オスロ滞在中に1日だけプライベートな休暇を取ることができましたので、さてどうしようか、選択肢は大きくわけて「オスロ市内をまったり楽しむ」か「鉄道乗りのエクスカーションに出る」かの2つ。選んだのは後者でした。
というわけで、「ベルゲン急行&フロム鉄道」日帰りエクスカーションの記録。
旅程は下記の通り。

○時刻
オスロ中央 06:25 → 11:34 ミュルダール
ミュルダール 12:13 → 13:10 フラム
フラム 16:05 → 17:03 ミュルダール
ミュルダール 17:54 → 22:15 オスロ中央
スカンジナビア半島の北側のほうにベルゲンというオスロ第2の都市(ていうかそもそもこっちのほうが商都として歴史的には中心だった)があって、オスロとそのベルゲン間を結ぶ「ベルゲン急行」は、森林地方、湖畔地方、山岳地方、氷河地方を駆け抜けるという、ヨーロッパおすすめ車窓ルートとしても有名なところらしく、そのベルゲン行きの8合目あたりにあるミュルダールという駅で降りると、そこからさらに山の方へ向かう「フロム鉄道」というのもまた山岳鉄道として有名な車窓ルートらしく、ノルウェー国鉄サイトでチケットの空きをこねくりまわした(何せ人気かつ週末で結構に埋まってる)結果、上記のような、朝6時発、夜10時帰還、12時間乗り続けルートならなんとか日帰りで行けそうとわかり、12時間、マジか、18キップじゃないかと思ったんだけど、よく考えたら去年ローマ−シチリア間12時間鉄路を(しかも関空−スキポール12時間の翌日に)乗りこなして何の不都合もなかったことを思い出したので、特に不安はないという。
なお旅行事務的には、諸事トラブルで(ノルウェー国鉄サイトが日本のクレジットカードをはね返す)、3枚あるチケットがe-チケット、PDF、iPhoneアプリQRコード、という3者3様にばらけてしまったというご愛敬あり。


6時台の第1便ですが、ホームまで行ってみるとまあまあの人出で、観光らしき感じが多く、やっぱり人気なんだなという。


オスロ発。

ずっと森と湖。そうかこれがノルウェーの森か。
Youtubeでビートルズ聴いたりしてます。
以下、しばらく車窓をお楽しみください。




あれですね、水面が静かすぎ水が澄みすぎて、どっちが上か下かわかんないくらいの鏡になってますね。
あと単に見た目が美しいっていうだけじゃなくて、晴れたり曇ったり霧ったり、山だったり樹林だったり人里だったり、バリエーションに富んでいるんだけども、かつ慌ただしく変化するわけでなくちょうどいいスパンでゆったり続いてくれる感じ、このあたりがシーニックルートとして賞賛されるところなんじゃないかなって思いますね。何時間も経つのにこれといって飽きてないです。




いくつかの駅も経ます。
Gol駅というところを過ぎた辺りから、苔むす岩というのが増えてきて、このあとの変化への序奏だなという気がしてきます。


フィヨルド、フィヨルドと言いますが、つまりはこのゆるやかな曲線からなる谷間が丸ごと氷河だったということなんだったら、もう壮大すぎて自分には想像が追いつかなくなってきますね。河底に沈んだ集落、を想像する方が早いようなきもします。そんな光景。

Geilo駅あたりから、山の木の色が明らかに違ってきます。その辺の木もこれまでに比べて痩せた印象。季節はもうすっかり晩秋という感じです。鉄道に乗ってるだけで季節が変わっていくんだなあと。Mかと。
↓そしてここからしばらく、京都のお寺さんがこしらえはったお庭のでっかいの、としか思えないような風景をお楽しみください。





氷河地形って言うからもっと武骨なもんかと思ってましたけど、スケールのでかい繊細な景観、っていう感じがするなあと。季節のおかげかもしれないですけど、荒涼感・寂寥感をあまり感じないというか。



Finse駅。標高1222m、最も高いところ。



ほら見ろ、5時間あっというまだったじゃないか。
というわけで、途中乗り換えのミュルダール駅に到着。


ここで事件発生。北京の精華大学から来てたEAJRS友達(註:主に毎年のEAJRS会場でだけ会う友人)にばったり出くわす。彼女も同じ列車に乗ってて、これからフロムへ行くんだというので、以下、しばし同道。


フロム鉄道は、ミュルダール駅とフロム駅を1時間程度で結ぶ山岳鉄道で、まあ圧倒的な観光路線という感じですね、世界各国からの人たちがこれに乗り込んできてるのがわかります。
なお、行きの車窓は席の都合上うまく撮れなかったため、帰りの車窓をのちほどお楽しみください。
というわけで、なんだかんだでフロム到着。




山と山の間に挟まれてせせこましく存在するこの町・フロムには、細い港があって、同じく山に挟まれた入江へと船が出て行くわけなんですけど、これがだから入江なので、ずううぅぅーっっと延々たどっていくとその先で海に出るという。上に再掲した地図でFlamのとこまで細っい入江が入りこんできてるのがわかると思います。ここも枝分かれし尽くした入江の先っちょなんだから一応”海”ではあるんだけど、外洋に出るまでその「一応”海”」状態が都合200キロ以上も続いてるっていうわけですから、氷河が削り創造し賜うたフィヨルド地形というもののスケール感が、とてもじゃないけどちょっと想像しかねますね。

EAJRS友達は、このフロム港から船に乗ってベルゲンへ向かいました。さようなら、また来年。
ていうか、そうか、そういうルートもあり得たのか。なんせ延々続くフィヨルド・クルージングを堪能し尽くせるわけですから、観光客も押し寄せるわけだなと。
そんなクルージングなみなさまを尻目にegamidayさんはと言えば、フロム鉄道博物館ですよねと。





フロム鉄道は、フィヨルド沿岸各地から船が到着するこのフロム港と、さっきあたしが乗ってきたオスロ−ベルゲン間の鉄路とを結ぶ目的でつくられたらしいんですが、20キロくらいの道のりを、トンネル掘ったり高い低いを乗り越えたり、大戦期もはさんだりして相当苦労しはったみたいで、その苦労の歴史を展示してある博物館なわけです。いまではこのへんのフィヨルド観光の目抜き通りみたいなもの(なんせオスロから日帰りででも来ようと思えば来れる位置づけだし)だろうし、復路で写真を載せますが、この鉄道乗ること自体が充分なアトラクションなので、成功してるなあという感じです。
よかったね、フロム鉄道。
というわけで敬意を表して(というより洗濯の時間が取れそうにないので買い足しとして)、フロム鉄道Tシャツを購入。
そして、復路のフロム鉄道。


絶景が続く、というか絶景しかないので、正直めんどくさく、特に解説もありません。




しばらくすると列車が停まって動かなくなったので、お、これはもしかしてと窓から乗り出してまっていましたら、やっぱりすれ違いでした。

途中ででっかい滝のすぐ近くまで乗り付ける場所があります。

ここで列車が数分停まり、みなが降りて滝をぱしゃぱしゃ撮り、なぜか大音量で音楽が流れ、なぜか真っ赤な服をきたダンサーが滝のわきで踊り狂う、という謎のアトラクション。



まあなにせ、絶景しかないので、堪能して時間が過ぎて終わる、という感じです。
このあとは、もうただの帰路でしかないです。

再びのミュルダール駅で、ホットドックとポテチをもって遅い昼食と早い夕食を兼ねる。
その後、オスロ行きベルゲン急行を捕まえて、乗ったら数時間爆睡。

爆睡、起きたらオスロ駅。

おつかれちゃん。
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