2023年03月26日

2023年03月14日

TEI(Text Encoding Initiative)と図書館目録 : 「インターフェースを越えて:デジタル人文学のためのデータとしてのTEI」聴講メモ 


講演会「インターフェースを越えて:デジタル人文学のためのデータとしてのTEI」
2023年2月18日(土)14:00-16:30
「TEIを使ったデジタル・ヒューマニティーズの研究手法について紹介します。デジタルカタログであるFIHRISTとデジタルライブラリーであるCambridge Digital Libraryを事例に、TEIデータセットの人文科学分野における活用と、研究成果をデジタルアーカイブに統合する方法を紹介します。」
講演者:
Yasmin Faghihi氏(ケンブリッジ大学図書館中近東部門長)
Huw Jones氏(ケンブリッジ大学デジタル・ライブラリー・ユニット長、デジタル人文学コーディネーター)
コーディネーター:
永崎研宣(人文情報学研究所 主席研究員)


 TEIについてはこれまでもいろいろ見聞きしてはいたものの、なんとなくふわっとしか理解できてなかったままだったのが、「図書館」のしかもかなり目録実務に近い視点から説明されると、ストンと身体に落ちてきたという、なに、自分ただの図書館バカだったの?的なイヤな気付きもありつつも、勉強になったのでなにはともあれよかった、ていう感じのメモ。当日tweetをもとに。


 Fihrist - Union Catalogue of Manuscripts from the Islamicate World
 https://www.fihrist.org.uk/

●Yasmin Faghihi氏 (ケンブリッジ大学図書館中近東部門長)
・ケンブリッジのイスラム写本の目録。従来はカード、冊子目録、冊子目録の画像化。2009年、オンラインカタログプロジェクトを起動し、冊子目録ではカバーできない豊富な情報を含んだツールの作成を目指した。
・図書館で提供するツールであるから、図書館のシステムの一部としてフィットさせなければならないため、既存の標準を採用したかった。
 また、名前の典拠コントロールが重要である。
・TEIを採用することになり、あらためて学習した。
 関心のある他館と連携して、トレーニングを積んだ。
 TEIなら、自館でシステムを組まなくてもよく、ベストプラクティスもよそにある。そのうえで自館用にアップデートしていく。
・なぜTEIを使ったか。
 従来の図書館目録システムには柔軟性がなく、写本の記述(discriptiveなカタログ)に向いていない。研究向けで新発見にも対応可能な、拡張性に富む仕組みが必要だった。それが、TEIならできる。
 XMLなら、コンピュータも読めるし、人間も読めるし、コンピュータ言語を知らない人間にも使える。
 明確なフィールドがあるわけでは無いので、必須項目とかがない。
 写真や画像等も含めることができる。
 書誌的標準として、翻字式やVIAFを使うことができる。
・シンプルにデータ入れたいだけでもいちいちこんなXMLを描かないといけないのか?とも思うんだけど、やっていくうちに慣れるし、一度記述すると何度も資料を確認に戻る必要がない。(江上註:メタデータとして抽象化させず記述的な書誌が取れるから、という意味か??)
・やってみると、これはもっといろんな深掘りができるのでは、と思った。
 写本は単体ではなく歴史的文脈の中にあるので、物理的な特徴や書体等、テキスト以外の豊富な要素をDH研究に利用する。そのような豊富なデータを扱うことで、単に資料を探すための目録以上の効果が得られる。(例えば、分析もできる。distant reading, deep reading等)
・というわけで、TEIによるカタロギングはリサーチとライブラリアンのギャップを埋めるものである、と。


●Huw Jones氏 (ケンブリッジ大学デジタル・ライブラリー・ユニット長、デジタル人文学コーディネーター)
・MARCのような一般的な図書館のメタデータメソッドでは、提供できない記述的な情報がある。図書館のプラットフォームでそれを提供すれば、それらを複合的に研究することができる。それがTEIの効用である。
・TEIは、ファイルの情報(ヘッダ的な)だけではなく、テキストについての情報をテキストに持つことができる。(イメージとしては、テキスト上にテキストのタグをペタペタしていく感じ)
・それを使って、分析・解釈が可能。
・しかもフォーマットがXMLなので、サステナブルだしコンパチブルである。
・デジタルライブラリーには、TEIによってテキストのメタデータや翻字データがおさめられ、またIIIFによってイメージデータがおさめられる。APIで出すこともできる。
・活用:マッピング、タイムライン、ネットワーク分析、Ngram等。
・とにかく実験してください!実験は自由です!とのこと。



●附たり、廣瀬本万葉集TEI/XMLビューワ
(別日の、国文研AAS2023インフォメーション・ミーティングから(それ全然別の話w))

・廣瀬本万葉集TEI/XMLビューワ
 https://candra.dhii.jp/nagasaki/manyo/manyoviewer2021.html
 廣瀬本万葉集TEI/XMLデータ分析入門
 https://colab.research.google.com/drive/1L-olwb1OBx_SYiZ9xaf94nbfo9OB5AVU?usp=sharing
・広瀬本万葉集のTEI/XML化プロジェクトについて。
 関西大学との協力でTEI/XML化、現在巻1・2を、GitHubでCCBY公開。
 そのうえでGoogle Colaboratoryにより、そのデータから検索・抽出ができる教育用リソース(?)を公開しているとのこと。


 いつか、実践勉強する。
 (いつだ)


posted by egamiday3 at 21:42| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

DEI(Diversity・Equity・Inclusion)と東アジア図書館 : CEALのオンライン講演聴講メモ


CEAL Pre-conference Plenary Session, Online
「Where do we stand? The Substantive Role of East Asian Libraries in Promoting Diversity, Equity, and Inclusion」
2023年3月8日(EST)

 CEAL、本名、東アジア図書館協議会は、北米の東アジア地域研究をサポートする図書館・司書の集まりで、年1回3月に年次大会がおこなわれるのの、今年は全面現地対面のみ(えぇ……)なところを、プレ基調講演1コマだけがオンラインでおこなわれるというので、拝聴(というよりおもにzoomの字幕を追うかたちで)してたものの中でのメモ。
 タイトルの通り、DEI、Diversity・Equity・Inclusion、つまりは多様性・公平性・包摂性というものを、あたりまえととらえることが根付きつつ(根付かせつつ)あることがよくわかって、よかったです。
 なお免責として、英語を、主に自動字幕で、しかも機械翻訳をかませたうえで、理解できるところだけを理解できるように理解しただけのあれなので、過度な期待はしないでください。

 私的メモ。DEIだけでなく「belonging」について、要確認。


●DEIを進めていくことについて
・図書館において重要なのは、すべての人々に平等に空間とサービスを提供すること。
・彼らが声をあげることは、彼らがその組織に属していることの証し。その空間が彼らにとって安全であることが、組織に求められる。
・DEIを進めていくには、時間がかかるし、勇気も必要だし、対話を続けていかなければならない。
 これは「旅」である、と。しばらくのあいだやってみて、あるときになったら終わり、というようなものではない。個人と組織の成長のプロセスなのだ、と。
・公立大学では、基本的に門戸が開かれており、人々が来て資料を利用することがあたりまえ。
・ハーバードでは、全国から集まった図書館情報学の学生たちに、ハーバードの図書館が何をすべきかを教わった、とのこと。歴史的に疎外されてきたようなマイノリティグループにとって、その空間がどのようにあるべきか、と。

●リーダーによるスタッフの多様性確保について
・スタッフの維持と採用に関する限り、リーダーはDEIを実践しなければならない。
 それは、透明な組織である限り、やらなければならないこと。
・まず公平性を確保すること。それにより、多様性が期待される。
・その考え方に反対する人々もいるため、リーダーには対話の姿勢が必要。
・組織内においてはDEIを制度化することが重要。
・マイクロアグレッションについて。
 その存在は無視できない。
 その対策として、ブッククラブ(読書会?)をおこない、人種差別と組織についての本をとりあげている。ある章のタイトルは「白人は人種差別を気にしますか?」というようなもので、実際にその質問をする。
 本当に強力な組織を作成するには、時には不快な会話をしなければならない
・異なる文化的背景を持つスタッフが混在する組織において、暗黙の差別とたたかわなければならないということ。たとえば、マジョリティのありかたを、マイノリティにも強いられることなど。

●コレクションと図書館活動
・コレクションの構築のされ方と対象範囲について。
 資料が白人中心の傾向にあるということ。他の人種・宗教・政治的見解が不充分であること。
 それ以外の資料が”特殊コレクション”とされがち(英語・スペイン語・フランス語以外の資料等)で、ローマ字以外の言語や資料の場合、図書館での処理がうまくいかない。場合によってはカタログ等に表示されずユーザに知らされない、あるいは、表示され方の問題もある。
 だが、我々は資料を利用可能にしなければならないし、コレクションは可能な限り包括的である必要がある。
・資料の倫理的な説明(ethical description )について。
 件名標目における表現の問題はよく聞かれる。(例:不法滞在の外国人(illegal alien))
 OCLCなど、図書館業界において、倫理的で敬意を持った問題への対処がおこなわれていることには、勇気づけられる。
・東アジア分野の研究や資料について、東アジア分野のコミュニティの外側の人にも、興味を持ってもらい対話してもらえるようにするには。
・歴史を振り返れば、図書館のコレクション構築においては多様性こそが勝者だったことがわかる。最高の研究図書館は最も多様なコレクションを持っている。
 だが、近年はその前提が失われつつある。デジタルコンテンツが存在するため、多様なコレクションはもう必要ない、という考え方。だが、今日のデジタル時代においてさえ、言語・内容・視点など多様なコレクションが必要。<江上註:このあたりの、デジタルが整備されるとマイノリティ資料が割を喰う的な話を、たまに聞くけど、まだちょっと理解できていない>
・東アジアなど多様性のある図書館・司書の役割として重要なことの1つは、資料の多様性が新しい研究を刺激する可能性がある、そういう分野を開発すること。多様な言語のコレクションはカリキュラムとのバランスの問題に直面しており、地域研究の教員が去ってしまってその大学がフォーカスしない分野のコレクションがのこったりする。それを、図書館・司書の仕事によって、発展可能性のある学問分野を育むかもしれない。
・図書館の予算は STEM の資料に費やされ、(人文系で使うような)モノグラフやSTEM以外のコレクションに費やすお金がますます少なくなっている。
 東アジア司書として、マネージャーとともに、キャンパス全体でのコレクションのバランスについて提唱し、世界の文化を反映した資料を購入し、モノグラフを購入できるようにする必要がある。
・東アジア司書のさらなる役割は、コレクションの内容と利用方法を理解できるようにすること。
・最近ではその地域のコミュニティとも活動がおこなわれている。大学外のさまざまなコミュニティが、誰かの家やガレージのようなところで保管しているような、地域で歴史的資料を持っていることを認識して、広く活用できるようにする。そのために、司書がコミュニティに働きかける。そして、それらの資料をデジタル化し、記述する。それは、私たちがまだ気付いておらず、私たちの「鼻の下にある」ようなもの。(慣用句?)
・今後の(デジタルな)コレクションのあり方としては、どの大学・どの図書館にその資料があるかは問題ではなくなる。そうなると、研究図書館にとっては他所には無いユニークな資料がどれだけあるかが需要となり、それは多様性に依存する。将来的には研究図書館は、巨大なサイバー空間とユニークな特殊コレクションで構成される可能性があり、ユニークで多様なリソース(エフェメラなど)が増えるだろう。実際のところ、人々は皆同じサイバー空間を構築しようとしており、そのために多様性を犠牲にしている。
 東アジア図書館のコレクションのユニークさは、人々を魅了し、大学の認知度を高め魅力を高めることができる。ということを、経済危機の中であっても長期的なビジョンのもとで未来の重要性が失われることがないように、図書館のリーダーや同僚たちに説得できれば。
コロナ禍によって、東アジアのような地域研究資料へのデジタル/オンラインアクセスの整備が遅れていることがわかった。それらはメジャーなものではなく、電子的入手ができなかった。東アジア資料でデジタル化されていないモノをデジタル化するための共同事業が必要。それによって、異文化理解とアクセスの向上に役立つ。
 対象となる国の政治情勢によって資料にアクセスすることができなくなるようなときのためにも。

●東アジア司書によるDEIへの貢献について
・東アジア分野の人たちは、基本的にシャイな傾向にある。
 しかし、声を上げる努力をしなければならない。
 ミーティングなどで自分がマイノリティであっても、私はここにいると自分に言い聞かせなければならない。
 私たちの多くが日常的にマイクロアグレッションを経験する。それがマクロになるまでは話にあがることはないかもしれないが、たとえそれが小さなものであってもヘルプが必要。組織内でそれについて話し合い、すべての人が受け入れられるようにすることが重要。
・たとえば、相手の英語が早口で聞き取れなかったからといって、謝罪しないこと。あなたはすべての状況で平等である。自分自身を表現するのにハンデを感じることがよくあると思うが、そのハンデは言語・文化の問題であるから、あなたはあなたの目標に固執してください。

●大学によってDEIへの取り組みの優先順位が異なる
・西海岸はアジア系の人口が多いが、そうではない場所では、東アジア系は声をあげないと可視性があがらない。
・当面は、多様性を歓迎する文化の発展に注力する必要がある。誰もが多様なコミュニティの一員であると感じられる、ウェルカムな文化と職場環境。
・それぞれの図書館で、ユーザー層が異なり、利用方法やコレクションが異なり、社会的現実も文化的背景も異なる。ローカライゼーションと地域の優先事項が問題であり、どのような図書館やコレクションでも同じアプローチを遂行するべきというわけではない。
・一方で、DEIが体現する価値観は原則として普遍的なものであり、この地域は事情が違うからDEIはいらない、というようなものでもない。
・すなわち、本会の最初に確認されたように、これは長いプロセスを必要とするものであって、一朝一夕にできることではない、長期間の一貫した努力が必要。

●職場に現にある悪意について
・アジア系として、個人的に悪意あるゴシップ、マイクロアグレッション、不寛容を経験したり目撃したりする。CEALのようにアジア系に理解のある集まりとは異なる。どう対処すべきか。
・多くの場合が無意識であり、環境を改善すること。我々自身でDEIを実践しなければならない。
・図書館のコレクションは多種多様であり、その利用はあらゆる人々にオープンにされている。そういう図書館という分野の実践者として、我々は意識的で無ければならない。
・アジア系アメリカ人はアフリカ系アメリカ人のようには歴史的に抑圧を経験していないではないか、という議論がある。これは誤解である。この件は、我々にとって教育が必要であること、東アジアのコミュニティが直面する問題を伝える必要があることを、示している。
・不平等は依然としてコミュニティに密接に関連している。体系的な抑圧とは、コミュニティがうまくやっていけないようにすること。
・社会的不公正には国境や境界がなく、DEIは普遍的な原則である。どこに属しているからとか歴史的経緯がどうかとかではなく、直面している社会的不公平と戦い、より良い社会構築に寄与しなければならない。
・組織が本質的に偏見を持っているわけではなく、偏見・人種差別・憎しみを組織に持ち込んでその文化の一部にするのは、人間である。

posted by egamiday3 at 20:20| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月11日

2.2.3(続) 視聴者はクイズにおける”リテラシーのギャップ”を楽しんでいる (「図書館×クイズ=アウトリーチ」試論 : 「99人の壁」を実践例として)


 視聴者にとってのクイズ、ひとつめの要点です。

【1】 クイズは、リテラシーのギャップや逸脱を素材とした娯楽である

 2.1.3「社会には共有されるリテラシーの範囲がある」で確認したように、クイズとその番組が成り立つ大前提として、このくらいだったら大勢の人が知っているだろうと当然視される文化的・社会的なリテラシーの”範囲”のようなものが存在し、共有されているはずだ、ということが言えます。しかもこのリテラシーの共有範囲は、国や文部科学省や知識人層のようなところから規定されるようなものではなく、平均的な“お茶の間”層によってなんとなくかたちづくられているもの、と考える方がより近いだろうと思われます。「図書館とは、知と情報を公共財化して云々」よりは、「図書館って、本をただで借りれる云々」のほうです。(念のため、それが妥当かどうか、正か誤か、正誤などあるのかどうかは問題にしていません。そこは問題ではないのです。)

 そして、この「リテラシーの共有範囲がある」ことをふまえて、以下の4つのことが言えます。
 (1) リテラシーを実際に共有している/共有しようとする
 (2) 人によってリテラシーに差・ギャップがある
 (3) 範囲内の情報にも差・ギャップがある
 (4) 範囲を逸脱した情報がある(その程度にも差・ギャップがある)


● (1) リテラシーを実際に共有している/共有しようとする

 テレビのクイズ番組を純粋に知識・情報が得られるコンテンツとして楽しむことができるとするならば、それは(1)のように、共有すべき範囲のリテラシーを実際に共有しようとする、からでしょう。共有範囲から知識・情報が提示される。それをすでに知っていて自分でも正答することができれば「共有している」ことを“確認”して安心できる。知らないまたは正答できなければ、あらたにそれを“補充”する=「共有しようとする」ことで、勉強になったと満足することができる。
 それをシンプルに視聴者が楽しい=娯楽だと思えるのならば、出題者・制作者は、視聴者である平均的お茶の間層が確認して安心するに値するような、あるいは補充すべき・補充したいと思えるような、そういうくらいのレベル・難易度の知識・情報を提示するのが良いということになります。「受け手であるお茶の間に合わせて難易度をコントロールする」(2.2.1続)とはそういうことだろうと思います。レントゲンもノーベルもなんとなく聞いたことあって、そこにプラス知識が補充される。ためになったねえ、ためになったよお、と。
 なお、ここで「確認作業」をするというのは、クイズが「参加できる」娯楽であるということに由来するので、次の記事で扱う【2】にもつながります。


● (2) 人によってリテラシーに差・ギャップがある

 (1)で言う“確認”や“補充”がおこなわれるのは、「人によってリテラシーに差・ギャップがある」(2.1.2)ためだと考えられます。そりゃまあそうです、いくら共有範囲があると言ったって、実際に万人に等しく備わってるわけでもなんでもないですし。ていうかむしろ、共有範囲なんてものが存在するからこそ、どこをどのへんまで共有できてる/できてないの差・ギャップが生じることになっちゃうわけですよね。
 そして、その「人によってリテラシーに差・ギャップがある」ことを娯楽に活用することで、クイズの持つ“競技性”や“ゲーム性”を生むことができるようになります。クイズが娯楽として成立するめっちゃ重要なところとして、2.1.2で考察したとおりです。

図3:リテラシーのギャップが可視化される(再掲)
図3:リテラシーのギャップが可視化される.jpg

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「クイズが効果的に使われるためにはまず、コミュニケーションを交わす人間同士のあいだに情報の量と質の差、身体的・精神的能力の差が存在しなければならない」
情報と能力の差があるときこそ、クイズは意味をもつのであり、それを見ることにおもしろさが生まれるのである。」
(黄菊英, 長谷正人, 太田省一. 『クイズ化するテレビ』. 青弓社, 2014. (序章「テレビとクイズのはざまで」))
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 クイズは、人によってリテラシーに”ギャップ”が存在し、それが楽しい・おもしろいということをもともと認めています。 (ここが、クイズという娯楽が”アンチ”な人から否定される1ポイントでもあります。)
 このギャップはさまざまな人々の間に存在します。出題者と解答者との間にギャップがあるから、正答と誤答がうまれる。番組と視聴者との間のギャップから、情報伝達、擬似参加、興味関心がうまれる。解答者と解答者との間のギャップから、ゲーム性がうまれる。1人の詳しい人と99人の詳しくない人とのギャップから、佐藤二朗がうまれる(うまれたのか?)。

 解答者によるリテラシーの高い低いの競い合いをコンテンツ化するにあたり、その“見せ物”としての娯楽性を高めるのにもいくつかの方向性があると考えられます。
 オーソドックスなのは、「競い合いが拮抗すれば盛り上がる」ところでしょうか。ギャップはあるけれども拮抗している、くらいがもっとも競い合いとして盛り上がりますので、出題される問題もそのようないい塩梅のものを用意するとよい、ということになります。(なお「99人の壁」は1人の詳しい人と99人の詳しくない人で、「東大王」は少数の東大生と多数の芸能人で、という質vs量で拮抗をデザインしたものと言えますね。)

 とはいえ、「東大王」「99人の壁」等の一部のクイズ番組では「猛者の高度なプレー」も重要な鑑賞ポイントとなります。平均的な“お茶の間”のリテラシーではわかるわけがないレベルの手掛かりで、できるはずのない回答を成し遂げるという、天才アスリートのような試合展開をやってのける。そういう、リテラシーの範囲を大幅に超越したものを“見せ物”とする、という娯楽性の高め方です。

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(山里)「「こんなの、なんでわかるんだろう?」「なんでこのスピードで、これができるんだろう?」って。それがバンバンぶつかり合って、僕らが考える余裕もないぐらいなんで、ある種スポーツを観てるような感じ」「「すごい人たちを目の前でいっぱい見れる」「特別観覧席で天才たちを味わうことができる」ぐらいの気持ち」
(ヒロミ)「問題も難しいし、答えを聞いてもわからないし。だから「これ、観てる人は面白いの?」とは思ったんだけど。でもまぁ、みんなも「難しいのによくできるな」とか「頭いいな」「やっぱ東大すげえな」っていう感じで観てるんでしょうね。」
(「東大王特集 MC対談ヒロミ×山里亮太」. 『Quiz Japan』. Vol.9)
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 しかし、ただ単に高いだけで娯楽性が担保できるというわけでもない、というのは、いわゆるクイズマニアというべき集団がクイズ番組を蹂躙した結果、90年代半ば以降番組がほぼほぼ消えていった、という負の歴史からもよくわかるところです。あくまでその高さ・強さが娯楽性のある“見せ物”でないと成り立たない。それを成り立たせるのが、一見クイズなんぞには不要じゃないかと思えそうな“ドラマチック”な展開、“キャラ”の立った解答者、エンターテイメント性の高い“演出”やゲーム性の高い“企画”、ということになるんじゃないかと思います。このあたりは、「【0】 テレビ番組としての娯楽性」につながりそうです。


●(3) 範囲内の情報にも差・ギャップがある
●(4) 範囲を逸脱した情報がある(その程度にも差・ギャップがある)


 もちろん、共有されるべき範囲内の知識・情報間にも差やギャップがあって、だからこそ競技性・ゲーム性がうまれる、ということも言えます。さらには、範囲外の知識・情報であったとしても、その逸脱の仕方がちょうどいい塩梅であるときにおもしろみが生まれる、というのも2.1.4(続)で考察したとおりです。

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「単純にリテラシー共有範囲の内か外かだけでなく、むしろ境界や周縁、半歩はみ出した辺りこそがギャップの面白さを生みやすいし、そこに娯楽を見出しやすい」
2.1.4(続) その「へぇ〜」はどこから生まれるのか
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「クイズというのは「答えの意外性やおもしろさを利用して人を引き付ける会話的手法」
(黄菊英, 長谷正人, 太田省一. 『クイズ化するテレビ』. 青弓社, 2014. (序章「テレビとクイズのはざまで」))」
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 クイズになり得る/なり得ない、クイズとしてかっこうがつくかどうか。これが、単純な情報の補充や競技観戦にとどまらない、クイズの娯楽性の所在のひとつである、興味・意外性。すなわち、とりあげる知識・情報自体になんらかのおもしろみがなければ、”見せ物”にならない、という。
 そういう、お茶の間の興味を引く知識・情報はどのへんにあるんだ、というツボをいかに上手いこと突っつけるか、ということに出題者は苦心惨憺しているのだろうと思います。その逸脱さが絶妙なときに、クイズに娯楽性がうまれるわけですから。

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「そのジャンルの中で、知的好奇心をくすぐられるものにキチンと反応できてるかどうかが大事という。」「例えば「フレディ・マーキュリー」だったら、「フレディ・マーキュリーが日本をテーマにした曲を歌ってたんだ」とか「最期は恋人が看取ったんだ」とか。ただ「フレディ・マーキュリーの曲を聴いてます」じゃなくて、そういうところまでちゃんとわかってる人が正解していける」
(「クイズ番組ソムリエ矢野了平の蔵出し1本!」第9回「99人の壁」. 『Quiz Japan』. Vol.9)
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ナレ「日高は日常のあらゆる場面に疑問をなげかける」
日高「(靴屋が合鍵作りをやっていることについて)違和感が入ってくると、おっ、クイズの種、みたいな」
ナレ「違和感の種を掘り下げることでクイズを産み出していく」
日高「日常の誰もが気づいているわけではないけど、言われれば「確かにそうだ」っていうところで、「じゃあその理由は何?」っていう」
日高「日常の盲点をついた問題が」「知識クイズ、雑学クイズとしては理想形だなっていう」
日高「ちょっと人生に彩りを添えるよね、ちょっと豊かになるよねっていう」
(「クイズ、最高の一問 : クイズ作家・矢野了平/日大介」(プロフェッショナル仕事の流儀 他). NHK, 2021.)
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 そのいい塩梅の逸脱のしかたのひとつの典型が、「なじみがある」と「なじみがない」のバランスである、というのも2.1.4続で考察したとおりです。

図5:いい塩梅で逸脱する(再掲)
図5:いい塩梅で逸脱する.JPG

 意図的にいい塩梅で逸脱しようとすれば、共有されたリテラシーの範囲とその境界あたり(上図の赤いエリア)を注意深く見極めておいて、内側過ぎず外側過ぎもせずの範囲(上図の青点線の間)を狙う必要がある。そしてそのためには、平均的リテラシー共有者のお茶の間層であれば、何になじみがあって何になじみがないか、その濃さ薄さはどれくらいか、把握しておかなければならない。という結論に再度戻ることになります。

 なお、もちろんその逸脱さ加減は、視聴者のリテラシーにだけ左右されるわけではなく、そのテレビ番組の企画趣旨ごとに異なるであろうことも、理解できます。
 例えば『アタック25』なら、「お父さん出れるんちゃう?」(「アタック25に出演して思った「巧みなゲーム設計」」. 『たらちね 草山』. https://note.com/ktkusayama/n/n069223d2b071.)という家族の会話を導き出せるくらいのリテラシーを問う。
 『Qさま』なら「中学や高校の授業でいちどは聞いたことがあるような」(田村正資. 「予感を飼いならす : 競技クイズの現象学試論」. 『ユリイカ』. 2020.6, p.95-103.)範囲のリテラシーを問う。
 一方で、『カルトQ』や『頭脳王』では「変態天才ショー」として「視聴者はもう完全に置いてきぼり」(「東大王特集 総合演出インタビュー」. 『Quiz Japan』. Vol.9)な出題であったとしてもそれを“見せ物”とする。
 そして、同じ “見せ物”でも『99人の壁』のほうでは、子供でも得意分野なら99人の大人を相手に100万円の賞金を獲得できる、というあたりを出そうとしているから、それに見合った逸脱のしかたをする。
 であれば、この番組の企画趣旨から逆算して、こういうリテラシーを問う問題が出題されるであろう云々は、予測できるということになります。



 出題予測のパラメーターが次から次へとわんさか登場してるようにも見えますが、むしろ、手がかりは多い方が予測はしやすい、とは思います。
posted by egamiday3 at 18:45| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2.2.3 視聴者はクイズの何を楽しんでいるのか (「図書館×クイズ=アウトリーチ」試論 : 「99人の壁」を実践例として)


 図1
 図1.JPG

 クイズがおこなわれているとき、視聴者は(自分に解答権もなければ100万円もらえるわけでもないのに、赤の他人の様子を観て)楽しみたいと考えている。出題者・制作者はその視聴者を楽しませたいという考えのもとで企画・出題する。視聴者が何をどのように楽しみたいと考えているかによって、出題者・制作者がどのような出題・正答を用意するかが左右されるとしたら、解答者はそれをふまえた出題・正答の予測ができるのではないか。
 そのような考えにもとづき、解答者でありながら視聴者の立場のことをわざわざ考えようとするのが、この2.2.3「視聴者はクイズの何を楽しんでいるのか」です。

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「メタ的なというか、テレビのエンターテインメントという文脈を利用して「テレビにこのジャンルは出ない」とか「これは出題形式として映えない」とか。読み上げクイズって今テレビでほとんど出てないんで、「映像になるとしたらこうだ」というふうに考えることもできる。目標が視聴者を楽しませることですからね。クイズやることが第一目標じゃないから、視聴者を楽しませるという第一目標に従って内容が決まるわけです。だから、その第一目標から逆算してクイズを推測できちゃう。」
(「殴り合いが好き!?伊沢拓司を虜にする“アマチュア”クイズとは?」(伊沢拓司インタビュー(1)). QuizKnock. 2021年4月11日. https://quizknock.com/izawa-interview-quiz-1
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「TVのクイズは番組として解答者だけじゃなく視聴者にも楽しんでもらう必要があるだろう? ただ難しいだけじゃつまらないし さっきの問題が「NO」じゃ出題した意図がわからない なにも面白くないからね」「だからTV的においしかったり意外性があったり 視聴者が「へえ」って驚けるような答えが正解になりやすいんだよ」
(杉基イクラ. 『ナナマルサンバツ』. 第56話.)
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 というわけで、解答者の立場から出題・正答を予測するために、「視聴者にとってクイズの何が楽しいのか」を考える、という話です。
これは、2.1.4で考察した「クイズのどこに娯楽性があるか」をはじめとして、これまでに本稿で(長々と)考察してきた各種の要素を再度総ざらえしてまとめる、という感じになっていきます。そしてそれが、本稿のもうひとつのテーマである「図書館のアウトリーチと、クイズとの関係を考察する」という“まさか”の説につながっていく、という寸法です。

 視聴者にとってクイズの何が楽しいのか。
 本節で考える要点は以下の2つです。

【1】 クイズは、リテラシーのギャップや逸脱を素材とした娯楽である
【2】 クイズ番組は、視聴者も(疑似的に)参加する・参加できる娯楽である


 この要点2つをさらに掘ってみると、こんな感じになります。

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【1】 クイズは、リテラシーのギャップや逸脱を素材とした娯楽である
  (1) リテラシーを実際に共有している/共有しようとする
  (2) 人によってリテラシーに差・ギャップがある
  (3) 範囲内の情報にも差・ギャップがある
  (4) 範囲を逸脱した情報がある(その程度にも差・ギャップがある)

【2】 クイズ番組は、視聴者も参加する・参加できる娯楽である
  (1) 自分のリテラシーの確認
   i. 自分のリテラシーの有無・高低を確認する
   ii. 自分のリテラシーの社会内における位置を確認する
   iii. ゲームに疑似的に参加する
  (2) 他者とのコミュニケーション
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 なお、本稿ではテレビ番組としてのクイズを前提としていますから、つけたりとして「【0】 テレビ番組としての娯楽性」も当然加わることになります。

 次の記事以降、順に確認していきます。

posted by egamiday3 at 18:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『日本近・現代史研究入門』を読んだメモ

 松沢裕作,高嶋修. 『日本近・現代史研究入門』. 岩波書店, 2022.

日本近・現代史研究入門 - 松沢 裕作, 高嶋 修一
日本近・現代史研究入門 - 松沢 裕作, 高嶋 修一



・先行研究
 「テーマを決めること」と「どれがその先行研究か」とは同じことの表裏一体である。
 自分のテーマにとっての先行研究は自明ではない。主体的に選び、その関係性を考える=先行研究を作る。
 先行研究は”対話の相手”である。
 集めた文献から議論の流れを整理していく。
 研究史上の位置づけは論文の結論に繋がる。何をどう説明すれば先行研究と対話したことになるのか、自分なりに考える。

・史料を読む
 研究に行き詰まったとき、とにかく史料を筆耕するという作業が、打破に繋がることがある。ただ目で読むのと違い、時間をかけて必要な情報を探す。

・論と文
 「論」とは、一つ一つの叙述・文がそれぞれどのような関係にあるか、どのように位置づけられるのかについて説明したもの。
 まずは個々の史料からわかる事柄を「文」として並べたり切り貼りしてみる。時系列、主体別、史料別など。
 その作業を進めるうちに、それらの間の関係がわかってくる(論の見通しが立つ)。事柄同士やその関係を何らかの理屈で関連付けられそうになる。分析者がさまざまな知識や思考を媒介させると、関係を見いだせる可能性が高まる。
 対象を観察し、観察者の頭の中での思考実験によって、意味のある原因を特定していく。(マックス・ウェーバー、EHカー等)
 自分らしさ(独自性)は、要素の並べ方とそれをつなぐ文章の書き方に現れる。

・むすび
 学問は一本の論文で完結するものではなく、集団的におこなわれるもの。
 編者たち自身も、本書の手順で論文を書いたわけではない。書けることは書けたが、あのときどうすればよかったのかをまとめたもの。


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2023年03月08日

2023年1月・2月のまとめ

●2023年1月・2月のまとめ

・掃除・まとめブログ・カツオの会
・ヨーロッパ企画の京都カウントダウン『ぼくらは作って夜明けを待った。』
・比叡山・雪道クライシス
・正月zoom家族会議・雑煮・お節
・『逝きし世の幻影』
・2023年のMyLIFE
・チューブレス血圧計とレコーディングの開始
・過去問に取り組む
・DA・DH議論
・プロジェクトタイム制
・CR/DTNと「旅行案内」
・小倉山ゆるトレッキング
・岡崎フリーマーケットと上賀茂手作り市
・chatGPT
・桂坂ホワイトアウトと雪難通勤クライシス
・私の頭の中の西村京太郎
・Izumi Koide「Naomi Fukuda, Backseat Player for Japanese Studies」https://htn.to/U31TC3LP2X
・「ILL/DDサービス2.0へ向けて」
・雪難避けと突然の前泊
・七福神・高島屋・科博
・夢。謎のマルシェ、謎ナンハウス、20年越しの再会と大人の世間話、私のためだけの切り返し、ワイングラス、まさかの共演
・越境シンポ。「中立を捨てず主張もしなくても説得はできるだろうししたい、機能としての矜持」
・吉例・吉田神社詣で
・某古民家カフェ
・ご近所を愛そう
・DTN
・月1リブート制
・絵馬とEgamidayGs
・「帰ってきた業界コント「もしも図書館の司書がチャットAIだったら」」(egamiday 3)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/498085184.html
・歯科検診、4年ぶり3度目。10年経ったレントゲン写真におののく。
・AirTable
・「コロナ禍でやいやい騒いでたわりに、イベントのDX・オンライン化が浸透しきらずに半端に終息していくの、もったいないと思う」
・「議論するときは文献出そうぜ」
・ウン十年ぶりと言えるUNANN
・DHJapan「Digital Humanities Japan virtual AAS meeting-in-conjunction」
・食洗機を導入、即座に必需品化する。
・LRG第40号特集「図書館とジェンダー」
・「デジタル人文学のためのデータとしてのTEI」
・DHフェス
・岡山シティミュージアム
・ひっぱりうどん、鰆、落花生、鯖棒寿司
・壊れかけのスーツケース
・現代社会のリアルデジタル脱出ゲーム
・心の欠損は埋まらない。(←学べ)
・いいだしっぺパブコメと作文パズル
・「ブラッシュアップライフ」「100万回言えばよかった」「大奥」「星降る夜に」「6秒間の軌跡 : 花火師・望月星太郎の憂鬱」


posted by egamiday3 at 06:44| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月07日

「海外の日本研究と日本図書館」に関する2023年1月・2月の動向レビュー -- DHJapan、海外日本語教育機関調査、日本研究のための情報源活用法 他 ( #本棚の中のニッポン )


■日本資料

●Takazawa Collection
・Japanese Studies Spotlight: Postwar Japan and the New Left: Resources from the University of Hawai'i Takazawa Collection
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Japanese-Studies-Spotlight-Postwar-Japan-and-the-New-Left-Resources-from-the-Univ
 高沢皓司氏よりハワイ大学に寄贈された戦後日本における社会運動に関するコレクション
「he told me that he wanted to donate his collection but did not trust that either an academic library in Japan or the National Diet Library would catalog and take proper care of it. I was Director of the Center for Japanese Studies at the University of Hawai’i at the time, so I offered it as a home for the collection.」

●キリシタン・バンク
 https://kirishitanbank.com/
「キリシタン・バンク」へようこそ。このサイトはモリス、ジェームズ・ハリー(早稲田大学)を代表とする『デジタル時代におけるキリシタン版: デジタル手法による「キリシタン版」探索の可能性と限界に関する考察』という研究プロジェクトのホームページです。


■日本研究

●「日本研究のための情報源活用法」
・ウェビナー「日本研究のための情報源活用法」のご案内|国立国会図書館―National Diet Library
 https://www.ndl.go.jp/jp/library/training/guide/230201_01.html
 講義1「日本語研究に役立つ情報資源の効果的な使い方」岡田一祐氏(北海学園大学人文学部日本文化学科講師)
 講義2「デジタルアーカイブを活用した近現代史研究の実践」河西秀哉氏(名古屋大学大学院人文学研究科准教授)

●世界中の日本語教育関係者のためのオンライン交流会
 https://www.nkg.or.jp/news/2023/2023_02_15.html
 2023年3月25日
「グローバルにつながるオンライン日本語教育シリーズ第10弾「世界中の日本語教育関係者のためのオンライン交流会」」

●国際日本文化研究センター
・国際交流基金との共同主催による「日本研究フェロー・カンファレンス」を開催しました(2022年12月10日)|トピックス|国際日本文化研究センター(日文研)|日本文化に関する国際的・学際的な総合研究所
 https://www.nichibun.ac.jp/ja/topics/news/2023/02/28/s001/

・「日本文明の再構築―岩倉使節団150周年に寄せて―(機関拠点型基幹研究プロジェクト「「国際日本研究」コンソーシアムのグローバルな新展開−「国際日本研究」の先導と開拓−」キックオフシンポジウム)」 https://www.nichibun.ac.jp/ja/research/other_conferences_symposia/2023/02/17/


■デジタルアーカイブ・デジタルヒューマニティーズ

●「Ready-to-Use Teaching Tools in and Beyond Japan Studies」
・Events for March 2023The Japan Foundation, Toronto
 https://jftor.org/event/dr-paula-curtis/
 January 19 @ 7:30 pm - 8:30 pm EST
「This talk will introduce open-access teaching tools through the lens of Japan Studies, highlighting a variety of platforms, databases, and activities that, while created by or linked to scholarship related to Japan」

●「Digital Humanities Japan Meeting-in-Conjunction」
・AAS 2023 - Digital Humanities Japan Meeting-in-Conjunction
 https://asianstudies.confex.com/asianstudies/2023/meetingapp.cgi/Session/3940
 February 17, 2023, 6:30 PM - 7:30 PM
「we discuss current and future projects related to the intersection of Japanese/Japan Studies and digital methodologies.」


■レファレンス

●海外日本語教育機関調査(2021年度)
・国際交流基金 - 2021年度 海外日本語教育機関調査
 https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/2021/2021.html
 「国際交流基金は、世界の日本語教育の現状を正確に把握するために、3年おきに「海外日本語教育機関調査」を実施」

●海外発行の日本語新聞を探す
・海外発行の日本語新聞の所蔵|リサーチ・ナビ|国立国会図書館
https://rnavi.ndl.go.jp/jp/newspapers/post_1138.html

●明治維新前後の翻訳事情
・知識を世界に求めて―明治維新前後の翻訳事情―|リサーチ・ナビ|国立国会図書館
https://rnavi.ndl.go.jp/jp/gallery/exhibit2022.html


■コミュニティ

●Announcement of New Librarian Representative on the NCC Council
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Announcement-of-New-Librarian-Representative-on-the-NCC-Council
「Matthew Hayes, Japanese Collections Librarian at Duke University, is our incoming Librarian Representative and will join the NCC Council」「with experience in archival preservation and metadata collection of rare Japanese texts, especially Buddhist texts.」

●Specialist Spotlight: Shoji Yamada
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Specialist-Spotlight-Shoji-Yamada
「Japan Liaison on the NCC Council (July, 2019- June, 2022)」「 an advisor to our Resource Sharing Committee (RSC), which helps keeps researchers and librarians up to date with the latest information on how to obtain Japanese-language materials from libraries in Japan.」


■文化・エンタメ

●KADOKAWA「BOOK☆WALKER」がタイ進出 「海賊版対策にもつなげたい」 - 文化通信デジタル
 https://www.bunkanews.jp/article/317826/


■社会問題

●映画『マイスモールランド』
 https://mysmallland.jp/
「「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人。埼玉県には2000人ほどのコミュニティが 存在するが、クルド人が難民認定された例はこれまでないに等しい。そして、本作の企画が動きだした2017年 当時より、出入国管理及び難民認定法(入管法)を巡る状況は、悪化の一途をたどっている」

●変わる「定時制」 外国にルーツを持つ人たちの学び場に | NHK | WEB特集 | 教育
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230111/k10013943121000.html
 そういうニーズが生まれてしまう背景にも注目したい>「夜間定時制は、こうした外国にルーツがある生徒たちの「日本語を身につけながら高校を卒業したい」というニーズに応える場」

●大好きな日本がコロナ禍で… 米イエール大学教授がみつめた「変化」:朝日新聞デジタル
 https://www.asahi.com/articles/ASR1944QHQDPUTIL03B.html

●朝日新聞デジタル「現場へ!日本研究の今」シリーズ
日本研究の今:1 外国人だから気づく安保
https://www.asahi.com/articles/DA3S15554666.html
日本研究の今:2 「なまり」に隠れた偏見も
https://www.asahi.com/articles/DA3S15555755.html
日本研究の今:3 いまだ性別役割分担、驚き
https://www.asahi.com/articles/DA3S15556672.html
日本研究の今:4 若者と政治、幅広い視点で
https://www.asahi.com/articles/DA3S15557764.html
日本研究の今:5 違いに興味、日米交流の種
https://www.asahi.com/articles/DA3S15558678.html

posted by egamiday3 at 07:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする