2019年07月02日

今日の「CA読み」メモ:「常識のカバーをはずそう」〜札幌市図書・情報館が変えたこと、変えなかったこと〜他

 40周年記念号的な記事をいくつか読んで、これ50年までにもうひとテコ入れが期待されてるんだろうな、じゃないと”安定側”にまわっちゃうしな、と思たです。カレントはカレントだからとカレントがカレントのことしか考えてなければ、ていう(札幌記事参照)。

●『カレントアウェアネス』40年の歩み / 関西館図書館協力課
 http://current.ndl.go.jp/ca_no340_history
 これも参照のこと → 『カレントアウェアネス』30年の歩み(http://current.ndl.go.jp/ca_no300_history))

●友愛が図書館の連帯を強化する:LCとNDLでの交流から / 松林正己
「図書館文化の差異は、図書館が運営される文化のギャップそのものであり、その差異をCA編集上反映できないか」

●編集企画員を務めた12年間を振り返って / 森山光良
 http://current.ndl.go.jp/ca_no340_moriyama
・「編集企画会議で公共図書館の立場から推奨テーマ案を力説しても、関心を持たれず廃案になったということも少なくなかった」「アンケート調査によれば、CA ポータルの読者層に占める公共図書館関係者の割合は8.3%に過ぎなかった」
・「日本の図書館関係者、研究者等が、日本語以外の言語(主に英語)で、海外の雑誌、学術雑誌等への投稿をあまり行っていない」
・「編集企画会議の究極の目的は、とにかく執筆候補者を探し、承諾を得る道筋を付けることにある」「記事候補選定用の電子ジャーナルのリンク集(30誌程度)を、自分なりに作成するとともに、随時入れ替え更新しておき、会議前に一通りチェックおよびピックアップした。これによって、最近の動向を把握した」
 →よく考えたら、自分の主たる情報源がカレントで、それではカレント新記事の企画はできないんだ、ということにいまさら気付いた。どうしようかな・・・。

●『カレントアウェアネス』50年に向けての期待 / 村上浩介
 http://current.ndl.go.jp/ca_no340_murakami
「硬軟自在、「ノリ(乗り)」良くタイムリーに、最新情報(カレント)を慎み深く紹介する(アウェアネス)媒体」

●CA1951 - 『日本目録規則2018年版』のはじまり:実装に向けて / 渡邊隆弘
 http://current.ndl.go.jp/ca1951
・「FRBR等の概念モデルに準拠し、RDAとの相互運用性の担保をめざしたことで、これまでのどの版よりも抜本的な見直しとなった」
・「NDLは2018年3月に発表した「書誌データ作成・提供計画2018-2020」において、2021年1月からのNCR2018適用を目指すとした。これに向けてNDLでは適用細則の作成を開始」「NACSIS-CATについては、軽量化・合理化を目指す大きな見直し(「CAT2020」)が予定されているが、この段階では適用する目録規則の変更は行われない」「RDAにも言えることだが、NCR2018は従来のNCRと比べ自由度がかなり高く・・・記録の方法にも別法や任意規定が多いため、各データ作成機関では適用細則の作成など、入力方針の検討が欠かせない」「ISBD区切り記号法のようなエンコーディング方式(メタデータの構文的側面)は全く規定していない」
 →これきっかけで、今後おたがいの足並みをそろえ”ない”というのがある種のトレンドというか方向性になるのかしら。まあそれでもいいよね、っていうのがRDA以降の考え方っぽい気がする。
・(機械可読性の確保)「非構造記述ではリンク機能の提供につながらず、機械可読性の観点からは望ましくない」
・(著作の典拠コントロール)「全著作に独立した典拠データを作成することは、RDAを適用する海外の図書館においても行われていない。・・・複雑な場合にのみ典拠データを作成し、それ以外は書誌データ内で完結させる運用が多く見られる」
・(書誌フレームワーク)「NDLでは比較的早くからBIBFRAMEに注目していたが、当面はMARC21を採用するとした。合理的な判断と思われる」

●CA1952 - 灰色文献のいま〜2010年代の動向を中心に〜 / 池田貴儀
 http://current.ndl.go.jp/ca1952
・オープンサイエンス、オープンアクセス、研究データ
・「2010年代は、既存及び新しいステークホルダーの議論など、広く一般公衆への働きかけに関心が向けられ始める時期でもあった」
・「灰色文献の問題の所在が変化してきている」「インターネットを通じて灰色文献が流通することで、灰色文献そのものの概念が変わり、灰色ではなくなる」「膨大な知識や情報が生み出される今日、出版物以外のデータや資源など、あらゆるものを対象とせざるを得ない」
 →むしろ灰色であることがあたりまえになろうとしており、そりゃRDAにしろNCRにしろ自由度高くせざるを得ないので、ちゃんと自分たちで考えなさいね(=誰かが決めてくれるわけじゃない)、ということだなあ。

●CA1953 - 「常識のカバーをはずそう」〜札幌市図書・情報館が変えたこと、変えなかったこと〜 / 淺野隆夫
 http://current.ndl.go.jp/ca1953

・「都市計画、エリアマネジメントの関係者から・・・これだけしかない面積でも、図書館が街の中で人の流れを作り、交流を生むことがわかった」「小規模なライブラリーでも併設してもらえるよう、新たなビル、施設を建設する地権者に対して図書館サービスのノウハウや人材を提供していきたいと考えている。これが筆者の考えるエンベデッド・ライブラリー(組込み型図書館)」

 図書館が図書館であることから外へ踏み出すことで、図書館本来の機能を取り戻した、というような話。
 大きいことをやるのか。小さいことからやるのか。いや、小さいからこそ大きいことができるのか
 小さいものが大きい流れを変えるには、自分自身が大きさをイキろうとするのではなく、社会全体の大きな流れを広く意識してその中にいかに飛び込むか、というのが課題なんだろうな、と。そりゃ、”図書館は図書館だから”といって図書館が図書館のことしか考えてなければ、社会にエンベデッドするという本来の機能はまっとうできないだろうからなあと。
 そういう意味では、大きいニューヨーク公共図書館のあの活躍は、決して”大きいから”ではないんだな、とも。
 とても興味があるというか、勇気が出る話でした。
 (注:1500uが小さいかどうかはまた別)

・「課題解決型図書館を標ぼうしているが、実際の利用者の課題とは、もっとはっきりとしない、もやもやとしたものではないだろうか」
「入り口に大きなタペストリー風のサインで当館サービスのコンセプトをわかりやすく表現した「はたらくをらくにする」を掲示」
「ビジネスパーソン支援に本当に求められているものは何か・・・「各職業の専門書」が2位にとどまり、1位が「ビジネスマナー・仕事術」、3位が「人間関係・コミュニケーション」」
・「Workのエリアでは自分の業界の棚に行けば必要な情報がすべてそろうようにまとめられている。またLifeのエリアでは働く人たちの生活に必要な情報とは何かをイチから考え、それらを項目立てしてふさわしい本を並べている。このようなテーマを決めてから本を選び、手に取りやすいように並べる」
・「利用者からは「ここができたおかげで本の世界に戻ってきました」という声をよく聞く」

●CA1954 - 企業のアイディア発想法を参考にした企画・イベント展開〜杉戸町立図書館の取り組み〜 / 小暮雅顕
 http://current.ndl.go.jp/ca1954
 「下記の企画イベントを全て予算0円で実施した」

●CA1955 - 阪神・淡路大震災関連文書に関する神戸市の取り組み:情報発信の活性化に向けて / 杉本和夫
 http://current.ndl.go.jp/ca1955
・「阪神・淡路大震災の関連文書の整理保存等の作業は、神戸市からの委託契約により、2010年度から8年間にわたり、神戸市の外郭団体でシンクタンクである公益財団法人神戸都市問題研究所の手により行われた」(2018年3月終了、業務は神戸市文書館へ)
・「一次文書の典型はファックス文書で、当時ファックスは重要で確実な通信手段であった。ファックスで使われた感熱紙は、ほぼ真っ白な状態に劣化、判読困難となっていた。・・・感熱紙の復元手法を多数回に及ぶ試行錯誤を重ねて完成し、約1万5,000件の感熱紙を復元した」

●CA1956 - 国際子ども図書館の中高生向けサービス:調べものの部屋と調べもの体験プログラム / 小熊有希
 http://current.ndl.go.jp/ca1956
 「参加者はSNSやブログの記事など出典が不確かな情報源を参照していても、結果的にクイズに正解すれば満足してしまうことがある。単に情報を探す調べものから一歩踏み込み、「信頼できる情報源を選ぶ」「情報の正確性を確認する」といったプロセスも含めて調べることの面白さを体験してもらうためには、さらなる工夫が必要」
 →”出題”の巧拙は人を左右するし、だからこそ”出題”は難しいよね、という。
posted by egamiday3 at 05:46| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする