・アメリカの図書館において、コミックブックは1930年代の誕生以来、「低俗な読物」と批判的に扱われてきた。
・当時、そもそも新聞が、雑誌よりも下層階級向けの読物と考えられ、そこに掲載された「コミックストリップ」もそう評価されていた。
・1930年代に誕生した「コミックブック」=コミックストリップの再掲本、は、子ども向けであり、子どもに人気であり、そして親が警戒するというパターン。
・戦後激しくなる規制要求運動。運動の存在自体が、コミックブック=悪影響、の認識を定着させる。
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・グラフィックノベルが登場する。(1960年代)
・グラフィックノベル=悪い印象のついたコミックブックと差別化をはかるための造語か、説。
・マンガが図書館蔵書とされるには、コミックブックのようなパンフレット製本ではなく、小説本と同様の体裁・出版形態が必要だった、説。
・80年代以降のグラフィックノベルが、マンガの否定的な印象を払拭し始めた。→再評価へ。
・2002年、ALAカンファレンスで初めてマンガがテーマとしてとりあげられる。これが転換期。(注:あたしが参加した2007年のつい5年前でしかないのか!)
・2007年、ヤングアダルト図書館協会が年間ベスト10リストを発表。
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・アメリカの図書館におけるマンガの扱われ方を変えたのが、日本のマンガだった。
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・1987年、Viz Communicationsが小学館の子会社として設立。
・80年代・90年代の、アキラ、攻殻機動隊、セーラームーン
・90年代後半にポケモンがアメリカ上陸。トイザらスなどでポケモンマンガの売れ行きが好調だったため、一般書店も日本マンガの仕入れに前向きになった。(それまではマンガ専門店のみ)
・2002年、TOKYOPOP社とBorders社が日本マンガのキャンペーンに成功。(本気のマーケティング、コスト削減、販売戦略)
・アメリカにおけるマンガ自体のイメージとアクセス(一般書店)を向上させた。
・市場:ピークは過ぎ、定着へ?
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・アメリカにおけるマンガのイメージとアクセスの向上→図書館での所蔵へ。
・90年代以降、批評対象、研究対象としてマンガが扱われるようになる。
・学習・教育の効果。
・図書館へのリクエスト・利用増の効果。
・2007年、図書館資料購入の10%をグラフィックノベルが占める。
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・実態についてはわからないことも多く、北米におけるマンガについての調査研究はまだ始まったばかりだ!
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