2016年07月02日

(報告)シンポジウム「ライブラリアンの見た世界の大学と図書館」(2016.6.25)で、司会をしてきました。


アメリカの日本研究ライブラリアン4人を招いて話をしてもらう、というシンポジウムで、司会をしてきました。

「ライブラリアンの見た世界の大学と図書館〜図書館利用行動を中心に〜」
http://www.slis.doshisha.ac.jp/event/20160625.html
2016年6月25日 15:00-17:00
同志社大学 今出川キャンパス 良心館 2階 RY202教室

パネリスト :
Kuniko Yamada McVey (Harvard University)
Tokiko Yamamoto Bazzell (University of Hawaii)
Hiroyuki Nagahashi Good (University of Pittsburgh)
Azusa Tanaka (University of Washington)

以下、司会でしたので、内容報告ではなく進行報告的な感じになります。
司会や当事者としてイベントに参加することの最大の難点は、自分で記録を残せないことですね・・・。
内容報告は↓ぜひぜひこちらをご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/xiao-2/20160626/1466905299

【後日追加】
当日の様子がYoutubeにアップされています。
https://youtu.be/-r4byVlaqqU


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当日会場においでくださったみなさん、どうもありがとうございました!
公式発表?によると約200人のご来場だったそうです。マジかと。正直、ここまで大勢の人が来るとは思ってなくて、ごめんなさい、まあまあなめてました。
来ていただいていた方々をざっと見渡すと、学生さんや現役図書館業界者だけでなく、教員の方あり大学関係者あり、書店出版の業界の方々も大勢いらしてて、これってMALUIの会じゃないのか、みたいになってた感ありましたね。

4人のパネリストはみなさんかねてよりよく存じ上げている方で、お話も上手にしてくださる方々ばかりとわかっていたので、そのへんについては司会として安心しきってました。なので準備らしい準備もほとんどしていなかったのですが、それでも一応事前に、こういう進行でいきましょう、みたいなことは言ってて、egamidayさんは阿呆なのでそれをそのままここに載せるという感じ。
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・イントロダクション
→・各人で、「図書館の概要」「普段の仕事」「経歴」を自己紹介を兼ねて。(5-10分×4人。40分程度)
→・「利用行動」(20分程度)
-グッドさんから学生の利用行動(ppt)
-バゼルさんから研究者の利用行動(ppt)
-それを受けて「レファレンス」「電子資料」を中心に全員でコメント
→・「学生の様子」(20分程度)
-田中さんから日本人留学生の様子(ppt)
-マクヴェイさんとフロアで学生の学習・授業について、ディスカッション
→・フロアからの質問+ディスカッション(質問・コメント票を回収して)(30分程度)
→・まとめとして、将来像×4人
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という予定だったのですが。
実際には、自己紹介で約15分×4人=1時間埋まるという、まあタイムキーピングの失敗事例としてはごくごくありきたりなやつ(=防げるはずのこと)ですよね・・・申し訳ありませんでした・・・結果、終盤のディスカッション・ターンでは、フロアとのかけあい的なことが全然できていませんでした・・・。これは非常に残念ですし、もったいない話です。先述のように幅広い業種のいろんな方が来てらっしゃいましたし、あの人もいた、あの人も来てた、マイク向けたらおもろいこと言ってくれたんじゃないかしら、いやそれより学生さんにこそ何か発言してもらいたかった、と今にして思い返すだに地団駄踏んで悔しがってる感じです。(教訓:「各パネリストからまずは一言づつ」、に注意)

もうひとつ、ディスカッションのまわしに余裕がなかった原因は、来場者数が思わず多かった=回収したコメント票が多い=目を通すのがたいへん、という、いや、防げるはずのことでしたね・・・。フロアがあのメンツと人数なら、素直に挙手制や指名制でもよかったんじゃないかと、まあこれは結果論になってしまいますし、それでシーンとしてたらしてたでまたあれなので、会場の雰囲気がどう転んでもどっちのも対応できるような心構えはいるな、という感じでした。

というわけで、正直な告白をすると、司会中はバタバタでとてもじゃないけど内容なんてほとんど頭に入ってきてないのですが、それでもなお、な極私的メモ。
(みききしたことおもうことブログさんにはたいへんお世話になっております!!)
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・[グッドさん]DDA(デマンド・ドリブン・アクイジション)で、英語資料選書の役割が低下。→インストラクション・レファレンスへ。
・[田中さん]「図書館はライブラリアンではなく利用者の夢を叶える場所」
・[バゼルさん]ワシントンDCのとある企業の研究所で、日本資料の収集などの仕事に従事。→日米の差を感じた。(例:政府刊行物の集めにくさなど)

・[グッドさん]ピッツバーグ大学における学生の図書館利用行動。これは2013・2014年の調査をもとにしたもの。
2014年英文オリジナル資料:http://www.library.pitt.edu/other/files/pdf/assessment/MyDayAtHillmanSurveyResults.pdf
当日のスライド:
http://www.slideshare.net/hirogood/ss-63590400
・「毎日来る」学生が50%以上(2014年)
・24時間開館で、PM11-AM6間の来館、週1回以上が30%。
・学生の来館が2010年以降増えてきたが、理由がよくわからない。グループ学習が増えたというよりも、個人の学習場所の要求が多い。そのため、開架資料の半分を遠隔地に送って学習用スペースを確保した。
・良く使われるのが「ディスカバリーサービス(OPAC込み?)」「電子資料」。その他のサービス類は「使わない/知らない」が多い。

・[バゼルさん]アメリカの研究者の図書館利用状況。これはIthaka S+R Surveyによる調査(2003〜2015)をもとにしたもの:http://www.sr.ithaka.org/
・研究をどこから始めるかについて。「図書館内から」は大きく減ったが、「図書館のwebサイト・目録」が2012から2015の間で増えてきた。<ディスカバリーサービスによるのではないか。
・電子があるなら冊子体をキャンセルしてもかまわない。ジャーナルでは、理系80%、人文系でも50%を超えている。書籍では理系50%、人文系でも30%ある。
・図書館にとって重要な役割は? 研究者の意見では「学部生のサポート」が多い。一方、データキュレーション/マネジメントについては、図書館の新しい役割ではなく、研究者が自身で管理したいと考えている。

・[田中さん]日本人留学生の様子+図書館の提供するサポート
・授業では、課題がかなり多い。ディスカッションのファシリテート、期末レポートの発表など。
・ライブラリアンは、期末レポートのアイデアを一緒に考える、資料探しをアシストする。
Japanologists Colloquiumを田中さんが月に一度・東アジア図書館で開く。学部を問わず”日本”をテーマにする学生を集めて、研究テーマの共有や期末レポート発表の練習の場とする。分野を越えたコミュニケーション。←極私的MVPトピック

・[マクヴェイさん]
・図書館の書架でブラウジングをすることは、重要でなくなってきている。
・デジタルへの期待値が高い。図書館サービスのひとつとして、遠隔地の書庫にある図書をスキャンして送るというものあるが、学部生はそれも待てない。

・アメリカの大学図書館で使われている日本の電子書籍プラットフォームは? →EBSCO・NetLibrary・丸善e-books・JapanKnowledge
・日本のデジタルアーカイブについて。隠れていて見つけづらい。Visibilityが低い。そのサイトのその場所にいかなければその存在がわからない、ではなくて、ディスカバリーツールにメタデータを送るなどして見つかるようにするのがよい。
・ワシントン大学図書館における多様性支援について。
・ライブラリアンにはMLIS(図書館情報学修士号)だけではなく、強みのある専門分野や能力(IT・ティーチング等)が必要。博士号を持った人がライブラリアンとして勤める例も。
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当日はUstream中継もするにはしてたのですが、直前まで機器類の調整がつかず、URLをほとんど広報できていませんでした。申し訳ありませんでした。(アーカイブの公開が同志社サイドでできるようになれば、またあらためてお知らせできればと)
当日の様子はテキストお越しされて、「同志社大学図書館学年報」に載るという予定もきいてます。

というあれやこれやで、一言で言うと「もったいない!」、もっとこの魅力あるコンテンツを皿まで舐めまわして味わい尽くすような余地はいくらもあったんじゃないか、という反省点いっぱいなのですが。
だとしても、それでも、あれだけの幅広い立場の&数多くのみなさんに、特に学生のみなさんに、アメリカの日本研究ライブラリアンという立場の人々のお話・考え・視点のようなものをお届けできたこと、現場で目撃していただくことで肌感覚で感じでいただけたことは、非常に大きな意義があったのではないかと思っています。
特に学生さん、当日の感想をレポートとして出してもらったのをざっくり見ると、24時間開館のうらやましいさや語学力がどれだけいるかなども多かったのですが、同じくらい多かったのが「アメリカの大学図書館ではこんなことまで学生サポートをしてくれるのか」というサービスの手厚さと、「ライブラリアンになるまでの経歴がこんなにも人によってちがうのか」的なキャリアパスの広さへのリアクションでした。そのことを見ず知らずの大人の口から聞けたという体験は、司会してるこっちがうらやましく思うくらいのものだと思います。

200人の人が4人の話を聴く様子を司会席でぼおーっと見ながら「明日からもこんな日が毎日続けばいいのに」と、世にも奇妙なフラグのようなことをずっと考えてました。
ほんとにそうなったら、自分自身がしゃべれないことへのフラストレーションがずっとずっと溜まっていくので、我慢ならんと思うんですけどね。でもいいんです。しょせんあたしは司会です、メディアです、魅力あるコンテンツがあたしの上を次々と通っていって、届くべき人のところへ届いてくれさえすればそれでいいんです。

パネリストのみなさん、当日運営でお世話くださった同志社大学のみなさん、発起&ご支援くださった紀伊國屋書店のみなさん、公私ともにもろもろ支えてくださったみなさん、そしてご来場・ご視聴くださったみなさんに、あらためて心より感謝申しあげます。

で、さらにクレイジーなことに「アンサー・シンポジウム」なるイベントがその翌週に持たれた、との噂がありますが、それについてはまた別の話で。

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posted by egamiday3 at 12:42| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする