2016年02月21日

「春画展」@細見美術館に寄せて

 京都・岡崎の細見美術館さんで、ただいま春画展が開催されています。

 春画展 | 京都 細見美術館
 http://shunga.emuseum.or.jp/
 2016年2月6日〜4月10日

 うちとこ(日文研)から全部で40-50点くらいごっそり出してますので、見に行ってやってください。まあ全部ネットに画像あげてて全部見れる(http://db.nichibun.ac.jp/ja/category/enbon.html)んですけど、ぜひ、美術館でご覧ください。(映画館でご覧ください、のノリで)

 ああそうだ、全部ネットで見れるわけではなかった、一部に買い立てほやほやで、永青文庫さんにも出してなかったし、画像撮影も終わってないどころか目録取りすらおぼつかない段階で大急ぎで出したようなのもあるみたいです。そうでなくても永青文庫さんの時には出してなかった追加分が10点くらいはあったと思うんで、東京行っちゃったよ、という人もあらためて細見さん行くといいと思います。
 (永青文庫さんとの巡回展だとかそうでないとか言われますが、たぶんあとづけなので純粋な意味での巡回展ではないと思います(図録と展示品が合ってないとか)が、まあそのへんはどちらでもいい。あと、最初に細見さんでやるって聞いたのも一部報道からのニュースで初めて知ったっていうのもあるんだけど、まあそれもどちらでもいい)

 永青文庫さんのほうにも昨年末に行ってきましたけど、混み具合はたぶんいっしょくらいですがフロア自体がずっと広々としてるのでだいぶ見やすくはあると思います。正直、永青文庫さんのときは展示ケースもスペースもきつきつだったところが多くて、あれ、あんなにたくさん持ってってもらったのにこれだけしか出てない?て思っちゃったんですけど、細見さんのほうはでっかい展示ケースを広く使って、わりとたっぷり出してくれてる印象があります。
 それでも、2か月の会期中に展示替えターンが4ターンあって、リストを見ると、あ、まだ出してないの山ほどあるんだ、って思うんで、だんだん回し者みたいになってきてますけど、まあそれに近いんですけど、何回か行ったらいいと思いますね、まあ人多すぎて、1回見ただけではなんのこっちゃわからん、ていうのもありますので。

 特に絵巻物ですね。一枚ものや冊子のほうは、正直細部までじっくり見ようと思ったらそれこそネットで見るほうがいいところもあるかもしれませんけど、絵巻物については、ある程度の長さを気前よく展げて見せてもらえるのって、やっぱりこういう美術館での美術展ならではだとおもうんですよね、たとえば所蔵館で申請して貴重書閲覧というかたちで直に触れて見るとしても、それだってそんな長々と展げられるわけじゃないですから、こういう機会でもないと見られない、あられもない絵巻物の姿が見られるという、そういう物理的な圧倒さっていうのはやっぱありますよね。まあその絵巻物も、うちとこから出した新顔のやつが後期しか出なかったりするみたいなんで、やっぱり何回か(ry

 あとやっぱ目立つのは「袖の巻」だと思いますね、個人的にはあの子が一番好きです。縦13cm×横70cmという横長フォーマットの10枚組み、ていう。横長、て。まあ縦長かもですが。いずれにせよ、デザインの勝利だなって。書架に収納するのまあまあたいへんなんですけどね、あれ。まあ手のかかる子ほどかわいいという。色味もきれいだし。これもたっぷり出てますし、額装して壁掛けにしてくれてはる、ああいう角度で見るっていうのも閲覧室ではできませんので、やっぱりぜひ美術館で(ry
 あと、『女庭訓御所文庫』とか『医道日用重宝記』みたいな手習いや医療の真面目な本を、月岡雪鼎がパロディにして『女貞訓下所文庫』『艶道日夜女宝記』みたいな艶本を描いてるっていう、頭おかしいだろうと思うようなのがあるんですけど、それも、元ネタとパロディをならべて見せてるっていう、展示ならではのあれですね。あと、近江八景をパロったのとか。主人公が小さくなってあちこちのぞくというSF設定のラノベとか。どうしたいのこの人たちっていう。

 それにしてもフロア人いっぱいでしたけど、みんななんであんなに春画好きなんですかね、自分はどっちかというと苦手なほうなのであんまりその良さはわかんないです。業務で触れてるときも、正直きついっちゃあきついです。
 一番きついのはあれですね、出版社さんとかから問い合わせが来るじゃないですか、よそから出てたこの本に載ってたこの絵を使いたい、とかって。で、その本に載ってたっていううちの春画の絵のスキャンしたのとかがメールでくるんですけど、書名とか絵師名しか書いてなくて、うちにあるどの本の何冊目の何枚目?とかがわかんなくて探せないんですよ。しょうがないから書名・絵師名だけを頼りに一枚づつ画像ファイルを順に見て目視で照合しないといけないんだけど、1回メールで届いた春画の像を目に焼き付けて覚えないといけない、女性の顔と足がこっちを向いてて、男性の手がどこにのびてて、あれとこれがこうなっているポーズの絵、っていうのを網膜と脳の短期記憶メモリに刻みつける作業、あれが毎回精神を摩耗させるのでマジ勘弁という感じ。労災案件レベルの。
 さておき。でも、それでもうちとこの子であることに変わりはないですし、長年展示できなかった経緯も知ってるので、人いっぱいのフロアを見て、ああこんなにたくさんの人たちに見てもらえるようになってよかったねえ、とは思いますね。初めてその展示に立ち会った時(http://egamiday3.seesaa.net/article/393266102.html)の目頭の熱さほどでは、まあなかったですけど。(たぶん一番感動した春画展は↑これのときだった。)
 まあ、いまブーム来てるなっていうのはよくわかる、なんせこないだ数えたら、うちとこの子らが雑誌や書籍に載っけられたっていう画像枚数が、今年度4月から1月まで軽く1000枚を超えてたので、氾濫しすぎだろうとは思うんですけど、まあブームでなかった年でもこの半分くらいの数ではあったと思うので、

 会場近くには外国人観光客が爆列する平安神宮もあり、新しくできたスタバやあのツタヤ書店の入ったロームの京都会館さんもあり、京都府のセレブ司書が集まる京都府立図書館さんもあり、京都国立近代美術館さんでは志村ふくみ展、3月からは京都市美術館さんでモネ展、そして会期後半の4月に入れば疎水の桜が見事に咲き誇るという、観光にも憩いにもマストな立地ですので、ぜひ、美術館に足を運んでご覧ください。(注:1円ももらってません)

posted by egamiday3 at 10:39| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする