で、ふつーに聴くつもりだったんだけども、どうやらこの日2009/6/20は、仙台にて新しい時代の図書館研究会&ARGカフェ第4回が、東京にてLIFO第5回定例会が同時開催中。しかも、どちらもその模様をTwitterでライブ発信なさる!(http://twitter.com/arg_cafe、http://twitter.com/lifoclub)と聞きつけた我が輩、これはおもろそうだとばかりに、天理のシンポジウム会場にラップトップを持ち込んで、自分アカウントのTwitterさんを使いつつ、ARG@仙台、LIFO@東京、和古書@天理の一人3元生中継イベントとしゃれこんだのでしたよ。
・・・・・・脳がついていけぬ。orz
もはや、誰が何の話をしてるんだか、追えるはずもなかった(笑)。
それに、かたつむりさんよろしく本シンポのレポートでもメモしたろうかしらん、とお気楽に思ってたけども、そんな集中力も理解力も筆記力もない自分に幻滅するだけで終わるという結果に。てか、バッテリー持たんし。
すごいなあ、かたつむりさんは。いつもどんなふうにしてはんねやろう。若いっていいね。
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知識共有のための古典籍デジタルアーカイブ
−学術情報としての和古書メタデータの基盤整備に向けて−
http://www.tenri-u.ac.jp/calendar/20090620wakosho.html
講演「歴史知識学のためのデジタルアーカイブ」
石川 徹也 氏(東京大学史料編纂所前近代日本史情報国際センター教授・筑波大学名誉教授)
講演「国立国会図書館におけるデジタルアーカイブ:現状と課題」
大場 利康 氏(国立国会図書館関西館図書館協力課長)
第2部 (15:45 – 17:00)
パネルディスカッション
「情報共有としての古典籍デジタルアーカイブ:メタデータとしてのイメージデータ」
石川 徹也氏(東京大学史料編纂所教授・筑波大学名誉教授)
宮澤 彰 氏(国立情報学研究所情報社会相関研究系教授)
大場 利康氏(国立国会図書館関西館図書館協力課長)
岡嶌 偉久子氏(天理図書館稀書目録編纂室長)
山中 秀夫氏(天理大学総合教育研究センター准教授)
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で、そもそものところをちょっと解説すると。
天理大学では2年前から今年まで3年間、この時期、1週間の「天理古典籍ワークショップ」というのを行なっておられる、これは、アメリカ(NCC)やヨーロッパ(EAJRS)やの海外の日本研究分野のライブラリアンなり研究者なり、総勢15名くらい?が来日なさって、和の古典籍資料の整理・取り扱い・基礎知識的なことをレクチャーなさる、という、まあこの上なく垂涎ものの企画があって、それはまあ脱線しつつ言うと、海外にまだまだ未整理で眠ってる和の古典籍が山とあるのを、日本から専門家が書誌調査に来るのを待つだけでなく、なんとかその存在をオープンに共有さそう、ていうのの端緒で、そういう意味での”和古書メタデータの基盤整備”ということだと理解していますけども若干ちがってたらごめんなさい。それで、その企画の毎年最終日に、仕上げ的な意味でこういうシンポジウムをやっておられるのですよ。
↓その第1回。(註:江上はその頃とあるのっぴきならない理由で日本にいなかった)
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015664371
「天理古典籍ワークショップ」及び公開シンポジウム「本の道」について(概報) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (128), 103-99 ,2007/10
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016090904
「天理古典籍ワークショップ」及び公開シンポジウム「本の道」について(報告) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (129), 141-128 ,2008/5
↓その第2回。(註:江上はとあるなまらつまらん理由で休日出勤)
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016308553
「天理古典籍ワークショップ2008」及び公開シンポジウムについて(報告) / 山中 秀夫, ビブリア, 天理図書館報 (130), 126-114 ,2008/10
(・・・やばい、無精してまだ読んでないことが判明。はよ入手せねば)
以下、個人的に印象深かったところのメモ。
(#は江上。でも、地の文にも江上の解釈が入ってそうな気がするよ)
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歴史知識学のためのデジタル・アーカイブ
石川徹也
(東京大学 史料編纂所 前近代日本史情報国際センター・教授)
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・”どのように”共有する?
世界標準
←日本はどの分野でも”世界標準”への対応が鈍い
・”誰が”行なう?
コンソーシアムを組織する
←”個人所蔵者”の存在が重要だからそれに対応さすために
(#これはおっしゃるとおり)
・共有っつったって、近世史の先生は古代の文書読めない、とかいうような世界でそれすんの、並大抵のじゃないよ、ていう。
・歴史文書を、図書館目録の整理のノリでメタデータ作られても、駄目なんだよ!、という。
・では、史料編纂所では何をやっているか?
公文書/手紙/日記に分ける
公文書→翻刻編纂→「大日本史料」→出版
手紙→翻刻編纂→古文書→出版
日記→翻刻編纂→古記録→出版
・写真帳の作成もやっていたんだけども、マイクロフィルムからの焼き付けに使う印画紙が業界全体で生産中止になったので、写真帳の作成自体やめることになった。マイクロフィルム作成もやめていく予定。
・Viewerについて
裏書きをどう見せるか?
古文書を採訪に行く先生は、手鏡を持って行く。これは、裏返せない/自分で手を触れてはいけない史料の、裏書きの文字を読むため。
→古文書のViewerには反転機能が必要。
・この共有化のデジタル化を推進するための、編纂工程の見直しとシステム化
-原史料のデジタル撮影後、作成したメタデータ・影写データは即データベースとして提供
-データベースの提供は、NIIとかジャパンナレッジとかいろんなポータルの場で
・まとめ
人文社会系では、史料情報(一次資料)だけを提供したって"共有"にはならない。だってその資料への理解という行為は結局は個人のものであり、多様になってしまうから。理解を共有しないと。(#という主旨だったと思う)
・おまけ。編纂所へは、NHKとかから毎日のように画像利用許可依頼があるらしいです。外部の人の画像等利用依頼に対して、編纂所では、有償化に向けて具体的に動いているとのこと。海外の仲介業者を間に入れて。(#BLさんが使ってるところ?? 要確認)
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国立国会図書館におけるデジタルアーカイブ:現状と課題
大場利康(NDL)
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・資料のデジタル化予算が126億円
←→過去10年間は、毎年1.数億円
・90万冊(和図書75万冊)をデジタル化する
和書古典籍10万冊は来年度中で終わる
・近デジの紹介
近デジのインタフェースは今年度中にどうにかなる、と、いいな。(#と聞こえた)
明治大正で26万冊あるうち、15万冊は終了。
著作権処理の手間暇は半端でない。(但し、外注)
今回の大規模予算でのそれはどうなるのか。
・PORTAの紹介
7/7リニューアル予定
1つ1つ交渉しては加入してもらっている状態
・つい最近までは、フィルム撮影してからデジタル化した方が安かった(撮影者のスキル的に)。いまは、直接デジタルカメラ撮影の方が安い。
・はたしてメタデータの検索で古典籍に必要な二次情報の提供は満足するのか? それよりは、浮世絵の似たもの検索とかのほうがよくないか?(#というような感じだったと思う)
・HCP : Humanities CyberPlatform
デジタルで資料を共有し、複数の研究者が協同でそれを”読む”というシステム
・GoogleWave
コラボレーション基盤技術
→これが、デジタル化された書籍資料を使ってできるようになれば。
↓
共有された研究のプロセスと成果がさらに検索に反映されるように
人文学研究のあり方そのものへの影響
(#↑これは大場さんが言わはったのか自分がそう考えたのかわかんなくなった。まあこの報告全体的にそんな感じだとご容赦ください。)
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パネルディスカッション
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敬称略。
石川:古典籍・古文書は、絵画とかとちがって、画像を公開したところで、それがなんなのかが一般の人にわかんなければ、意味ない。解題なりなんなりそういうのがないと。
宮澤:解題なりメタデータなりの個々でまちまちなのが。標準に近づけないか。
大場:統合検索で連携させてくれと言ったら、検索しに来るのはいいけども、メタデータをそっくり取り込まれるのは駄目、というようなことを言われたりするので、解決がなかなかむつかしい。
岡嶌:史料編纂所のDBの中にあるとある文献のとある箇所がネットで見れると人に教わったんだけども、PCの操作に慣れてないので、DBの奥の奥にあるその画像に、自力ではたどりつけなかった。PORTA的なのならいける?
石川:資料は分散して所蔵されてるんだから、電子化のお金も、NDLに集中するんでなくて、分散させてくれないと。 (#これはおっしゃるとおり)
石川:いままでゆったことは全部、資料が読める・扱えるような人材がいてこその話。編纂所にはそういう人材(データ作成=研究)が山ほどいるからできてる、ていう問題でもある。その人材というのはオーバードクター。
宮澤:
図書館目録の考え方は限界。デジタルはあり方がちがう。それは、和書古典籍の目録を図書館の目録規則でとろうとして衝突してしまう、というのも要はいっしょ。
図書館屋はどうしても”目録規則”的なものがあるべきだと考えがち。でも今後は、規則はどうでも良いから、形式はもういいから、とにかく書くべきことさえ書いておけば、たどりつきたい人がたどりつきたいところにたどりつく、という有り様が構築されるべきだし、そうなっていくだろう。そうなったらメタデータそのものの作成は、そのときそのときで作りやすいやり方で作ってったらいい。あとは、そのまちまちなメタデータをどううまいこと活用できるような賢いシステムを、どう作るか。
(#さすがは宮澤先生です。もう全面同意です。m(_ _)m )
石川:人間文化研究機構(日文研、国文研、民博・・・等です)内の100以上あるデータベースを横断検索する事業があるけども、そこに、編纂所のも収録しませんか、という協議をいまやってる。いずれにしろそういうのは、1機関でってのは無理すぎるので。
大場:PORTAとその人間文化研究機構の連携も協議中。
・最後は人間賛歌。コンソーシアムを組む人間関係。資料を読む人材。データを構築する人材育成。人間、という結論。
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派手さや刺激に満ちたという話が出たかというとそうではないけども、ひとつひとつまっとうな話をされてる、という感じでしたので、聴いててとても心地よかったのですよ。うん、そうやってがんばってこうよ、ていう暖かい気持ちを抱く感じ。その空気でいいかどうか、は別としてですが。
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