2021年02月28日

今日の「CA読み」メモ: 日本古典籍研究国際コンソーシアム、マイクロ・ライブラリーサミット 他

●CA1986 - 著作権リテラシーを育成する大学図書館 / 渡邊由紀子
 https://current.ndl.go.jp/ca1986
「2010年代後半から、図書館と著作権教育に関するオープンアクセス査読誌の創刊、図書館による著作権教育に関する単行本の相次ぐ刊行など、北米の図書館界では著作権サービスへの関心が高まっている。」「国際図書館連盟(IFLA)は、…2018年に「著作権教育及び著作権リテラシーに関する声明」を発表した。」「米国の研究大学図書館において、著作権に関する情報サービスが図書館の標準的な活動の一部となっている。」

●CA1987 - 協学を支援するための新たな学習ハブとしての大学図書館の実現に向けた九州大学の取り組み / 内山英昭
 https://current.ndl.go.jp/ca1987
「九州大学附属図書館におけるラーニングアナリティクスの取組」
「今日までの教育改善は、授業後のアンケート等が主であった。それに対し、本プロジェクトでは、教員が学生の学びの過程を把握することによって、教育改善の中に学生の視点を取り入れる」
「学習者の作成するコンテンツを「Learner-Generated Contents(LGC)…LGCに対するLAを行うにあたり、LGCの収集、整理、発信は、大学図書館が担うべき機能であると着想した。これは、教育過程において学生によって作成された学びに関するコンテンツのインデックス化、すなわち、「ラーニングリポジトリ」を構築することに相当するためである。学生の学びに関する情報を整備することは、まさに、資料の整備という図書館の果たすべき重要な役割の一つである」

●CA1988 - 島根大学附属図書館デジタルアーカイブのIIIF Authentication API導入 / 青柳和仁
 https://current.ndl.go.jp/ca1988
「IIIF Authentication APIは認証コンテンツにのみ導入している」
「認証コンテンツの搭載が必要となった背景には、以下の2つがある」「1つ目は学外の機関や個人が所有している資料について、所有者の知らないところで資料を複写され、無断で商用その他の二次利用をされることを良しとしない意向」「2つ目は、まだ資料の調査が不十分であったり、研究途中である資料についても、早い段階でデジタルアーカイブに搭載したいという図書館としての思惑」
「アクセス制限をしないと公開できない場合は、その資料の存在を示しながら、将来的に利活用される可能性が開かれるため、全く公開しないよりはアクセス制限がある状態でも公開することに意義がある
 →デジタルアーカイブが多様化し、インフラとして幅広く使われるようになろうとすると、こういうことを上手に受け入れる仕組みも、現実問題として必要になってくるのだなあ。

●CA1989 - 動向レビュー:IIIFの概要と主要APIバージョン3.0の公開 / 永崎研宣
 https://current.ndl.go.jp/ca1989
「IIIFのAPIは、この種のサービスを構築するのに必要な機能を効率的に提供すべく、役割に応じた複数のAPIに分割され提供されている。
特に、画像の操作に関するルールを定めるImage APIと、画像をはじめとするウェブコンテンツ同士の関係や注釈などを記述するルールを定めるPresentation APIという二つのAPIが広く利用されている」
「IIIF Presentation APIは、たとえば、1冊の写本に含まれるページ画像がどういう順番でならべられるべきか、そこにどういう文字・テキスト・画像が記載されているか、といったことを記述することを定めたものであり、「どういうメタデータ項目を記述するか」というような、内容に関わることには基本的に踏み込まず、自由に記述できるようになっている。それゆえに、固有のメタデータを有する様々な種類の文化機関が採用しやすく、また、メタデータをきちんと作成できない場合でもとりあえずデジタル画像として公開できる」

●CA1990 - 動向レビュー:プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響 / 船守美穂
 https://current.ndl.go.jp/ca1990
 ビジネスモデルをめぐってビジネス界隈とやりあっても結局いつのまにかいろんな物を吸い抜かれてしまっている、というような感じのお話であり、結果としてもっともうなづけたのが下記の一文ではあった。
「日本はこれまでグリーンOAの推進を標榜し、全国の大学図書館に機関リポジトリを整備し、またAPC不要の学術情報流通基盤としてJ-STAGEも運営しているのであるから、これらを前面に押し出した、独自の学術情報流通政策を打ち出すと良いのでは」

●E2326 - 福島における震災アーカイブズの構築と資料収集の方針
 https://current.ndl.go.jp/e2326
「2つの視点から資料を選択した。第一は災害そのものを伝える資料で,今後の防災(教育)や減災に資すると判断できるものである。例えば地震や津波の威力を伝えるような資料(破損した道路標識等)が挙げられる。第二には原子力災害で顕著な問題となった長期避難によって失われつつある「地域」「ふるさと」を象徴するもの(例えば取り壊される学校の中に残されていたもの等)」

●E2327 - カナダの冊子体資料共同管理に関するプロジェクト最終報告書
 https://current.ndl.go.jp/e2327
 これは記事全体がまるごと参考になる。

●E2329 - 研究支援における社会的相互運用性に関するOCLCの報告書
 https://current.ndl.go.jp/e2329
 それは仰るとおりなんだけど具体的にどうしよう。
「学内の関係を構築し維持することは,多くのエネルギーと時間の投資が必要である。しかし,インタビューで情報提供者が明らかにしたように,通常,得られる成果は非常に大きくなる。」

●E2330 - 第8回 マイクロ・ライブラリーサミット<報告>
 https://current.ndl.go.jp/e2330
 百人百色。
「まちライブラリーのスタートから10年の間に各地の小さな私設図書館,公共図書館,商業施設,行政とのコラボレーションなど様々なバリエーションが各地で生まれ,2020年11月現在,累計約800か所になった。「共感」「我が事」「結果としての利他性」に支えられ広がってきたと考えられる。個人的な活動が緩やかにつながることで,公の活動に発展しているケースもある。詳しくはRefに挙げた筆者の論文を参照されたい」

●E2331 - 日本古典籍研究国際コンソーシアムの設立について
 https://current.ndl.go.jp/e2331
「今後,さらに連携の輪を広げ,持続的なものにしていくためには,機関の連携という形を取ることで,個人の人脈だけに依存しない,開かれた研究者・専門職員・学生のネットワークを築いていくことが必要」
「参加費はなく,ノルマのようなものもない。将来,特定のプロジェクトについて,参画を希望する機関のみが資金を出し合う場面も想定されるが,それは強制されるべきものではない。どこまでも「ゆるやかな連携」を目指す」

●E2332 - 消滅するOAジャーナルと長期保存のための取り組み
 https://current.ndl.go.jp/e2332
「収入を得ている購読型雑誌と異なり,出版者にとってOAジャーナルの保存に取り組むインセンティブは小さい。よって,OAジャーナルはその他の電子ジャーナルと比較するとウェブから消滅するリスクが高い」
→「2020年11月5日には,プレプリントの調査結果を受けて,DOAJがCLOCKSS,IA,Keepers Registry(電子ジャーナルを含む逐次刊行物のアーカイブの実施状況を監視するISSN国際センターの組織),PKPと共に小規模のダイヤモンドOAジャーナルの長期保存に向けて協働することが発表された」

●E2334 - 米国議会図書館の検索ツールNewspaper Navigatorについて
 https://current.ndl.go.jp/e2334
「米国の歴史的な新聞に掲載された写真等を探すための検索ツール」「LCのInnovator-in-Residenceプログラム(以下「IIR」)の一環として,米国のワシントン大学博士課程のリー(Benjamin Charles Germain Lee)氏が作成したものである。IIRは,専門的な知見を持った個人を短期的に招き,LCが保有する資源の革新的かつ創造的な活用を支援するプログラム」
「キーワード検索と,画像の類似度による検索の2つが可能である。前者は,写真等のキャプションからOCR処理で読み取ったテキストを対象とした検索であり,後者は,Newspaper Navigator内から選択した特定の画像に対し,それに類似する画像を検索できる」

●E2336 - 図書館情報学文献目録BIBLIS PLUSについて
 https://current.ndl.go.jp/e2336
 継続することの難しさ、日本図書館情報学会においてさえ。
「2015年半ばから公開停止になっていたため,何とかできないか,と筆者自身は常々思っていた。そしてこの度,日本図書館情報学会からデータ・名称・キャラクター等の使用許諾が得られたため,筆者が勤務する実践女子大学・実践女子大学短期大学部図書館において,2020年9月30日に,当館図書館システムを利用して,データベース『図書館情報学文献目録』(以下「BIBLIS PLUS」)として再公開を行った。「BIBLIS PLUS」の検索システム(器)の構築については,私立大学図書館協会の2019/2020年度研究助成金を利用した」

●E2339 - 韓国図書館界,ポストコロナの図書館を考えるフォーラム開催
 https://current.ndl.go.jp/e2339
「「ニューノーマル」な図書館像として,「オンライン・非対面技術を活用し,豊富なデジタルコンテンツを自由に共有する安全な図書館」」
「今後取り組むべき課題として,1. デジタルコンテンツの確保(NLKにおけるオンライン資料の納本率の向上(E1836参照)や所蔵資料のデジタル化の推進等),2. 著作権法の改正(非常時に調査研究・教育目的の自由な利用を可能とする),3. 最新技術の採用による司書業務の革新とオンライン・非対面サービスの強化,4. 予算削減への対応」
「特に司書に関しては,既存の貸出中心のサービスから脱却し,独創的なサービスを生み出せる存在となるよう自己改革することの重要性」

●E2340 - 感情労働者たる図書館職員を保護するための指針(韓国)
 https://current.ndl.go.jp/e2340

posted by egamiday3 at 17:56| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月03日

「海外の日本研究と日本図書館」に関する2020年の動向レビュー【コロナ禍編】( #本棚の中のニッポン ) -- 電子資料の問題、ステートメント、記録・報告他


●電子資料の確保をめぐって
 2020年3月半ば頃から、学生・研究者への資料提供のために必要な日本の電子資料について、その確保・アクセスをめぐるさまざまな情報交換や試行錯誤がおこなわれました。日本でも同様の議論や動向はありましたが、コロナ被害がより強く、かつ、電子資料へのアクセス環境がより日常化していた海外では、これらの情報交換や議論はさらに”シリアス”だった印象があります。
 ・オープンアクセス資料について
 ・電子書籍プラットフォーム(丸善、紀伊國屋、EBSCO等)について
 ・電子書籍やデータベースのアクセス無償化やトライアルについて
 ・個人向けの電子書籍プラットフォームについて
 ・システムの妥当性や問題点について
 ・多読のためのリソースについて
 ・学生・研究者へのアウトリーチについて
 ・NDL図書館送信サービスの対応について

 参考:Information on Japanese e-resources https://lists.unc.edu/read/messages?id=9413938

 また参考までに、中止になったAAS2020ボストン大会で発表される予定だった電子書籍関連のプレゼンが、下記で公開されています。
・Japanese E-book Collection Development Resources - Librarian Professional Development Working Group (LPDWG) - LibGuides at North American Coordinating Council on Japanese Library Resources
 https://guides.nccjapan.org/lpdwg/ebookresources
 −Commercial E-Books of Japanese Language: an Approach to E-Book Collection Development | Keiko Yokota-Carter
−Demand-driven Acquisitions: An Approach for Japanese E-book Collection Development | Toshie Marra


●2020 NCC Virtual Open Meeting Presentations(2020/3-)
 https://guides.nccjapan.org/2020openmeeting
・NCC Updates and Initiatives
・Report of NCC Outreach Working Group Survey
・Report of NCC Comprehensive Digitization and Discoverability Program (CDDP) Survey
・Opening the Black Box: A behind the scenes look at the digitization of the University of Illinois' Hōrai no makimono
Steve W. Witt (Director of Global Studies, Head of the International and Area Studies Library, University of Illinois at Urbana-Champaign)
・Making a Resource More Usable after Digitization: The case of Kadenshū Manuscripts Held by the C. V. Starr East Asian Library, University of California, Berkeley
Toshie Marra (Librarian for Japanese Collection, University of California, Berkeley)

●ライブラリアンの情報提供活動(例)
・Home - Resources for Japan Studies While You Are Teaching and Learning from Home - Library Guides at University of Washington Libraries
 https://guides.lib.uw.edu/japanstudiesfromhome

●横田カーター啓子. 「米国ミシガン大学のITシフト : 遅れる日本の学術基盤強化」(2020/7)
 アメリカの大学と図書館が急速にリモートにシフトしていく様子と、電子資料の確保について、時系列で報告。
・横田カーター啓子. 「米国ミシガン大学のITシフト : 遅れる日本の学術基盤強化」. 『Journalism』. 2020.7, p.72-77.
 Beikoku Michigan Daigaku no IT shifuto - Okureru Nihon no gakujutsu kiban kyoka 米国ミシガン大学のITシフト遅れる日本の学術基盤強化
 https://deepblue.lib.umich.edu/handle/2027.42/156101
「図書館でも、遠隔利用が可能な図書館サービスと研究資料リストを準備…日本語オープンアクセス資料についてはすでにガイドがあり、主要な商業日本語データベースは遠隔利用が可能である」
「日本研究の学生は、博士課程院生を除いてほとんど英語資料を用いる。英語資料はフルテキストデータベースが各種契約されており、学生は遠隔利用にも慣れている。図書館に来ることなく課題をこなし卒業する学生も少なくない。後日図書館が行った調査では、人文系書籍は紙版しかないこともあり、図書館閉館で不都合を感じた利用者はいたものの、資料利用についてあまり不満はなかった」
「電子書籍は、海外の日本語学習者に役立つのでリストを作成し、北米の日本研究司書で共有した。日本の電子書籍はライセンスが厳しく、日本国内で利用できても海外アクセスは不可能なことが多い。幸運にもこれらの児童向け電子書籍は海外からもアクセス可能で、日本語学習の学生に喜ばれた」「日本の主要新聞社データベース、辞書データベース、二社の電子書籍とさらに他社のデータベースの無料試用が北米と欧州で、期限付きで利用できるようになった」
「日本の国立国会図書館と大学図書館からは、図書館間貸借で資料取り寄せは可能であるが不便だ。書籍の貸借は難しく、論文は複写を航空便で郵送。その航空便は現在停止中で、海外の図書館も閉館。日本の学術資料は電子資料が極めて少ないことは海外の日本研究に大打撃を与えている」

●「Equity and Access in Higher Education and Academic Libraries amid the COVID-19 Pandemic」が発表される。(2020/8)
 学術・高等教育に寄与する図書館が、コロナ禍下において、アクセスの保証と公平性に問題を抱えるようになった。その厳しい環境と条件の中で、どのような姿勢・対策をとっていくべきか、ということを述べたステートメント。多数のプロフェッショナル団体(CEALを含む)の合同タスクフォースによって作成されたもので、コロナ禍云々に限らず、そもそもの図書館・情報専門職/機関のあり方を再認識させるものになっています。
・Equity and Access in Higher Education and Academic Libraries amid the COVID-19 Pandemic – CEAL: Council on East Asian Libraries
 https://www.eastasianlib.org/newsite/equity-and-access-in-higher-education-and-academic-libraries-amid-the-covid-19-pandemic/

●「CEAL Statement on Collection Development and Acquisition Amid the COVID-19 Pandemic」が発表される。(2020/8)
 コロナ禍下における東アジア地域研究のための学術資源の確保・収集・提供について、電子資料・印刷資料ともにさまざまな課題があることをふまえ、どのような姿勢・対策をとっていくべきか、ということを述べたステートメント。「Equity and Access...」同様、図書館・情報専門職/機関のあり方を再認識させる重要なものです。
・CEAL Statement on Collection Development and Acquisition Amid the COVID-19 Pandemic (in collaboration with the NCC and the SCSL) – CEAL: Council on East Asian Libraries
 https://www.eastasianlib.org/newsite/ceal-covid19-statement/
・"A Report on Preparing the CEAL Statement" by Fabiano Takashi Rocha
 このステートメントがどのような背景・経緯で作成されたかのレポート。
 https://scholarsarchive.byu.edu/jeal/vol2020/iss171/5/

●『専門図書館』301-302合併号(2020.10) 特集「新型コロナウイルス感染症対策:図書館の記録」
 ドイツ、オーストラリア、フランスの日本図書館からそれぞれ報告。(抄録公開あり)
 オーストラリアの例では、ウェビナー開催によって従来の利用者とは異なる人々にリーチできたことが報告されています。
 https://jsla.or.jp/publication/bulletin/no301-302/
・蓮沼龍子. 「COVID-19禍による閉鎖から再開、そしてその後 ドイツの日本専門図書館の記録」. p.56-59.
・矢田浩文. 「ロックダウンを経験したオーストラリア日系図書館の記録 情報発信例を中心に」. p.60-63.
・杉田千里. 「パリ日本文化会館図書館 confinement からdéconfinementまで: 4 か月間の記録」. p.64-67.

●私立大学図書館協会主催オンラインセミナー 「ウィズ・コロナ時代の大学図書館サービス〜北米の現場から〜」(2020/12/10)
 北米の日本研究司書による、北米における大学図書館サービスの現状についての講演。
 イベントおよび動画は非公開ですが、パワーポイントが公開されています。いかに”デジタル化”できるかがネックだということがよくわかりました。
・【イベント】私立大学図書館協会主催オンラインセミナー 「ウィズ・コロナ時代の大学図書館サービス〜北米の現場から〜」(12/10・オンライン) | カレントアウェアネス・ポータル
 https://current.ndl.go.jp/node/42421
 − 事例報告@「コロナ禍における図書館とそのサービス プリンストン大学図書館の事例」野口契子氏(プリンストン大学東アジア図書館日本研究司書)
 https://www.jaspul.org/ind/asset/docs/noguchi_Jaspul%20Presentationdraft.pdf
 −事例報告A「コロナ禍のハワイ大学マノア校図書館」バゼル山本登紀子氏(ハワイ大学マノア校図書館アジアコレクション部日本研究専門司書)
 https://www.jaspul.org/ind/asset/docs/yamamoto_12102020.pdf
 −事例報告B「ウイズ・コロナ時代のトロント大学図書館」Fabiano ROCHA (ファビアノ・ロシャ)氏(トロント大学図書館日本研究司書)
 https://www.jaspul.org/ind/asset/docs/Rocha_ShidaiTokyoOnlineSeminar_2020.11.30_DRAFT.pdf
posted by egamiday3 at 05:39| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月01日

「海外の日本研究と日本図書館」に関する2020年の動向レビュー【デジタルアーカイブ編】 ( #本棚の中のニッポン ) -- Cultural Japan、East Asia Digital Library、NDL送信サービス 他


●Cultural Japan カルチュラルジャパン 公開(2020/8/1)
 国内だけでなく海外の日本関連デジタルアーカイブを統合検索できる、ポータルサイト。
・Cultural Japan (カルチュラル・ジャパン)
 https://cultural.jp/
「このサイトは、世界中の美術館、博物館、図書館などで公開されている日本文化に関連する情報を集約して共通のフォーマットに変換し、利用しやすい形で提供することを目的としています。電子的に利用可能な素材の発見と活用を支援します。 」
・世界の美術館・博物館・図書館等が公開する日本文化に関連する情報を集約し提供するウェブサイト、Cultural Japanが公開 | カレントアウェアネス・ポータル
 https://current.ndl.go.jp/node/41656
・約100万点の日本文化関連資料がオンラインで公開。自分だけのバーチャル・ミュージアムもつくれる|美術手帖
 https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/22458

●ジャパンサーチ、正式版公開(2020/8/25)
・ジャパンサーチ
 https://jpsearch.go.jp/
・ジャパンサーチ正式版が公開される | カレントアウェアネス・ポータル
 https://current.ndl.go.jp/node/41825

●East Asia Digital Library、公開。(2020/12/17)
 国立国会図書館と韓国国立中央図書館による、東アジアの文化・学術資源を対象としたポータルサイト。両図書館が所蔵する古典籍資料をまとめて検索、閲覧可能。
・East Asia Digital Library
 https://eadl.asia/home/
・東アジアの文化・学術資源を対象としたポータルサイトEAST ASIA DIGITAL LIBRARY(EADL)が公開:国立国会図書館(NDL)と韓国国立中央図書館(NLK)が協力して構築・運用 | カレントアウェアネス・ポータル
 https://current.ndl.go.jp/node/42800
「今後、日・韓両国に加え、中国やモンゴル等の東北アジア関連の資料を統合し、欧米等の東アジア関連資料を所蔵している機関へと参加機関を拡大させていく計画」
・福林 靖博, 奥田 倫子, 中川 紗央里. EAST ASIA DIGITAL LIBRARY:東アジアにおける国際共同プロジェクトの一事例. デジタルアーカイブ学会誌, 2020, 4(s1), p. s80-s83.
 https://doi.org/10.24506/jsda.4.s1_s80

●文化庁、「図書館関係の権利制限規定の見直し(デジタル・ネットワーク対応)に関する中間まとめ」へのパブリックコメントを実施。(2020/12/7)
 「入手困難資料へのアクセスの容易化(著作権法第31条第3項関係)」と「図書館資料の送信サービスの実施(著作権法第31条第1項第1号関係)」が論点となり、NDL送信サービスの海外対応が改善されるのか(あるいはされないのか)が再度注目されることに。
・文化庁、「図書館関係の権利制限規定の見直し(デジタル・ネットワーク対応)に関する中間まとめ」へのパブリックコメントを実施中 | カレントアウェアネス・ポータル
 https://current.ndl.go.jp/node/42708
・図書館のデジタル・ネットワーク対応のための著作権法改正案について(海外日本研究者向け) | YamadaShoji.net
 http://yamadashoji.net/?p=931
・Survey on Regulations on Library Rights Restrictions (Deadline 12/21 JST) | H-Japan | H-Net
 https://networks.h-net.org/node/20904/discussions/6957621/survey-regulations-library-rights-restrictions-deadline-1221-jst

posted by egamiday3 at 20:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「海外の日本研究と日本図書館」に関する2020年の動向レビュー【index】 ( #本棚の中のニッポン )


 極私的に追っている「海外の日本研究」「海外の日本図書館」に関連する(すなわち”本棚のニッポン”的な)、種々雑多な情報や動向の中から、2020年中におこったもの、さらに言えば、短期的単発的なニュースというよりは、これまでの流れや今後の見通しに何かしらかかわってくるような、長期的文脈的、ゆくゆくなんか意味を帯びてきそうなものを匂わせる、気になるものを拾い集めて備忘録がわりにまとめたものです。


 ・コロナ禍編
 ・文献・レファレンス編
 ・日本研究編
 ・日本資料編
 ・デジタルアーカイブ編
 ・ライブラリアン編
 ・日本文化編

posted by egamiday3 at 19:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「海外の日本研究と日本図書館」に関する2020年の動向レビュー【文献・レファレンス編】 ( #本棚の中のニッポン ) -- 文学通信、ポーランド、OCLC WorldCat 他


●文学通信のTwitterアカウント「BungakuReportEN(文学通信 海外版)」@BungakuReportEN、開始。(2020/1-)
 「国内外の日本研究・文化関連の情報を日本語⇔英語で発信」。出版情報だけでなく、学会、イベント、その他海外の日本研究やデジタルヒューマニティーズ、学術全般などの動向が分かる、マストでフォローすべきアカウントです。
・BungakuReportEN(文学通信 海外版)さん (@BungakuReportEN) / Twitter
 https://twitter.com/bungakureporten

●文学通信のブログで「新入社員週報」として、海外日本研究関連の記事が連載される。(2020/1-3)
・新入社員週報第1回「中途半端なエクソフォニー」(渡辺哲史) - 文学通信|多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社
 https://bungaku-report.com/blog/2020/01/post-665.html
・新入社員週報第2回「書名翻訳のストラテジー」(渡辺哲史) - 文学通信|多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社
 https://bungaku-report.com/blog/2020/01/post-670.html
・新入社員週報第3回「海外日本研究通信(仮)」(渡辺哲史)
 https://bungaku-report.com/blog/2020/01/post-675.html
・新入社員週報第4回「海外日本研究通信(仮)その2(East) Asian Studiesの歴史を追ってみた」(渡辺哲史)
 https://bungaku-report.com/blog/2020/01/post-679.html
・新入社員週報第5回「海外日本研究通信(仮)その3 ロナルド・ドーアとダルウィッチ・ボーイズ」(渡辺哲史)
 https://bungaku-report.com/blog/2020/02/post-684.html
・新入社員週報第6回「海外の独立/在野研究者が直面する二重の疎外」(渡辺哲史) - 文学通信|多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社
 https://bungaku-report.com/blog/2020/02/post-688.html
・新入社員週報第8回「日本の大学は海外の研究者にとって魅力的な職場なのだろうか」(渡辺哲史) - 文学通信|多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社
 https://bungaku-report.com/blog/2020/02/post-699.html

●P川結美. 「ポーランドにおける日本研究を通じた日本のデジタルアーカイブに関する調査報告」
 P川結美氏(東京学芸大学附属図書館)による、ポーランド訪問の報告。現地調査にとどまらず、国際学会への参加や発表、オンラインアンケートをおこない、それらが日本のデジタルアーカイブが抱える問題点への指摘につながっています。
・P川結美. 「ポーランドにおける日本研究を通じた日本のデジタルアーカイブに関する調査報告」. 大学図書館研究. 114, 2020.
 https://doi.org/10.20722/jcul.2059
「日本のデジタルアーカイブは多様な観点から有効な資料と成り得る一方で,ユーザーからはポータルの整備や英語対応が求められていることがわかった。これらに対応しながら,日本のデジタルアーカイブを国際的な交流や研究協力の橋渡しとなる存在に育てていければと考える」

●勉誠出版『書物学』第18巻 特集「蔵書はめぐる : 海外図書館の日本古典籍コレクション」(2020/7)
・書物学 第18巻 蔵書はめぐる [978-4-585-20718-4] - 1,980円 : Zen Cart [日本語版] : The Art of E-commerce
 https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=18_55&products_id=101144
個人蔵書のゆくえ 横山學 (※ハワイ大学宝玲文庫の紹介)
「東西の十字路」楽園ハワイの中の古典籍とその来歴―ハワイ大学マノア校図書館アジアコレクション部日本文庫から バゼル山本登紀子
古典籍もART―ホノルル美術館収蔵和古書と作品整理について カワイアエア幸代
米国議会図書館日本古典籍コレクションの来歴と「北方資料」 伊東英一/キャメロン・ペンウェル
太平洋を渡った日本古典籍―カリフォルニア大学バークレー校C. V.スター東アジア図書館コレクション マルラ俊江
蔵書を通して見る日本との出会い―オックスフォード大学ボドリアン図書館の和古書コレクション イズミ・タイトラー
アーネスト・サトウと武家故実資料―ケンブリッジ大図書館古典籍コレクションの来歴の一端をさぐる 小山騰

●飛明奈. 「日本の図書館におけるOCLC WorldCatへの目録データ登録・利用の現状と課題」
 飛明奈氏(慶應義塾大学メディアセンター)による、2020年度三田図書館・情報学会研究大会での発表。OCLC目録参加館として日文研も聞き取り調査の対象となっていますが、他館の事例・実情を知り、あらためて日本におけるOCLC参加の難しさ(というより、難しく”なってしまっている”こと)を痛感しました。今後のこの件での議論では必ず参照されるべき研究と思います。
「日本の図書館によるWorldCatへの目録データの登録及びその利用の現状を明らかにするため,WorldCatに目録データを登録している図書館を中心に,10機関に対し聞き取り調査を行った」
「WorldCatは,目録業務の効率化のみならず多様な目的において利用されるようになっていること,WorldCatへの目録データ登録方法は複数存在し,図書館は自らの目的に合った方法を選択し得ること,WorldCatへの目録データ登録にはデータ変換が必須であり,容易とはいえないこと,複数の図書館で行われている目録データの一括変換や一括登録により,誤ったデータ登録がなされてしまっており,登録機関でさえそのすべてを把握できていないこと」
・2020年度三田図書館・情報学会研究大会発表要旨
 http://www.mslis.jp/abst_2020.html
・日本の図書館におけるOCLC WorldCatへの目録データ登録・利用の現状と課題(スライド)
 https://figshare.com/articles/presentation/____OCLC_WorldCat_______/13302386?backTo=/collections/2020______/5208476

●国際交流基金編. 『国際文化交流を実践する』(2020/11)
 https://www.hakusuisha.co.jp/book/b548873.html
「コロナ禍や一国主義の台頭で揺らぐ国際協調をいかに守るか? 心と心の触れ合いに懸けたJF職員たちの渾身のルポルタージュ!」
「本書は、心と心の交流に懸けた国際交流基金職員たちのルポルタージュである。国際文化交流とは何か、世界各地で文化と交流がいかに結び付けられているか、といった大きな問題を、本書では一人ひとりの等身大の視点から描く。」
posted by egamiday3 at 19:39| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする