2020年02月22日

『君に届け 〜 OCLCと日文研をつないだ目録・ILLの物語』 序章


 うちとこ、すなわち国際日本文化研究センターが、OCLCに目録情報を登録して、海外からのILL受付を本格的に始めた、ていうことの、経緯や思い・考え、その他あれこれをここに書きとめておこうというものです。
 この話はこれまであちこちで報告したり、「大学図書館研究」に報告論文も発表したりしてきましたが、一度自分の言葉でざっくりとでもまとめたものを、記録しておこうって思いました。
 とは言え、差し障りのない範囲でしか書けなくもあり、しかもあくまで個人的な感想や叙情的な描写が多いものとして、お察しください。

 ILL受付開始を堂々と始めることができたのは2018年4月でしたが、それまでに、大量の目録情報をどうやって登録したらよいのか、お金のやりとりをどうしたらいいのか、どうやったら海外ユーザのニーズを満たすことができるのか、いやそもそもそんなこと本当にできるのかできないのか、さまざまな準備、段取り、議論と検討の紆余曲折があり、さかのぼればそのきっかけは2016年末の東京国立近代美術館、いやもっとたどれば奈良文化財研究所との出逢いだったような気がします。
 結果、30万タイトルの目録情報をOCLC WorldCatに登録し、すべてに一括してローマ字データも付与し、ILL受付は年間で200件を超え、そしてこの事業のサステナビリティ、つまり今後も無理することなく継続していけるというメドも立ちました。
 ただ、本当はもっとうちとこ以外、よその大学図書館・研究図書館さんにもたくさんお仲間に加わってほしい。そういうことを期待して、まあすでにあちこちに報告していることと若干の重複はあるかもですが、あらためてこのweb上の片隅に書きとめておこうとするものです。

 資料・情報を求める人のところに、あるいは求めようと思ってなかった人のところにも、届けるにはどうしたらいいのか。
 そういうことをいつも想っているという、日々の記録のようなものです。


 以下、おおまかな目次。
 第1章 「センパイがくれた勇気と見積り」(概要と経緯)
 第2章 「伝わらない言葉たちをローマ字にのせて」(目録)
 第3章 「君は君のままで、USドルはUSドルのままで」(ILL)
 第4章 「物語の向こう側にある課題と展望」(まとめ)

 参考文献です。

・荒木のりこ他. 「国際日本文化研究センターにおける目録・ILLの海外対応 : OCLC WorldCat・WorldShare ILLによる新サービスと課題」. 『大学図書館研究』. 2019, 112.
 https://doi.org/10.20722/jcul.2042
・江上敏哲. 「日本からの学術資料の提供をどう実践するか : 国際日本文化研究センターによるOCLC参加の取り組みから」. 教育と研究の未来(紀伊國屋書店). 2018, OCLC News 特別号.
 https://mirai.kinokuniya.co.jp/2018/06/4006/
・江上敏哲. 「海外における日本研究と図書館 : 概観および近年の動向・課題と展望」. 『情報の科学と技術』. 2017, 67(6), p.284-289.
 https://doi.org/10.18919/jkg.67.6_284
・江上敏哲. 『本棚の中のニッポン : 海外の日本図書館と日本研究』. 笠間書院, 2012.5. 
 http://doi.org/10.15055/00006806



 なお、元ネタ作品についてはタイトル以外何も知らないことを、念のため述べ添えます。
 でもまあ、このトピックにぴったりなフレーズじゃないですかね。

posted by egamiday3 at 12:42| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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