2020年03月31日

「ご挨拶というか、ご報告」


 4月1日に書くと「どうせまたウソでは」と思われるので、日付変わる前に急いで書きました。

 春は別れや旅立ちの季節ですが、異動のお知らせが飛び交う季節でもあります。かく言う私も、今の職場(日文研)に来て丸12年が経ちました。あたりまえのように自宅と職場の往復を繰り返す毎日が続くと思っていましたが、いまになってこんな異動の挨拶のようなものを書く日が来るというのを、なかなか信じられない思いでいます。もうすっかり自分の家のようになってしまったこの場所を、この春いよいよ離れることになりましたことを、ここにご報告致します。

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 わりと急に決まったことだったので、いまいち現実味がありません。また、もう十数年も移動ということから離れてしまってて、ちょっと勝手を忘れているということもあります。あまりに前のことなので、どんなふうに気持ちに整理をつけたり、どんなふうにタスクを片付けたり、どんなふうにあとから来る人のために諸々を整理したり、どんなふうにまわりに挨拶をしたりしてたか、あまり思い出せません。

 さすがに10年以上同じところにいると、想い出の量も半端ないです。いろいろなことがありました。もともと蔵書は多かったと思うのですが、私がここに来てからもさらに毎年増え続けてましたから、とうとうリアルに置き場所がなくなってきてました。通常の図書館だとこういうときは除籍するなりせめて購入を減らすなりするのでしょうけど。うちでは、結果どうしたかというと、さらに建物を増やしてそこに図書を置く、っていう。移動させるだけでも大仕事で、ダンボールを乗せた台車が何往復したかわかりません。もちろん、たくさんの人にお世話いただいたからこそ実現したことですが。
 また、出張やプライベートで海外に何度も行き、そのため留守にすることもたびたびでした。安心して旅行していられたのも、周りの人々のご理解とご協力があったからこそだと思います。もちろんそれなりにお土産は配ってまわりましたが。

 もちろん、本当はこのままここを離れたくない気持ちで未練たらたらではあります。仕事についてはすでに他のところでいろいろ報告してきましたから、あえてここに書くようなことでもないでしょう。人はいろいろ言うかもしれませんが、個人的にいまのこの場所は居心地が良くてやりがいも生まれるし、長く同じところにとどまっていたからこそやりたいことがいろいろできたな、と思います。あと、これも人により好みが分かれるかもですが、私は結局ここの建物が好きでしたから。趣のある屋根といい、窓、しかも天窓から差し込む晴れた日の光といい、エントランスからのアプローチといい。駅からバスで数十分かかる立地はあまりいいとは言えないかもしれない、自宅ー職場間の通勤に1時間半かかると言うと皆一様に顔をしかめますけど、慣れると特にどうということはなかったです。静寂な中にたたずんでいるという環境も悪くなくて、何か視線を感じるなとふと窓の外に目をやると、おもいっきり見慣れぬ小動物と目が合う、なんてこともちょくちょくありました。
 といっても、あちこちにガタが来てることも事実です。雨漏りや水濡れも少なくなかったし、そうでなくても湿気には常に悩まされる環境でした。紙だけじゃなく、意外と視聴覚資料も多いので、保存にはピリピリしがちでした。まあこの悩みは行く先でもそう変わらないんでしょうけど。もちろん電子化もがんばってやってはいますけど、量的にいってなかなか険しい道のりでしょう。

 そうは言っても、いざここを離れることが決まると、それなりに新天地への期待も湧いてきます。自分なりのやり方で、徐々に慣れていけるんじゃないかなと思います。落ち着いた頃に、よろしければお立ち寄りください。

 環境が変わっても、一司書として、世界人類のために働く。その気持ちには変わりありません。
 今後ともどうぞよろしくお願い致します。






 なお転居先は4軒隣で、平屋の借家です。間取りは2DKといまの自宅と変わりませんが、押入が2つあって収納が多いので、押入を書架にしたろうかと思ってます。瓦屋根や天窓は今の家と変わらず、かつ、リフォームのおかげで今の家のように雨漏りや水濡れに悩むことはなさそうです。こっちにも猫は出没しそうですが。実際の引越しは5月頭にしたいのですが、今の場所に2006年から14年住んでたので、本だけでなくいろんなものの整理に苦戦してます。もちろん、今のこの自宅にあるたくさんの想い出を整理するのも難しいものです。
 まあ家は変わっても職場は変わりませんから、生活が大きく変わることもないでしょう。というわけで4月から13年目に入りますが、これからも同じ職場(日文研)でがんばります。まだまだやるぜい。


 3月31日なので、嘘は書いてません。
 言いたいことはそれくらいです。
posted by egamiday3 at 23:17| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月29日

非対面授業のための動画作成の経緯・メモ (2020/3/29現在)

●成果物
https://www.youtube.com/watch?v=nCpfjqI0qAQ

●前提
・科目は「図書館情報資源概論」
・受講者はおそらく20-30名程度、2回生が多い。
・通常時の授業はパワポ投影+書画カメラ投影+ホワイトボードを併用。
・通常時の授業形式は、講師が口頭でしゃべる講義、学生の提出物を書画カメラで投影しながらの応答、等。
・なお、前期は上記1科目しかないので、これだけの手間をかける余地があった、ということはメモしておくべき。

●課題
・15回のうちの”少なくとも”2回を非対面でおこなう。

●全体構成の変更の方針
・通常時は2-3回休講・非対面だったため、致命的な影響があるとは思えないものの、構成の組み直しに工夫は必要と思われる。
・通常時の1回目は、「パワポしゃべり」+「ホワイトボードしゃべり多め」+「宿題」で、短時間。これを非対面第1回目として、「パワポしゃべり・さらに短時間」+「宿題」に変更する。補足は対面授業再開時に回す。
・対面授業再開時は、巻きで進行する。(そんな日が来るだろうか…)
・とはいえ、変更するのは構成にとどめ、できれば内容やパワポは変更・再作成したくない。(そこまでの余裕はないよ…

●講義動画にまつわる要件
・講義動画の視聴はスマホがメインと思われるので、そのサイズで表示するのに耐えうるパワポ・資料投影でなければならない。
・講義動画の視聴は長いと飽きるし見てもらえない。(対面講義時に時折実行する”注意向け”の小ネタが効かない)
・オンライン動画視聴に使えるギガが限られている。
・おおかたの受講者向けには短時間で要点をさくっと伝える。
・とはいえ、毎年わりとがっつり聞いてくれる受講者(ガチ勢)もいるので、そういう人たち向けにもある程度応えたい。

●ここまでの感想
・対面式の授業ってなんとリーズナブルで効果的なフォーマットだったのか。

●作成すべきコンテンツの在り方
・動画コンテンツは、しゃべり音声と、パワポ投影がシンクロして、しかもパワポ以外の資料投影や文字書き(ホワイトボード的な)も随時おこないたい。
・動画を見ない/見られない受講者のための、テキスト資料も用意したい。
・非対面である以上、能動的学習に誘導できるように、宿題・課題などのコンテンツが必要。

●動画作成のためのテクニカルな確認
・某京都衣笠大学の、かゆいところに手が届く丁寧でわかりやすい、非対面授業のための支援マニュアルを参考にして、全体の感覚をつかむ。
・以下のようなネットの先人たちの教えや経験を、ひととおり閲読して、取り得る方策の候補をピックアップする。
 参照:https://b.hatena.ne.jp/egamiday2009/LectureRecording/
・候補をそれぞれ試しにちょこっとやってみる。
・候補1:パワポファイルに音声を吹き込む、を試す。→パワポしかダメなので自由度が低い。一時停止が効かない? あと仕上がりの容量が意外と大きい。
・候補2:Zoomのひとり録画。→しゃべり録音+画面共有機能で、パワポ+資料・文字書きがすべて可能。一時停止も可能。スマホ表示に耐える。当面はこれでOKと判断。
・ちなみにリアルタイム&双方向は候補外。(少なくとも本科目のあり方上は)リスクが大きすぎる、構成の工夫でフォローする方が現実的。

●実際の録画手順
・パワポほか投影資料を準備。
・印刷したスライドに、簡単な進行メモを赤ペン書き。(通常の対面時授業だと、すべて頭に入ってるので手ぶらでできるけど、録画は短時間のうえに、取り返しやり直しがきかない、かつリテイクすることも予想されるので、あらかじめ用意しておく)
・録画中は、一時停止と画面共有の切替を多用。パワポ→word、など。
・録画中のパワポは、プレゼンモードではなく編集モードで表示。これにより、ハイライトが簡単にできる、スライド内に随時書き込める、新規スライドをホワイトボードがわりに使う、などの多くの利点があることがわかった。
・しゃべり方はやや巻き気味ではあるものの、しゃべってる内容は通常時の講義とほぼ同じ(短尺用に大幅にカットはしてある)。
・ただし、画面共有の切替に失敗(自分では切り替えたつもりが、zoom外で切り替えただけで、zoom上は切り替えられてなかった、というトラブル)して、2度ほど撮り直しが発生した。さすがにしゃべり疲れる。
・zoomでmp4形式に保存。
・学生がスマホで再生するのになじみがあるように、Youtubeにアップロードする。

●字幕機能について
・Youtubeに字幕編集機能があるのに気づく。
・ていうか、しゃべってる内容が文字起こしされてるじゃないか!と一瞬喜んだが、すぐに、自分の滑舌の悪さからぜんぜん起こされてない現実に打ちひしがれる。
・しゃべりの補足や、いま何をしゃべってるところなのかの”柱題”的なものを、テレビのテロップ的に入力してみる。
・たまにテロップを挿入することで、画面上で動きがないのにずっとしゃべってるという時間帯でも、テロップを出し入れすることでメリハリがつけられる。
・ただし、パワポ本体が画面の下のほうまで使ってあるので、しょっちゅう出すわけにもいかない。このへんは課題。
・なお、スマホで再生すると字幕が白文字であることが判明。パワポも地が白なので、これは、使えないか…。

●Thanks to
・永崎さん
・大阪大学 岩居弘樹さん(https://zoom.les.cmc.osaka-u.ac.jp/
・立命館大学 教育・学修支援センター

posted by egamiday3 at 16:45| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月05日

2020年2月のまとめ

■2020年2月のまとめ

●総評
 遊び歩いているように見えて、デスクワークもまあまあがっつりやってた月。

●まとめ
・ヨーロッパ企画イエティ「スーパードンキーヤングDX」@AI・HALL(伊丹)。大歳先生の最高傑作だと思った。文化大戦争、というか、ライフスタイル大戦争現代史、的な。
・『注釈・考証・読解の方法: 国語国文学的思考』「シーラカンスの年齢」
・BungakuReportENの進撃
・節分祭@吉田神社
・『スカーレット』穴窯編。こういう暴れ馬的な展開をこそ、このスカーレットでは見たかったのだった。
・ゴジゲン「ポポリンピック」@E9
・#デジホン2020
・シベリア少女鉄道「ビギンズリターンズアンドライジングフォーエバー」@シアターグリーン BIG TREE THEATER
・後藤醸造。いわしのホットサンド、経堂エール。
・ICOM京都大会2019記念シンポジウム「日本のミュージアムの未来」@京都国立博物館
https://togetter.com/li/1467238
・バンガロー宴。造作する手に迷いがないアーティスト、他。
・第2回肖像権ガイドライン円卓会議in関西@同志社新町。「今日の某円卓会議での、極私的一番の収穫」
https://twitter.com/egamiday/status/1228562381631938560
・ナゴミヤのスープカレー(という名のこってりカレー)@伊丹。優勝。
・MONO「その鉄塔に男たちはいるという+」@AI・HALL(伊丹)。自分と価値観が少しでも違う者を蔑んでやまない感情と、それを増幅させる徒党組みについて。
・春の気まぐれ(ペールエール)@京都醸造
・ヨーロッパ企画の暗い旅の「“ろ”の旅」を見ていたく感銘受けた。最後全員がやすやすと正解する様子なんか、よく出来たクイズドキュメンタリーだった。正解や誤答だけがクイズじゃないんだと思う。
・近頃じゃ昼食の話題でさえコロナに汚染されていて
・ウイルス理由でイベントを中止にしたりしなかったりという様子を見てると、イベントをオンラインで発信することに日頃から当たり前のものとして取り組めているかどうかが差として出てるな、って思いました。メディアは大事。
・「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点」・研究拠点形成支援プログラム研究プロジェクト/2019年度成果発表会@立命館ARC
・'Developing Online Education and Research Using the Holdings of the C.V. Starr East Asian Library and the Berkeley Art Museum and Pacific Film Archive at the University of California, Berkeley'
・松竹大谷図書館「演劇上演記録データベースを活用した、演劇資料画像検索閲覧システムの構築に関る研究」。勇気をもらえた発表。
・「君に届け 〜 OCLCと日文研をつないだ目録・ILLの物語」(egamiday3)http://egamiday3.seesaa.net/article/473695387.html
・メキシコの知られざる大衆漫画「イストリエタ」展@京都国際マンガミュージアム
・嵐山、天龍寺、嵯峨野。特に人は減ってなかった。
・Move!宣言編。新邸プロジェクトが発動。
・ジュンク堂書店四条店、最終日。

●2月テーマの進捗
  ・AAS神戸対応 →無事採択、よかったね。
  ・OCLC執筆 →無事終了、よかったね。
  ・寄席枠組みの再構成 →×
  ・ボストン準備対応 →ほぼ順調。

●3月の月テーマは
  ・ボストン
  ・新邸に着手
  ・某執筆に着手
  ・年度末を乗りきろう
  の、4本です。
posted by egamiday3 at 21:07| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする