2009年02月10日

ライトニングトークの樹の下には魔性が潜んでおる。

 
 ARGカフェの京都大会がそろそろ近くなってきましたよ。
 http://d.hatena.ne.jp/arg/20090119/1232321266

 江上はこのARGカフェの、第1回秋葉原大会に参加させていただいて、そこで登壇者としてライトニングトークを体験したのですよ。

 まあ、あたしなんて、ライトニングトークというものの一般的なものを知ってるわけでもない。ARGカフェさんのの1回分しか参加した経験がないですよ。
 そんな程度ではありますけど、そのたった1回のときに、身をもって体験したなあということには、このARGカフェでのライトニングトークには(登壇者にとって)どうやらある種の魔性めいたものが潜んでおるな、と。ぼんやりしとったら痛い目を見かねんな、と、いう感想を持ったことがいくつかあるのですよ。
 なので、ちょっと書き留めておこうと思ったよ。

 一番強くは。
 この企画ではかなりの比重で”5分”というところが重要なんだろうな、ていう。
 それはたぶん、各参加者・登壇者が想像している以上にはるかに強く、”5分”が重要。もしかしたら、岡本さんご自身の意識以上にかもしれない。
 それほどまでに、”5分”。

 で、ここが難しいというか、つまずきやすいところでもあると思うんだけど。
 「言いたい内容を、”5分”にまとめてしゃべる企画」、ではたぶんなかろうと。
 「言いたい内容を、”5分”でしゃべれるところまでしゃべる企画」、でもなかろうと。
 そうではなくて、「”5分”でしゃべれる内容のことを、”5分”でしゃべる企画」、なんだろうな、と。

 これが通常だと、今回は1時間しゃべってください、今回は20分しゃべってください、みたいなサイズが与えられたりするんだけど、1時間やの20分やのだと、「言いたい内容を”1時間/20分”にまとめてしゃべる」で、いいんですよ。そのやり方で成立するし、何回かやったことのある人なら、上手にやりさえすれば破綻することはない。

 ところが”5分”となるとまったくもってそうはいかない。
 驚いたことに、”5分”は決して「1時間の12分の1」でも「20分の4分の1」でもない
 20分かけてしゃべれる、或いはしゃべったことのある内容を、4分の1に圧縮なり切り落とすなりすれば、5分でしゃべれるか、と言えば、決してそんなことはない、そんなことをしてしまうとおそらく破綻するんじゃなかろうか。
 そんな、魔性の単位。
 もしかしたらこの”5分”という時間は、”逢魔が時”なんじゃないの、というくらいに。(←ちがうし)

 というわけで、このライトニングトークというやつは、世にあまたあるような人前でしゃべる企画(講演なりなんなり)の”5分”版として身構えるのではなく、同じしゃべる企画でも別物の性格を持ったものとして身構えるほうが、妥当というか、失敗しにくいんじゃないかと思いますよ。 

 そもそも、20分でしゃべるような内容の話を5分に圧縮されたら、まず聴かされるほうがしんどいでしょうし。しかも、20分枠の企画なら20分×3人か4人で終わるんだけど、5分枠のは10人以上続くわけだから、それを20分枠由来の内容×10人分聴かされたら、聴衆、死ぬと思うよ。
 それは趣旨ちがいますよね、いろんな人が、軽いけれどちょっとしたことを、あまり準備しなくてもいいからってんで、持ち寄って、ちょっとした感じでしゃべって、気楽な身軽な感じでトークしようよ、ていうステージで、聴衆ノックダウンさしてる場合じゃないだろう、と。
 いう意味からいっても、”5分”には”5分”にふさわしい内容を、あらためて別の引き出しからチョイスするのがよかろうなと思うのですよ。”5分”にふさわしい、軽めの内容を。だからこその”ライト”ニングトークでしょう、と。うん、ちがうけど。

 じゃあさて、”5分”にふさわしい内容って、どうチョイスするのか、構成するのか、というならば。

 それはもう、”1分”ですよね。
 ”5分”なんか、”1分”でしかないですよね。

 20分サイズのしゃべりを用意するなら、だいたい脳内で5分くらいでストーリーを追えるイメージの内容、これを他人様に理解してもらえるような筋道・尾ひれを加えて、整えて、適宜スキマなり空白の時間、どもりやいい直し、アメリカンジョークや簡単な客いじり(おい(笑))をはさんだりするなどして、20分ちょいでしゃべれればいいかな、というくらい。同じ要領で、1時間なら、脳内で10分から15分くらい。
 というところから考えると、たった5分の間に他人様に何かを伝え、理解していただこうというのなら、それ相応の、ていうか相当程度の筋道・尾ひれをつけてやんなきゃいけない。5分全部尾ひれでもいいくらい。
 なのに、5分しかない。
 嗚呼、なんと矛盾した存在也哉、5分。
 となると、せいぜい1分程度の内容しかチョイスでけへんだろう、それでギリギリ納まるか納まらんかくらいだろう、ていう算段ですよ。

 ということを考えれば、まあ、たぶん配布資料やパワポはいらんというか、無いくらいがちょうどいいサイズなんじゃなかろうか、とも思うし、そんな大層な前準備もたぶんしなくていい、というよりむしろしないほうがいい、ように思う。準備しちゃうと、しただけのネタをどうしてもしゃべりたくなっちゃうものね、心情的に。
 えーっ、でも、資料もパワポもなしに5分のトークだけで自分のこの言いたいことって伝わるのだろうか?とおっしゃるのであれば、残念ながら、それは5分のライトニングトークには向かないネタだったんだ、ということになる。まあそれは気落ちしなくとも、その子のデビューの場はまたいくらでもありますよ、ということで。

 だから、気負う必要もない、準備にあくせくする必要もない、手ぶらでできるくらいのことをお互いに持ち寄れればそれでよい。それで失敗したっていいじゃない、だって、失敗してもダメージが少ないようにってんで”5分”に設定してあるんだし。
 というある種の「無の境地」をもって対峙することこそが、この魔物(←いつのまにか!)をクリアするための真の武器だったりするのかもしれんな、これは。

 というようなことを第1回終了後くらいからなんとなくぼんやりと考えていて、その考えが果たして当たってんのかしらどうかしら、ということを、来週末の第3回京都SPに確かめに行こうかな、とか思うてますよ。


 以上、「これ(5分)は罠だ! 夜神のライト・ニングトーク教室」でした。
 (↑スルーしてください)
posted by egamiday3 at 17:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする