2020年06月25日

今日の「CA読み」メモ: 早慶システム共同運用 他


●CA1963 - ヘルシンキ中央図書館“Oodi”の機能・理念とその成果 / 久野和子
 https://current.ndl.go.jp/ca1963

 実際訪問して感じた物足りなさは、的外れでもなかったっぽい。
 理念はわかる。


●CA1964 - SDGsと図書館 ―国内の取組から― / 中村穂佳
 https://current.ndl.go.jp/ca1964

 「SDGsとの関わりが明示されていないと実態としてなされている貢献が見えにくい」
→「韓国図書館協会では、韓国国内の図書館におけるSDGsに関する取組を国内外で共有するため、事例収集を行っている」
 ↑
 こういう作業にコストをかけられる余裕があるかどうかが”分かれ目”なんだな、と思った。


●CA1966 - 動向レビュー:フェイクニュースと図書館の関わり:米国における動向 / 鎌田 均
 https://current.ndl.go.jp/ca1966

「現在の「ポスト真実」の世界では、この、情報の信頼性の根拠とされてきたオーソリティそのものが大きく揺らいでいる。これまでの情報リテラシー教育では自明としてきたような、学術研究コミュニティー、政府、伝統的メディアというオーソリティを人々は必ずしも信頼しなくなっている」
「図書館がフェイクニュースという事象に積極的に関わろうとするならば、それについての深い理解が必要となる。図書館員も現在の情報を取り巻く環境において、図書館資料だけではなく、様々な情報がどのように生み出され、流通しているかをよりよく理解する必要がある」


●CA1969 - 早稲田大学・慶應義塾大学コンソーシアムによる図書館システム共同運用に向けた取り組みについて / 本間知佐子, 入江 伸
 https://current.ndl.go.jp/ca1969

「資料の識別には、国際的にOCLC番号か米国議会図書館管理番号(LCCN)がURIの基礎となることを思い知らされ、メタデータの相互運用性を確保するために、OCLC番号の必要性を強く感じていた」
「システム共同運用の開始後は、早慶資料をWorldCatへ登録していくが、その登録コストを個別大学が長期に負担していくことは難しい。今後、日本語の資料を国際的に流通させ、データ相互運用を実現していくため、国立国会図書館(NDL)と国内の他の図書館が連携し、登録のための仕組みを作っていくことが重要だろう」


●CA1970 - 日本の図書館と先住民族:IFLA2019年アテネ大会先住民分科会でアイヌ民族を取り上げるセッションを組織して / 兎内勇津流, 石原真衣, 亀丸由紀子
 https://current.ndl.go.jp/ca1970

「図書館とアイヌ民族の関係について図書館員が実践を語り、認識や課題を共有する場をつくること」
「アイヌ民族関係の資料にはどういうものがあり、それぞれの図書館でアイヌ民族についての資料を収集するとしたら何がいいのか、書誌もしくはツールの整備に取り組むこと」


●CA1972 - EU新著作権指令にみるデジタル時代の「図書館」像 ―デジタルコンテンツの供給源としての図書館 / 松澤邦典
 https://current.ndl.go.jp/ca1972

 日本もEUさんに指令してもらってはどうか。

「新著作権指令は、絶版等の理由で一般に入手できなくなったアウト・オブ・コマースの所蔵資料については、文化遺産機関が非営利目的でオンライン公開を可能とする制度の導入を求めている」
「パブリックドメインとなった美術作品の複製」新著作権指令は、文化遺産機関による所蔵資料の保存目的でのデジタル複製については、著作権を制限する規定を導入するよう求めている」
「新著作権指令では、研究組織および文化遺産機関が学術研究目的でテキスト・データ・マイニングを行うことができるよう、著作権を制限する規定を導入することが求められている」


●CA1973 - 動向レビュー:Rights Statementsと日本における権利表記の動向 / 数藤雅彦
 https://current.ndl.go.jp/ca1973

 「4. デジタルアーカイブにおける権利表記の現在」が、よくわかる解説のまとめ、になってる。

「CCライセンスは…権利者が作品の利用条件を示してライセンスする」
「RSは、主に権利の状態を表示するためのもの」
「図書館等は資料にも写真にも著作権を有しないため、CCライセンスを使うことは論理的には適切でない」

posted by egamiday3 at 21:52| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今日の「CA読み」メモ: Publons、調べ方案内 他


●E2175 - 全国の図書館で太宰治資料展:五所川原市立図書館による企画
 https://current.ndl.go.jp/e2175
「全国の図書館に展示をお願いできれば太宰治作品に触れてもらえるチャンスが格段に広がる,展示写真を共有すれば次の展示の参考になる(展示の仕方の研修にもなる)」


●CA1958 - 脚本アーカイブズ活動の成果と今後の展望 / 石橋 映里
 https://current.ndl.go.jp/ca1958
 NDLさんが脚本を受け入れた本当の理由ってなんだったんだろう。


●CA1959 - CHORUSダッシュボード・サービスと千葉大学附属図書館での取り組み / 高橋 菜奈子, 千葉 明子
 https://current.ndl.go.jp/ca1959

「出版社ウェブサイトでの無料での論文ファイルの公開というOAの手法」
「CHORUS(Clearinghouse for the Open Research of the United States)は、研究資金を得てなされた研究の成果を、容易かつ永続的に、発見可能、アクセス可能、検証可能とすることを目指して、資金助成機関、出版社、研究者、及び研究機関が研究論文のパブリックアクセスを実現することを支援するイニシアティブ」
「著者によるセルフアーカイビングの拡大にも限界が見える中、今回の実験を通じて、少なくとも短期的にはOA推進の手法として意義がある」


●CA1960 - ハゲタカジャーナル問題 : 大学図書館員の視点から / 千葉 浩之

 https://current.ndl.go.jp/ca1960
「こうした出版社がOAを維持するコストを担うとは考えにくく、いつのまにか論文が消える恐れがある。一度論文が消えると、冊子版がないため、消えた論文業績を証明する術がない」
「掲載後にハゲタカジャーナルと公になった場合、OAなのでウェブ検索によって掲載論文や著者の特定は容易であり、査読の不備による研究成果への信用低下は避けられない」
「査読によるチェックが不十分な論文をもとに別の研究が展開される事態は、学術研究全体に悪影響を及ぼす」
「ジェフリー・ビール(Jefrey Beall)によるリスト(いわゆるBeall's List)が公開されており
Directory of Open Access Journals(DOAJ:OA学術誌要覧)(17)には厳しい審査基準を通ったOA学術誌が収録されている」
「高次元の情報リテラシー教育として大学図書館から研究者へ働きかける必要がある」


●CA1961 - 動向レビュー:岐路に立つ査読と、その変化に踏み込むPublons / 松野 渉
 https://current.ndl.go.jp/ca1961

「査読者の匿名性が、学術コミュニケーションの世界での近年の特に大きな問題の一つである「ハゲタカジャーナル」をはじめとした詐称査読の問題につながっている」「適切な査読者を確保しにくい」「研究者にとっての査読に対するインセンティブの不足」
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「Publonsは2012年にニュージーランドでスタートした「査読登録サービス」」
「研究者はPublonsを利用して、自身のこれまでの査読歴を管理・可視化することが可能」
「編集者は、研究者が登録した査読歴やコメントを基に、自誌の査読者探しを効率的に実施することが可能」
「Publonsはパートナーである学術出版社から発行された論文誌に関して、論文査読歴と編集委員歴を自動で取得する」
「Publonsは、ScholarOneやEditorial Manager、eJournalPressなどの主要な査読投稿プラットフォームとも連携」
 ↓
「佐藤はハゲタカオープンアクセス(OA)対策の文脈から査読登録サービスへのJ-STAGEの対応について言及している。仮にJ-STAGEがPublonsに対応することになれば、国内の研究者コミュニティにおける査読の透明化やその貢献の可視化などについて大きな進展の契機となることは間違いない」



●CA1962 - 動向レビュー:ウェブ上で提供される調べ方案内の展開 ―米国での実践を中心に― / 藤田 千紘

 なぜ「パスファインダー」ではなく「調べ方案内」という語を採用したのだろう??

・「ウェブ上の調べ方案内を「自館の資源やコレクションを売り込み、大学内の他機関や地域コミュニティとの結びつきを強めるアウトリーチのツール」として利用する」「学外の人々には存在が知られにくく「隠れた」状態に陥りがちな特別コレクションを見つけやすくする」
・「調べ方案内がウェブ上にあることで、過去とは比較にならないほど広い範囲での協働が可能になったことは言うまでもない」
・「ウェブ上の調べ方案内がそこにかかる費用・労力・時間に見合うほど利用されているか」

 パスファインダーや調べ方案内は、”質より量”とまでは言わないにしろ、”こだわり”よりも”可視化”じゃないかな、と思った、アンチ・フェイク、アンチ・ハゲタカ(?)的に。

posted by egamiday3 at 07:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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