロの人で、さっきからドラフトといいボトルといいひとつひとつ味を丁寧に教えてくれるし、それだけじゃなくて、このヘーフェヴァイツェンもボトルをくるくる回したりゆらしたりしながら、泡と酵母の最後の一滴まできっちり無駄なくグラスに注いでくれはるのです。やっぱりね、人です。ビールも何もかも、ちゃんとした人がいてくれてこそだと思います。
 もちろん、文句なく泡から甘美味い。

 いやもうね、ビールが美味ければ旅は間違いないですよ、ほんとに・・・・・・。


【タリンクシリヤのフェリー、網目のような入江を航行する】

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 ・・・朝です。
 時差があるのでまだ4時過ぎですが、日の出もこちらは早いはず。
 ていうか、めっちゃ寒い。

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 というわけで、午前5時前に日の出です。
 おはよう太陽。ていうかあいつすげえな、もう裏側一周して来たんや、この船なんか首都ひとつ分もまたげてないのにね。

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 そして進行方向に目をやれば、もうすでにスウェーデン側の小島が見えつつあります。
 見えるというか、なんか挟まれて、囲まれる感じになってる。

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 ↑この地図の点線が航路らしいのですが、そうか、ストックホルムは港街とはいえ、入江の奥の方に位置しているので、しばらくはこの島々の間を縫うようにして進行するわけです。このあたり一帯で2万以上の島があるって噂を耳にしたんですが、ホンマかしらそれ。ていうか、水と陸とが網目模様みたいになってるところを、覆うようにして街全体が建ってる、と考えた方がうなずけるような造りになってる、ようこんなところに100万人レベルの都市できたな、すごいな。
 そんな中を巨大客船が進もうとすれば、そりゃ相当の徐行をしなきゃいけないだろうなわけで、いまが5時でも、港への到着は10時前、5時間近くかかるのも当然ですね。だっていま自転車くらいのスピードしか出てないもの、この船。

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 ↑この距離感で何時間も船動かしてるんですけど、えらい航路だなあ、操縦側は相当緊張感あるんじゃなかろうか、船の操縦のことあんま知らんけど。なつかしの電流イライラ棒みたい。

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 というジリジリとした徐行の旅も、待てば海路の日和あり(注:用法違う)、ストックホルムまではあと少し、↑もう街は見えてます。
 ↑あの港に着くようです。

 我が輩のアホな性分により、着岸するところをデッキに見に行きます。 

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 ↑着いたー。
 (注:こういう写真を撮るのに嬉々としてる人のブログだとご理解ください)

 というわけで、ひと晩かけた航路の末。
 2ヶ国目、スウェーデン・ストックホルムに到着です。

 スウェーデンは初上陸です、めでたい。何が出るかな。



 なお、次のコペンハーゲン行き電車の出発まで、4時間半しかありません。
 そんな短時間でいったい何が出るというのだ。
posted by egamiday3 at 18:16| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月07日

2019年8月のまとめ

■2019年8月まとめ

●総評
自宅模様替えと某執筆が思わぬ快進撃、やっぱり連休は大事。

●まとめ
・松方コレクション展@国立西洋美術館
・大正イマジュリィ学会「大正イマジュリィ研究とデジタル・アーカイヴ」
・なんというか、ディスカバラビリティーのグローバルな戦略と、個々の資料・プロジェクトのローカル性の保証とは、全然別だな、という
・デジタルアーカイブWG打ち上げ焼き肉大会@梅田
・壮大な京都コントとしての、「京都 百味会〜知られざる“奥座敷”」(NHKスペシャル)
・『太宰治の辞書』
・『魔王』
・『彼女は一人であるくのか』
・『真実の10メートル手前』
・『このひとすじにつながりて』
・我々が「図書館の自由っていうのがあるんですよーっ」って言って、「へーそうなんだーっ」て納得してくれるような世の中だったら、愛知トリエンナーレみたいなこと起こってるわけないじゃんね。
・六道まいり
・連休9days
・ヨーロッパ企画「ギョエー! 旧校舎の77不思議」@京都府立文化芸術会館
・MONO「涙目コント」@THEATRE E9 KYOTO
・ギョエーおかわり、からの、かもがわカフェ
・10年に一度レベルの自宅模様替え大作戦。4畳半と通路と押し入れ3箱分が空になる。猛暑下とは思えぬ快進撃。
・「横山崋山展」@京都文化博物館、おかわり
・送り火@嵐山
・「5丁目寄席」@東山青少年活動センター
・パン屋の青い鳥発見が続く。
・『生きるための図書館』
・地ビール祭り@八瀬比叡山口駅
・室町セゾン(西陣麦酒)
・博士論文公聴会
・学生実習対応
・「セミオトコ」
・「フランケンシュタインの誘惑 E+」
・『科学技術の現代史 : システム、リスク、イノベーション』

●8月の月テーマ進捗
  ・2019GWeu他 →快進撃
  ・京都・夏編 →まあまあ
  ・リプレイス前に身ぎれいにすること →まあまあ、というかその必要もあまりなさそう
  ・追加:自宅模様替え →快進撃

●9月の月テーマは
  ・多忙危機のため、努めて安静にすること
  ・多忙危機のため、努めて安静にすること(大事なことなので2本分で)
  ・某司会
  の、3本です。

posted by egamiday3 at 12:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする