小出いずみ. 『日米交流史の中の福田なをみ : 「外国研究」とライブラリアン』. 勉誠出版, 2022.2.
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■第2章 日米親善から敵国情報へ
・戦時中の日本におけるアメリカに関する知識情報源について[99]
・1940年代前半の福田の履歴を縦糸に[99]
・戦前には、…「外国研究」は、相手国との親善が大義に掲げられていたが、次第にそれが敵国情報を収集する目的へと映って行った。[100]
・敵国「情報」収集といっても特段の機密情報ではなく、出版物や講演等が情報資源[100]
・1940年10月、東京帝国大学附属図書館でパートタイム勤務を開始。和書目録。
・1943年10月から外務省勤務
・福田によると、職場で女性は一人だった。[47]
・1940年当時の東京帝国大学附属図書館の様子を統計資料から。(48-)
・「帝大の図書館では働く人と働かない人とゴッチャです。私は女一人の事で少々バツが悪いです。」「図書館での仕事は実につまらなくまるで私一人で働いてゐるみ度いです。」「何しろ私が米国帰へりだと云ふのが気に入らないらしく」「こちらは相変わらずで、をの子共にいぢめられて居ます」[50]
・アメリカと異なり日本の図書館界はほとんどが男性によって占められていた時代だった。[56]
・LC東洋部長のハモルが来日したら、LCのための書物購入ならびに日本語資料の目録をとる人材探しなどが円滑に進むと考えられていた。しかし来日が危険とみられるような情勢になっていたようだ。それでも、来日する研究者はあった。[51]
・LCでの採用候補者に福田の名前があがっていた。帝大図書館にはLC行き希望者が多く、やっかみを買わないように用心していた。結局それは実現しなかった。「時勢が時勢ですから到底駄目でせう」(54-55)
・福田は、東京帝国大学図書館にいた1941年に、日本図書館協会の月刊誌『図書館雑誌』に合計四本の記事を書いている。…日本図書館協会から翻訳依頼があった…福田の留学経験と語学力が活かされ…福田の存在は日本の図書館界に広く知られるようになった。[59-60]
・LC資料収集(60-)
・横山重は坂西の依頼により日本で図書収集にあたっていた。[60]
・LCの日本語文献は1937〜1939の間に横山の収集によって大きく増加している。(60)
・1940年10月頃から、横山と触れ、手伝いをしている。(63-)
・LCでは日本語で日本文化を著す書物が重点的に収集されたものの、資料群を利用するための目録の整備は進んでおらず[100]
・書物の高騰や発売禁止、貿易制限など、LCのための収集を行う横山の仕事に困難が次々と押し寄せる[62]
・LCに向けて輸出するための事務手続きには、福田の協力が必要だった。…LCの坂西志保のもとで働き、日本から送られてくる書物をLC内での処理プロセスを経て受け取る場にいた福田の知見 [63]
・日米間の貿易は、日米の開戦前ではあっても当時次第に難しくなっていった。[64]
・福田、LCに送ったはずの日本資料が戻ってくるなどして、発送に苦慮している。(64)
・1941年、LC坂西拘束、1942年帰国。
・開戦後のLCの年報では、1941年10月以降、日本から資料は来ていない、と報告されている。[65]
・一方で、戦争遂行に有効な資料収集に力を入れるようになったLCでは、他国の社会の記録や知識に関する需要が非常に高くなった。[65]
・坂西志保が着任した1930年時点では、国際的な相互理解を深めるという目的で日本語文献が収集されていたが、戦争によってLCの日本語資料の活用目的は変化し、したがって収集されるべき資料の優先順位も変化した。日本に関する知識の涵養から、日本に関する情報が求められるようになった、といえる。[66]
・1942年、立教大学図書館で洋書目録を担当。(66)
・立教大学における当時のアメリカ研究事情(当時の日本においてアメリカに関する知識や情報資源がどのように構築されていったかを探る[66])
・立教大学アメリカ研究所:1939年アメリカ支援により創設→1942「参謀本部から…助力せよとの下命」→1943「研究所の目的は、「アメリカ合衆国及之を中心とする米州諸国の国情を研究し我が国策に寄与すること」[69]→「両国間の新の理解と親善の増進」から、次第に敵国情報を探り国策に寄与する役割を担っていった(71)
・知識・情報の多義性、つまり、知識・情報は使い方次第で裏にも表にもなる>[73]
・NDLでは1940年頃に洋書・技術書の輸入が急増した(78)
・(開戦直前の文藝春秋)「今や我々にとって、アメリカを研究することは、戦争する国家が軍需品を急速度で作らねばならないのと同じ」[81]
・太平洋協会。1938発足の民間の調査研究機関。「政治、経済、文化、国防、外交一切の観点よりこの問題を科学的に検討」→「敵国の国民性や戦争を導く理念を解明しようとする」→終戦後、ノーマンGHQ将校が戦争犯罪や政治犯釈放の調査で活用。(82-86)
・1943.10-福田、外務省嘱託、調査局第4課で勤務。アメリカの一般雑誌からの情報収集。(87-88)
・外務省ではどのような資料を収集していたのか[88]
・外務省情報部(1920-)の情報施策について。1930年代以降の情報収集と文化宣伝。→1940年以降、内閣情報局に吸収。国内の出版言論統制機関としての機能へ。(89-)
・国内的にも「啓発」という言葉で種々の出版物や講演などで世論を指導しようとしていた[101]
・外務省調査部。公知の把握。公開情報から情報の断片を集め、それらを熟練の情報分析者が組み立てていくと、有効なインテリジェンスとなる(99)
2022年07月18日
本読みメモ『日米交流史の中の福田なをみ』:第1章 日本の中のアメリカ、アメリカの中の日本
小出いずみ. 『日米交流史の中の福田なをみ : 「外国研究」とライブラリアン』. 勉誠出版, 2022.2.
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日米交流史の中の福田なをみ: 「外国研究」とライブラリアン - 小出いずみ
■第1章 日本の中のアメリカ、アメリカの中の日本
・1907年12月生まれる。レバノン教会の牧師を父にもつ。(15)
・東洋英和女学院卒業。院長はA.K.ライシャワー(19)
・東京女子大学英語専攻部卒業。A.K.ライシャワーが常務理事。(19)
・1930年頃、西洋人の日本語教師および助手。(20)
・1932年ロバート・ライシャワー(A.K.ライシャワーの長男、エドウィン・ライシャワーの兄)の日本史研究の助手を務める。(21)
・R・ライシャワーは後にEarly Japanese History(c.40 B.C.-A.D. 1167)として出版される書物を編纂していた。日本語を読めないが日本歴史に興味を持つ人のための情報源として編纂。2冊組みの参考図書で、詳細な年表や文献目録等からなる。読史備要など当時の日本史の基本的な書物に依拠している。姉崎正治や坂西志保とのやりとりもあった。福田は年表英訳などの助手をつとめる。(23-24)
・1934年、ライシャワーの日本歴史研究の助手のために渡米。(24)
・1934-35、ライシャワー、LCにフェローシップで滞在。
・福田の将来の仕事に「外国人による日本研究」という方向性を与えたのは、このときの経験だったのではないか。[26]
・英語で日本史年表を作成する作業は外国研究の基礎資料作り[41]
・1935年、ミシガン大学で勉学を始める。(26)
・1937年、図書館学履修を希望(26)
・1937年夏、ミシガン大学の極東研究講座(夏季講座)で、日本語クラスを担当したジョセフ・ヤマギワ(日米開戦時にミシガン大学に創設された陸軍日本語学校の教師となった人)の助手として日本語を教える。坂西志保(LC)も特別講師として参加。(26)
・坂西志保は1930年からLCでライブラリアン(27)
・ライシャワーからは、日本語教育とライブラリーの仕事をすすめられていた。(28)
・1937年夏、ライシャワー死去。
・(福田)「ライブラリアンになったのは坂西さんの所為」[28]
・1939年、図書館学学士を取得(28)
・「系統立てて大局から図書館界及び一図書館、或は其の中の一部門の動向を見る上には視野が広く理解が早く出来る」(『図書館雑誌』)[29]
・「図書館員は実に人間の持つ最も貴い物即ち思想の保護者である」「書物を十分に役立たせる為には、其を取扱ふ図書館員に教養があり、学術的研究に対して理解を持ち、人を指導する人格と事務的技術を兼ね備へて始めて(役目が果たせるということ)」[30]
・日本語蔵書を持つ図書館で仕事の需要はある…移民法では東洋人の雇用が難しい…(1939)図書館での実習の名目で…坂西のいるLCで働くことになった。[31]
・「5 議会図書館(LC)での実習」のうちp.31〜36がLCの日本語蔵書史(1906朝河貫一〜1940年頃)(31-36)
・朝河貫一、1906-1907。9000冊の日本語蔵書を収集。
・1928年、中国語文剣舞を設置。
・1930年、坂西志保着任、「中国語並びに日本語文献部」(のちに東洋部)
・日本語文献を積極的に収集。1930年12000冊→1940年33000冊
・1938年、明治大学の百瀬弘が中国人名辞典プロジェクトのかたわら日本語図書の目録化を開始、これがLCの日本語資料に目録用員が付いた最初。(36)
・1939年9月からLCで働き始め、主に目録業務。(36-38)
・「多くの時間を日本語書物の目録作成に費やした」[38]
・1940、ミシガン大学に修士論文を提出。「Some problems in cataloging Jsapanese books for American libraries」(36)
・「図書館の組織上の問題や日本語書物の目録の問題を理解できるようになり、大変貴重な一年だった」「もっと大勢の日本の図書館員がアメリカに来てアメリカの図書館学の基礎を学び、効率よく組織された典型的な図書館をいくつか観察できれば、日本の図書館学に多大な貢献となるだろう」(福田のレポート@ロックフェラーアーカイブセンター)
・1940年9月、帰国。(39)
・1930年代半ばのアメリカにおける学術研究の一分野としての日本研究は、ACLS(American Council of Learned Societiesアメリカ人文学協会)やLCなどが協力して研究体制を整えようとしていた揺籃期だった。[42]
・LCで日本語図書を扱う部門にいる時は、アメリカの中で日本がどう扱われているかを意識せざるを得なかった。日本語図書は日本語という手段を介さなければ使いこなせない…目録化されなければ貴重な資料もただの紙の山であることを、LCに蓄積された目録が未作成の資料群は示していた。[42]
2022年07月15日
2022年5月・6月のまとめ
■2022年5月・6月のまとめ
●総評
改心して、本気出すようにしました。
●まとめ
・防災計画がスタート。
・大阪も高槻がせいいっぱい、北海道なんてまだまだ感。
・にわかにシェアサイクルがマイブームになり、月パスが半年パスになり、じきに日常になる。
・資源の枯渇により、浄福寺が室町になる。
・「史実があって、わかってないこともあって、当時の思想風習もあって、その中で現代人に届く人間心理と、悲も喜もある展開を、既出のキャラの人物像を壊さないように組み立て上げて、45分におさめるって、どんだけ難解なパズルの中で創作やってるんだろうって感動するな(謎感動」「そうだ、今後の展開への伏線も張っとかないかんではないか。無理ゲーすぎる」
・「成就しなくても、かたちが整わなくても、数字が出たり可視化したりしなくても、途中で飽きたり別のことに手を出しても、人と違っても、天国じゃなくても、楽園じゃなくても、空は青いしビールは美味い。」
・きぬかけの道−嵐山ルート。徒歩では気付かなかった高低差の遍在とエグさを思い知る。
・サーターアンダギーと、降り注ぐ巡航船。
・「司書資格の有無、所属の有無(図書館員)どころか、専門性を云々する必要もなく、ライブラリアンやジャーナリストは“社会とどう向き合う“人か、を示す、ということになるんじゃないか。」
・古川日出男訳『平家物語』。この訳は良い。良いですよ、これは。
・「縮小社会のエビデンスとメッセージ」@京都国際マンガミュージアム
・「縮小社会は"縮小社会"なのか : シンポジウム「縮小社会、文化はどうなる!?」のメモ」(egamiday 3) http://egamiday3.seesaa.net/article/488058640.html
・撮影に次ぐ撮影
・清掃ローテーション
・「教えを説くことこそ、真の成功の黄金律なのだ。現代は「教え」が求められている。」https://htn.to/4uiY9cjHP7
・「数年前に人前でしゃべったことが、数年経って別の場所で別の人から語られ伝えられたらしい。うん、良い。そのために数年前しゃべったのだ。そして今日もそれをしゃべる。」
・ゆるぶるウィート
・無我霧中
・仁和寺−双ヶ丘−太秦ルート
・椿と紫陽花の心配をもっぱらしている。
・好きな美味い蕎麦屋を見つける。
・関西文脈の会、読書会。『夢見る帝国図書館』「「夢見る帝国図書館」の極私的解釈と鑑賞。図書館小説以上に上野小説。喜和子さん言動見た目と裏腹の線の細さ薄さ。喜和子さん本好き読書好きというより、上野図書館自体がアイデンティティな人で他に自分が無く、満たされなさを懸命に埋めてるような。キャスト:原田美枝子・常盤貴子 #関西文脈37」
・「お店を始めて、わかりました。無駄にお酒を飲んでいたわけじゃないんだなって」
・「パン屋をやらない人生は後悔する」
・「後進への視線」(デジタルアーカイブ学会誌・2022年第s1号・長尾真先生追悼特集)
https://doi.org/10.24506/jsda.6.s1_s45
「書く時は自分から見た先生像にただ徹して書きました。それが他のピースと組み合わさって、その全体像も長尾先生、個々のピースもまた長尾先生。」「そしてこれから、長尾先生を知らない世代の人たちともまじわりつつ、ともにエコシステムを構築していく。」
・「私は世界人類に文献を提供してやるんだああああああああ」
・江上ポエム
・ハインツのモルトビネガー
・ニトリのぶんぶんチョッパー
・小出いずみ『日米交流史の中の福田なをみ: 「外国研究」とライブラリアン』 勉誠出版。さながら図書館版カムカムエブリバディ。
・紙媒体
・「改心します」←改心したらしい。
・近世文学会、JADS、DAフォーラム等
・山本幸司『頼朝の天下草創』講談社
・お勉強属性
・連日の朝一シェアサイクル。松原・岡崎など。
・2年半ぶりの再会。生理食塩水みたいにすっとなる。
・記録、その制度と感情
・インゲンとバーベキュー
・つばめと醤油とソフトクリーム
・インゲン尽くしの昼弁当
・メール狂想曲
・バス待ちにすら命の危険を感じる唐突な酷暑。
・「できることは、やったこと」、マジでこれ、教わった。
・夏越の祓、来半年も良い年を。
●今後の目標
「できることは、やったこと。」
7・8・9月を暑さのせいにせずちゃんとしゃぶり尽くしましょう。
●総評
改心して、本気出すようにしました。
●まとめ
・防災計画がスタート。
・大阪も高槻がせいいっぱい、北海道なんてまだまだ感。
・にわかにシェアサイクルがマイブームになり、月パスが半年パスになり、じきに日常になる。
・資源の枯渇により、浄福寺が室町になる。
・「史実があって、わかってないこともあって、当時の思想風習もあって、その中で現代人に届く人間心理と、悲も喜もある展開を、既出のキャラの人物像を壊さないように組み立て上げて、45分におさめるって、どんだけ難解なパズルの中で創作やってるんだろうって感動するな(謎感動」「そうだ、今後の展開への伏線も張っとかないかんではないか。無理ゲーすぎる」
・「成就しなくても、かたちが整わなくても、数字が出たり可視化したりしなくても、途中で飽きたり別のことに手を出しても、人と違っても、天国じゃなくても、楽園じゃなくても、空は青いしビールは美味い。」
・きぬかけの道−嵐山ルート。徒歩では気付かなかった高低差の遍在とエグさを思い知る。
・サーターアンダギーと、降り注ぐ巡航船。
・「司書資格の有無、所属の有無(図書館員)どころか、専門性を云々する必要もなく、ライブラリアンやジャーナリストは“社会とどう向き合う“人か、を示す、ということになるんじゃないか。」
・古川日出男訳『平家物語』。この訳は良い。良いですよ、これは。
・「縮小社会のエビデンスとメッセージ」@京都国際マンガミュージアム
・「縮小社会は"縮小社会"なのか : シンポジウム「縮小社会、文化はどうなる!?」のメモ」(egamiday 3) http://egamiday3.seesaa.net/article/488058640.html
・撮影に次ぐ撮影
・清掃ローテーション
・「教えを説くことこそ、真の成功の黄金律なのだ。現代は「教え」が求められている。」https://htn.to/4uiY9cjHP7
・「数年前に人前でしゃべったことが、数年経って別の場所で別の人から語られ伝えられたらしい。うん、良い。そのために数年前しゃべったのだ。そして今日もそれをしゃべる。」
・ゆるぶるウィート
・無我霧中
・仁和寺−双ヶ丘−太秦ルート
・椿と紫陽花の心配をもっぱらしている。
・好きな美味い蕎麦屋を見つける。
・関西文脈の会、読書会。『夢見る帝国図書館』「「夢見る帝国図書館」の極私的解釈と鑑賞。図書館小説以上に上野小説。喜和子さん言動見た目と裏腹の線の細さ薄さ。喜和子さん本好き読書好きというより、上野図書館自体がアイデンティティな人で他に自分が無く、満たされなさを懸命に埋めてるような。キャスト:原田美枝子・常盤貴子 #関西文脈37」
・「お店を始めて、わかりました。無駄にお酒を飲んでいたわけじゃないんだなって」
・「パン屋をやらない人生は後悔する」
・「後進への視線」(デジタルアーカイブ学会誌・2022年第s1号・長尾真先生追悼特集)
https://doi.org/10.24506/jsda.6.s1_s45
「書く時は自分から見た先生像にただ徹して書きました。それが他のピースと組み合わさって、その全体像も長尾先生、個々のピースもまた長尾先生。」「そしてこれから、長尾先生を知らない世代の人たちともまじわりつつ、ともにエコシステムを構築していく。」
・「私は世界人類に文献を提供してやるんだああああああああ」
・江上ポエム
・ハインツのモルトビネガー
・ニトリのぶんぶんチョッパー
・小出いずみ『日米交流史の中の福田なをみ: 「外国研究」とライブラリアン』 勉誠出版。さながら図書館版カムカムエブリバディ。
・紙媒体
・「改心します」←改心したらしい。
・近世文学会、JADS、DAフォーラム等
・山本幸司『頼朝の天下草創』講談社
・お勉強属性
・連日の朝一シェアサイクル。松原・岡崎など。
・2年半ぶりの再会。生理食塩水みたいにすっとなる。
・記録、その制度と感情
・インゲンとバーベキュー
・つばめと醤油とソフトクリーム
・インゲン尽くしの昼弁当
・メール狂想曲
・バス待ちにすら命の危険を感じる唐突な酷暑。
・「できることは、やったこと」、マジでこれ、教わった。
・夏越の祓、来半年も良い年を。
●今後の目標
「できることは、やったこと。」
7・8・9月を暑さのせいにせずちゃんとしゃぶり尽くしましょう。
2022年07月11日
「海外の日本研究と日本図書館」に関する2022年5月・6月の動向レビュー -- Behind the Camera、Notable Japanese Collections、海外機関における図書館送信サービス 他 ( #本棚の中のニッポン )
■デジタルアーカイブ/デジタルヒューマニティーズ
●Behind the Camera
・Introduction 紹介/ホームページ | Behind the Camera
https://behindthecamerajapan.arts.ubc.ca/
写真分野における日本人女性の歴史について、記述や一次資料が不足しているというジェンダーギャップを解決する、国際的・学際的な試みのwebサイト。各分野の専門家による講義動画、一次資料、参考文献、画像等が、多様な視点によるトピックごとの「教材(モジュール)」として公開されている。研究者・学生のほか、写真家、ライター、webデザイナー等が共同で活動する。
●「Visualizing an Online Database for Notable Japanese Collections in North America」
・Visualizing an Online Database for Notable Japanese Collections in North America – The Digital Orientalist
https://digitalorientalist.com/2022/06/17/visualizing-an-online-database-for-notable-japanese-collections-in-north-america/
「Notable Japanese Collections in North America (NJC)」(https://datastudio.google.com/u/0/reporting/dfb70b3e-865d-4ca9-b2fa-75db65ab43e8/page/rGNTC?utm_source=DO&utm_medium=article)について中の人が解説した、The Digital Orientalistの投稿記事。
北米の日本資料を包括する目的であること、「Digital Collections for Chinese Studies」や「Jewish Collection Directory」などの先例からインスピレーションを得たこと。希少なアーカイブや特別コレクションなどの"notable collection"の情報に価値を見出したこと。Google Data Studioについて、等。
●日中韓でデータ共有
・「日中韓の科学情報研究機関がデータ共有協力=韓国報道」│wowKorea(ワウコリア)
https://s.wowkorea.jp/news/read/352601/
「オープンサイエンスと科学技術情報革新」というテーマで6月に開催された「第9回 日中韓科学技術情報共同セミナー」。韓国科学技術情報研究院(KISTI)、中国科学技術信息研究所(ISTIC)、日本の科学技術振興機構(JST)の共同開催による。
●NDLデジタルコレクション送信サービスの海外対応の問題
NDLデジタルコレクションの個人送信サービスが5月に開始されましたが、海外在住者へのサービス対応については見送り・検討中。
・岡田一祐「国立国会図書館デジタルコレクションが個人送信サービスを開始」(《連載》「Digital Japanese Studies 寸見」第86回, 人文情報学月報第130号)
https://w.bme.jp/bm/p/bn/htmlpreview.php?i=dhm&no=all&m=54&h=true
「外国での利用は、法律上不可能ではないが、国会図書館と権利者団体と折り合いがまだついていないようである。…図書館送信サービスもそもそも制約が多いなかで、海外図書館が利用を始めるにはさらに条件が追加されているという指摘がある。図書館送信でこれでは、個人送信など目処が立ちようもない。国内並の条件でどういう不足があるのかなど、関係各所の納得を得られるコミュニケーションを取ってほしいと思う。」
↑この指摘にある、図書館送信の海外図書館におけるハードルについては、下記の文献(2022年3月)が詳しい。
・マルラ俊江. 「海外機関における図書館送信サービスの利用とControlled Digital Lending : カリフォルニア大学バークレー校の事例」. 『専門図書館』. 2022.3, 308, p.29-35. https://cir.nii.ac.jp/crid/1521699231208065408
4機関しかない海外参加機関のうちの1館において、それでもなかなかの困難であった様子がよくわかる。
●HathiTrustに慶應義塾大学が加盟
・慶應義塾大学、HathiTrustに加盟 | カレントアウェアネス・ポータル
https://current.ndl.go.jp/node/46294
・アジアから唯一 慶應義塾大学が米国大学図書館によるデジタルライブラリーHathiTrust へ加盟:[慶應義塾]
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2022/6/9/28-124630/
Googleブックス参加は2007年、HathiTrustへのデータ搭載は2014年なので、もう随分長いこと貢献しておられる。
■日本資料
●デューク大学すごろくコレクション
・Japanese Studies Spotlight: Playing History with Duke University's Sugoroku Collection
News - NCC News - LibGuides at North American Coordinating Council on Japanese Library Resources
https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Japanese-Studies-Spotlight-Playing-History
デューク大学が所蔵する明治期から戦後までのすごろくコレクションの紹介記事。すごろくの歴史、個々の解題などのほか、双方向メディアとしての機能や歴史史料としての意義などを解説する。学生の反応などもあって興味深い。
目録・ガイド等はこちら。https://archives.lib.duke.edu/catalog/sugoroku
●JF USA Digital Library
・JF USA Digital Library (Japan Foundation Los Angeles)
https://www.jflalc.org/libby
・Join JF Digital Library for Free!(JFNY NEWSLETTER | June 16, 2022)
https://conta.cc/3b18Z2a
Overdriveで1800冊の日本の電子書籍を提供する。
●慶應義塾大学MOOCS「Travel Books' History in Europe and Japan」
・Travel Books' History in Europe and Japan - Online Course - FutureLearn
https://www.futurelearn.com/courses/travel-books-history-in-europe-and-japan
・旅する書物:日本とヨーロッパの歴史のなかで /Travel Books: History in Europe and Japan - 慶應義塾大学 無料オンライン講座 FutureLearn
https://www.fl-keio.info/intro/?p=378
近世以降の日欧間の書物の往来について、慶應義塾大学、大英図書館、オックスフォード大学ボドリアン図書館などの豪華メンバーによるコラボでおこなわれる。
■日本研究
・日米の研究・調査拡充に向けた100万ドルの「フルブライト―グレン・S・フクシマ基金」の新設について
https://jp.usembassy.gov/ja/new-fulbright-fukushima-fund-to-expand-study-research-ja/
「今年で70周年を迎えた日本のフルブライト・プログラムは、これまでに6名のノーベル賞受賞者を輩出し、各分野で重要かつ永続的な貢献を行う1万人近い卒業生を擁しています。フルブライトは、奨学生の学術研究活動を可能にするだけでなく、日米の相互理解促進に貢献するリーダーの育成も目的としています。
・Specialist Spotlight: Yao Chen
News - NCC News - LibGuides at North American Coordinating Council on Japanese Library Resources
https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Specialist-Spotlight-Yao-Chen
UCサンタバーバラの東アジア司書、Yao Chenさん。
「東アジア情報リテラシー・チュートリアル」シリーズは、東アジア研究の文脈で情報リテラシーを学ぶというチュートリアル動画(Youtube)、とのこと。
■その他
●歴史
・日本文学を世界へ〜ドナルド・キーンの生涯〜
https://www.youtube.com/watch?v=W5tF8tSMpXU
国際交流基金が作成。
・アジア系博物館の検討法成立 大統領「米国の歴史と輪郭作る」 | 共同通信
https://nordot.app/909224243614957568
(バイデン氏)日系米国人の強制収容開始から今年で80年になったことや、アジア系を狙ったヘイトクライムなどを挙げ「博物館は教育の場となり、国民が『米国の物語』の中に自分自身を見つけるのを助ける」
●エンタメ
・ジャンプ+、来年以降の新連載はすべて英訳 世界同時連載で世界規模のヒット生み出す狙い
https://www.oricon.co.jp/news/2240318/full/
標題のとおりで、かつ、「海外のクリエイターによる自由な漫画投稿のプラットフォームを「MANGA Plus by SHUEISHA」内に開設予定であることも発表」とのこと。
■社会問題
●アメリカのコミック/グラフィックノベル排除の動き
保守団体による政治活動・排除運動やいやがらせ等が加速している。
・Comics Librarians Are Up for the Fight(Publishers Weekly)
https://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/industry-news/libraries/article/89572-comics-librarians-are-up-for-the-fight.html
・一部のコミックやグラフィックノベルを図書館から排除しようとする動き : 米国の図書館員の戦い(記事紹介) | カレントアウェアネス・ポータル
https://current.ndl.go.jp/node/46408
・Takako Shimura's Wandering Son Banned in Texas | Tokyo Weekender
https://www.tokyoweekender.com/2022/04/takako-shimuras-wandering-son-banned-texas/
志村貴子の『放浪息子』、テキサス州で発禁処分になる等。
●難民問題
・2021年の難民認定者数等の発表をうけて
https://www.refugee.or.jp/report/refugee/2022/05/recog21/
「難民認定者は過去最多の74人となる一方で、難民不認定とされた人の数は1万人を超えており(一次審査・審査請求の合計)、難民として認定されるべき人が認定されない状況」
「難民受け入れに向けた社会の関心の高まりや政治的意思を土台とし、難民保護のよりどころなる法律の策定や難民認定を専門的に行う部局の設立といった「包括的な庇護制度」を確立させること」