2014年07月12日

「デジタル化を拒む素材とアウトリーチ」をコーディネートするために何を考え置きしていたか、についてのメモ

 去る2014/6/28、情報メディア学会の研究大会において、パネルディスカッションのコーディネータを務めさせていただきました。の、フォロー記事の続きです。

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 [New!!] 録画が公開されました!
 https://www.youtube.com/watch?v=qpq9zqf9V1I

 情報メディア学会
 http://www.jsims.jp/
 第13回研究大会開催のご案内
 http://www.jsims.jp/kenkyu-taikai/yokoku/13.html
 情報メディア学会 第13回研究大会「デジタル化を拒む素材とアウトリーチ」 #JSIMS2014 - Togetterまとめ
 http://togetter.com/li/685786
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 その2であるこの記事は、「話題案」のストック置き場です。
 その1(http://egamiday3.seesaa.net/article/400797440.html)で書いたように、コーディネータという役割をなんとかこなすためのよすがとして、当日こんなことをこんなふうにしたらいいんじゃないかなっていう「話題案」を、あらかじめ自分なりにまとめて、手もとに置いて、話題が途切れるようなことがあれば適宜使おう、なんてことを思ってたわけですが、まあ当然ながら実際に使ったのは全体の1割にも満たなかったわけで、ダメでもともと・無駄になってもともとの「話題案」のストック、そのメモを、まあネットになんとなく置いといたら誰かの何かのヒントになるかな、ていうあれです。
 当日のパネリストのスピーチやフロアの質問からの着想も追加書き込みしています。

 ただ、これと上記当日録画を比べると、やっぱ当日はごくごく氷山の一角的テーマしか扱えてないんだな、ということがわかりますね・・・。


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●デジタル化はなぜすすまないのか

・”デジタル”自体が持つ、デジタル化の促進を止めてしまうデメリット
-技術の変化
-大量
-不当コピー
-説明がいるということ
-劣化・欠落(ロスト・イン・デジタイゼーション)
・なぜ”紙”じゃだめなのか?

・・デジタル化を阻む社会的要因
・制度・枠組みの未整備、という問題。
-著作権
-ビジネス(収益)モデル
-会計制度の不備
-納本制度の不備
-権利者・出版社への配慮・衝突回避

・民がダメなら、公?←では「ダメ」とは何?
・公だからこそダメで、民なら「つづく」、とは?

・ユーザ側の無関心・無反応(あきらめ?)
・人材の有無、という問題。
・つづける/つづかない、の問題
・内部(社内・組織内・同業他者)からの抵抗

・そもそも、なぜ我々はデジタルが”足りてない””進んでない”と思ってしまうのかしら?
-「つかう」に理想がある
-他の(業種・国・分野)はもっと「つかえる」のに



●デジタル化の効用・恩恵

・そもそも、デジタルは、何のため?
-保存・現物代替
-流通促進(ファインダビリティ−リンク)
-効率化
-アウトリーチ

・では、そもそもなぜ”デジタル”なら”アウトリーチ”するのか?
・デジタル化と”アウトリーチ”
-いままで知られていなかった資料に、リーチできる
-いままで使いづらかったユーザが、リーチできる
-デジタルだと「つかう」に”多様性”が生まれるので、リーチできる
(NDLオンデマンド、プリントディスアビリティ)
→デジタルは、資料と社会との接点となりうるか?
→デジタルが、リアルのアクセス制限を、引き継いでしまっているという問題(→)


●どうすればデジタル化は進むのか?/進まないのか?

・北風(プレッシャー・クレーム)は、促す要因か阻む要因か。
・「クレーム・負の評価・プレッシャー」⇔「成功・好評価」は、デジタル化をどう促すか、または阻むか。
-ユーザの声(批判・意見・フィードバック)と、促し/阻み
-では、ユーザ(つかう人)側は、意見をどう伝えているだろうか?

・デジタル化を促す要因(太陽)とは何か?
-報酬の有無(金銭的コスト、評価、社会還元)
-社会的評価の有無(=促しの有無)
-では、社会的評価を得るには?

・誰が”コスト””リスク”を引き受けるのか?
・デジタル化にかかるコスト/リスクを「公が引き受けていい」と、我々社会が合意できるか? 理解を得られるか? そのカギは?
・公が引き受けさえすれば、デジタル化は進むのだろうか?

・ユーザが、デジタル化をストップする要因になっていないか?
-北風(プレッシャー/クレーム)は、促す要因か阻む要因か。
-ユーザ側の無関心・無反応(あきらめ?)
-では、ユーザ(つかう人)側は、意見をどう伝えているのか?
-上手にデジタル化を促すユーザの行動とは


●(具体・個別のテーマ)
・プランゲ文庫のデータベース(公的資金⇔高額)
・有事・震災災害×デジタル・アウトリーチ


●デジタル化”後”のアウトリーチ

・可視化されにくい、見つけられにくいものを、どう届けるか
(可視性/発見可能性)
-Linked Open Data
-データ構造
-統合検索・ディスカバリーシステム(まとめて検索できる)
-他者との連携(↑のための)
-テキストデータ化(OCR・翻デジ)
-言語の壁
-加工が容易なデジタル(オープンデータ、社史データベース)
-オンデマンド出版
-ブログなどの情報発信
→これらがアウトリーチにどうつながるだろうか。

・「つかう」ハードルの上げ下げ
→デジタルが、リアルのアクセス制限を、引き継いでしまっているという問題
-若手研究者問題
-利用申請・要件
-NDL転載手続き簡略化
-東寺百合文書CC-BY
-ウォークインユーザ
-所蔵者・権利者の存在
-買いやすさ/買いにくさ
→ハードルを上げないと、ハードルが下がらない??

・他者・複数者との連携
・ひなぎくやJKなど
・コンテンツの統合連携や、横断検索・統合検索
-アウトリーチへの効果は?
-連携の難しさは?
-成功要因は?
(交渉・システム・実務・仕組みや形式の多様性)

・異なるアーカイブ/業界/メディア同士の「相互連携」(つなげる)
(同じ界隈ではリーチでも、業界間ではアウト)

・”受け”のアウトリーチ
・アーカイブやプラットフォーム(「うけいれる」)
  ↑
  ↑←ここが”届かない””アウト”という問題
  ↑
 コンテンツやリソースの所有者
(例)坂本龍馬の手紙が見つかった話

・引用/再検証可能性(固定URL、深層web)



●ユーザについて

・ユーザはどこにいるか? (海外・学外・・・)
・想定しているユーザと、想定外のユーザ

・自分がユーザとして障壁を感じた経験談
・「つくる」「つたえる」「つかう」の複数の立場を持つ身だからこそ、わかること。
・アウトリーチに乗りだそう、目指そうとした理由

・ユーザ百景
-若手研究者・野生の研究者
-勉強しない方が悪い、わかろうとしない方が悪い、はオープンなのか?
-発信者としてのユーザ
-むしろ進んだユーザへのリーチ(キャッチアップ)
-デジタルネイティブ、研究のデジタル環境
-「つくる」に無頓着な研究者(ユーザ)

・ユーザと接し、ユーザを理解することについて。
-ユーザを理解するにはどうしたらいいか。
-ユーザが「つくる」「つたえる」側に”理解してもらう”ためには、どうしたらいいだろうか?
-「つかう」人と「つくる」人とはどれだけコミュニケーションがとれているだろうか? 互いにとろうとしているだろうか?
-逆に、ユーザ側は、どれだけ建設的にコミュニケーションをとろうとしているだろうか?


・そもそも、資料とユーザが結びつく、ということの、社会的意義について



posted by egamiday3 at 10:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする