2019年10月17日

2019ヨーロッパ鉄道旅行・5日目その2「パスタはもっちりだ」(ジェノバ) #2019GWeu


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 5日目・5月1日(水)、午後3時半。
 6ヶ国目、イタリア・ジェノヴァに到着しました。


【ジェノバってこういうことかあ】

 気温17度らしいですが、日射しが強いせいか充分に暑い、早くも南国の空気を感じます。

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 ↑ジェノヴァ駅の駅舎、特にその正面は非常に古めかしく、いやそれは様式がというより歴史的な”汚れ”を感じさせ、そしてその汚れなど意にも介さない風で歴史遺物を遠慮無く現役で使い倒してる、という感じがします。ガラスドームで全体を覆ったストラスブール駅とはだいぶノリがちがいますね。

 とりあえず、今朝ほどネットで予約したホテルへ向かおうと、駅前のニューススタンドでバスチケットを購入し、路線バスに乗り込みます。道案内はGoogleマップさんではありますが、チケットを売ってくれる人、その場所を教えてくれる人、バスを運転する人、みなさんいちいち人当たりが良いから、さすがイタリア、イタリア大好きって思いますね。

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 ジェノヴァは海と山に挟まれた港町で、ひとことで言えばシアトルや神戸のイタリア版という感じ。横に長いからか、高低差があちこちでちょっかいかけてくるせいか、歩くのちょっとしんどいかな、という印象があったりしますね。徒歩のみの路地や歴史通りもあるかと思えば、車道は歩きづらかったり、自動車しか通るの無理だろうというような山裾トンネル的なものもあったりして、がんばってバスを乗りこなしたほうが得なんだろうな、という印象。ただしそのバス停も間隔が広かったり、中途半端だったり、本数が少なかったり番号がさっぱりだったりして、旅先のバスってただでさえ難易度高いのに、ここはさらに上級者コースのような気がします。観光客多そうな町ですが。
  
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 ホテルにイン。
 フロントのマダムが、これもやはり人当たりが良くて親切で、しかも有能。「お部屋、ご予約のよりも広いのにしときましたんで」とかさらっと言わはる。あと、地図でおすすめのローカルフードレストランもちゃちゃっと教えてくださる。ホテルのフロントさんが有能だと、旅がはかどるんだなあ。

 というわけで、ジェノバ町歩きです。

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 ジェノバとは。
 (註:このあたり、アタック25で児玉さんが最終問題のあとである都市の名はの問題を解説する時のノリで)
 コロンブスの生地でもあり、ガリバルディがシチリア遠征の拠点にした土地でもある海運の街・ジェノバは、イタリアの北西部、長靴が大陸にくっついた付け根あたりにあります。地中海に面した港湾都市で、前は海、うしろは山。ヴェネツィアやアマルフィのような古くからの海洋都市国家で、地中海では相当ぶいぶい言わせてた土地柄なので、中世近世当時の豪邸がいまも街の中心部にならんでるし、その後も港と海運の機能は近代以降現在に至るまで現役なので、後述の山の上から眺めると港自体がやぱりデカい。
 とはいえ、いまはどちらかというと古い時代の町並みや港を古いまま残して古いまま経済を続けている、というレトロ感がある。中世近世当時のぶいぶいした裕福さがずっと保たれていたわけでもなく、そりゃ衰退もするだろうし、だからマルコのお母さんは南米まで出稼ぎに行っちゃったんだな、とかなんとか。
 あとこの街にはキオッソーネ美術館という、東洋・日本の文物コレクションではイタリアでも有数の重要施設があるんですが、えーと、労働者の日は祝日ですね、はい、縁があったらまた来れるでしょう。

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 まずはストラーデ・ヌオーヴェと呼ばれる、歴史的目抜き通り。
 この通りのそこかしこにどっしりと建っている邸宅群が、中世近世のはぶりの良かった時代の貴族的な建築物たちであり、バロックやあロココやあルネッサンスやあ、ファサードやあ漆喰やあ天井装飾やあと、まあかまびすしいところ、だという理解。

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 残念ながらひとつひとつ見ていくほどの時間はさすがにないので、外見だけをざっと味わって、ジェノバってこういうことかあ、という気になってる。

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 細く入り組んだ路地や高低差が奥行きを生み出すダンジョン感も魅力です。開発・破壊もさほどされてない。


【egamidayさん、ケーブルカーで高台に登る】 

 街中にケーブルカーの駅があって、そこから背後の高台に登っていけるらしいので、上からの眺めを求めて行ってみました。
 Zecca-Righi線、できたのは19世紀末らしいです。

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 観光客と地元民のミックス的な感じ。

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 途中カルボナーラ駅等を通る。

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 上から下りてくる車両と、駅ですれちがう。

 ぎこぎこと登っていく途中、最初のころは岩を掘ったトンネル坑内のようなところを延々のぼっていくんですけど、そのトンネル内でしばしば立ち止まって、じーっと待ってるという時間が発生し、え、これいま何待ち?と不安になるのですが。要は、この立ち止まってる時間帯は、下り車両が途中駅に停車して地元民のお客が乗降してはるというやつですね。上の方と下の方とで駅が同じ距離の位置にあるわけでもないので、そうなる。

 全長1.4キロ、高さ300m弱、まあまあの時間をかけて、終点。
 その展望台からの眺めが、↓こう。

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 神戸だなあ、と思いますね。神戸大学に来たみたいになってる。
 神戸大学さんもケーブルカー作ったらいいのにね。
 あと、地中海の穏やかさと晴れ渡った感じの空が、絵になる。

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 下ります。

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 ↑初夏の緑まばゆさと、トンネルの近代遺産感が、車窓を際立たせてる感じ。
 以上、ケーブルカーでした。


【egamidayさん、ジェノヴェーゼの布パスタを堪能】

 次に、港方面へ向かおうと↓路地に入りこんだところ、

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 あまりの路地の狭さとそれに比べての建物の高さで、もはやこの入り組んだ路地エリア一帯がアーケード街かのようにすら思えるという。しかも高低差がある。見通しが悪い。暗くて人がいないし、労働者の日のためか商店ほぼ全部閉まってるので、もはやリアルに物騒なダンジョンに来たな、というビクビク感。
 これほんとかな、だってホテルでもらった地図にはわりと太めの道路っぽく書いてあったんですよこの道。

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 そしてそこを抜けて港そばに出ると、一気にリゾート感。
 
 ホテルのフロントさんに、リグーリアのパスタとシーフードが食べたいんだけどと相談したところ、教えてくれた店「Trattoria Vegia Zena」がこのあたりにあるので、夕食をいただきに行ってきました。
 食レポです。

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 特にこれといった高級感も観光地感もキャラ立ち感もなく、地元民がふらりと食事しに来そうな感じしかしない、大衆食堂っぽい見た目ですが。
 注文は、せっかくのリグーリアなのでシーフードのミックスプレート的なものと、ジェノバと言えばジェノヴェーゼパスタ、しかも、ネットの写真で見つけてた、ラザニア生地みたいな布状の平べったい生パスタを、奥さんにわざわざ写真を見せて念を押すという慎重さを見せています。どんだけ失敗したくないんだと。

 出てきたシーフードのプレートが↓こちら。

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 いやもう、「速報:美味い」が出るでしょう、これは。
 食材自体は見てわかるものであり、味もお酢をしてあるかしてないかの差があるくらいでだいたい予想つくものではあるんですが、ともあれ、そのいちいちが美味い。
 中でも美味かったのがイカで、イカはそりゃイカの味ですけど、ゆでたてでほんのりあったかくて、ふわっとやわらかい、つまりイカによくある固くてグッと噛まなきゃいけないという感じがない。イカってこんなにふわっとしてんだー、という喜び。あと、ああイカだよなあというような臭みもない。なので、イカを食べることを想像したときに思い出す”嫌さ”が全部なくて、”良さ”だけがある、っていう。当時のツイートで「イカすごいよなあれ」としみじみ繰り返してる、そんな感じ。
 他の食材も、おおむね嫌さがない。

 そして、↓パスタがこちら。

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 調べたところによると、ジェノヴァ地元のパスタでジェノヴェーゼソースに合わせられるという、「Mandilli de sea」(またはfazzoletti di seta)、「絹のハンカチ」という名前のラザニア生地状パスタらしいです。ジェノヴェーゼで使われる代表が、こいつと、もうひとつネジネジのパスタらしい。
 まずこの麺、あえて麺と言ってしまいますが、まず見た目のつやつや感でもうすでに期待がふくらんでしまい、口にふくんだらこれが期待をさらに越えてくる感じで、つるっ・くにゅっ・もちっの最高のやつじゃないですか。食感の触感が官能的なんだもん、なんかもう、永遠に口に含んだままでいたい、っていう。これをナイフで切るときのちょうどいい弾力な手触りが、またすごく心地いい。あ、手触りも味なんだな、って思った。
 そしてバジルのソース。実は白状すると、ジェノベーゼソースのパスタってそんなに好きじゃないんだよな、バジルくどいしな、でも本場だから食べとかないとしょうがないよね、っていうくらいのノリで注文してたのですが、こってりしてるのにバジルが青臭くない、これもバジルから思い出す”嫌さ”がここにはまったくなくて、さっぱりしてる。バジルはさっぱり、松の実はこってり、ああそうか、豆なり実なりは潰してなんぼなんだな、と。だからもこうれは、バジルのソースではなくて松の実のソースですね、そりゃ美味いわ。

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 「デンマークの豚」に続く、今回の旅行で得られた食のトップ3、「ジェノヴェーゼの布パスタ」。ペロリアンです、ごちそうさまでした。


【egamidayさん、イタリアでも無慈悲にビール】

 街歩きその2、もうちょっと東側のフェッラーリ広場付近です。

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 ↑サン・ロレンツォ教会。
 白黒のファサードが随分オシャレな男前じゃないですか、どうしたことだ。

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 ↑コロンブスの生家(復元)。

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 それなりに現代都市なのに、こうもあれこれ古いのが街中にちゃんと置いてあるのは、さすがだなって思う。

 そして、宵闇と街灯りがちょうどいい具合にとけあう頃合いになって、通りを行き交ったり店先で飲み合ったりしてる街の人たちの、幸せそうな様子。それが観光客であっても地元住民であっても、幸せそうだからいいじゃないですか。
 イタリアのそういうところが好き。

 自分も幸せになりたい。
 というわけで、今夜のビールです。

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 イタリアでも無慈悲にクラフトビールを求め、見つけたのが↑「Scurreria Beer & Bagel」という名前のお店。イマドキ流行りっぽい感じで、まあまあ混んでて、カウンターの末席にちょこんとお邪魔する感じで。誰かのでっかい飼い犬が足下をふぁさふぁさするんですが。

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 ↑おわかりいただけるだろうか。欧米のいろんなところの良さげなのを集めましたよ、という感じで、全14種類、小さめのグラスで3.5ユーロ。通わざるを得ないじゃないですかこんな店、なぜ京都じゃなくてジェノヴァなんだ。京都であれよと。

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 Brasseria Della Fonte というところの↑Assassin Fogという名前のビールで、セッション・ニューイングランドIPAという造りらしい。アルコールが低めなのはありがたいんだけど、でもセッションでも酵母感はもうちょっとがっつり欲しかったけどな、と感じたらしい。

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 Fyne ales, Sour friendsという名前で、ベルリーナヴァイセでマンゴーがどうのと書いてある。オーダーすると、マスターが念のためという感じで「酸っぱいんだよ」とアラートしてくれる、ベルリーナヴァイセだしねえ。そして、案の定サワい。マンゴー感的な甘み香りはわかる。あと、スイカ汁みたいなちょっと瓜感があって、それが意外とサワいのとちょうど合ってる気がする。

 そんなふうにダラダラ飲んでると、次に飲もうかと思ってた11番ドイツのラガーが消えてしまいました。もちろん、続いて新しいビールが書き込まれます、同じくドイツのメルツェンです。メルツェンかあそうか、どうしようかなー。

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 Extraomnesというところのトリペル。トリペルなんて強いの飲んだら、一段と酔いがまわってしまうではないですか。泡がもこもこしてて、その泡がさすがに甘くて美味い。そして、泡の時点で早くも酔いがまわりそうになるっていう。

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 明日はどっちだ。いや、ホテルはどっちだ。

 結果的になんとか無事に帰り着きましたが、ジェノバにも行きつけになる店が出来てしまいました。次にこの街に来るときは、この店の最寄りで宿をとってください。>申し送り事項


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2019年10月15日

2019ヨーロッパ鉄道旅行・5日目その1「はるかなジェノバを目指せ」(リヨン→ジェノバ) #2019GWeu


【egamidayさん、リヨンを出てアルプスを越える】

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 5日目・5月1日(水)、午前8時。
 リヨン駅。
 これから出発、というタイミングですが、なぜかもうヘトヘトです。

 リヨンで有名なパン屋さんなるものをネットで見つけて、せっかくだから朝食はそこで調達しようと目論んだわけですが、重い荷物(註:5日目なりに増えてきてる)を担いで、歩きづらい通りを、10分ほど右往左往しながらようやくたどり着いてみると↓、見事に閉まってました。

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 5月1日、これが国際的に重要な「労働者の日」のスタートです。
 
 さすがに駅のスタンド的な店は営業してくれてるので、適当にパンを調達。
 それからのどが渇いてしょうがなかったので、エスプレッソじゃなくドリップコーヒーが欲しいなと思うじゃないですか。駅のコーヒースタンドでドリップコーヒーはあるかと英語で問うと、どうもあたしが何を所望しているかがさっぱりわからない様子で、英語がわかる別の店員が召喚され、ドリップコーヒーはうちの店にはないんですが、出たところにスターバックスあるからそこで買えるよ、と、まさかの案内をされてしまうという。さすが、フランスのエスプレッソ文化は堂に入ってるなと感服しましたね、フランスでドリップコーヒー飲むにはスタバ行くしかないらしいですよ。なぜか嬉しくなったので、そのままその店でエスプレッソもらっちゃいましたよね、っていう。

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 エスプレッソが大動脈から毛細血管へ染み渡る…。

 それはさておき。
 本日の予定です。

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■08:31 リヨン発 → 12:23 トリノ・Porta Susa駅着
■13:30 トリノ・Porta Nuova駅発 → 15:30 ジェノヴァ着

 これも一応”アルプス越え”になるルートらしいのですが、7時間ほどの行程でイタリア北西部・ジェノバに向かいます。
 今日はラクしたいし、せっかくのイタリアなので、3時台で宿インの予定。

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 ↑待合エリアで待ってますが、イスがいちいちオシャレで、これだと多少待たされても座ってていいかなって思えるので、公共物のデザイン性は大事だなって思いますね。

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 5分ほど遅れて発車です。
 そう、よく考えたらこの列車は”パリーミラノ便”などという字面だけでオシャレ感が沸き立ってくるような便になるわけで、かなり人気のためかほぼ満席の様子です。それでよくユーレイルパス用予約券なんか買えたなあと、リヨン駅SNCFのチケットオフィスの方に感謝してます。

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 いったん旧市街近くの駅まで行ってからの、出発です。
 さようならフランス。また会おうストラスブール。
 ちゃんと予習してからまた来ます、リヨン。

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 しばらくは平原でしたが、1時間も経つと山に入ります。

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 あっという間に車窓が山キャラに変貌したなあ、という感じです。
 とはいえ、ど高い山をガシガシと力任せに登って越えようという感じではなく、さっきから東西南北を右往左往うねうねしてて、走れるすき間を巧みに選んで走ってるというような印象。
 
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 シャンベリー駅の手前で、↑湖の脇を通ります。

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 山また山、ではありますが、秘境という感じはありません、民家やブドウ畑やローカル駅やが線路沿いにぽつぽつと続いてるという感じ。
 また、アルプスでもあるはずですが、「アルプス」ときいて想い描きがちな岩や雪や厳格さ標高高さがあるわけではなく、どこかおだやかでやわらげでカジュアルで、例えるならば「アルプスのお勝手口」みたいなエリアなのかな?という感じです。

 さて、時間的にも位置的にもイタリア国境が近づいてきた頃ですが、腕章つけた若者たちが車両に乗り込んできて、乗客ひとりひとりに声かけたり、荷物についてどうやこうやと尋ねたり…、あ、なるほど、一応国境越え前に軽めの”入国審査”イベントをちゃんとやるんだね、と。にしては、腕章以外はそのへんの大学生バイト然としたカジュアルな私服なので、ほんとかな?とちょっと戸惑うほど。
 ちなみにですが。車窓風景をiPhoneにおさめるために、デッキに出て窓からパシャパシャ写真撮ったりしてたんですが、なぜかデッキに折りたたみシートが備え付けられてあって、ラッキーに思って座ってのんびりしてたら、その腕章スタッフらしき人が「ごめんね、そこ私らのシートなんで、自分の席に戻ってね」とおっしゃる。なるほど、専用シートを備え付けてあるくらいには、ちゃんとした仕事なんだねと。しかも、たぶん車両数からいっても結構な人数いるんじゃないかな。

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 Modane駅を過ぎると、この先でイタリアに入ります。
 交替した車掌、英語のイタリア訛りが耳に心地よいです。
 ドイツも好きなんですが、イタリアも好きなんだなあ。

 で、お、こんなに長いか、と思うような国境の長いトンネルを脱けると。

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 Bardonecchia駅。イタリア側の駅に着きました。
 この時点で当便は30分ほど遅れており、アナウンスで「フィレンツェ行く人は、ミラノじゃなくてトリノで乗り換えたらいいよ」みたいなことを言うてはる感じ。

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 と言いつつも、わりと急速に高度を下げてきて。

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 12時半過ぎ、まあ言うほどの遅れもなく、6ヶ国目イタリア・トリノに到着しました。
 さて、駅のホームでぱしゃぱしゃ写真を撮ってるところで、なんとなあく気配を感じるなあ、と思ってたら。

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 ↑窓の向こう、車内の食堂車クルーがノリノリなの、お分かりいただけるだろうか。
 あの人らまちがいなく、イタリア側のスタッフだな(笑)。


【egamidayさん、ジェノバに到着する】

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 トリノはただいま21度。
 さて、トリノには駅が2つあるとかで、いまリヨンから着いたのは「Porta Susa」駅。次のジェノヴァ行きが出るのは「Porta Nuova」駅で、距離1.5km、20分くらいか。
 まあ街の様子も軽く見てみたいし、歩きでいいかなあ、なんつって。

 ・・・・・・

 (15分後)

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 …逆方向に歩いてた。
 やってもうた…。
 しかもめっちゃ暑い、こんな中もう歩くのイヤや…。

 しかたがないので、トラムのストップを見つけて待つことに。
 次乗るはずの便まで、わりとギリギリですが…。
 地元のカップルや子連れお母さんらに混じって、ジリジリしながら(時間的にも暑さ的にも)待ってると。

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 これでNuova駅に向かいます。
 Googleマップさんが「1.70euro」だと書いてくれてたのと、乗り合わせた地元の娘さんが「あの箱で切符買うんですよ」と教えてくれたのとで、焦りと不慣れな中においてもスムーズにトラムに乗ることができました。
 こんなふうに、いろんな人たちのおかげのたまもので、旅をしています。ありがとう!

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 というわけで、特にトリノのトリノらしいところも撮りあえず。
 13:30、ジェノヴァ行きの発車です。
 2時間程度らしいですが、めっちゃ車両がたくさん連なってて、しかもめっちゃ空いてるという。回送兼用かな?

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 しかも存外なスピードでガシガシとばし、わりと古めの車体をミシミシ言わせながら、ほかのローカル線車両をぐいぐいと追い抜いていく、イタリア鉄道。「TGVかなって思うくらい早い」ってツイートしてる、どんなんだろう。
 しばらく平原が続いたあと。

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 列車は山を越えるような素振りを見せ。

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 すっきりと晴れた空の下に、好きなタイプのイタリアの風景が広がって。

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 ほぼオンタイムで、ジェノヴァ駅に到着したのでした。
 まだ午後4時にもなってない。まあ、7時間程度ならなんてことはなかったです。
 今日はここでのんびりします。
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2019年10月13日

2019ヨーロッパ鉄道旅行・4日目その3「このひとすじにつながりて」(ストラスブール→リヨン) #2019GWeu


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 4日目・4月30日(火)、午後。
 ただいま、ストラスブール中央駅発14:51のローカル線に飛び乗ったところです。

 ストラスブール一泊案を、ちょっと本気で考えそうになりましたが、しかし今回の旅の趣旨はあくまで”移動”であります。我が輩には土曜日までにリスボンにたどりつくという重大かつストイックな使命があるのです、プチフランスだー中世の町並みだーってほんわかしてる暇はない。
 当初の予定通りのルートを”ちゃんと移動する”ことにします、それが吉と出るか凶と出るかは知りませんが。


【ヨーロッパ鉄道旅行には向かない乗り換え】

 ここからのルートです。
 フランスの東縁のあたりを、舐めるように、ローカル線で刻みながら移動します。宿はリヨンの予定です。

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■14:51 ストラスブール発 → 15:47 ミュールーズ着
■16:19 ミュールーズ発 → 16:59 ベルフォート着
■17:04 ベルフォート発 → 18:28 ブザンソン着
■18:37 ブザンソン発 → 19:22 ディジョン着
■19:40 ディジョン発 → 21:40 リヨン着

 さて、ヨーロッパを鉄道で旅行した経験のある方なら、↑一見して「え、無理だろこの乗り換え」と思われることでしょう。
 接続に余裕がなさする、遅延が当たり前のヨーロッパ鉄道ではありえない乗り換え、典型的なやってはいけない旅程。
 こんな接続が成り立つのは狂ってるレベルでオンタイムな日本だけでしょう、と。ていうか、日本でもまあまあ怖いのでは。なんだあの、ベルフォート駅の乗り換え5分って。

 結論から先に言うと。
 乗れたんです。行けたんです、この乗り換えで。自分でやっといてびっくりしました、あ、行けたなあって。どローカルや高速TGVや合わせて5便の列車が、ひとすじにリヨンまでオンタイムでつながってくれたんです。終わった後で、マジかありえへん、と思った。

 ていうか、今回の2019GWeu・ヨーロッパ鉄道旅行の全体において、発着が大幅に遅れるとかいうようなトラブルが、奇跡的にほぼありませんでした。フランスでもイタリアでもスペインでも、だいたいオンタイムです。
 余談ですが、これ奇跡的にというよりか、最近ヨーロッパで鉄道乗ってて、そこまで言うほどの遅延って、あんまり経験しなくなったような気がするんですよね。なんなら、ドイツの新幹線が平気で1時間以上遅れたりするのが腹立つ、っていうレベルで、他所であんまりお目にかからなくなったなって。
 ちょっとこの件、しばらく成り行きを見守ります。

 さておき。
 東フランス・ぶらりローカル鉄道の旅、です。
 
 1本目、14:51 ストラスブール発 → 15:47 ミュールーズ着。

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 ↑アルザス地方の田園風景の中を走る。ただただ平原という感じ。
 ドイツもそうでしたが、やっぱ土地があるっていうのはそれだけで”力”だな、って思いますね。
 一応このあたりは「ワイン街道」的扱いをされてるキャラのはずです。

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 ↑コルマール駅。

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 ↑ミュールーズ駅に到着、ほぼ定刻です。

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 ↑ミュールーズ駅前。そこそこ大きめなローカル駅という感じ。
 産業都市らしいです、その文脈でよさげな博物館もいろいろあると聞いた。

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 このミュールーズ駅で30分の余裕があったので、チケットオフィスで、えーと、4本目にあたるブザンソン→ディジョン間のTGV予約券を購入するという旅行事務を遂行しました。地方の町の駅で、違う駅から違う駅の、ユーレイルパス専用の予約券、しかも日時が本日このあとわりとすぐ、って、カウンターのおねえさんがまあまあ訝しそうに「ムッシュ、マジでこの列車乗るの? てか、乗れるの? アメージングなんだけど」っていう感じで、手配してくださった。すみません、ありがとう助かります。

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 2本目、16:19 ミュールーズ発 → 16:59 ベルフォート着。
 40分。

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 車窓を楽しみながらも、ドキドキしてます、次の駅で乗り換え5分しかないから、超微妙、2-3分でも遅れることがあるようならアウトなのですが…。(なぜそんなルート組んだ)

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 ベルフォート駅着!
 走る!
 乗り換えは何番ホームだ!

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 乗れた!
 走ったら息が切れた、こんな歳でもう走りたくない…。(だからなぜ)

 3本目、17:04 ベルフォート発 → 18:28 ブザンソン着。

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 川がなんとなくだらだらと併走しているかなどうかな、という感じのローカル線。
 とてつもない風光明媚というわけではなく、土地開発もわりと多くされており、なんちゃないけどそれなりに自然の風景を楽しめる、渋めの車窓。現トマスクック時刻表のシーニックルートからは外されてる、というくらいの感じ。

 余談・旅行事務噺ですが。
 ヨーロッパの鉄道旅でどの路線をどう行こうか決めるとき、よく参考にするのが、トマスクック時刻表の「景勝路線リスト」ページです。

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 こんなふうにして、景勝路線はここですよ、というのが、まあわりと無愛想感はあるもののずらずらっと列挙されているので、どうせ近くを通るんだったらここを選ぶよ、という感じで参考にしてます。
 もうひとつが、同じくトマスクックの鉄道地図「Rail map of Europe」で、これはヨーロッパ全域の鉄道地図なんですが、景勝路線に色塗りがされていてさらにわかりやすいという。↓写真の緑ラインがそれです。

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 さて問題は、この3本目ベルフォート→ブザンソン間のルートについて、手持ちの鉄道地図(2004年版)では路線として色塗りされていたのが、トマスクック時刻表(2019年版)の景勝路線リストには挙がっていない、ということです。
 この齟齬はなんだろう?と思いつつ、実際に現地に来てみたわけですが、当落線上なのかなっていう。


 4本目、18:37 ブザンソン発 → 19:22 ディジョン着

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 ここはややショートカット気味に、ブザンソンからマジのTGVでディジョン駅まで行きます。さすがの車内。
 ていうか、ここもよく見たら乗り換え9分しかなかったじゃないか…、ようこんなん平気でまにあったな…。

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 フランスの鉄道はパリをトップとした中央集権然としていて、↑このTGVも最終的にはパリのリヨン駅に行くやつです。
 …そうか、これに乗ってれば”そっちの”リヨン駅まで行けるのか。それもいいな(笑)。

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 なんだかんだで、↓ディジョン駅に到着。

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 5本目、19:40 ディジョン発 → 21:40 リヨン着。

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 ↑これが今日一日のラスト、いや、昨晩のコペンハーゲン発22:12分から続く連続便の、しめくくりの列車です。
 リヨン着が21:40ですからほぼ丸一日ですし、24時間中20時間近く乗ってましたうえに、座席の夜行ではあまり眠れてませんでしたので、…さすがに寝落ちしてて、記憶も記録もないです。まあ、何かしらの列車に乗ってたのでしょう。

 問題は、その夜のリヨンです。

 寝ぼけの頭痛で朦朧とした中を、夜10時前のリヨン駅に到着したはよいのですが、駅前に立つとなんとなく人気が少ない。あれ、リヨンってこんなんだっけ(註:9年ぶり2回目)、人波で栄えてるような街じゃないのかな、そう思って夜遅くの到着でも安心してたんだけどな、と不審に思いながら、ホテルへ向かおうとする。
 駅からホテルまでの間には駅前ショッピングモール的な施設があるらしい、と地図でわかっていましたので、じゃあそのモールを通り抜けていけばこんな夜でも安全安心だよね、と思うじゃないですか。で、キャリーケースをがらがらひっぱりながら入るじゃないですか。
 夜10時のショッピングモール、さすがに店はもうすべて閉店していて、買い物客もいない。しかし駅前の通り抜け施設のひとつだから、通路は開放されている、ベンチもやなんやもたくさんある、照明もぴっかりとついている。

 結果、どうなってるかというと。
 だだっぴろいショッピングモール通路が、地元のヤンキーでジベタリアンな若者たちのかっこうのタムロ場になっているという。追い駆けあったり、おらおら騒いだり、フード被ってうろうろしたりしてる。
 そこを、長旅で疲れきった朦朧なやつが、キャリーケースがらがらひっぱって歩いてるという。
 あかんやん、ここ絶対、夜に歩いたらダメなエリアやん。背景がオシャレなブランド店なだけで、照明がぴっかりついてて明るいですよというだけで、ギャングの集まりやん。

 身の危険を感じて、ここは早く立ち去ったほうがいいな、と。これだったらまだ外に出た方がいい、外なら、営業中のカフェバーとかオープンなレストランとかあって、大人が行き交ってたりするでしょう、そっちのほうが安心できる。
 そう思って、ようよう出口を探しあてて外に飛び出した、ところが。

 そんな店なんてどこにもない。
 閑散として、人っこひとりも通ってない。

 もう、走るようにして宿に向かいましたよね。
 通り全体を街灯が照らしてくれてたので、まだ良かったけど、そうじゃなかったらゴーストタウンか何かかと思った。

 リヨンは大きい街だし、歴史地区は世界遺産だし出版印刷の歴史でも注目したいところですが、街の構成的に旧市街−川−新市街−川、さらに1キロほど離れてリヨン・パールデュー駅、あたしが降りたのはこのパールデュー駅で、街の構造に不慣れな立場としては、ちょっと選択ミスだったかもしれないですね。
 ていうか、やっぱストラスブールに泊まってりゃよかったのでは…。

 ほんとはその晩行ってみようと思ってたクラフトビールの店をネットで見つけてあったのですが、ちょっと肝が冷えて、疲れてるうえにこんな閑散とした中を夜遅くに10分近くも歩くのは、さすがにちょっとアレだぞと我が輩の妖怪アンテナが警報を出すので。
 宿併設のバーで我慢することにしました。


【egamidayさん、フランスにあってもなおビール】

 というわけで、今夜のビールレポートです。

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 ていうか、Grimbergenのドラフトがあるじゃん、じゃあもうこれで充分ですよ。
 ブロンドですけど、甘みと旨味が口福。よかったねえ、これ一杯で一昼夜の移動の疲れがなぐさめられたかのような気分です。
 しかもこのホテルのラウンジ、ソファやテーブルがたくさんあってそこそこの人出があるんですが、みんなテレビのサッカー中継に夢中になってはる。あとその向こうでは、ゲームかなんかやってはる。なんかこう、ちょうどいい距離のリビング感があって、はからずもほっこりしてます。

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 フランスでビールを探すと、必ず、ていうか唯一無二くらいの勢いで目にする「1664」という名前。それこそストラスブールに1664あたりからあるブルワリーで、現在はカールスバーグ傘下というパターンのやつらしい。ビールは、なんちゃないやつだった。

 それから、アルザス地方のローカルなビールにFischerというのがある、褐色で甘みとスパイス味が効いてる、とかなんとか予習してたので、メニューに載ってるFischerのボトルを注文してみたら、バーの兄さんに「切らしてる」って言われてしまった。無念…。

 かわりに、なんや知らんペリカンマークのビール。

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 「Pelforth」のBrune。
 ブラウンで、甘み中心という感じ。

 結論:Fischerビール、飲んでみたかった…。(外行く云々はどうでもよくなったらしい)

 というわけで、長かった一日が終わります。
 だいぶ刻みつつも、大胆に移動したな、という感じです。
 明日はちょっと楽しようかな。

posted by egamiday3 at 09:09| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月11日

2019ヨーロッパ鉄道旅行・4日目その2「独と仏とのあいだには 今日泊まりたいストラスブール」(ストラスブール) #2019GWeu


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 4月30日、正午過ぎ。
 5ヶ国目、フランス・ストラスブールに到着しました。

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 ↑ストラスブール中央駅の駅舎です。
 昔ながらの古い石造り駅舎を、近未来的なガラスのドームですっぽり覆うという、なかなか大胆な資料保存策をとったなと。

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 ここで何時間すごすことになるかはわかりませんが、とりあえず旧市街へ向かおうとしています。
 ストラスブールはかねてより一度来てみたかった街でしたが、さて、どういう街なのかしら。


【ははあん、ストラスブールってこういうことかあ。】

 ストラスブールとは。
 フランス北東部のアルザス地方、ほんとに端の端、ドイツとの国境であるライン川そばに位置する街・ストラスブールは、ライン川あり独仏国境ありヨーロッパの真ん中らへんという土地柄ありで、いわゆる交通の要衝・十字路的な立ち位置であったし、ラテンとゲルマンの融合する文化地でもあったし、また、フランスとドイツが互いに国盗り合戦しあってた場所でもあります。そう、アルザス地方といえば、「フランス、アルザス!」、すなわち『最後の授業』だし、そしてあの舞台であるアルザス地方はいやもともとドイツだったんだよとか、その後も取ったり取られたりしてたんだよとかいう経緯を踏まえつつ、ん、でもじゃあいまはフランスの領土なんだね、と。でも文化由来的にはドイツであり、ていうか言語的にもドイツらしい。
 よくよく街の名前を見てみれば、ストラス=シュトラーセ、すなわちドイツ語で街道であり、街道の街、交通の要衝。ドイツからパリへ行く列車の玄関口でもあり、フランスからドイツへ向かう列車もここを通り、あるいはスイスや東欧へも向かったりする、と。そしてその街には、フランスでありながらドイツ文化が根付き、12世紀からの荘厳な大聖堂は世界遺産であり、中世の姿をいまにのこすという謳い文句の町並みもまた世界遺産であるという。

 ていうか要素多いな、いったいどういうキャラの街なのか。
 百聞は一見にしかずで、とりあえず徒歩でやってきました。

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 ははあん、ストラスブールってこういうことかあ。(納得)

 美しい水辺と中州、張りめぐらされた水路。
 紛うことなきドイツ風な木組み民家を、ガチなのか観光向けなのかはわかんないけどこれ見よがしに見せつけてくる、町並み。
 その町並みと風景をとっぷり堪能している、たっぷりの観光客の群れ。

 了解です、そういうキャラの街ね。だったらそういうノリで楽しんじゃえばいいんだ。
 というわけで、ストラスブール・ふれあい街歩きの巻、です。

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 我が輩の極私的法則である、「水のある町は良い町」説が着々と証明されていっております。
 そもそもストラスブールの旧市街(グランド・イル、世界遺産)そのものが、イル川(ライン川の支流)に囲まれた丸くてでっかい中州のようなところにあります。そしてさらにいまあたしがいるこの界隈には水路・水門・橋の類がぐじゃっとたくさんあって、水運に長じた土地柄であったり、「プチ・フランス」などという可愛いらしい名前がついていたり、見た目的に小ヴェネツィアかのようでもあり、それでいてその由来は天然痘の病院があったんだとかいう歴史もあり、なかなか味わい深い。

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 ↑このあたりなんかたぶんあれでしょう、水門で水の高さを操作して船が州を上へ行くというパターンのやつ。

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 ↑この水路に架かる橋は回転式で、船が通るときはぷいって避ける。写真は、橋が元にもどってこれから歩行者が渡ろうとするところ。

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 えー、どうしよう、ここ泊まりに来るべきキャラの街じゃないですか。
 ちょっと本気で日程変更して、泊まったろうかなあ。

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 そして↑これが、ストラスブール名物・「グーテンベルクとメリーゴーラウンドのある広場」らしいです。
 グーテンベルク師匠、あなたこんなところに建ってはったんですね。活版印刷キャラを開花させる前のグーテンベルク師匠はわりと長いことストラスブール(当時ドイツ)で下積みしてはったわけです。
 ていうか、印刷キャラもある町なのか・・・多彩・・・。


【egamidayさん、ラスボス・大聖堂に詣でる】

 そして。
 突如現れる、ストラスブール名物のラスボス、↓大聖堂です。

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 離れたところから全体像をおさめようとすると、どうしても↑こういう「少し開いた障子の向こうから顔を出す巨大物体」風になります。

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 しかし近づくと、残念ながら聖堂前広場がせますぎるのと聖堂自体が高すぎるのとで、↑こんな半端な写真しか撮れない。
 あれですね、大聖堂と呼ばれ類される建物を欧米のあちこちでいくつも拝見しますけど、どういう印象を抱くかは、大聖堂そのものの造りよりも、むしろ周囲の建物・街並みがどういう状態であるかにずいぶんと左右される感じですね。

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 それでもまあ、↑これでもかというくらいのびっしり刻み込んだゴシック系のやつは、そばに立ってぼーっと見てるだけでいくらでも白いご飯食べられるなという気がしますね。

 内部にお邪魔します。

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 やばい、見所が多すぎるのと人が多すぎるのとで、見ててそわそわする。

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 ↑これが名物の「天文時計」だそうで、これそのものは19世紀の作ですが、そもそも大聖堂内には中世からこの手の時計があったんだよ、ということらしい。毎日決まった時間には機械仕掛けの人形たちがなんやかんやと動いて、それを観光客がやんややんやと見物する、というパターンのやつ。

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 ↑これは大聖堂ではないんですが、その周囲にもなんだか大聖堂ボスと張りあってるかのようなびっしり刻み込み系の建物(おそらく宿の類)があったりして、これはストラスブール、要素多いですよ、どこからどう見ていったらいいか迷う。

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 というような、いかにもな観光を短時間なりに楽しんで、しっかりノックアウトされてましたという。
 ほかにも、よさげな博物館があったり、EU系の機関が集まってたりという感じなので、ほんとはもっとちゃんと楽しみたい。

 というようなところで、さすがに14時をまわると昼食もいただきたいというわけで。


【アルザス風ピザは国境を越える】

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 何で見つけたんだかももう忘れましたが、ちょっと路地を入ったあたりにある↑「Binchstub」という店。小洒落たカフェバーっぽい感じで、これもまたのんびり滞在するのに吉そうな内装でした。
 ここでいただこうと目論んできたのが、アルザス地方のローカルフードとして予習してた「タルト・フランベ」なる料理です。
 焼き上がってきたのが、↓こちら。

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 タルト・フランベ。
 超極薄ピザ生地に、クリームチーズ、スライスしたタマネギ、ベーコンといったものをのせて、ピザ焼き釜で焼くというやつ。
 まず、生地がパリッパリの手作りのやつで、極薄だからこんなにでかくてもぺろっと食べてしまえる。ペロリアンです。ベーコンの身がきゅっと引き締まっててまた良い、さすが、いいかげんなベーコン使ってない。焼かれたクリームチーズから出る油脂分の絶対に美味いやつが、タマネギに浸るわけだから絶対に美味い。そう、タマネギか、こうなるとタマネギはもっと厚めのがたっぷりのってても良かったかな、まあそれは好みでしょう。

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 そう、好みでいくらでもアレンジしがいのありそうな構造の料理なわけで、この店のメニューを見るだけでも何種類もリストされてる。今回食べたのはトラディショナルですが、チーズの種類もいろいろ使われているっぽいし、下の方を見るとバナナだのチョコレートだの不穏な単語も見えるので、楽しみがいはあるかなという感じですね。

 ちなみに、フランス語で「Tartes Flambees」というこの料理は、アルザス地元の言葉で「Flammekueche」と呼ばれるらしいです。うん、ドイツ語風ですね。料理に国境はないね。
posted by egamiday3 at 07:05| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月03日

2019年9月のまとめ

■2019年9月まとめ


●総評

疲れがちながら省エネ作戦でなんとか持ちこたえた感。その分10月はもりもりやりましょう。


●まとめ

・伊丹ぶら歩き

・ニットキャップシアター「チェーホフも鳥の名前」@伊丹アイホール。サハリン、大河、民族と家族、辺境。ラストの見立的な三人姉妹と朗読。

・KONISHIビール・幸民麦酒

・「科学技術の現代史-システム、リスク、イノベーション」

・ICOM

・赤おにキャンディとクーリエ、タクシーと腰痛、格差社会と昼食難民。

・バンガロー宴

・三人姉妹

・観劇三昧の大阪店舗、日本橋店

・code4lib Japan

・「ライトニングトーク」とは。

・ガルガンチュワ・メソッド(別名、必殺仕事人メソッド)

・劇団ニガムシ「方舟と葬列」@スタジオヴァリエ

・「セミオトコ」

・突然の緊縮財政発動。

・ホットコーヒーの美味しい季節になりつつある。

・職場にオットマンを導入。

・「国際日本文化研究センターにおける目録・ILLの海外対応 : OCLC WorldCat・WorldShare ILLによる新サービスと課題」. 『大学図書館研究』. 2019, 112.

・CA会議

・「昔録画してた、柴咲コウの人がフィンランドを旅するドキュメンタリーを見てたら、教会の中にカジュアルオシャレな服着た女性がふわっといてそれが牧師さんだったので、大事なことをどう成すかと、そのためにそれ以外のことをどう考え変えていくか、みたいなことを思たです。」

・京都学生演劇祭

・千客万来(京都醸造と伊勢角屋がコラボでつくったNEIPA)

・「あなたの番です」

・「朝顔」第10話の長回し

・「ハゲタカツイート」

・EAJRS留守番

・のどぬーるスプレー

・殺虫剤クライシスが発生。

・「茶筒の開化堂の海外展開を紹介する番組を見て、すごいなあと感銘を受けたのは、あの店と店主がというよりも、われわれが世界とつながるきっかけはその辺に無数に転がってるんじゃないか、という気付きから。」

・「口先だけでも理想は高く持っておけば、現実とのギャップはあとからぼちぼち埋めていけばいいのでは。発揮できる力やリソースに限りがあることにはどっちみち変わらないんだから、無理に理想をちんまくする必要はない、ギャップ上等」

・京都国立近代美術館のドレスコード展

・床屋(2年ぶり)

・嶋原商店街

・図書館総合展フォーラムin大阪

・浪速の司書代表

・OpenGLAMに関するフォーラムの司会をこなす。

・Craft Beer Base Garden(肥後橋)、およびその近所のイタリア料理屋のピザ

・お弁当を作る。

・秋季寄席がスタート。


●9月の月テーマ進捗

・多忙危機のため、努めて安静にすること →なんとか持ちこたえました。

・某司会→無事終了ながら反省点多し。


●10月の月テーマ

今年(2019年)が終わる、その前のアクションに向けて

・執筆: 年内に書くべきものを書き終わらす。

・冬支度@自宅整備

・エクスカーション@関西近郊

・人間ドックへの調整活動


10月は盛りだくさんだなあ。


posted by egamiday3 at 08:18| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする