2015年10月06日

極私的・2015夏のご精算と、秋冬の絵馬(活動指針メモ)


 絵馬。
 それは折に触れて掲げたり降ろしたりする活動指針。


●夏の精算(自己点検)
・AAS・MALUIを進める: 60点
・ネット環境・wifi・iphoneを更新・整備する: 50点
・非常持ち出し袋を整備する: 0点(ここ0点なのマズイだろう)
・夏季大掃除(ユニット化): 80点
・隠岐予習: 75点
・オランダ・ライデン予習: 65点
・寄席の準備: 10点
・wikiのtodo: 0点(持ち越し)
・MyStudyの準備: 0点(持ち越し)
・MyNBKの準備: 0点 (持ち越し・・・ああああああ・・・)
・EAJRS準備: 85点
・ガイド・OPACの整備: 75点

講評: オランダに手間取られ過ぎです。



●2015-16 秋冬の絵馬

【スケジュール】
2015.10 AAS〆切
2016.03 CEAL/NCCシアトル
2016.06 AAS京都

・projectは、具体に取り組んでください。(→【スケジュール】参照)
・socialは、プレゼンス化を意識してください。
・あれこれのことを、コンテンツ化とその蓄積につなげてください。コンテンツは大事です。
・結果、”読み”と”書き”に尽きます。
・出不精はコンテンツ化の敵、ダメ、絶対。
・有酸素運動の”多角化”と”仕組み化”

posted by egamiday3 at 21:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月06日

ある日の図書館のお仕事・記録

 思い出したように書く。
 特別に忙しいわけでもなく特別に暇でもなく特別なことがおこったわけでもないある日の、とある研究センターの図書館における、図書館でのお仕事の日常的記録。こんなことをやってましたし、やってます、ていう。(フェイク込み)

8:15 開館準備
8:30 メール確認
9:00 外来利用者が不調を訴える閲覧用PCの、一時ファイル削除やソフトのアップデートなどのメンテ
9:20 台湾の先生が戦前の日本料理についての文献を他大学から借りて欲しいと言ってきたのを調査した結果、東京の私立大学がデジタル画像公開しているのを見つけられたので伝える。
9:30 海外ILL依頼対応
10:00 依頼により、1月以降のOPACへのアクセス統計をまとめて報告。その過程で、数字のあらわれ方に不審な点があることに気付いたので、ひととおり調査した上で、業者に問い合わせを送る。
10:45 依頼により、過去の利用統計から関連しそうな数字を抜き出して、報告
11:00 換気のために新館の窓を開放
11:15 外部より閲覧打診のあった絵巻物について、劣化状態と書誌事項を現物で確認して、回答する
11:30 ミラノの芸術雑誌からの問い合わせ対応で、うちが撮影して保管している艶本資料のデジタルデータのマスター画像について、解像度その他を調査して回答する。
11:50 東京の出版社に送るための古地図画像をDVDに大量に焼く作業。
12:10 館内の展示ケースの仕様について問い合わせあり。
12:15-13:00 休憩
12:30 休憩中、テレビ局からの名所図会への問い合わせあり、対応。
13:00 カウンター業務(以下17:00までカウンター業務と併行して)
13:00 マイクロフィルム利用の外来利用者に対応、案内。
13:15 業者に委託する図書移動作業の準備。別置すべきタイトルの選定と棚数のカウント、空き棚数の算出、Excelによる空き棚配分の計算、業者への指示票をwordの差込機能で作成、等々。(以上を16:30頃まで断続的に)
15:00 館内数カ所に設置する予定のカーテンのサイズを採寸しにきた業者を案内してまわる
15:30 換気のために開放していた新館の窓を閉める
15:45 大阪の某文庫から届いた文献複製・製本の見積金額の内訳に不審な点があり、過去の書類と見比べる作業。
16:20 外来利用者の複写料金受け取りと経理処理
16:30 新着図書のバーコード読み込み、帯の装備、貸出希望者への連絡、新着コーナーへの配架、古い新着図書の間引き
17:00 閉館作業
17:15 東北の博物館から来年の巡回展のための展示貸出の打診あり、その資料を扱う先生に相談
17:30 ライデン出張準備の一環として、構想図を再描画。
18:00 OPAC利用ガイドの確認と新規作成、そのための動作確認
19:00 おしまい。
posted by egamiday3 at 12:58| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月04日

AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その2)

・AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その1)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421699189.html
・AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その2)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421800363.html
・AAS in Asia 2015, Taipei 参加メモ #AASinAsia
 http://togetter.com/li/837823


●Exhibition(展示ブース)のこと

tw07.jpg
IMG_1136.JPG

 企業やその他団体がブースを借りて展示しているというExhibitionのコーナーです。会場の低層階の人が行き来し集まりそうなところに設置されてある。それで、この人数規模でこの狭い通路みたいなロビーで、20とか30くらいしかブースがないのって、えらいすくないんじゃないか、って思ってたんですけど、でもそれほど混み合ったりしてなくて、そんなに人いなかったな、という印象でした。
 休憩時間はバタバタ移動しなきゃいけないからなのか。分科会に出てない人はどこか外へ出てよそへ行っちゃうからなのか。だいたい毎回こんな感じの人出なのか、いつもはもっとちがってたまたま今回場所の設計があまりよくなかったのか。そのへんはよくわからないです。

 おおむね、パンフやチラシを配る。本の現物を展示する。データベースの紹介をする。ノートパソコンでデータベースのデモをしたり、トライアルの案内をしたり、あと動画を再生したりしてる。そして、ペンとかクリアファイルとかお菓子みたいなんを配っている。それやこれやの手法で、参加者ときっかけを作ってはしゃべっている、という感じ。

 出展しているのは主に、出版社、データベース会社、大学出版会が主だなという感じなんですが、その中にあってちょっと印象に残った出展者が、当の中央研究院のデジタルセンターというところ。まさにこの建物の一角にオフィスを陣取ってはる組織らしいんですけど、そこがこの中央研究院における”デジタル化事業”を担ってはるとのこと。30人くらいのメンバーがデジタルセンターにいて、デジタルの専門家だったり資料の専門家だったりデザインの専門家だったりという各種の役割を持った人たちがいっしょになって、デジタルなコンテンツを作成しているという。それは、中央研究院内の台湾史研究所の持つ史料のデータベースであったり、歴史語言研究所のデータベースであったりするわけです。
 というような話を、そのブースにいた学生スタッフらしき2人と、チーフらしき人1人が英語であれやこれや説明してくれはる、という感じのイベントですね。

IMG_1160.JPG
IMG_1163.JPG

 ブースでは、各種デジタルコンテンツのパンフ類やクリアファイルを配ってたり、出版物を展示してたり、背後のボードに大きく印刷したポスターを掲示してたり、という感じ。あと、ノートパソコンをテーブル上に置いて、目玉らしき古地図のデジタル画像のデモンストレーションみたいのをやってました。

 あとは台湾の学術データベース会社の人らにお会いして、日本語でいろいろ説明をしてもらってました。台湾日日新報とか、うちめっちゃいるやん、みたいなの。めっちゃ営業熱心、なだけでなくて、日本ではどういうデータベースがあるかとか、どういう出版社があるかとかいろいろインタビューされて、データベースを売るにはどうしたらいいかとか尋ねられるから、ああそれは日本の書店さんに代理店になってもらったほうが、うちらも契約しやすいからそうしたほうがいいですよ、どこどこ堂さんとかどこどこ屋書店さんとか、みたいな話を調子に乗ってしてましたけどね。

 あと、webに載ってるデータベースなんだし日本で自分で見りゃわかるだろう、というようなe-resourceであっても、こういうのってやっぱり普段よっぽど意識することがないと、こまめにチェックしたりする余裕なんか仕事中はないから、こういう場で直に関係者の人と触れて話を聞くと、あらためて、あ、こんなんあるんだねーって気付かされること、たくさんあると思うんですよ、たとえネットで見れるe-resourceであってもやっぱり。そういう出会いが得られるのも、こういう学会とかExhibitionの有用な点だろうなって思います。

 あと、日本からアジア歴史資料センターさんが出展してはりました。ここはすごい、こういうところちゃんと来てはるから。


●ライブラリアンの参加のこと

 研究者以外のライブラリアンがもっと来てるイベントなのかと思ってましたけど、結局、自分と阪大・某山さんも含め、中国専門司書の人も含め、ライブラリアン職じゃなく教員で図書館役職の人も含めて、全部で10人くらいでした。そんなもんかーと思った。(前年のシンガポールは2人だったらしい)
 ただ、ほんとのところはわかりません、上に言う10人は全員が北米と日本の顔見知りグループから成るので、もしかしたら台湾の地元のライブラリアンが参加はしてたけどわかってないだけかもしれない。ただ、わかってない人と出会える構造になってなかった、という感じ。
 でも、2日目の朝一のピリオドで「ライブラリアンシップが云々」ていうテーマのパネルがひとつあって、それが唯一の今回のライブラリアン向け企画だったんですけど、そこにその10人がいて、あとそれ以外にも6-7人の聴衆はいたんですけど、たぶん教員職や研究者の人たちで興味を持った人ら、という感じだったんじゃないかなという。あそこにライブラリアンが混じってくれてたとしても、じゃあ多くて12-3人くらいになるのかな、という。

 ただ、来年はもっと多くなりそうな予感というか、予感だけはFacebookあたりからかなり感じとれますけど。

 あと、あたしはうっかりしててそういうラウンドテーブルがあるって気付かなかったんですけど、台湾のドキュメンタリーフィルムによる映像記録、というテーマのラウンドテーブルがあって、そこにフィルム・アーカイブの人が参加してたらしいです。
 そんなんあったんだ、タイトルだけではわかんなかった、アブストラクトを注意深く読んだら確かにそうだった、という。


●ライブラリアンのパネルのこと

 その、ライブラリアン向けパネルについてです。

IMG_1177.JPG

 司会・北米A大学の日本専門司書。
 パネリスト・北米B・C・D大学の中国系司書。
 ディスカッサント・日本E大学の図書館役職にある研究者。
 「Librarianship in a changing world: Google is not enough!」という、ひと目見てライブラリアンなら参加しに来るタイトル。(うん、タイトルはそういうふうに付けてください・・・)
 各パネルの発表は、エンベデッド、アジア言語資料、留学生支援などについての、実践報告、実態調査、事例調査報告の類の感じでした。やっぱりなじみ深いテーマの話を、なじみのあるプレゼン手法でしゃべってもらえると、苦手な英語もわりかしするっと身体に入ってくる感じがしますね。
 ディスカッサントの先生が、自分なりの見解を述べて、それにからめながら発表者各者へひとつづつ質問、という、見てて非常に”美しい”流れになってた、一番いい進行のパネルだったと思います。
 あと、フロアまじえてのディスカッションが、一気に実務・実践的なことが中心の話題になって、そのへんもやっぱりライブラリアンの集まりだな、という感じがしますね。自分も参加して、つい議論に集中しちゃう感じになりましたけど。

 このパネルをオーガナイズしたのは、司会の北米A大学から参加してた日本専門司書の方だったんですけど、これは特にNCC(北米の日本司書の集まり)とかCEAL(北米の東アジア分野司書の集まり)とかの企画、というわけでもなんでもなくて、ご自分でオーガナイズしはったとのこと。
 あと、ライブラリアン系のパネルはもうひとつ申請されてたんだけど、採択されなかったという話もありました。そういうこともあるという。


●レセプション

IMG_1200.JPG
IMG_1201.JPG

●北米ライブラリアンとの会話から

 で、そのレセプションで、ライブラリアンたちでかたまって(数人で)この会のありかたや参加者の行動みたいなことについて、いろいろとしゃべってましたという話。

 そもそもこの北米から来たライブラリアンの人たちも、お目当てのパネルとか以外の時間帯には会場にいなかったらしく、むしろ台北どこどこ図書館とか、どこどこアーカイブみたいなところに、事前に何時に何人というかたちでアポとってて、訪問・見学に行ってはったらしいです。そういう話とか聞いてるともしかして、いろんな分野の複数のパネルに連続して参加する、みたいなことやってるのってあたしくらいのものなのか??というようなことすらちょっと考えてしまうという。
 展示ブースにもそんなに人ががやがやいてたわけではないし、会場全体が人混みしてるわけではないから、みんな、時間を作ってはあちこちに出かけたり、必要なグループの人同士で集まって何かしたりしてるんじゃないかしらと。
 これが、このAASでは毎回そんな感じだというのか、それとも今回の時間設定・プログラム構成・会場の物理的構造によるものなのかはちょっとわかんないですけど、でも、事前にアポとってそういうことしてたっていうなら、要はそういうことなんでしょう、ていう感じですね。 

 で、でもみんながみんなそうやって事前にアポとって用意周到にかつスムーズにあちこちに行けるような、ある種のリテラシーがある人たちばかりではないだろうから、そういうのがプランとして用意されてたらいいね、というようなことは言われてました。それはそれでなるほどと思います、ただまあ、それは誰が何のためにやることなのか、という話になるとは思うんで、ちょっと考えどころではあるんだけど。

 とにかく、こういった学会に来ると、今回の台北はともかくとしても、北米の本体の学会のほうは予定予定で詰め込まれすぎ、朝一から深夜までオーガナイズされすぎで、自由に余裕をもって動いたり、いろんな立場の人と話をしたりっていう状態らしくって、それじゃ集まってる意味ないじゃんね、て思うんですけど、そういうインフォーマルなコミュニケーションを持つ場がほしいんだ、みたいなことです。
 って、みんながみんなそう思ってるとは限らないだろうけど、とは言え、実は自分自身、たった2日このAASに参加しただけでもその気持ちがよくわかるというか、なんかねえ、予備校生みたいな1日をおくってる気になるんですよね。予備校生になったことないからわかんないけど。
 ここにいてたら、誰かに会える、会いたい人に会える、ていうか会う機会もなかったような人となんとなく会える、ていうような”ゆる邂逅”ができるようなデザインになってる場所・時間って、なかったんじゃないかなあって思いますね。

 まあそんなようなことを、アルコールも出ないレセプションの片隅で言いたい放題(英語なので言いたいこともなかなか言えないんだけど)の即席ディスカッションを、してましたよね。

 あとはe-resoruceやオープンアクセスの話とか、司書の専門性の話とか、会えてよかったねみたいな話とか、そんなんのフルーツ盛りみたいな感じ。まあ図書館関係者が寄ったらいつもしてるような話です。


●その他
 このほかにも、4年前に来たときよりなんか中央研究院の周りって垢抜けたんじゃないかなって思ったこととか、バスでちょっと外に出たらひとつ別の駅に行っちゃったこととか、二日目のお弁当をあけたら骨付きもも肉のフライドチキンがごはんの上に乗っかってた衝撃とか、学食的なところで大勢でいただいた台湾料理のレベルの高さとか、ペットボトル自販機の写真を撮るアメリカ人とか、もろもろあるのですけど、まあそういうのはまた別の話。
 とりあえずイベントとしてのAAS in Asia 2015 @台北はこんな感じでした、っていう記録です。
posted by egamiday3 at 23:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月03日

AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その1)

・AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その1)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421699189.html
・AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。記録(その2)
 http://egamiday3.seesaa.net/article/421800363.html
・AAS in Asia 2015, Taipei 参加メモ #AASinAsia
 http://togetter.com/li/837823


 AAS in Asia 2015 @台北、に行ってきました。
 これはその見聞き考えたことの極私的記録です。
 おおむね極私的印象にもとづきますので、という感じで。

(ちなみに、台湾の美味しいものとか、街や人の様子とか、鹿港という台中の町でのぶら歩きとか、そういった旅情のあれこれはここではごっそり省きます。)
 
 AAS in ASIA 2015
 http://aas-in-asia.meeting.sinica.edu.tw/

 ↓来年おこなわれる予定の、同2016@京都・同志社のこととか。
 AAS-in-ASIA@Doshisha 2016
 https://www.facebook.com/events/1374887112837746/


●AASのこと

 AASとは、Assciation of Asian Studiesの略で、北米におけるアジア研究の学会です。
 アジア研究ですから、日本・中国・韓国から東南アジア・南アジア・大陸内部的なあたりも含みます。分野的にも幅広く、人文系から社会・政治・産業なども含みます。参加者は北米の研究者が中心だろうと思いますが、ヨーロッパ、アジアなどこれも幅広くひろがっています。

 AASは毎年3月後半に毎年1回の学会を北米で開催しています。2000人〜3000人とか参加があるらしいです。
 で、最近になって、同じく毎年1回の学会をアジア地域のほうでも催して、アジア現地の研究者が参加しやすいようにしましょうよね、ということをやり始めたらしいです。それがAAS in Asiaです。2014年にシンガポールでおこない、2015年に台北でおこない、そして2016年には京都でおこなわれる予定であるという。

 その、AAS in Asia 2015 @台北に参加してきました。
 主にひとりで。プライベートで、休暇・私費で。
 ちなみに参加費は、早割で4000台湾ドル。標準で5000台湾ドル。1台湾ドルは4円くらいですから、結構な、あれです。
 私はAASの会員とかではないですけど、会員とかではなくてもふつうに参加できました。ていうか会員とかあるのかどうかちゃんとはわかってない。


●会場とその構造のこと

 2015年6月22日(月)の朝、会場へ向かいました。
 会場は台北の中央研究院(Academia Sinica)とよばれる研究機構です。台北駅近くの宿から会場までは、地下鉄で30分くらい、バスで10分くらい、キャンパス内を歩いて10分くらい。やや緑深い感じのところです。

tw01.jpg
tw02.jpg

 中央研究院の中の人文社会系本部ビルみたいなとこが会場で、低層階に図書館や、大きいホールと会議室があり、上層階に各分野の研究室や小さいセミナールームがあり、というような感じです。開会式や基調講演なんかを大きいホールでやり、各分科会を上層階のあちこちのセミナールームを借りてやる、というような構造になってます。
 ほかに、昼食用の中くらいのホール、ロビーでの企業展示(Exhibition)、というような感じ。

tw03.jpg
tw07.jpg

 学会専用の建物ではないし、そこでは学会だけやってるわけでもないです。だからなのかどうなのか、何というか、この催し全体の”見晴らし”があまりよく見通せないな、という印象はありました。自分がいまいる場所や移動している場所以外では、どこに誰がいて何をやっているのか、何がおこなわれているのかが、いまいち俯瞰では把握できないという感じ。物理的にも、頭の中での把握的にも。


●開会式と人の出入りのこと

 開会式と基調講演は、会場の大きいホールでありました。1日目の開会式・基調講演、2日目夜の伝統芸能鑑賞(レセプション(パーティ)前にみんなが集まる)はこのホールにみんなが集まる、という感じです。逆に言うと、みんなが同じ場所に集まるような機会は、ほぼこの時しかなかったという。
 1日目の基調講演、2日目の芸能鑑賞とも、ざっと見てだいたい200人弱くらいが来てるかな、という感じでした。

tw04.jpg

 ただし、プログラムによれば分科会(パネル、ラウンドテーブル)は3日間で120件近くあり、それぞれにパネリストが3-4人いて、規則ではパネリストは学会全体で1回しか登壇できないので、ほんとの参加者は300人から400人、自分のような聞くだけの人を含めれば全部で500人程度はいる計算なわけです。でもそんだけの人がこのホールに来てる様子はまったくないし、各分科会での参加者×同時開催数とか、ロビーやエレベーターの人の行き来具合なんか見てても、そんな規模の人出ではない。

 つまり、たいていの参加者は、自分の参加すべき分科会や参加したい催しの時以外は、ここにはいないわけです、たぶんどっか行ってる、または来てない。
 あたしの知り合いの人の動きを見たり話をしたりしてもなるほどそうだったし、2日目だか3日目だかの朝にたまたまバスで見かけて迷ってたので案内してあげたフランスの宗教学者の人がいたんですけど、なんかもう話聞いてると、登壇する分科会にだけ来たみたいな勢いだったりするという。
 まあそりゃそうか、自分の専門分野がちゃんとある研究者の人たちが来てて、まったく専門の分科会に聞くだけでも出るかっていうと、みんながみんなそんなことはしないでしょうという。

 で、分科会だけでなく、基調講演のような全体会にも来てたり来てなかったりする。
 なので例えば、AASに来てるはずで会いたいけどもケータイとか知らない人だと、会えないし捕まらない、っていう。あたしここに来てるはずのある人に会おう会おうと思ってたんだけど、とうとう会えませんでした。会えなかったの、びびった、マジかと。別にそんな大して広くないビルなのに。そういう感じのイベントなのかなと。

 基調講演は、東洋文庫研究部長の濱下武志先生。ここの1階の図書館にも「濱下武志文庫」と称された書架がありました。
 建物内はwifiあり、ゲストアカウント使えました。wifi超大事。
 外は35度越えの猛暑ですが、中はクーラーがんがんに効かせて(そういう土地柄らしい)薄手のジャンパーを重ね着しないととてもじゃないけどやってられないくらい。

●パネルのこと

 基調講演修了後、分科会の時間がスタートしました。
 分科会は大きく分けて2種類あって、「パネル」と「ラウンドテーブル」。ただ、あたしが参加した「ラウンドテーブル」のひとつは、結局それまで見たパネルとまったく同じ進行をしてたので、そのへんの意識はあんまよくわかんない。
 ので、以下、「パネル」として。

tw05.jpg
tw06.jpg

 パネルは1ピリオドが約2時間(1時間55分)。9時-11時と、11時-13時と、お昼休みを挟んで、14時-16時と、16時-18時。各ピリオドで同時に14の分科会が進行してます、ほぼ毎ピリオドそのくらいいやってる。
 で、間の休憩時間が10分しかありません。しかも各ルームはこの建物のわりとあちこちに点在しているかたちで借りてて、南棟と北棟にわかれてて、エレベーターがだいぶ小さいもんだから、部屋間の移動に結構な時間がかかる。いちおうリフレッシュの軽食とコーヒーがサーブされるエリアが低層階にあるんだけど、休憩時間でもこの人数規模に比したらほぼいないに等しいんじゃないかくらいしか、人を見かけないっていう。あとでたぶんちゃんと紹介するExhibitionにも、言うほど人がいない。だからやっぱり、会いたい人が捕まらない。これはたぶんこの会場の物理的なあれによるものだろうから、毎回こうとは思えないですが、ただ、休憩時間10分というのは留意しておくべきあれかも。(確かにこれが30分あるとまただいぶちがう)

 その14のピリオドのうちのひとつを選んで出ると、小さいセミナールームに15人から30人くらいが参加してるという感じです。椅子・テーブルは「ロ」の字や「コ」の字にテーブルが並んでて、いわゆる教室型の会場じゃないから、なんとなくパネリストも参加者もフラットな立場で参加してる、みたいな感じにはなってる。ちょっといいなこのデザイン、って思います。

 パネルの進行は、司会が1人いてその人が進行する。パネリストが3-4人いて、まずひとりづつ20-30分くらいづつ発表する。これでもう1時間20-30分。それを踏まえたうえで、ディスカッサントの人が1人いて、全体や各発表を講評・コメントしたり、自分の見解を述べたり、パネリストに質問して答えてもらったりということをする。4人それぞれの発表がひとりのDiscussantの視点によって語られていくと、こう、ゆるやかにまとめられていく感があります。これが20-30分くらい。
 残りの時間をフロアからのコメントや質疑応答(これがたくさんあることもあればほとんどないこともある)にあてる、という。質問が自然と全体を巻き込んだディスカッションのようになっていく感じ。

 で、ほぼすべてのパネルが、このかたちの進行でした。
 どの分野も、どの地域のも、どの国の大学から来た人の進行も、これ。だったので、これがここの学会の”やり方”なんだなって思いました。

 あと、なんとなく観察してると、あるひとつのパネルの中での司会の人と、パネリストの人たちと、ディスカッサントの人たちと、あとフロアで聞いてる研究者の何人かの人たちっていうのが、あ、要するにあなたたちお知り合い・お仲間なのね、ていう空気感だった。で、似たようなテーマのちがうパネルに行くと、前に見かけた人とだいたい同じ人が座ってるっていう。

 言語は、すべて英語です。日本分野のテーマで、パネリストも司会も質問者も日本語話者であっても、全部英語。
 
 発表の仕方はさまざまでしたが、だいたい共通して、もうある程度ちゃんとしたペーパー(論文)のかたちでできあがってるものを発表してはるな、という感じ。それを、人によってはがっつりパワポに仕立てて発表したりもするんだけど、むしろそういう人は半分いるかいないかくらいで、2-3枚しかパワポないとか、あるいはまったくパワポなんかないとかで、えんえんとそのペーパーを読み上げてるっていう人だって別にめずらしくないという。それをふむふむってみんなで聞いてるという。
 なんかそれ見てるとね、ああそうか、日本語って相当書き言葉と話し言葉が乖離してる言語なんだなあ、ってまったくあさってな感想持っちゃいましたけどね。
 あと、配付資料はほぼ皆無。
 あー、アメリカだなあー。って思いました。2007年にALAに行ったときに感じたのの再来みたいになった、ていう。


 いま、1日目の午後ピリオドくらいの感想です。
 たぶんつづく。
 パネルの内容のことなにも触れてないですね、たぶんこんな感じです。

posted by egamiday3 at 04:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月14日

(メモ)「アクセスの再定義 : 日本におけるアクセス、アーカイブ、著作権をめぐる諸問題」(2015.6.13)


「アクセスの再定義 : 日本におけるアクセス、アーカイブ、著作権をめぐる諸問題」
2015.6.13
明治学院大学
主催: 明治学院大学文学部芸術学科、ハーバード大学
協力: ハーバード大学ライシャワー日本研究所、北米日本研究図書館資料調整協議会(NCC)

(このメモはあくまでegamidayの聞き取れた/理解できた/書き取れた範囲での話であり、当日はかなりの知的刺激の嵐のため脳みそが”おもろしんどい”状態になってたので、メモがかなり朦朧としており誤解や手前勝手解釈の類も相当多いと思います。それはあたしが悪いのです。なので、内容の信頼度や整合性につきましては過度な期待はなさらないよう、それでもどの断片がこの大きな問題の解決のヒントになるかはわからないので、メモっとくという感じで。)


-----------------------------------------------------
◆オープニング

●ローランド・ドメーニグ(明治学院大学)
・様々な分野の専門家(研究者、ライブラリアン、アーキビストなど)が3つのパネルをひとつの場で議論する催し。

●アレクサンダー・ザルテン(ハーバード大学東アジア言語・文明学部(メディアスタディ))
・2016年にボストン・ケンブリッジで開催する予定だったが、TPPの折からいまこの時期にやるべきだろうと、開催に至った。
・新しい問題というわけではない。これまでもさまざまに議論されてきた問題として。
・日本で作成された資料情報コンテンツへのアクセスについて、日本だけの問題ではなく、研究者・専門家だけでもなく、一般の人びとの日常に影響ある問題として。


-----------------------------------------------------
◆パネル1 「アクセス否定? : 日本におけるアーカイブ・アクセス・著作権文化との経験・実践」

●司会:アンドルー・ゴードン(ハーバード大学)
・アーカイブ・サミット(2015年1月)は重要なイベントだった。その想いを継承したい。

●森川嘉一郎(明治大学)
・コミケ・同人誌のアーカイブと提供をおこなっている。
・百聞は一見にしかず、コミケに一度足を運ぶとよい。
コミケには、いかなあかんな、と20年くらい思っている。
・コミケには二次創作もあれば創作もあり、それがメインストリームに環流していっているというのが現状。
・コミックマーケット準備会が同人誌の見本誌を収集・保存している。その数200万点。ちなみにNDL所蔵のマンガ(単行・雑誌)30万点。点数では商業冊子より多い、という規模。
・「東京国際マンガミュージアム(図書館)」構想。ここで保存することを構想している。
・現在の”記念館”では、実験的に、最近1年間(約4万点)の同人誌を閲覧提供している。
・対象とすべきものには、絵コンテ、セル画などの資料。またアニメはおもちゃの広告塔として作成されたのが多いので、そのおもちゃも保存しないと文化的背景がわからなくなる。お菓子も対象。コンピュータ、アーケードゲーム、パチンコなど。
・海外との連携。例:北京大学にマンガ図書館(2014年11月)、ここには複本を提供するなど。
・ものはある。土地もある。あとは建物のための資金。ご賛同を。

●柳与志夫(東京文化資源会議事務局長/元NDL)
・・アーカイブの概念の混乱について
・従来の”公文書”以外の理論的研究はされていないのでは。
・この5年くらいでアーカイブという言葉が一般にもひろまるようになった。(意味はともかく)
・理屈と実際の乖離はあるのでは。例:「・・・その「アーカイブ」の使い方は気に入らない」という人もいる。
・MLAとは言っても、図書館関係者でもまだアーカイブという言葉に反応が鈍い人も多い。
・デジタル・コレクションとデジタル・アーカイブはちがう、というのはほぼ共通認識。図書館の所蔵資料をデジタル化したものはデジタル・コレクションであって、提供・活用の仕組みが整備されてはじめてデジタル・アーカイブと言える。
・概念や言葉が錯綜しているが、それは悪いことではないと思っている。

・・アーカイブの現状
・一般に認知されてきたように思える。ただ、ネガティブな印象(倉庫的、死蔵的な感覚)も根強い。
・「NHKアーカイブス」はその印象を払拭した功績がある。(用語の混乱はあるが)
・各業種分野の関係者に制度・仕組みとしてのアーカイブが必要という共通認識が醸成されてきた、これは大きな成果であろう。
・一方でこれぞ日本のアーカイブだというような好例というのが現れていない。
・アーカイブ・サミット(2015年1月)で多くの問題を洗い出せたのでは。

・・制度的対応の必要性
・アーカイブ促進のための制度的根拠が欠けているのでは。アーカイブの基本法(図書館にとっての図書館法のような)
・ボーンデジタルな資料のアーカイブ化が問題、こっちのほうが消えやすいので、制度的対応が必要。
・混乱するくらい周知されたのはいいことだが、そろそろ整理と統一イメージは必要だろう。それが前提となって、制度整備ができる。

●大場利康(NDL)
「デジタル化を進めるもの、阻むもの」
・デジタル化の壁として、デジタル化のコスト、システム構築のコスト、著作権処理のコストがある。人材と予算の問題。
・利活用の壁として、検索で出てこない(ヒットしない)、どう使えるのか分からない、どれが何だか分からない(何があるのか?ほしいものがあるのか?)。使っていいのか、お金は誰に払えばいいのか。
・ポータル、メタデータ、ライセンス整備が不足。

・・文化審議会著作権分科会(第41回)(2015.3)←要参照
 http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/41/index.html
・貴重資料や,絶版等の入手困難な資料について,損傷等が始まる前の良好な状態で複製することは,第31条第1項第2号により認められる
・記録技術・媒体の旧式化により閲覧が不可能となる場合,新しい媒体への移替えのために複製を行うことが認められる
・「図書館等」の主体を適切な範囲に限定して拡充する。
国立国会図書館以外の図書館等がデジタル化した絶版等資料を,国立国会図書館の行う図書館送信サービスにより、他の図書館等に送信する。→現行法上可能である。
外国の図書館等へデジタル化した絶版資料の送信サービスを提供する。→国立国会図書館の役割や業務の位置づけ等を踏まえ検討を行うことが適当である。

・・知的財産戦略本部(第11回)(2015.4)
・アーカイブの利活用
・統合ポータルの構築
・協議会の設置

●マクヴェイ山田久仁子 (ハーバード・イェンチン図書館司書、NCC議長)
・ハーバードでの日本資料の利用例
・例:学部生向け日本佛教の授業で、攻殻機動隊の映画を見て、ロボットの本を読んで勉強する
・多岐に亘る映像資料が授業や研究で使われるが、難点がある。
・パッケージ(DVD)が圧倒的、ストリーミングはまれであるというのが現状。
・DVDの寿命の問題があるので、媒体変換のコストがかかる。
・英語字幕付きが少ない→グレーなのを使わざるを得ない
・テレビ番組は有効な教材になり得るのに、現状ではほぼ不可能に近い。
・例:NHKのドキュメンタリーDVD(英語付き)が、北米の図書館で購入させてもらえない、という例。
・例:クローズアップ現代は数年分アーカイブされている。こういうのが理想的(英語字幕はない)。
・例:韓国の国立フィルムアーカイブ(KOFA)は積極的にアーカイブ化して公開している。著作権のあるものも政府がクリア・補償する。多様なプラットフォームに対応させる(YouTubeなど)。ペイパービューや定額契約が図書館でもできる。
・例:Alexsander Street Press。映画は日本語で流れるが、同ページ中に英語のスクリプトを併記するなどの加工ができる。いろいろなプラットフォームに対応させることの利点。
・日本でもストリーミング等の動きが活性化しつつあるか?

●ディスカッション
・・(江上)コストをどこが負担するか。利点をどう理解してもらうか。
(大場)
・経済効果を言うと、間接効果になってしまう。
・BL「1ポンド投資すると5ポンドの経済効果」
(森川)
・1、受益者負担。2、永続的維持が可能なのか。
・フットワークの軽さが必要な場合、税金では難しい。すでに価値が認知されているような資料でないといけないので。そういうときは税金ではなく、という、ケースバイケースが現実的か。
・一般に周知させるには、MLA連携。すなわち、アーカイブ単体ではなくそこにライブラリーやミュージアムの機能を併設することで、わかってもらいやすくするという方法。
(柳)
・「資料」とせずに「資源」とした。
・資料=そのものに価値があるかどうかという考え方になるが、資源=活用することに意義がある、デジタル化して別の価値を生む、再構成できる。
・使えるものにする、その結果、生活を豊かにする。インフラにする。
・資源を活用し、コストを回収するサイクルに載せられる。
地域コミュニティの中でもスモールビジネスとして文化資源を活用することをやっていくといい。
・国レベルの方策と、そうでないレベルで考えをわける。
・例:日本語の新刊書籍の書誌情報を英訳する。(官レベル)
→その中からニーズをとらえて本文の英訳を数千点する。(官民協力)
(山田)
・アクセスできるコンテンツを増やそうとすると、金銭的コストだけではなく、制度整備が必要。すでにいまあるコンテンツへのアクセスができるように。

・・公共図書館の整備について
・柳さんの話にあった、地域の中で文化資源を活用していく活動・仕組みの中に、地域の図書館・博物館がどうかかわるか。そのノウハウを国会図書館からどう提供していけるか。

・・(永崎)デジタルアーカイブとユーザの間に立って媒介する媒介者が必要。戦略はあるか。
(森川)
・「図書館」という言葉のイメージに”良書”的なものがある。一方アーカイブはそれは問わず活用できるもの。
・当初「東京国際マンガ図書館」だったのを「ミュージアム」に変えようとしている。保存の意義を伝えるために”ミュージアム”機能が必要。資料の価値はあとあとになって発見されることが多いものなので。
(ゴードン)
・法制度を変えないとお金があってもできないことがたくさんある。デジタル化したのに国会図書館に足を運ばないと見られないものがある、とか、どうしてNHKの番組はすべてがクローズアップ現代のようにならないか、など。
・技術はある。問題はお金+法律・制度だろう。


-----------------------------------------------------
◆パネル2: 「アクセスの理論 : 所有権の問題」

●司会 アレクサンダー・ザルテン(ハーバード大学東アジア言語・文明学部)
・今パネルでは、抽象的にアクセスとはどういう概念なのかについて考える。


●北野圭介(立命館大学映像学部)
・立命館大学映像学部では、映画、ビデオゲーム、CGなど対象をひろげている。
・スマホではほとんどがアプリを使われている。インターネットではない。アプリ経由のスモールアーカイブへのアクセス。(ストリーミング含め) 2010年代はもしかしたらアプリ(アプリケーション)の時代では。

・サーキュレーションから→コンテンツへ
・アーカイブはミュージアム機能をもつことによって、アーカイブからユーザに近づいていく。
・映画作品を単体で作るのではなく、ワールドビルディング=世界観を先に構築して監督達がそれぞれ作品をつくっていく。

・監視社会から制御社会へ。
・ボトムアップでアプリケーションがユーザを制御する、その制御が不可視的に存在する。
・例:いいねの仕組みにみなが集まらざるを得なくなる。

・アルゴリズム化とメタコントロール
・例:カメラがとらえた画像を認識する(例:自動車のオートブレーキのためのカメラ)→オブジェクトに人が介在しない状態になる。
・例:自分の写真をアップロードすると、Facebookが勝手にアルバム化・別コンテンツ化してくれる
・その”作り替え”が人間の問題ではなくテクノロジーの問題になる。しかも不可視。


●イアン・コンドリー(MIT)
・いまの著作権はゾンビかサイボーグか
・ゾンビ=過去が将来を食らう、もう死んでる、でも死んでることがわかってない
・サイボーグ=ネットワークと共生

・音楽シーンでは資本主義的なエコノミックバリューよりも、ソーシャルバリューとそれを支えるコミュニティのほうが大事である。
・アニメや同人誌の世界でも同じ。
・キャラクターがプラットフォームになっている。(例:初音ミク)
・ニコニコ動画+初音ミクでは、コンテンツにコメントを載せる、コミュニティがうまれる。
・そこから、ファンによるプロダクトがうまれる。例えば新しいビデオゲームが作成される、ライブコンサートが開催される。
・peer productionが認められたキャラクター(ファンサークルや非商業の利用OK、同人作成物がサークル運営レベルなら利用OK、もうけが出るならバックが欲しい、の3段階)
・コミュニティを認めて、そのあとビジネスがうまれてくる、という状態。

・『The Eureka Myth』(2014)
・創作のきっかけは何か。ビジネスでお金になるという回答はほぼない、創りたい・見てもらいたいが最初。
・トップダウンの力でメディアをコントロールする時代、著作権がゾンビだった時代は終わる。
・コミュニティがクリエイティブであるという状態の中からイノベーションはうまれる。


●上崎千(慶應義塾大学アートセンター)
・printed ephemeral
・ゾンビ的にサバイバルしてきた資料(チケット、パンフ、招待状など)
・何が残るのか、何が残らないのか、残らないものはどうなるのか。
・アーカイブと抽象芸術は似ている。これに価値があると考える。芸術か非芸術かなんてことは言わない。資料の山でドキュメントとしか言えないようなもの。それは抽象芸術のようなもの。
・杉浦康平ともやしの話。(めっちゃおもろいけどメモ無理でした。参照→http://post.at.moma.org/content_items/173
・この時代の表現は”コレクティブ”集団的であった。案内状をデザインした人、もやしを付けた人。それをとっておいた人もいる。(コレクティブな表現というのは、いまどきのコラボレーションとはまたちがう)


●ディスカッション
(北野)
・ゼロ年代のサーチエンジンはまだオープンだったが、アプリだとそうならない。
デモクラティックなプラットフォームを構築していく必要があるのでは。
(くさか)
・ユーザ側の「誰がつくった作品か」の認識が多様化している?
・アクセスコントロールを誰が行うべきなのか?
(コンドリー)
・ほとんどは裁判にならないはずだから、みんな無視していいんじゃないか。
(上崎)
小火がたくさん起こった方が事例がたくさんでていいんじゃないか。
・著作権に対して、大丈夫なの?、萎縮、疑心暗鬼、草の根警察が問題である。不活性化につながってしまう。大丈夫だよ、と言えばいい。
(上崎)
・デジタルアーカイブの検索結果自体が歴史記述にならないかと考えている。
(北野)
・最初にアーカイブありきではなくて、エキシビジョンの試み、ユーザの意見集約、トライ&エラーなどによって蓄積していくということもひとつかなと。
(ゴードン)
・東日本大震災アーカイブはサイボーグなアーカイブ。参加型アーカイブを目指している。
↑この話はMALUI Talk in Kyotoでも出た。


-----------------------------------------------------
◆パネル3: 「アクセスの未来における可能性」

●司会: テッド・ベスター(ハーバード大学・ライシャワー日本研究所所長)


●福井健策
「TPP知財条項と知の創造・アクセス」

・・保護期間の延長について
・70年への延長
・日本での反対論
「国際収支を害する」(著作権使用料は年8000億の赤字(日本の貿易地赤字の6-7%))
「延長したところで遺族の収入は増えず」
「権利処理が困難になる」
「使えなくなって、忘れられるリスクが高まる」
・青空文庫:テキストデータなので読み上げソフトにつかえる、電子書籍化できる
・NDLデジタルコレクション
・期間を延長するとこういったデジタルアーカイブの活動が狭まる懸念がある

・・孤児著作物
・デジタルアーカイブを大規模におこなおうとすると、著作権処理のコストが大幅に高くなる。
・孤児著作物がべらぼうに多い。アメリカでは学術著作物の50%がそれに当たると言われる。保護期間が延長されるとこれが大幅に増える
・LC著作権局長が「未登録著作物は50年に戻そう」と提案したほど。

・・非親告罪化
・文化活動・経済活動が萎縮してしまう
・二次創作という創作活動のありかた
・フェアユースもない、裁判も身近でない
・第3者の通報→警察が動かざるをえない→それを事前におそれてデジタル化の現場が萎縮する

・・日本モデルの模索
・延長は登録作品のみに
・非親告罪化は累犯のみに 等


●植野淳子(株式会社アーイメージ)
・アニメーションのアーカイブ構築
・アーカイブとして何を選び何を残すのかが重要な課題。
・所蔵館での保管状況(「メディア芸術デジタルアーカイブ事業委託業務成果報告書H23」)
・メディアの寿命という問題(媒体変換のコスト、技術者がいない、再生機器が消える)
・アニメーションでは、原画動画背景絵コンテ設定で多ければ1話8000枚の紙が生じる。これらのうちの何をどのように作品に紐付けて保存していくのか。
・アニメーション埋蔵文化をつくらない。埋もれてしまうと、発掘にコストがかかってしまう。
・デジタル化したらしたで、それもまた埋蔵文化財をつくらないということ。
・ボーンデジタルの消失を防がなければならないということ
・それらを生きた文化財として。

・構想:日本アニメーションアーカイブスマネジメントセンターを中心とした、日本アニメーションアーカイブスプロジェクトにおける連携。
・オープンにすべきところとクローズにしなければならないところの仕分け、有償/無償の切り分けなどが課題。


●小塚荘一カ(学習院大学法学部)
「アクセスの未来における可能性」

・例えばコンビニの棚のどこに何を陳列するのかなど、アクセスはコントロールされている
・アクセスは、産業構造と結びつく。商店街がコンビニに置き換わるというようなことが、コンテンツ業界の産業構造に影響することも起こる。
・じゃあその産業構造のコントロールを誰が握るのか、ということ。

・iPhoneでAppleは何をやっているのか? iPhone、メーカー、キャリア(日本3事業者)、iTunes、これら全体をコンセプトとしてつなげたのがAppleのやったこと。
・電子書籍でも同じ事がおこる?
・Amazonが電子書籍において、価格を決定する、露出を決定する、評価を決定する。そういった”メタデータ”をコントロールする。そこへの危機感が日本の出版業界にある。

・プロパティのコントロール---プライバシーのコントロール---情報利用の自由


●ディスカッション
(小塚)
・著作権使用料の赤字の原因は?
(福井)
・多くはソフトウェアではないか。スタンダードを握られているから。
・プーさん1点でJASRACに相当する。

(以下、著作権一般の質疑)
・(大場さん発表の)第31条1項について(解釈の明確化)
・文化庁長官裁定のハードルを下げる
・拡大集中管理=集中管理を民間委託などする
・所有権と著作権の関係
・TPP合意後の動きについて
・映画の委員会式の製作は危険

(植野)
・所蔵機関によってルールがちがうので、ユーザにとってもコンテンツ提供側にとっても不便。共通ルールで同様に持つことができるようにしたい。
・アーカイブのフォーマットをどうしたらよいかの検討、ルールの整備。

(福井)
・各国で著作権法がちがう。それをあわせようとしたのがTPP。しかも強い方に。
・共通ルールをつくると、自由度がうばわれる。共通化しなくて不都合がないのなら、共通化が余計なのではないか。

(福井)
・フェアユースは、自由にやって裁判で決めようという考え方。日本人に使いこなせるかどうか。
・TPP後、日本でもフェアユースを(カウンターバランスとして)入れるしかないという議論が起こるかもしれない。それを先にやったのが韓国。


●クロージング・ディスカッション
司会:ローランド・ドメーニグ(明治学院大学)

(ドメーニグ)
・教育機関とデジタルアーカイブについて
(植野)
・アニメーションのアーカイブ構築を考えるのに、教育機関を中心的存在に据えている。
・アーカイブを支えるには産業界だけでは難しい。
(上崎)
・授業でアーカイブ関連の授業をしている。使う側としてだけでなく、完成していない進行中のアーカイブに学生が関与するのは意義のあること。人文系の研究が応用発展的研究に流れて、基礎的研究がおろそかになりがちだが、そういうことも大事。

(ドメーニグ)
・ハーバードサイドから
(山田)
・ユーザから見れば、MLAどこにあろうとその資料は必要な資料なのだから、見つけやすくするべき。HOLLISプラスはそれを可能にしたディスカバリシステム。ファインダビリティは克服されつつある。
(ゴードン)
・ここ20年で図書館の大学内での意味合いがかわった。場所としての図書館と、バーチャルで網羅的にカバーする役割の両方。重要性は増しているのでは。ただ、本が図書館にあるわけではないという状態が増えつつある(郊外書庫)。
(山田)
・それをデジタルスキャンで届けるサービスがある。

(ドメーニグ)
・作り手と送り手と受け手。かつて一方的だったのが、プラットフォーム・ネットワーク化でその境目があいまいになりつつあるのではないか。
(コンドリー)
・企業と、ファンコミュニティのアーカイブとが、どのように関係をつくることができるかどうか。
(ザルテン)
・いまは企業は商品を作ることはしない。商品が存在する”世界”をつくる。そこでユーザ・ファンが商品をつくることで、企業が収益を得る。そういう仕組み。
(福井)
・いま著作権は長い後退戦を戦っている状態。コンテンツ産業は下降しており、コピーライトをコントロールして希少性を確保することでは収益を得られない。これからその新しいルールの作り手が、国家から、巨大なプラットフォームというルールメーカーに手放されようとしているのではないか。流通のあり方をコントロールしようとしている新しいプラットフォームとどう切り結んでいくか。
(司会)
・北野先生の言及した「不可視化」
(フロア)
・コンテンツ自体の入手の問題とは別に、検索可能化・ファインダビリティ・インタフェースの問題でもあるのでは。
(小塚)
・本質はコンテンツへのアクセスの問題より、検索できるかどうかというメタデータのコントロールやアルゴリズムの問題であろうと考える。
(福井)
・プラットフォームサイドの肝は、著作権よりも、情報へのアクセスのコントロール。アルゴリズムやサジェスチョンは民主化されておらず、公開されておらず、ユーザのコントロールは及ばない。ヒットしない/順位が低い結果はないのと同じになってしまっている。
(大場)
・国会図書館のデジタルアーカイブは資料自体へのアクセスを保証しようとするもの。それへの検索可能化についてもNDLサーチにて取り組んでいる。ただこれだけでも足りない。そういう仕組み(アルゴリズムやロジック)を”みんな”が作れるようにするのが必要。

(くさか)
・パブリックにアクセスできるかという問題と、それを自由にオープンに利用できるかという問題。
・情報流通においては「何が”フェア”なのか」が大事なんじゃないか。
・権利を持っている自分の論文をどのように使って欲しいと考えているか? 本当に使っていいようにライセンシングしているかという問題。
(山田)
・ハーバードではリポジトリでのオープンアクセスを専門部署(ダッシュ?)においてかなりすすめている。
(ゴードン)
・たくさんアクセスされたと報告を受けるととても喜ばしく思う。コンドリー氏の言う創作するファン心理と同じでは。
(ベスター)
・いや、あまりすすんでいないと思う。手続きが難しい。アカデミア.comなどで発表する人が多い。

(上崎)
・プラットフォームが複数の小さいものになっていき制限されていくと、アクセスメリットがさがるんじゃないか。作成・発信側としても、表現自体はコンパクトになり、多様性が失われるのじゃないか。
(植野)
・海賊版でないものを確実に提供するためには、ビジネス・課金の仕組みが必要。
(福井)
・例えば、論文は自由により多く見てもらって、そして、仕事を多く受けようとする。
・ビジネスを支える収益の獲得は必要。その獲得を、今後は”どのモデル”でやっていくのか、という問題では。
・例えば、コンテンツ産業の中でも、ライブイベント、コンサートの類いは収益を伸ばしている(15年で3倍)。容易に手に入れらない”臨在感”にお金を払うようになっている。

(司会)
・来年(2016)ハーバードで続きのイベントをやるつもりであるとのこと。


-----------------------------------------------------
感想
・もう”おもろしんどく”て脳みその糖分メーターがどんどん減っていく感じ。途中でチョコ投入。(ブラウニー買っといたらよかった・・・)
・海外からの日本へのアクセス、という視点の話題が少数だった。ハーバードの先生サイドの話をもっと聞きたかった感はある。
・こういう話題のシンポジウムこそストリーミング中継してほしい。
・広く多様にヒットするインターネット・サーチエンジンよりも、小さくコントロールされたアプリが使われるようになったのは、ひとつには、前者では効率的な情報入手が望めない、後者のほうがほしい情報が見つかる、とユーザが評価したあらわれなのか。だとしたら、ユーザは「コントロールされたがってる」ふしもあるんじゃないか。良し悪し別にして。まあねえ、コントロールされてるほうが楽だもんねえ、良し悪し別にして。
・とりあえず、議論しつづけることだけが生きてることだなという感じだった。寝てる怪獣の背中を棒でガンガン突きつづけなければ。(いい意味で)




posted by egamiday3 at 00:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月26日

MALUI Talk in Kyoto & 近畿地区MALUI名刺交換会(2015年度)のおしらせ #KyotoMALUI


 MALUIの話です。
 ちなみにMALUIとは、Museum・Archives・Library・University・Industry = 美術館博物館・文書館・アーカイブズ・図書館・大学・企業、そしてand more!!、を指す言葉です。MLAの発展形ですね、文化資源をめぐる丸い輪のようなネットワークです。

 京都を中心に近畿地区のMALUI関係者が、酒を酌み交わし呑み交わしついでに名刺も取り交わしながら交流を深める、ということで話題の近畿地区MALUI名刺交換会ですが、今年は6月に開催されます。
 特に特に、今年は”夜の呑み会”たる「名刺交換会」に加え、”昼のしゃべり場”たる「MALUI Talk in Kyoto」なるイベントが開催されるわけです。

 ↓詳しくは、こちらを。

 MALUI Talk in Kyoto & 近畿地区MALUI名刺交換会(2015年度)
 http://bit.ly/MALUI2015

 私も関わらせていただいているので、ご紹介をと思いまして。

 「MALUI Talk in Kyoto」では、”日本情報の海外発信”を主たるテーマに、京都・近畿のMALUI関係者みなさんでいっしょに考えましょう、というトークイベントです。
 登壇者は決まっていますが、フロアの参加者全員によるディスカッションもがっつりおこないますという”しゃべり場”イベントです。
 京都・近畿、MALUI、文化資源・文化情報、そして日本から世界への発信について、わいわい、ぺちゃくちゃ、やいのやいのやりましょう、っていう感じです。

 そしてもうひとつ、当日のディスカッションにはなんとなくの”目的地”があります。

 アメリカに、「米国アジア研究協会」(The Association for Asian Studies、略して「AAS」)という学会があります。この学会はここ数年、毎年1回アジアでの年次学会を開催しているのですが、来年2016年6月には、京都・同志社大学でAAS in Asia京都大会が開催されるそうです。
 北米・アジア・ほか各地域でアジア・日本について研究している研究者が、そしておそらく、ライブラリアンほかMALUI関係者が京都においでになることと思います。

 おいでになるなら、何かできないかしら、って思うのが人情じゃないですか。

 という感じで、このAAS in Asia京都大会に向けて京都・近畿のMALUIに何ができるかについても、このディスカッションでわいわい、ぺちゃくちゃ、やいのやいのやりましょう、っていう。

 以下もご参照ください。

 「こんにちは。国際日本文化研究センターの江上敏哲です。・・・」
 https://www.facebook.com/toshinori.egami/posts/10152757256881045

 まあ、ディスカッションの結果、最終どうなるかわからないかなというような「何が出るかなイベント」なんで、幅広いみなさまにお気軽にご参加いただければと存じます。

 近畿にいないよ、という方。特に在海外の方。
 当日Ustream中継の予定、また、後日何かしら記録公開などありの予定です。

 でも、ほんとに「何が出るかな」な感じですし、ていうかいろんな方のディスカッションを聴きたくある感じなので、ぜひMALUIな現場にご参加いただければと思います。
posted by egamiday3 at 18:08| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月24日

(メモ)公的研究費の不正使用防止に関するコンプライアンス研修会


・研究費の不正使用に含まれるものとして、
 他の研究課題への流用
 複数の経費の合算使用
 研究期間外での使用
・私的流用だけが不正使用ではない。むしろほとんどが私的流用ではないが、不適切な経理。(では、”不正”や”不適切”の概念は何に根差すか?)
・2007年「研究機関における公的研究費の管理監査のガイドライン(実施基準)」制定 → 2014年「同」改定
・研究現場の実態や制度にそぐわないルールがあれば、窓口に問題提起していただいて、実効的なルールの策定のための協力とフィードバックを行ってほしい、とのこと。(←案の定質疑応答でここが軽く燃える)
・機構内外からの告発通報をうけつける窓口を設ける。実際のところ、大半の事例の発覚が内部からの不正告発であるとのこと。あとは、業者からの告発、という例。(「これやってくれって言われたんだけど、やりたくないんですけど」)
・契約というのは原則として事務部門が行うものである。なぜなら研究者は当事者で事務員は第3者である。(ちょっと納得いかない) 研究者による発注行為は例外行為である。例外としてあるのは、資金の前渡しを受けての購入。研究者自身の立替支払。海外での使用など。
・リスクアプローチ監査。不正が起こりやすそうなところへ重点的にチェックを入れる。旅費とか。(なんかもっと端的なネーミングはないか)
・研究助成プログラム等で得られた研究助成金は、研究者個人ではなく、機構が寄付金として受け入れたうえで管理を行なう。
・法人・研究者・共謀者に対して、競争的資金への申請資格が奪われる。(私的使用かどうかでその期間がかわる)
・「目的積立金」として認められたものについては、節約によって次年度以降に繰り越すことができる。

・例
・海外出張で予定していたミーティングがおこなわれなかった。→先方の都合などによって実施できなかったなどの場合はその旨を出張報告書に記載し報告する。
・予定外の移動先(別の国など)へ行った。→研究目的と異なる行き先への訪問は不正。実務上必要だった場合は帰国後速やかに変更申請を行う。
・会議費支出伺に記載されたのと実際の会食参加者が異なると、不実の記載として、不正に該当する可能性がある。
・研究目的と直接関係ない学会年会費や名刺代の支払→×

・類型
・預け金(買ってないのに買ったことにしといて金銭を業者に管理させておいてゆくゆく使う)
・品名替え(お酒を別名で買う)
・分割発注(1件の購買取引を一定の金額以下に抑えて、相見積もりとかで済ます)
・合算使用(二つの別のプロジェクトからお金を寄せ集めてひとつのものを購入する。ルール上認められる場合もある)
・カラ出張(私的旅行、家族同伴などを含む)
・カラ謝金/還流(研究補助者への給与を水増しして支給してプールする)

 個人的な感想としては、○×問題で「〜〜ない」という否定で終わる文を提示してはいけない。というのはクイズ研的に基本。
 あと、ルールって何か。ガイドラインとは。それは”ききわけのよさ”なのか。

posted by egamiday3 at 22:21| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月21日

(メモ)「デジタル化資料活用セミナー」 #NDL送信 にまつわるもろもろ


 開始から1年ちょっとが経ったNDLさんの図書館送信サービスですが。
 先日(2015年3月20日)、国会図書館さん主催で「デジタル化資料活用セミナー 〜図書館送信の利用の実際と活用法〜」が開催されました。

 デジタル化資料活用セミナー〜図書館送信の利用の実際と活用法〜
 http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20150320digi_info.html

 デジタル化資料活用セミナー:図書館送信の利用の実際と活用法 2015.3.20 国立国会図書館 #NDL送信 - Togetterまとめ
 http://togetter.com/li/797311

 ディスカッションのパートでコーディネータをさせていただきました関係で、このサービスにまつわるいろいろな話題・コメント・質問・実情などなどにたくさん触れまして、また自分であらためていろいろ考えたこともあり、そのあれこれを記録としてまとめておきます。


●全体像
・NDLデジタルコレクションの図書館送信サービスについて、参加館にしろ未参加館にしろ、どういうことが主な疑問点や悩み点になっているかというと、だいたいざっくりと以下のような感じにまとめられるみたいです。
 −利用の実態(利用者層・利用者像、利用頻度、資料の傾向)
 −具体的な活用事例
 −広報・PRのしかた
 −端末の具体的な運用(端末の確保、場所、自館ルール)
 −複写(自館ルール、手順、画質)
 −複写における著作権判断
・これ以外になると、今度は逆に”個別事情”にもとづく個々の質問・悩み・要望という感じになってくる。そういう性格のサービスであるなということ。
・もうただひたすら「お気軽に相談して下さい」ということ。これを当事者でないあたしがあまり言うのも気がひけるんだけど、最終これを言うしかない、どんなことでも相談してみたらいいと。

●参加館数が増えない
・いまやっと456くらい。
・県立レベルでも数カ所未導入。
・後述するあれこれ総じて、このサービスは「やってみなければわからない」し「ふとしたことで役に立つ」ものではあるけど、だからといって「やってみなはれ!」((c)鴨居の大将)で導入できるほど敷居が低いとはちょっと言えないという、手続&利用条件的に。

●ユーザ像
・未導入館にとっては、どんなユーザがどんなふうに使いにくるんだろう(頻度とか)、というのが関心事っぽい。まあ心配事にはなるよな、というのはわかる。
・ただ、北大さんの統計数字なんか見てもまさにそうなんだけど、一部のヘビーユーザによって数字が大きく左右する、というような感じがいまのところの大方なんだろうなと思うので、どうなるかはわからないという意味では心配してもしょうがないというのはあるかも。(例:複写枚数が総数4300で、一人の最多枚数が1200とか)
・ただ、「30分未満」の短時間と「60分以上の長時間との”二極分化”的傾向はおおむね言えそうな気がする。

●活用するには
・結局何に使えるの?/何に使ったらいいの?というのが、おおかたの悩みみたい。
・実際どんなふうに利用されますかとコメント求めると、まあたいていが、レファレンスの過程でとかILLの過程でその中にあるってのがわかって、そこへ案内する、というパターンですよね、このサービス・仕組みありきというあれではない。
・自分的には、このサービス自体には訴求力がそれほどあると言えるわけじゃなくて、資料自体のほうで惹きつける、資料に語らせるほうがいいだろうなって思います。こんなおもろい資料がある、我が町に関する資料、話題のトピックに関する資料、懐かしのあの人の記事、で、それはこのサービスで、っていう。
・だって、ふつーに岩波文庫・新書の古いのが読めるっていうだけでも、充分すごくないですか。筒井康隆の小説が初出誌で読めるとか。
・あと婦人雑誌とか映画雑誌も入ってるし、ゆったらちゃらちゃらしたエンタメ路線でもいいです、例えば「吉永小百合」「男はつらいよ」で検索したらまあまあヒットする、30年前の吉永小百合のインタビュー記事があちこちに掲載されてるのが読めるとか。
・資料目線で、っていうコメントは参加者からもあって、「地域に関する資料をあらかじめリストアップして置いて、レファレンスに利用したい」と。
・あと岡崎市立中央図書館ではホームページで実際そういうことをやってる、という紹介とか。
 http://www.library.okazaki.aichi.jp/?page_id=293
 これは近代デジタルライブラリーの例なんですけど、近デジの中に収録されてる岡崎地域関係の資料を簡易目録化して載せてるという。
・こういうのって、従来から図書館員がやってきたような情報編纂スキルの格好の発揮場所だと思うんで、例えば「地域」だけでなく、「時事のトピック」「人物」「分野別パスファインダー」に含めるなどなど、この視点からだけでも活用すべきやり方はいくらもあると思うんですよね。
・例えば単純に言って、自館所蔵資料で、近デジやデジコレで見れるものリストとか、OPACからのリンクとか。
自館OPACに送信対象資料のデータを搭載したい、というコメントもあって、NDLサーチのAPIを使ったらそれもできるっぽい、あたしではちょっとちゃんとはわかんないんだけど、いつかわかれるようになりますように、リンクは下記。
 「外部提供インタフェース(API)」(NDLサーチ)
 http://iss.ndl.go.jp/information/api/
 「オープンデータセット」(NDL)
 http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/standards/opendataset.html

●複写・複製
・複写についてのポイントは、
 −運用
 −画質
 −著作権
 の3本柱。
・うちとこの事情を記録しておくと、送信サービス初めて1年での複写実績は、申し込み件数が750件、枚数なら万はこえてるでしょう(北大さんの倍・・・)。かといってNDLさんへの複写依頼が劇的に減っているというわけではない、通常の変動範囲程度な感じです。
・大阪府でカラープリンタ導入。ただし現段階で統計見る限りでは、数ヶ月に1件程度か。
・著作権の話はもうあれですね、話し始めると止まんないし終わんないしそして結局わかんない、っていう。
・ただ、著作権の判断は各図書館で、とのことで、例えば自館で独自に調査した結果「この資料はもう著作権切れてる」って判明したんだったらそれでいいよ、という感じ。あと、自力で著作権者に許諾とれたんだったら、NDLさんからの許諾はいらないとか。
・直接来館しないでの複写依頼で、複写していいか、という問題。これについてはNDLさん的には「参加館で複写物を手渡しならいい」とのこと。だから、導入館・県立図書館さんが非導入館・市立図書館さんの求めに応じて複写物を送ってあげる、というのはできない。市立図書館さん、導入してください、ということになると。NDLさん的には。
・ていうか「図書館送信」以前に、「インターネット公開」であっても、「著作権保護期間満了」だからインターネット公開してるものは複写できるけど、「著作権者許諾」とか「文化庁長官裁定」とかでインターネット公開してるものは図書館が複写しちゃいけない、だってあれはおたくの図書館の所蔵資料じゃないでしょ(31条的に)、ていうことみたい。
・あと著作権法31条1項3の「他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合」は、マジでもっと周知されてください。
・もうひとつ、参加館にとってわりと切実なのが、実際の送信サービス画面をチラシとかポスターとかに写真で載せて広報しまっせ!というのが、複製的にアウトだという話ですね。それって困るでしょうと。例えば今回のセミナーでのプレゼンで画面を映すにあたって、その写真載せたりやっぱするでしょう、と。でもそれってダメなんですかね。
・と、思ってたら、このセミナーでのNDLさんのパワポ&配付資料をよくよく見てみると、事例写真として使われてるデジタル資料の画面というのが、インターネット公開(著作権切れ)かそうでなければ自館出版資料(著作権じぶんとこ)で、送信サービス対象の資料の写真は使ってなかったという。ガチだった。軽く戦慄が走った。

●その他もろもろ
・例:大阪府立図書館さんは既存の利用要綱を改訂して送信サービス利用をこの中で可能にさせたとのこと。
 大阪府立中央図書館データベース・CD-ROM端末利用要綱
 https://www.library.pref.osaka.jp/site/kisoku/lib-dbyoko-c.html
・端末の利用について。おそらく参加者が静かにざわついたのが、大阪府の「自動ログインツール」。これはマジ。
・このサービスを利用できる図書館とはについて。このサービスを利用可能な「著作権法第31条第1項が適用できる施設」として、「文化庁長官指定施設」があり、その例として「国際交流基金図書館」が挙がっている。
・登録利用者とは誰ですか?問題。考え方としては「各館が特定の条件を設けて登録している人」ということで、学外者も利用登録するんだったら対象にできますけど、まあ個別に相談してくださいとのこと。ちなみにうちとこは「こういう規則なんですけど」って相談したら「OKです」って言われたです。

●余録
・福井の人は関西館会場に来てはったけど、富山の人は東京会場にいてはった。北陸新幹線・・・。

posted by egamiday3 at 15:36| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月05日

(メモ)博士学位論文の公聴会


 博士学位論文の公聴会の類の、異なるいくつかに続けてうかがって、いろいろお話を聞いていたら勉強になったので、そのメモ。特定を避けて内容には触れず、研究と論文と発表と質疑のあり方みたいなのについて、主に。


●その1
・自然科学がらみの社会学系
・主査1人、副査2人、タイムキーパー1人、オーディエンス3人。
・発表30分。質疑30分。
・時間によってベルが鳴る。時間はおおむね守られる。
・主査の司会的役割が大きい。

(プレゼンとして)
・こういうときに主査・副査・オーディエンスへの配付資料の準備は、必要か不要か。
・パワポを使う。
・パワポのデザインが決してわかりやすい・伝わりやすいというようなものではなく、いたって事務的なもの。わかってる人むけのプレゼンだからということか。
・それでも、飛び込みで聴きに来た分野外のいい加減な自分にもある程度わかるような説明の仕方。
・すごいスラスラとしゃべってはるから、それなりに練習したのか、あるいはそういう人なのか。
・時間が足りず、ベルがちんちん鳴らされるけど、ふつーにしゃべってはる感じ。

(研究内容)
・何章かあって、各章はおおむね個々の論文として発表されており、査読あり論文誌等に掲載されている。それらが合わさって学位論文として構築されている、というパターンのやつ。
・統計に次ぐ統計。数式に次ぐ数式。
・実態調査の分析と机上の推計とを比較する。自分の分析の正当性を、別の観点から証明・主張する、みたいな感じ。
・現状の問題点を指摘する。
・これとこれを使ってこれの実態を探る、という考え方の説明をする。
・今後の研究の方向性。

(質疑応答)
・本人の発表→主査の受け→副査の質問・コメントへ。
・個々の章(論文)の質は充分だけども、章同士の関連性や、全体の整合性が薄いのでは、という指摘。・方法について、新規性はあるが、唐突ではないか、という指摘。
・発表者のこたえるターンでは、副査の指摘や疑問点に対して、特に何かを見ながら確認するでなくスラスラと、しかも長めにこたえはるので、ちゃんと全部わかってるってことなんだなあと。
・「元になった論文誌の査読で、こういう指摘を受けた」。
・この学位論文が伝えようとしているメッセージは何か、について。
・これこれこういう修正をして、ここを延長して、それで学位論文として認めてよいですか、よいです、で終わる感じ。

(感想)
・こんなにたくさん前向きなダメ出ししてもらえて、うらやましいなあという感じ。


●その2
・実務よりの社会学系
・主査1人、副査2人、タイムキーパー1人、オーディエンス3人。
・発表30分。質疑30分。
・時間によってベルが鳴る。時間はおおむね守られる。
・パワポ配付あり。

(プレゼンとして)
・まず結論を言う。

(研究内容)
・この背景と、この先行研究と、この既存の理論をふまえ、仮説を立てる。
・その仮説は図・モデルで示すと、こういうことである。
・論理・学説を示す。←→それについてのなじみのある風景(事例・実情)を示す。
・研究方法は、半構造化インタビューと質問紙調査。これを統計的に分析して、仮説を証明する、という。
・インタビューは、インタビュー+作業(被験者?に作業をさせる)
・これこれのことを測定するのに、こういうアンケート質問によって調査する。このやり方が正しいかどうかの検証のため、他の視点からの調査も同時におこなって妥当かどうかをチェックする。
・結果を分析して、モデル図を描いて、有意に違いがあったところを指摘する。
・そしてやっぱり統計。
・この研究の問題点は、測定の尺度・客観性をどうするか。

(質疑応答)
・客観的な尺度について。
・定義が文脈で揺れるのではという指摘。
・この研究と提言の、意義について。具体的にどうするのかについて。
・インタビューやアンケート結果について、想定外だったり解釈が難しかったりという件について。

(感想)
・その1もそうだったけど、問われるのは「自分の研究をいかに客観視できるか」かなあ、という感じ。


●その3
・人文系、哲学。
・主査1人、副査2人(全員学内から)。オーディエンス10数人。
・発表30分、質疑90分の予定。実際には質疑がさらに30分延長。
・タイムキーパーなどいない。「時間なので」と言いつつ、さらに質問やコメントが続く感じ。
・レジュメあり。

(研究)
・研究にいたった個人的事情と想い。それをふまえての研究テーマの設定。
・先行研究をふまえて、これまでは充分でなかったこれこれの考察・こういうアプローチを、批判し、補完し、検討する。それはこのテーマの研究にこういうふうに貢献できる。
・対象となる著作・文献を分析する。
・その対象の受容・研究を分析・評価して、モデル化して、不足・不十分を指摘する。
・その対象を歴史的文脈を踏まえたうえで分析する。
・自分の分析と、先行の受容・指摘とを比較・評価する。
・対象をよりよく考察・検討するためのモデルを、構築する。

(質疑応答)
・文献を深く読み込んでいるかどうか。文献に広く目を配っているかどうか。
・あれは読んだか。これは読んだか。
・この考え方は、すでに誰々のこの論にある。
・これを読めば、こういう考え方ができるようになる。
・基本的にこれの応酬>「この件については、自分はこう考える。なぜなら・・・」。(根拠として、対象、著作、その受容・先行研究、歴史的文脈・影響関係)
・考察の対象とするものを、狭く特定しすぎていないか。深く読み込みすぎていないか。
・こういう考え方ができるのではないか。こういうふうに発展させてはどうか。
・この論は、研究者としてか哲学者としてか、どういう立場でのものか。
・自分をもっと出してはどうか。
・「とりあえず今回の博士論文のテーマにしぼって考えれば」(←これをちょいちょい言わないといけないくらい、議論が広がる)

(感想)
・学問の道に終わりなどないとは、このことか。という感じ。

posted by egamiday3 at 21:22| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月31日

極私的・2015年の絵馬(活動指針メモ)


 絵馬。
 それは今年一年の活動指針。


●タイムライン
2007 HVU
↓  ↓
2008 NBK・JLA
↓  ↓
2011 ↓
2012 本棚の中のニッポン
↓  ↓
2015 ===いまここ===
↓  ↓
↓  Something
2020 ↓
2022 ↓
  

●イベントごと
2015.06 AAS台湾
2015.09 EAJRSライデン
2016.03 CEAL/NCCシアトル
2016.06 AAS京都


●2015年の絵馬
・Somethingへ向けて、"助走"します。助走は"走"です。
・忙しさ(客)を、"良い忙しさ"(主)へ転化させます。
・NBK(local)を、NBK"からの"(social)へ可視化させます。
・"アルファ"を選別的に志向します。つまらんことにリソースを割かないでください。
・生活習慣の改善のため、"有酸素運動"を意識します。これはマジです。
・環境の整備には、投資くらいしてください。


posted by egamiday3 at 11:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月26日

(メモ)同志社大学図書館司書課程講演会「『見たことのない図書館』を考える」


同志社大学図書館司書課程講演会
「『見たことのない図書館』を考える」
2015.01.10@同志社大学

「同志社大学図書館司書課程講演会「『見たことのない図書館』を考える」」 http://togetter.com/li/768227

 ちゃんとしたレポートは上記togetterの空手家・水泳家の人のをご参照いただければ充分なので、以下ここでは、極私的な感想、心にとどめたいorとどまったこと、およびなんとなく考えたこと等のメモ。


●村田晃嗣氏(同志社学長)
・スライドなし。しゃべりのみ。え、学長は桂一門ですか笑福亭ですか、というくらい、噺家かのようにしゃべりが上手くて勉強になった。ひそかに録音しときたかったという。さすが人前やテレビでしゃべりなれてはるだけあって、こんなふうに講演できたらいいなっていう。もちろんどっかんどっかん笑わすという意味じゃなく、噺に引き込まれるというタイプの噺家。
・なにより、専門外であるはずの”図書館”というネタにこれだけ自分で肉付けして魅力的にしゃべれるっていうあたりが、なんだろう、”人文力”とでも言うか。(法学部の先生だけど)
・北米の学術図書館の紹介、”ライブラリーとアーカイブスの機能を両方持ち、有機的に結びつく”とか、”事前に研究調査の主題を伝えておくと、蔵書の説明とその主題資料の準備をしておいてくれる”あたりは、うちがリアルに目指さなあかんところだなと思いを新たにさせられた感じ。
・ほんとこれ、ていう。>”近年、社会連携が問われる大学。自分たちだけの空間ではありえない。一方で、何かに熱中する人のための逃避没頭の場が大学である。4年間は無理でも何年間か一定期間は社会から隔絶された静謐な空間を学生に提供する。それが図書館ではないか”(要約)

●長尾先生「夢の図書館を目指して : 20年後の知識システム」
・NDLは国会議員への調査サービスは非常に高度だけど、一方で外国情報の収集が手薄で、日本の将来が心配、とのこと。
・このへん、やっぱ京大の人だなあと>”NDLは税金でできておきながら東京近辺の人しか使えないではないか”
・長尾先生がおっしゃるには、デジタルにも2段階のフェーズがあって、フェーズ1は読者がコンテンツを受け取って終わり。フェーズ2はインタラクティブ、とのこと。←では、インタラクティブの次のフェーズは何になるんだろう? どのフェーズでも次の発想の転換が求められることになるんだろうけど、そのスピードは確実に速まってる(というか尺度が別次元になるというか)。
・Googleも20年もつのか、行き詰るのではないか。主に電力的に。という話。
・「人間頭脳の知識構造に近づく電子図書館」の話で3時間くらいききたい。

●中山正樹氏(NDL)「電子図書館事業20年を迎えた新たな方向性の模索」
・パイロット電子図書館プロジェクト、PORTA、NDLサーチ、そしてそこからの、東日本大震災アーカイブ。という電子図書館事業の流れ。そうか、”からの”なんだな、という感じ。知識インフラ構築を目指したもの。

●井上真琴(同志社)「知識はここで目を覚ます : なぜラーニング・コモンズを創ったのか」
他者が学び考えるその行為そのものが”情報”になる。考えるという行為は本来見えないが、それを可視化して、互いの思考過程という”情報”を共有する。その空間がラーニングコモンズである、と。←ラーコモ論の中で一番腑に落ちる。
・図書館がやってきた従来の”情報のロジスティクス”にとどまるんじゃなくて、それをどう活用すれば思考や生産につながるか、学びの認知メカニズム、文脈の判断、再編成へ。

●ディスカッションの時間
・司会たいへんだこりゃ、と思ってたら、よくぞこなしきった、という感じ。
・これはダメだ、ツイートできない、というような発言が出ると誰に指示されるわけでもなく一斉に中継がカットされるという、中継者たちの謎リテラシーw
・井上さん”情報をほしくて検索することはない、見つけたものをどう使うかばかり考えている


●という話を聞きながら極私的に考えていたこと。
・全体的に夜空のムコウ的というか、あのころに描いていた未来の見たことのない図書館がこれまでどんなふうにここまでたどってきたのか、という時点にいま立って、からの、そしてこれから。というような時間的流れの矢印が引かれてる上で話を聞いてるという感じ。
 まあ、「見たことのない図書館」タイトルはレトリックだろうし、文字通りに考えてもそんな”見たことのない図書館”をつくることがそもそも”是”なのか?という議論のほうが気にかかるんだけども、それはそれとして。

・例えば自分の担当する司書課程科目は一般の学生(司書資格関係ない)もとれて、2回生が多いのかなという感じなんだけど、そういう場で「この大学の図書館にまだ行ったことない人」と聞くと、これがまあまあ結構な数の学生が手を挙げるんですよ。資格不要とは言え科目名に"図書館"がついてるのをとっといてw つまり彼らにとって実際あの図書館は文字通りに”見たことのない図書館”、っていう。
 ただ、ほんとのほんとに見たことのない図書館ができるとするなら、その発想の種はおそらくその、まだ図書館に行ったこともない行く気もしないような人らの中にこそあるはずであって、あたしなんかのように図書館業界に身をべっとり浸してるようなぬらりひょんの頭の中にあるようなものでは、たぶん、絶対に、ない、それはどうしてもどこか既視感のある発想になっちゃう。
 だから、ぬらりひょんは、いや「図書館」は、そういう図書館を見たことのないレベルの人=「図書館じゃない」と積極的に連携して、いや連携とかじゃなまぬるいくらいのとろっとろに溶け出て溶け合うようにしていかないと、見たことのない図書館とかいうやつはつくれないでしょう。(注:ここでいう「図書館じゃない」って、MLAとか教育・文化行政ごとき身内親戚筋レベルの相手じゃなくて、壮絶に無関係な、でもこの世界の大多数を構成している種々。)

・一方そのころ、「図書館にもちろん行ったことある」方の、図書館に興味を持ち司書資格を得るのに勉強してきている学生さんたちはどうかというと、かといってほんまにがっつり図書館の仕事に関わることになる人ってたぶんそんなに多くはなくて、社会の「図書館じゃない」のあちこちの現場に出て行って、そこで、図書館学的・情報学的・司書的な考え方やはたらきを活用していくことになるんだろうな、という。それを社会というか世界総体を引きの画で見たときに、そういうふうになんとなく「図書館的」なのが、図書館という限られた場所なんか踏んづけ蹴散らかして、社会世界のいろんな場所で、ふわふわでもきりきりでもいい、まわっていったらいいと思うんですよ。

・この世界の大多数の「図書館じゃない」と、社会の隅々に散在する「図書館的」と、ぬらりひょん(えっと、ぬらりひょんってそもそもなんだっけ?w)な「図書館」とが、とろっとろに連携して、ほうせんかみたいにぱっと散って、綿毛のように遠く漂っていって、もはや可視化はされないものの、何かしらの図書館的な要素・考え方・機能が世界の端々・節々にステルスでインストールされてる。で、社会・世界総体をなんとなあく図書館っぽいはたらきが覆っている。
 そういうのを”見たことない”図書館って言うんじゃないかなあと思うし、そしたらそれはもう”図書館”でもなんでもないし、そしてそれでいい。いや、それがいい。

・追加。分類体系を考え直さなきゃみたいな話が出るけど、分類って、要は考えのマッピングみたいなもんだから、人・時代・社会・文脈によって異なる変わるのが当たり前で、技術的に固定させる必要がなくなったんだったら固定しないで済ませればいいんじゃないか。

posted by egamiday3 at 21:23| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月12日

(メモ)『誰が「知」を独占するのか : デジタルアーカイブ戦争』(福井健策)の第6章・提案部分まとめ

誰が「知」を独占するのか-デジタルアーカイブ戦争 (集英社新書) -
誰が「知」を独占するのか-デジタルアーカイブ戦争 (集英社新書) -

福井健策. 『誰が「知」を独占するのか : デジタルアーカイブ戦争』. 集英社新書, 2014.

 資料論なりメディア活用論なりで授業で触れてあるいは読ませてというのに吉なわかりやすい本だったんですけど、それはそれとして、最後の章に箇条にして書いてある「提案」の部分が、極私的に相当の本編だったので、メモ。
 だって章題がもう「アーカイブ政策と日本を、どう変えて行くか」ですもの、こんなにも切実な、直接的な、ほんとこれ的な。


-----------------------------------------------------

 第6章 アーカイブ政策と日本を、どう変えて行くか

1. ナショナル・デジタルアーカイブを設立し、当初2000万点のデジタル公開を実現せよ。

提案@ 自力でデジタル化出来ない文化施設や個人のためにデジタル化工房を各地に設置 (インフラ整備、参画可能化、ローカル)
提案A 全国のアーカイブをネットワーク化し、独自の横断検索を実現 (流通、ファインダビリティ)
提案B 収集と投稿機能を備えたナショナル・デジタルアーカイブの設立 (資料保存、全メディア・アーカイブ試案)
提案C 各教育機関と連携した、デジタルアーキビストの育成と研修プログラムの充実 (継続のための人材)

2. オプトアウト制で、孤児作品問題をはじめ権利問題に抜本対処せよ

提案D 孤児作品や絶版作品のデジタルアーカイブ化を促進する法制度の導入 (仕組みの整備、ここは本文を要参照)
提案E 諸外国との間で、孤児著作物の相互利用協定を締結
提案F 法改正で所有権、肖像権問題にも対処を

3. 世界のデジタルアーカイブと接続し、オープンデータで日本文化を発信せよ

提案G 税金を投じたデジタルアーカイブではオープンデータ化を原則化し、基本的にパブリック・ライセンスを付与 (オープン化)
提案H ユーロピアーナなど各国デジタルアーカイブとの相互接続の促進 (国際発信)
提案I 無料字幕化ラボの設置 (テキスト化、英語化・翻訳)

4. まとめ 再びコンクリートから情報へ (ヒト、カネ)

-----------------------------------------------------
posted by egamiday3 at 19:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

(メモ)『近代学問の起源と編成』を読んだメモ

近代学問の起源と編成 -
近代学問の起源と編成 -

『近代学問の起源と編成』. 勉誠出版, 2014.
 長尾宗典様よりご恵贈賜りました。
 全部じゃなく気になったのを読んだのですが、視点の持ち方を勉強になったのでこれは折に触れて読み返したらいいなという感じでした。
 例えば、最後の論文の最後のまとめに出てきた「予算獲得のための研究があってもいい」という言は、それだけ見るとえっ?てなるけど、ひととおりざっと読んだ上で最後に見ると、あ、うん、そうそう、ふつーにあり、ってすんなり身体に落ちる、っていう感じ。


●総説 近代学問の起源と編成(藤巻和宏)
・学問という営為に潜在するバイアス。
・周到に構築された学問環境、フィルターを通さずに、研究対象に接するのは難しい。時代の文脈、受容のされ方、政治性の介入もある。研究は無色透明ではない。
・学問領域の編成もそうで、範囲の画定と囲い込みがされ、対象が限定される。文科省が定める科研費の「分科細目表」がその最たるもの。
・前近代から、西洋を受け止め、近代にいたった、日本の学問の起源・構築・再構築を考察する。
・◎別役実「鳥は鳥であるか」

・本書の構成
-明治の学問(第1章 近代学問の起源と展開)
--近代学問「編成」への階梯
--西洋学問の受容基盤としての外国語(翻訳、外国語教育。)
--新たな学問の諸相
・中国語由来の「文学」がliteratureの訳語とされたことによって、その意味が「学問」→「言語芸術」に変容してしまい、日本古典文学を芸術として理解しようとした。
・西洋学問としての神話学が科学的とされたことで、神話学の有する政治性を隠してしまった。農学教育が英国流からドイツ流に変更された。など。

-近代とは(第2章 近代学問の基底と枠組み)
--科学の近代
--西洋・近代というバイアス
--近代学問の枠組み
・宗教を研究対象としたときの、西洋的・近代的なバイアスの存在。宗教における前近代的要素を近代に比べて過小評価しかねない。そのバイアスを自覚する必要がある。

-学問の内と外(第3章 学問の環境と諸問題)
--研究領域の可視化と変容
--学派と社会
--研究活動の外郭
・ボードレールはいかに学問の対象となったか。研究対象は自明ではない。
・社会科学研究が社会情勢の影響を強く受ける。
・明治期の美術史研究が、日本のイメージを西洋に宣揚するための通史構築、文化財調査であったこと。


●近代国学と人文諸学の形成(藤田大誠)
・国文学国史学が国民や国民性を再生産したものとしてその政治性やナショナリズムの存在を訴えることは、ともすれば反国家主義のレトリックになりかねない。資料による実証で説明・理論に結びつけるべき。
・総合的日本文化学としての「国学」が、近代日本の人文諸学の基盤ととらえられてきた。
・近代国学は、漢学系学問や西洋諸学問との連携、拮抗、共鳴部分を見いだした上でのスムーズな導入、接続させるなどしていた。
・帝国大学国史科は、漢学出身の学者やドイツの歴史学者の協力で、実証史学としての国史学を確立していった。
・◎芳賀矢一「国学とは何ぞや」
・芳賀矢一は、文学や史学が専門で分かれるのではなく、人文諸学の総合的学問としての国学の発展を訴え、「日本文献学」としてとらえなおし、再構築しようと構想した。(国語、国文学、文献注釈、国史律令、有職故実、古器物・考古学)
・帝国大学では蛸壺的な専門分化が進行したが、私学の國學院においては一貫して総合的学問としての国学を保持していた。(その後、東京帝国大学では「神道学」が人文諸学を再統合)


●明治期における学問編成と図書館(長尾宗典)
・諸学の編成に図書館はどう寄与したのか。
・帝国図書館(東京図書館-東京書籍館)、帝国大学(-東京大学)附属図書館を対象に。
・蔵書構成@東京図書館。近代学問がドイツ中心になってきていても、洋書の収集は英語が主だった。
・蔵書構成@東京大学。東京書籍館より圧倒的に洋書が多い。明治21年を境にドイツ語が英語を上回る。
・明治期の図書館分類は、江戸の伝統を継承した体系だった。それが明治20年頃を境として、江戸の知的伝統から脱し、近代学問編成の基礎が形成され始めた。明治20年代の東京図書館・帝国大学図書館の分類表は、明治前半期に追求された近代学問の一覧表であるといえる。
・◎薄久代『色のない地球儀』


●近代科学の起源 : 本質を探求する学としての科学(森田邦久)
・科学と近代科学をわかつものは、「実験」。「機械論的世界観」(←→目的論的世界観・アリストテレス)
・ロジャー・ベーコン(13C)はイスラム科学を取り入れ実験観測を重視した。
・目的論的世界観:「不完全な金属は完全な金に近づく」(→錬金術)。世界の中に神の意志が存在する。
→機械論:ラヴォアジェ(18C)近代化学の父・質量保存の法則他。経験を重視する。
・「モデル」と科学的説明について。
・「モデル」は、個別の事例ではなく、それらに共通する本質を取り出し、現実世界を抽象・理想・単純化したもの。科学が、現象に理論的説明を与えるときには、このモデルに理論を適用することになる。モデルを批判し、修正を加え、科学が発展していく。(モデル≒実験。実験はコントロールされた経験であり、調べたい現象を再現させる)


●〈実証〉という方法 : 〈近世文学〉研究は江戸時代になにを夢みたか(井田太郎)
・東京帝国大学・芳賀矢一は、ドイツ文献学を日本の文学研究に導入した。自らの過去を知る、近世以前と明治時代を通して展望する、時代精神と作品・作者を結びつけて考える。「文学史」。国民国家において国家の須要に応じる。
・池田亀鑑『古典の批判的処置に関する研究』。文献学の本文批判によって始原を復元する技法の確立。
・京都帝国大学・潁原退蔵・野間光辰・中村幸彦。校勘学。資料派。東京ほど時代精神と密着して考えない。
・外地(台北帝国大学・京城帝国大学)は本土より給料が良く、新設のため予算が潤沢で、戦中でも古典籍国乳が継続されていた。
・私立大学が大学に格上げされるときに図書館の蔵書数が要求されたが、求められるのは洋書であり、和古書は無関係だった。
・官立大学では近世文学は講じにくかったが、図書館とその周辺には、近世文学の専門家愛好家がアジールのように存在し、収集・書誌学研究をおこなっていた。在野の所蔵家・愛好家がいた。そこでの「近世のイメージ」が現在の近世文学・近世文化のイメージにつながっている。(体制に抵抗する庶民、知的自由へのあこがれなど) 春画も?

・戦中、ナショナル・アイデンティティに奉仕するための近世文学研究が要請・構築された。日明戦後、資料派が「実証性」によって政治性を回避するほうへ。
・実証性によって近世文学を「復元」する。→「復元」するためには対象の範囲確定が必要。→”文庫”(という限られた範囲のあるもの)を対象とする。(例:古義堂文庫目録)→実証性の殻に閉じこもったり、実証性を客観性と混同して無色透明と誤解したりする。
・実証的な方法を偏重しすぎる→閉じるほうへ。鳥瞰図を構想するような論文が専門の学会誌で掲載されることはまずない。
・『国書総目録』。それを踏まえた国文学研究資料館のマイクロ収集。→資料乱獲競争、データ主義、資料の海+実証性・資料派+デジタル化 →なんのために近世文学を研究するか、社会的位置づけをどうするのか、という問題が見えにくくなった。
・時代区分という便宜上の区分を超越した巨視的な新規モデルが提示されなかった。


●日本の美術史学の展開過程とその特徴 : 1910-50年代の学術研究化(太田智己)
・前史。鑑定、鑑賞。画史、画人伝。落款印譜集、図録集など。
・明治期の美術史研究の課題は、日本美術史の通史の構築だった。日本の国家イメージを西洋に対して宣揚する、対外的文化戦略の手段として必要とされた。
・1890、東京美術学校で「日本美術史」講義開始。岡倉天心。
・1900『Histoire de l'art du Japon』刊行、パリ万博出品。(邦訳『稿本日本帝国美術略史』)
・東京帝室博物館での日本美術史編纂事業(1901-)
・『国華』(1889-)。半官半民で日本古美術の図版を掲載し欧文版を海外に流通させた。
・国による大規模な文化財調査。

・1910年以降、美術史学が”学術研究”となっていった。
・学術インフラの整備: 帝国大学で美術史学という特定の学問を学ぶ課程を設置する。職業研究者のポストとして研究機関を設立する(東京帝室博物館など)。学術雑誌(総合誌や批評誌ではなく)を刊行する。学会・コミュニティを設ける。
・学術インフラを整備する→専門職業としての研究者が、学術研究としての活動を持続的に行うことができる→安定的で持続的な学術知生産ができる。
・主観的鑑賞から「科学」へ。
・研究費受給体制の整備。科研費のカテゴリが、”哲学の下の美学と合同”から、”史学の下で美術史単独”へのりかえ。単独で安定した研究費の確保ができる。

・日本美術史学では、西洋の美術史学の方法論を体系的に移入した経験がほとんどみられない。(西洋の素材・技法が日本古美術に適用されない?)


●「文化情報資源」をいかに活用していくか : 博物館・図書館・文書館が連携し合う時代の学術情報流通(岡野裕行)

 (全文すべて参考にすべきなので、メモ省略)


●学問領域と研究費(藤巻和宏)
・学問編成の問題を、研究費に注目して考える。
・科研費を申請する際、「分科細目表」の中から選ぶことになる。
・分科細目表では、新たな領域をどう扱うかが課題となっている。
・「時限付き分科細目表」。たとえば「震災問題と人文学・社会科学」など。既存の細目ではカバーできない分野が可視化される。新たな研究領域が独立して安定的に科研費を受給できることにつながるので、たとえば時限付き細目に設定された分野について「採択されなくてもいいからとにかく応募数を増やせ」というような動きが出たりする。
・日本文学研究の世界には、過剰なまでの”時代区分”へのこだわりがある。学会組織がそうなっていることも一因。説話文学会・仏教文学会が実質的に中世文学会の分科会のように理解されてしまい、中世以外の発表が受け入れられにくいという問題も起こっている。また、歴史研究ではとっくに否定されている「中世は武士の時代」「鎌倉新仏教の時代」のようなイメージが、いまだに日本文学研究者では持ち続けられているというような問題もある。
・例えば日本文学研究では「大作家」「大作品」「日本文学史」を基盤に発展してきたところがあるが、本来は何が研究対象になるかならないかはあらかじめ決まっているわけではない。文化資源・文化情報資源も、その要不要は少数の研究者によって判断されるべきではなく、研究者同士の認識の相違に折り合いをつけていかなければならない。

・「予算獲得のための研究」があってもよいのではないか。それによって研究が進んだり、ポスト確保ができたり、予算執行のための不本意な研究によって新たな研究テーマに出会ったりできる。

posted by egamiday3 at 12:31| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月21日

極私的・egamiday十大ニュース 2014

 
 自分以外に得しない、というか自分にとっても別に得にもならんだろうという、年末のまとめ第3弾。
 今年一年の自分のふるまいを省みて、来年はちゃんとした者になろう、あすなろう、という。十大ニュース形式で。


●egamiday氏、1年間で4回のヨーロッパ渡航
 egamiday氏の2014年の海外渡航件数が、1月のイギリス、5月のアイルランド、9月のベルギーの3件に及ぶことが明らかとなりました。2013年9月のイギリス渡航を含めると、2013年9月から翌2014年9月までの1年間で都合4回のヨーロッパ渡航が実施された計算になります。ただしこのうち3回は業務での出張であり、特に1月のイギリス渡航は現地滞在が丸3日程度という弾丸ぶり。この件に関しegamiday氏は「しばらく旅行らしい旅行をしてない気がする。旅がしたい。まだバルト3国に行ってない」とコメントしています。

●egamiday氏、アイルランド旅行後の健康診断でひっかかる
 今年5月のアイルランド旅行後に実施された健康診断において、egamiday氏がいくつかの項目で若干の数値オーバーを叩き出したことが、京都府内の某医療機関の調査で明らかとなりました。その後実施された精密検査ではまあまあ穏やかな結果に終わり事なきを得たということです。この問題に関しegamiday氏は「ギネス、フィッシュアンドチップス、肉食中心・野菜不足というアイルランドに特有の食糧事情がもたらした一過性の現象であり、健康に直ちに影響はない」と釈明していますが、数ヶ月後の渡航先であるベルギーでは、ベルギービール、ベルギーチョコレート、ブリュッセル名物のフレンチフライに加え、味はフランス並み・量はドイツ並みと言われるベルギー料理を欲望のリミットを超えて堪能するegamday氏の様子がTwitter上で目撃されており、12月に行われる人間ドックの結果が懸念されています。

●egamiday氏、情報メディア学会で「おたより」発言
 今年6月、東京で行われた情報メディア学会シンポジウム「デジタル化を拒む素材とアウトリーチ」において、コーディネーター役を務めたegamiday氏でしたが、学会参加者から提出された質問用紙を読み上げる際、「続いてのおたより・・・」と発言していたことがわかりました。この失言の後egamiday氏は「おたよりって言っちゃった」と苦笑いをしただけで、その後も何食わぬ顔で平然とコーディネっていたとのことで、一部ではラジオパーソナリティ気取りかとの批判の声もあがっています。

●egamiday氏、DUALISにラジオのお株を奪われる
 その一方で、2013年12月以降まともなラジオが放送されていないという実態が浮き彫りとなっています。某志社大学某UALISをゲストに迎えた昨年12月の放送で「自分らでラジオやれ」と純朴な若者たちをいたずらに煽ったegamiday氏でしたが、その某UALISが2月の第1回放送を皮切りに、この1年で京都市内の各大学を巻き込んだ番組作りを展開し、そのお株を完全に奪われたかたちとなりました。巻き返しを図るegamiday氏、11月に烏丸五条の某町家からゲリラ的にラジオ放送を強行しますが、結果的におっさん二人が泥酔して終わるというていたらくぶり。この問題に関しegamiday氏は「(酔って)記憶にございません」などと供述しています。

●晴さん弁当が終了、QOL低下の危機
 egamiday氏の充実した食生活を支えてきたお昼の晴さん弁当が、今年9月をもってその配達を終了しました。お肉・お魚・野菜計6品で500円、ちょいちょい登場するプチ創作料理のサプライズなど、きわめてクォリティの高かった晴さん弁当。職場近辺には定食屋もねえコンビニもねえスーパーもそれほど近くはねえとのことで、その配達終了はランチ事情、ひいてはクォリティ・オブ・ライフ全体に大きな影響を及ぼしかねないと、egamiday氏界隈を一時騒然とさせました。現在は別の配達弁当に鞍替え、egamiday氏によれば「ん、まあ悪くない」(※個人の感想です)とのことです。

●スタバ改装でソファ撤去、QOL低下の危機
 egamiday氏の充実したオフを支えてきたサード・プレイス、スターバックス某小路店が内装と家具の全面改装をおこないました。これにより、座るだけで身体にエネルギーがチャージされるというegamiday氏お気にのソファが撤去され、新しいソファに置き換わるという事態、事件、いや事変が発生。『某棚の中のニッポン』はこのソファで生まれたと、おまえはマルクスかと言わんばかりの愛着ぶりを見せていたソファの撤去に、これもまたクォリティ・オブ・ライフの大幅な低下が懸念されています。egamiday氏は「先方から書状が届いていないのでコメントできない」などと意味不明の発言をしており、動揺を隠せない様子です。

●egamiday氏、LINEデビュー
 今年秋、egamiday氏がついにLINEデビューを果たしたとの情報が入りました。きっかけは家族会議の必要性に迫られてとのことで、遠方に住む妹弟同士との連絡に使用している模様ですが、それぞれのログイン名が「えが」「えがみ」「egami」となっており、一見しただけでは誰が何を発言しているかわからないという不測の事態を招いています。

●egamiday氏、祇園祭ではしゃぎ過ぎる
 49年ぶりに後祭が復活した2014年の京都・祇園祭において、egamiday氏の過剰なはしゃぎぶりが、Twitter上、Facebook上、さらにはリアルでも多数目撃された模様です。先祭・後祭それぞれに鉾立て、曳き初め、宵山、巡行と、エンドレス・エイト並みに繰り返される長期戦。その間続々とアップロードされる写真や動画の数々に、「祇園祭テロだ」という抗議の声も聞かれました。

●『本棚の中のニッポン』電子書籍版、ついに発売開始【広告】
 出る出ると言われながらなかなか出なかった『本棚の中のニッポン』の電子書籍版が、今年11月ついに発売となりました。honto、iTunes、AmazonKindleストアなどで発売中です。egamiday氏からは「これで今年は極私的電子書籍元年となった」と喜びの声が届いていますが、Twitter上では昨年12月にも「(電子書籍を良く読むようになった)極私的には今年こそが電子書籍元年」と発言しており、元年は当面続くのではないかと予想されています。

●egamiday氏、謎の電器店通い
 今年の秋以降、京都市内の某バシカメラを数度にわたって訪れるegamiday氏の姿が目撃されています。パンフレットの束をにぎりしめ、うつろな表情で「フォノ入力・・・短焦点・・・5.1・・・」とつぶやきながら店舗内をさまようegamiday氏。電器店通いの理由はどうやら今年竣工した某NBKの図書館新棟にあるようです。この件に関しegamiday氏は「去年は春画のために学芸員がわりの仕事に取り組み、今年は増え続ける視聴覚資料のために映像音響機器について勉強する。本のことだけやってりゃ図書館での仕事がつとまるわけじゃないんです」となにやら説教じみたコメントを残し、夜のアイリッシュパブへと消えていきました。


 以上、極私的十大ニュース2014でした。
 来年もいい年でありますように。

posted by egamiday3 at 10:32| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

極私的・今年のアルファ本棚行きコンテンツリスト 2014

  
 自分以外に得しない第2弾。
 自宅の”アルファ本棚”と読んでる本棚に置いておきたい極私的アルファ級のコンテンツを、書籍メディアに限らずリストアップしたもの。今年はハードルを下げてしまってちょっと多め。


NHK紅白歌合戦 2013年(テレビ)
『パブとビールのイギリス』(書籍)
大英博物館のグレートコート(場所)
「海外研修報告:紅茶とビールと図書館の旅」(プレゼン)
「たちぎれ線香売りの少女」(演劇)
「夢!鴨川歌合戦」(演劇)
笑っていいともグランドフィナーレ(テレビ)
『世界の読者に伝えるということ』(書籍)
BORDER(ドラマ)
噺家が闇夜にこそこそ(テレビ)
「アラン」(映画)
『アラン島』(書籍)
『愛蘭土紀行』(書籍)
『聖者と学僧の島 : 文明の灯を守ったアイルランド』(書籍)
ダブリン大学のロング・ライブラリー(場所)
アラン諸島(場所)
Nimmos(アイルランドビール)(食)
続・最後から二番目の恋 最終回(ドラマ)
鎌倉・成就院の紫陽花(場所)
「文化誌が街の意識を変える」展(展示)
『読書の歴史を問う』(書籍)
『ニクリブリトルプレス』第2号(書籍)
「舟歌は遠く離れて」(演劇)
京都新聞・祇園祭ポスター2014(デザイン)
『祇園祭 : 都市人類学ことはじめ』(書籍)
「ビジビリティの王国 : 人文社会系学術雑誌という秘境」(記事)
「ビルのゲーツ」(舞台)
『祖谷山民俗誌』(書籍)
ち庵(ちいおり)(場所)
ち庵の仕出し(あめご、ごうしいも他)(食)
「アジア歴史資料センターと大英図書館の試み : 共同ウェブサイト「描かれた日清戦争〜錦絵・年画と公文書〜」の制作・公開における「課題」をめぐって」(プレゼン)
ブリュッセルのグランプラス(場所)
ノイハウスのプラリネ(食)
Grimbergen、Orval(ベルギービール)(食)
Umami Powder(食)
『江戸の想像力』(書籍)
『コトラーのマーケティング思考法』(書籍)
中山酒店(イベント)

posted by egamiday3 at 10:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

極私的流行語大賞 2014

 
 毎年恒例の、自分しか得しないリスト。
 自分用で解説なし。

世界人類
ビール/パブクロール
送信サービス
バブル/バブル崩壊
地下鉄に、乗るっ
バスエーレンに、乗るっ
アイルランド/ケルト
鎌倉
デジタル化を拒む素材とアウトリーチ
先祭・後祭
祖谷/アレックス
群書類従
麦に翼はなくても歌に翼があるのなら
おおきに、ねこ、ちがう
ラテラルマーケティング
デジタルアーカイブ
専門図書館(NBKの属性としての)
みんつー連投、今日火曜。
これに来た
○○、からの、××向かい

(ゲスト流行語)
URA
CC-BY
posted by egamiday3 at 10:28| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

2014年"海外の日本図書館・日本研究" 極私的まとめ ( #本棚の中のニッポン )


 海外の日本図書館・日本研究、要は#本棚の中のニッポン的なトピックの中で、極私的にではありますが書きとどめておきたいものを、時系列でピックアップした感じです。

 おもにはてなブックマークの「JLA短信」タグから。ちなみに今年だけでも800件近くあった・・・しんどかった・・・なのですが、自分の情報収集の下手さというか偏りを反省させられた感じです。こんな大事なことあったのに、が入ってないような危惧はあるのでまた追って更新するでしょう。

 そのトピックがその後重要になっていくのか否か、っていうのは、その時点ではなかなか判断しがたいです。発生・発表された当時に★がつく/つかない、2014年12月時点で★がつく/つかない、5年後10年後ふりかえってみたときあの話はすごい重要だった、ってなるかも/ならないかもしれない。
 でもまあこうやって毎年まとめていけば、そのうち点が線になりかたちができていくのでは。という感じです。 


-----------------------------------------------------
 2014年"海外の日本図書館・日本研究" 極私的まとめ
-----------------------------------------------------

・OCLC WorldCatに雑誌記事索引(NDL)データが収録される(2013年12月)
−国立国会図書館月報 635(2014年2月)号(p.34)
 http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8424694_po_geppo1402.pdf?contentNo=1

・大英博物館「春画展」終了。(2014年1月)

・バチカン図書館で近世豊後のキリシタン関係史料約1万点(2014年1月)
http://current.ndl.go.jp/node/25366
−2014年度から6年計画で調査・整理・目録化・デジタル化公開の予定。国立歴史民俗博物館、大分県立先哲史料館、東京大学史料編纂所などの共同で(マレガ・プロジェクト)。

・慶應義塾大学のコレクション8万冊がHathiTrustに加わる(2014年1月)
−Catalog Search Results | Hathi Trust Digital Library
 http://catalog.hathitrust.org/Search/Home?filter[]=htsource:Keio%20University
−Update on January 2014 Activities
 http://www.hathitrust.org/updates_january2014
−HathiTrustへのデジタル化資料の登載について
 http://www.lib.keio.ac.jp/jp/hathitrust/
−HathiTrustの慶應義塾大学のコレクション
 http://xiaodong.hatenablog.com/entry/2014/03/17/023838

・国立国会図書館が、図書館向けデジタル化資料送信サービスを開始(2014年1月)
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2013/1204154_1828.html
−著作権法第31条第1項の適用を受ける図書館等が対象のため、海外には対応せず。

・国立国会図書館で、シンポジウム「海外の日本研究に対して日本の図書館は何ができるのか」が開催(2014年1月)
http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/knssympo.html

・コロンビア大学東アジア図書館の牧野コレクション、CLIRからの助成で目録作成へ(2014年1月)
http://current.ndl.go.jp/node/25393
−日本・東アジアの映画関係資料約8万点。

・「大浮世絵展」、東京・名古屋・山口で開催(2014年1月から)
−国際浮世絵学会創立50周年記念として。海外美術館からも多数出展。

・「海外源氏情報」webサイト公開される(2014年2月頃?)
http://genjiito.org/

・EBSCO Discovery Serviceに丸善の日本語電子書籍のメタデータの追加
http://current.ndl.go.jp/node/25509

・はてなブックマークで、東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」へウェブサイトを推薦できるようになる(2014年3月)
−長期で保存すべきものを国立国会図書館とハーバード大学ライシャワー日本研究所が協力して収集する。
http://current.ndl.go.jp/node/25675

・「今後のGIFプロジェクトの在り方について : 検討結果報告書」が、国立大学図書館協会学術情報委員会GIFプロジェクトチームほかにより刊行される(2014年3月頃?)
−2013年11月25日、GIF参加機関(日本?)に対し、海外ILLに関するアンケート調査(?)が実施されている。
−ネット公開なし?(要調査)

・2014年CEAL年次大会・NCC公開会議、フィラデルフィアにて開催される(2014年3月)
http://current.ndl.go.jp/e1558
−国文研・歴史的典籍のプロジェクトについてほか

・本棚の中のニッポンの会(第2回) in Philadelphiaが開催される(2014年3月)
https://www.facebook.com/events/264477257054574/

・プランゲ文庫等約14,000点を国立国会図書館デジタルコレクションに追加(2014年3月)
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2013/1204748_1828.html

・JapanKnowledgeとJK BooksのメタデータをWorldCatで提供へ(2014年3月)
http://current.ndl.go.jp/node/25797

・『世界の読者に伝えるということ』(河野至恩)刊行される(2014年4月)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062882558

・『クール・ジャパンはなぜ嫌われるのか』(三原龍太郎)刊行される(2014年4月)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4121504917

・「ボストン美術館浮世絵名品展  北斎」、神戸・東京・北九州で開催(2014年4月から)

・ウェブ展示「描かれた日清戦争〜錦絵・年画と公文書〜」、国立公文書館アジア歴史資料センターと大英図書館が共同企画として公開する。(2014年5月)
http://www.jacar.go.jp/jacarbl-fsjwar-j/
−このプロジェクトの詳細が、EAJRS2014年次集会で発表される。
 http://eajrs.net/files-eajrs/ohtsuka.pdf
−「E1630 - ウェブ展示「描かれた日清戦争」:アジ歴とBLの共同企画」(カレントアウェアネス・ポータル)
 http://current.ndl.go.jp/e1630

・メディアドゥ、OverDrive社と戦略的業務提携について基本合意(2014年5月)
http://current.ndl.go.jp/node/26119
−「日本コンテンツをoverdrive経由で海外図書館に配信」とのこと。

・立命館大学アート・リサーチセンター、「日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点」として文部科学省から「共同利用・共同研究拠点」に認定される。(2014年6月)
http://current.ndl.go.jp/node/26258

・「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」、東京・京都名古屋で開催。(2014年6月から)
http://www.boston-japonisme.jp/

・情報メディア学会第13回研究大会「デジタル化を拒む素材とアウトリーチ」(2014年6月)
http://www.jsims.jp/kenkyu-taikai/yokoku/13.html

・東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)とハーバード大学ライシャワー日本研究所(RIJS)が、災害科学およびデジタルアーカイブ分野においての学術協力協定を結ぶ。(2014年6月)
http://current.ndl.go.jp/node/26395

・ハワイ大学マノア校図書館所蔵の阪巻・宝玲文庫(Sakamaki/Hawley Collection)のデジタルアーカイブが琉球大学により公開。(2014年9月)
http://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/?p=11842
http://manwe.lib.u-ryukyu.ac.jp/d-archive/sakamaki-hawley.htm
http://www.hawaii.edu/asiaref/okinawa/collections/sakamaki_hawley/index.html

・EAJRS年次集会、ルーベンにて開催(2014年9月)
http://eajrs.net/

・雑誌『跨境(こきょう) 日本語文学研究』創刊される(2014年9月)
https://www.facebook.com/journal.border.crossings

・日本マンガの海外出版状況調査(手塚治虫・海外出版作品リスト調査)報告書が公開される(2014年9月)
http://mediag.jp/project/project/list.html

・「CA1827 - ウェブスケールディスカバリと日本語コンテンツをめぐる諸課題―海外における日本研究の支援を踏まえて / 飯野勝則」(カレントアウェアネス)(2014年9月)
 http://current.ndl.go.jp/CA1827
−日本語コンテンツの貧弱さと海外日本研究の危機を指摘したもの。

・パリのグラン・パレ・ナショナル・ギャラリーで「北斎」展、国際交流基金との共催で。(2014年10月から翌年1月)
http://www.grandpalais.fr/fr/evenement/hokusai
−海外最大規模との評価。このほか同じくパリ市内で、ジブリ、芸者、川端康成などの展示開催あり。

・紀伊國屋書店と図書館流通センター、世界標準の書誌データ対応に向けた共同プロジェクトを発足(2014年10月)
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/06/news067.html

・雑誌『専門図書館』No.268 特集「外国から見た日本の専門図書館」(2014年11月)
http://www.jsla.or.jp/publication/bulletin/no268/

・北京大学外国語学院に「漫画図書館閲覧室」設立される(2014年11月)
http://www.47news.jp/CN/201411/CN2014112801001491.html
−「明治大学マンガ図書館北京大学閲覧室の設立に合意しました」
 http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/dtl_0007086.html

・『本棚の中のニッポン』、電子書籍発売開始。(2014年11月)

・海外日本美術資料専門家(司書)研修(JALプロジェクト)、東京国立近代美術館らにより初年度研修が実施される(2014年12月)
 http://www.momat.go.jp/art-library/JAL/JAL2014.html

・ワークショップ「日本美術の資料に関わる情報発信力の向上のための提言」(2014年12月)
−JALプロジェクト「海外日本美術資料専門家(司書)の招へい・研修・交流事業」の初年度成果報告。報告書等は後日公開予定か。
http://www.momat.go.jp/art-library/JAL/JAL2014_WS_v01.pdf

・国際シンポジウム「日仏交流の過去と現在―国立国会図書館・フランス国立図書館の所蔵資料から」(2014年12月)
http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20141211lecture.html



posted by egamiday3 at 11:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月15日

(メモ)コトラーのラテラル・マーケティング : コンピュータを持たない人のオンラインショッピング、まで。



●フィリップ・コトラー(Philip Kotler)
・アメリカの経営学者
・「近代マーケティングの父」
・著書『Lateral Marketing』(2003)で、従来のマーケティング手法とは異なる「ラテラル・マーケティング」(水平思考のマーケティング)を提唱
・エドワード・デ・ボノの水平思考をマーケティングに応用したもの

●従来のマーケティング(「バーティカル・マーケティング」(垂直思考のマーケティング))
・従来のマーケティングにおける思考法
 バーティカル・マーケティング
 垂直思考のマーケティング
・既存の市場を定義し固定化することから始まる。
・市場を定義し固定化する(変更不可能にする)ことで、セグメンテーションとポジショニング(これが大事らしい)ができるようになる。
・セグメンテーションでは、定義済みの市場をさらに細分化して考える。
 うちはここに陣を張るよ、と。
 市場全体ではなく、分割された一部分を対象にして、位置を獲得する。
・ポジショニングでは、他製品との差別化をはかるために自社製品の特徴を強調する。
 うちはよそとはこうちがうよ、と。
 そのために、製品のもつ特性のうちのいずれかを選択し、それを強調する。
・バーティカル・マーケティングでは。
 思考が論理的・分析的
 短期間で効率的に改善できる
 製品・サービスと企業のミッションとの間に一貫性がある
・ただし
 特定のターゲット、特定のニーズを明確にする
 それ以外の顧客が対象から排除される
 思考に制限が加わり、想定外のニーズに思い至ることができず、無視される
 製品・サービスに適さないニーズ・顧客・状況を切り捨てる
 製品・サービスの一面的な特徴だけが強調され、それ以外の側面が見落とされる
・利点と同時に限界も伴う。

●「ラテラル・マーケティング」(水平思考のマーケティング)
・ラテラル・マーケティングは、
 バーティカル・マーケティングが対象外としたところを対象に考える
 既存の定義から除外されていたニーズ・用途・ターゲット・状況に目を向ける
 可能性がある限り選択肢を排除しない。
 既存の製品・サービスや市場と無関係と思われる要素でも、見込みのありそうなものすべてが対象
 製品・サービスを根本的・抜本的に改め、変更を加える。
 市場そのものを再構築する
・例:シリアル
 ×従来の手法:朝食用というカテゴリー内にとどまったまま、ターゲットを限定したり特徴を際立たせたりする。
 シリアルの用途を再定義する→携帯可能でいつでも食べられるヘルシースナック
・ラテラル・マーケティングの問いと答え
 これまで対象にしていなかった他のどのようなニーズを満たせるか、取り込めるか?
 これまで対象とされてこなかった顧客のうち、どのような顧客層を対象とすることができるか?
 既存の顧客に対してほかにどのような製品を提供できるか?
・ラテラルマーケティングの弱点
 既存製品では到達できなかった顧客層をターゲットとするなどの場合には適している
 反面、正確性は求められない。
 時間がかかりリスクを伴う
 バーティカル・マーケティングとは、互いに補完し合う関係

●ラテラル・マーケティングの具体的なプロセス
・思考の対象として設定(フォーカス)したもの
→一時的に論理的思考を排除する
→論理的な思考の流れ(垂直移動)をせき止めるような発想をする(水平移動)
→論理をせき止めると、そこにギャップが生じる
→ギャップを埋めて論理的な連結ができるまで、必要な変更を加え続ける
→ギャップが解消されると、新しいものが創造される
・例
「花は、枯れる」
→「枯れる花」ではなく「枯れない花」を考える
→「花」と「枯れない」との間にはギャップがある
→そのギャップはどうすれば解消されるか、どうすれば「花」が「いつまでも枯れない」になるかを、考える
→「造花」を発想する
→連結できれば、論理的な説明が可能になる
・論理的思考を排除する基本的な技法
 代用する(論理的につながるものの代わりに、別のものを発想する)
 逆転する(論理的に正しいものと逆のものを発想する)
 結合する(論理的に結合しないもの同士を結合する)
 強調する(理屈に合わないレベルに増減する)
 除去する(論理的に切り離せないものを切り離す)
 並べ替える(論理的な順序とは別の順序を発想する)
・ギャップを連結するためには、それまで以上に明確な論理付けが必要となる
 利用可能なあらゆる要素を積極的に評価して考える
 具体的な買い手を想定して、その人物の購買プロセスをたどってみる
 アイデアのネガティブな面ではなく、ポジティブな側面を見いだす
 アイデアが意味をなすような状況を設定して、それに適合するようにアイデアに修正を加えていく
・「ターゲットの代用」
 製品・サービスの対象外とされていた(購入する見込みがないとそれまで考えられていた)個人やグループを代入し、新たなターゲットとして定める
 対象外とされていた層を特定する最も効果的な方法は、何が購入や消費の妨げになっているかを考えること
・例
オンライン・ショッピング
→「コンピュータを所有していないにもかかわらず、インターネットで買い物をする人」をターゲットにする
→「コンピュータを所有していない人は、本来インターネットで買い物ができないはず」というギャップがある
→ギャップを埋めるために「コンピュータを所有していなくてもインターネットに接続し買い物ができるような場面」を想像して、そのプロセスをたどる。
 どういう場面ならその可能性があるか
 どういう阻害要因、壁があるか
 解消する方法には何があり得るか
→「サイバー・ショップ」という店内でオンライン・ショッピングが可能な店舗、を考案する



 →デジタル・アーカイブでは??

 to be continued...?


posted by egamiday3 at 13:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月09日

(メモ)図書館とアウトリーチ : どうしたら未知の"不利益をこうむっているユーザ"に気づけるか、まで。

●アウトリーチと図書館

 想定されている一般的な方法・環境下ではサービス・資料へのアクセスに支障・不自由があり、何らかの不利益をこうむっているユーザ(群)が存在する。
 その事情にあわせて何らかの対策をとり、あるいは働きかけをして、サービス・資料へのアクセスを保障しようとする。

 そういった活動を、図書館業界では「アウトリーチ活動」と称して、重要視している。
 そもそも、本来私的所有物となり得る書籍を公的に確保し、無料で公共に提供して、ユーザの資料・情報にアクセスする権利を保障する、という図書館の存在自体がすでにアウトリーチ活動なんだということ。

 医療、社会福祉、公共・コミュニティサービスなどの文脈でもそういったことは語られるとは思うんだけども、ここではとりあえず図書館学の視点からのみ。

 1994年『ユネスコ公共図書館宣言』
 「年齢、人種、性別、宗教、国籍、言語、あるいは社会的身分を問わず、すべての人が平等に利用できるという原則」
 「図書館に来られない利用者に対するアウトリーチ・サービス」

 『公立図書館の任務と目標』
 (知る自由の保障)「いろいろな事情で図書館利用から阻害されている人々がおり、図書館は、すべての住民の知る自由の拡大に努めなければならない」

 2014年IFLA『情報へのアクセスと開発に関するリヨン宣言』
 情報へのアクセスによって、人々、特に社会の主流から取り残されている人々と貧しい生活をしている人々に多くの権限が付与されるという原則
 図書館をはじめとするスキルやリソースを備えた機関は、ある集団に関連のある差し迫ったニーズと問題を明らかにし、それらに注目することで支援をおこなうことができる

●アウトリーチ@1960'sアメリカ

 アメリカの公共図書館の歴史を、
 『図書館の歴史 アメリカ編 増訂第2版』
 『多文化サービス入門』
 『知る自由の保障と図書館』
 『アメリカ公立図書館・人種隔離・アメリカ図書館協会―理念と現実との確執』
 からおさらい。

 1960年代
 当時の公民権運動を社会的な背景として、
 人種的マイノリティや低所得者層の図書館利用の低下・サービスの不足が課題として認識されるようにまる。
 不利益をこうむっているユーザ(群)へのアウトリーチという概念およびその活動が本格的に展開し始める。

 1963年、ALA『公立図書館へのアクセス』を出版。
 非白人地域の図書館数の少なさ、資料の貧弱さは“間接的差別”である。
 間接的差別は米国全土に及んでいる。(直接的差別の集中する南部に限らず)
 相当大きな議論を呼んだ。

 1969年『不利益をこうむっている人々への図書館サービス』(要確認)
 不利益をこうむっている人々の範囲を「経済的に苦境にある人々」「身体に障害を受けている人々」「精神的に障害を受けている人々」「人種差別を受けている人々」「刑務所やその他の施設に収容されている人々」「高齢者」「社会参加の機会を奪われた若者」「英語に不自由を感じている人々(非識字者を含む)」と定義。

 クリーヴランド公立図書館
 この図書館は、前々から視覚障害者、病院、児童サービスなどに取り組んでいた。
 1971年発表の報告書では、”非白人ユーザ”への図書館サービスに失敗していたことを認める。(→それまで認識していなかったユーザに対し、アウトリーチ活動が必要であると新たに認識・発見した)
 スペイン系住民などのアウトリーチ活動を開始。

 →現在のアメリカ公共図書館では、多文化サービスは基本。(スペイン系に限らず)

●アウトリーチ@1960's日本

 『障害者サービス』(JLA)

 視覚障害者に対する図書館サービスは、京都のライトハウスなど、点字図書館・点字文庫の整備としての歴史はさかのぼれる。

 1949年、身体障害者福祉法
 それまで公共図書館に設置されていた点字文庫の類が分離され、視覚障害者への図書館サービスは点字図書館で取り組まれるものとされた。(要確認)

 1960年代
 1963年『中小レポート』
 日本の公共図書館における住民サービスが活性化し始める。
 ↓
 1960年代末
 視覚障害者から、公共図書館利用への要求が示されるようになる。
 視覚障害を持つ学生が東京都立図書館や国立国会図書館を訪問、要求運動を展開する。

 1970年
 「視覚障害者読書権保障協議会」が結成される。

 →現在の日本の公共図書館では、規模の大小に左右されはするものの、視覚障害者だけでなく障害者へのアウトリーチ活動は基本的にサービスに組み込まれている。
 図書館学テキストでも、(点字図書館の文脈ではなく公共図書館の文脈で)必ず取り上げられている。


●アウトリーチと”定番”について
 
 『ユネスコ公共図書館宣言』(1994年)
 「すべての人が平等に利用できるという原則」
 「理由は何であれ、通常のサービスや資料の利用ができない人々、たとえば言語上の少数グループ(マイノリティ)、障害者、あるいは入院患者や受刑者」
 →図書館がアウトリーチ活動の対象とすべきユーザ(群)の例

 現在の日本の図書館学・司書課程向けテキストの例
・非識字者、民族的少数者、肢体不自由者、入院患者、内部障害者、高齢者、矯正施設入所者(・アウトリーチの例。交通手段をもたない利用者・時間的余裕のない利用者へのサービス。入院患者サービス。矯正施設入所者へのサービス。そのほかの非来館者(潜在的図書館利用者)向け図書館サービス。)(@『図書館サービス概論(現代図書館情報学シリーズ)』9784883672042 2012@)
・在宅障害者、在宅高齢者、入院患者、収監者、言語上の障壁がある移民(@『新訂図書館サービス論(新現代図書館学講座)』(2009 9784487803330)@)
・高齢者、障害者、アウトリーチ:入院患者、在日外国人、受刑者。(@『図書館情報サービス論(図書館情報学の基礎)』(4585001883 2003)@)
・遠隔地、図書館の未設置地域、図書館から遠い地域に住んでいる利用者。外出が困難な利用者。障害者、高齢者、入院患者、矯正施設、老人介護施設(@『図書館サービス論(JLA図書館情報学テキストシリーズ)』(2005 9784820404460)@)
・入院患者、高齢者福祉施設、外国人(文化的マイノリティ)、受刑者、非識字者(@『図書館サービス論(図書館情報学シリーズ)』(2011 9784762021534)@)
・図書館の利用に障害のある人たち
A図書館資料にアクセスできない利用者のケース:視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者、寝たきり老人等、非識字者、外国人
B図書館員とのコミュニケーションが不自由な利用者のケース:聴覚障害者、視覚障害者、外国人
C来館できない利用者のケース:肢体不自由者、病弱者、寝たきり老人、視覚障害者、入院患者、障害者施設入所者、矯正施設収容者
(@『図書館サービスと著作権』(4820493221 1994)@)

 多くのテキストが共通してあげている”定番”は。
 高齢者、障害者(身体障害者、内部障害者)、在日外国人、言語・文化的マイノリティ、入院患者、矯正施設入所者

 それ以外としては、
 交通手段をもたない利用者・時間的余裕のない利用者へのサービス。
 老人介護施設

●アウトリーチ活動は「まずその存在やニーズに「気がつくこと」からはじまる」

 図書館活動の基本は、すべての人にすべての本と図書館サービスを届けること。
 アウトリーチ活動は、不利益をこうむっているユーザの、サービス・資料へのアクセスの支障・不自由を解消すること。
 マイノリティの利用環境を整備することは、マジョリティの利益にもつながる。

 ユネスコ宣言や図書館学テキストで言及・例示されていないユーザに対してアウトリーチ活動をおこなう必要がない、というわけではない。
 “不利益”や“マイノリティ”の種類が、いまの図書館業界にとって(たまたま?)“定番”や“想定内”であろうとなかろうと、利用の権利を保障するという責務に変わりはない。

 1960-70年代
 クリーヴランド図書館ほかアメリカ多文化サービスの例
 日本の障害者サービスの例
 ↓
(1)図書館は、それまで想定していなかったユーザ(群)のニーズを発見し、認識し、その問題をあきらかにして、アウトリーチ活動に取り組んできた
(2)逆に言えば、時計の針を約50年戻して考えれば、現在の図書館ではまだ認識も想定もされていないが、何らかの理由で資料・情報の利用・アクセスに支障があり、それが解消されないまま不利益をこうむっているユーザ(群)が存在する可能性がある。

 アウトリーチ活動は「まずその存在やニーズに「気がつくこと」からはじまる」。(@『多文化サービス入門』@)。

 →どうやったら気づけるか?
 →デジタル・アーカイブに何が出来るか?

 to be continued...?

posted by egamiday3 at 09:19| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月05日

『群書類従』その3・JK: いきいき群書類従ライフ( #図書館総合展 来場者様だけの特典付き!)【広告】


『群書類従』噺のその3です。

 (1) おいたち:『群書類従』はどういう経緯で誕生したのか
http://egamiday3.seesaa.net/article/406921580.html
 (2) 評価:  『群書類従』って実際すげえのかどうか
http://egamiday3.seesaa.net/article/407049317.html
★(3) JK:  『群書類従』がJapanKnowledgeに入ったら何が起こるのか

 (1)・(2)とふつーにそれっぽいことまとめてたブログでしたものが、ここから突然に特定の製品を褒めちぎり始めるという青汁番組へと一気に変貌していきます。

 『群書類従』を現代での立場で評価したとき、
  △ 本文としての質・正確さ
  △ 文献それ自体の現代における価値
 には△印をつけざるを得ないけども、
  ○ 文献が残っていること(保存)
  ○ 読みやすく整備されていること(出版・活字化)
  ○ ひとところに集まっていること
  ○ 参照・アクセスのしやすさ(オープン)
  ○ 分類・部立て、連番付与による組織化
  ○ ”区切り”をつけられること(通読)
  ○ ”あたり”をつけられること(レファレンス)
 には○をあげていいんじゃないかと。

 そしてその中でも
 「ひとところに集まっていること」
 「参照・アクセスのしやすさ」
 「”あたり”をつけられること」=「レファレンス」
 の界隈が、どうやらJapanKnowledgeに搭載されることでより強力になるっぽいよ。
 という話です。

 あ、言うまでもないことですが念のため、タイトルの「JK」は「JapanKnowledge」の略ですね、JK。

 JapanKnowledgeという超強力デジタル・コンテンツ・プラットフォームに、この秋『群書類従』web版が搭載されました。『群書類従』本文テキストが全文検索可能という、やばいこれ、来るときが来た、というような感じですけど。
 JapanKnowledgeさんについてあらためてご紹介すると、小学館グループの株式会社・ネットアドバンスさんが提供するデジタル・コンテンツ・プラットフォームで、契約による有料会員制、国内外の出版各社の事典・辞書などのレファレンス系&本文テキスト/PDFなど、日本の人文社会系の研究教育に欠かせない基本的かつ信頼おけるコンテンツが、約50種類、総項目数200万以上という大規模で収録されているという。それだけの情報/見出し/本文を、検索・参照できるという。
 やっぱりこの”複数の参考図書・データベース・コンテンツを、同一のプラットフォーム上で検索・参照・操作できる”というのが一番の魅力で、それひとつで日本研究に必要なツールをおおむねカバーしてくれてるし、しかも玉石混淆の”玉”をセレクトしてくれてるし、それひとつさえ契約してればいいということになるので、実際使うユーザだけでなく、契約して提供する図書館側にも結構なメリットあるよねという。海外での契約多数というのもうなずける話ですよねという。

 その、”複数を統一で検索・参照できる”プラットフォーム上に、「参照・アクセスしやすい」かたちで「複数著作が大規模集積」している和製基礎コンテンツ『群書類従』があがることによって、
 ・相互参照ができる
 ・統合検索ができる
 ・ファインダビリティが上がる
 ・セレンディピティが増える
 すなわち、もともと『群書類従』さんが持ってはった「”あたり”をつける」のに有用というレファレンスツールとしてのキャラに、さらに磨きがかかるわけです。
 うん、もはや『群書類従』のことを叢書という名のレファレンスツールとして見てますが。

 まず『群書類従』本文と他の参考図書類とを容易に「相互参照」できるというありがたポイントです。それは、『群書類従』本文を読んでいるうちに、この人誰?とかこれ何て訓むの?ってなったときに、他の参考図書を参照しにいける。しかも、えっと国史大辞典って何階のどこにあるんだっけ?って探しながら参照しに行くというんじゃなくて、同じパソコンの同じブラウザの同じプラットフォーム上ですぅっと検索しに行けるし、チラ見してまたすぅっと本文に戻れる。いちいち思考や集中が途切れないからいたって効率がいい、と。
 逆もまた便利なりで、他のコンテンツ、例えば日本歴史地名大系の記事本文中になんやらほんやらと引用されている、ん、これ本文もうちょっと確認したいなってなったときに、それが『群書類従』内にあればすぅっと本文確認しに行ける。
 もっとざっくり言うと、国史大辞典で何かしらの歴史用語なり調べてるときに、定義はなんやかんや書いてあるにせよ、ともあれ実際どんなふうに使われてたんだろうっていうのを、じゃあとりあえず『群書類従』本文全体をざっくり検索してみるということができる、今度は『群書類従』を対象にした「統合検索」、串刺し検索ができるとういありがたポイントです。異なる複数の文献・著作の本文全体をひとつのキーワードでごっそり検索して、なるほどこの言葉って、なんかこの頃の時代のこの界隈の文献にこんなノリでヒットする言葉なんだね、ってなる。あ、こっちの文献ではこんなふうに使ってるけど、こっちの記録類ではむしろこういうノリで登場するんだね、という比較・対照。
 え、なにそれすげえ強力な文脈補完ツールじゃないですか、と。
 こういうのって、単独単一のデータベースとかネットから切り離されてアローンにスタンドしてるCD-ROM系のデータベースではなかなかかなわないことですよねと。

 そうやって、いままで自分の研究調査のまな板の上にのせようなんて考えてもみなかった文献・著作の中に、え、この人出てくるの? このお寺の名前、この歌枕、なんでこんなとこに書かれてるの?的なことが、複数の異なる分野の異なる場所からボロボロと砂金の粒のように見つかってくれる。
 「ファインダビリティ」が上がるし、「セレンディピティ」が増える、ていうことだと思うんです。
 それは、『群書類従』本文がテキストデータベース化したことによるというだけでなく、それが多数の、多様な、多分野の代表的コンテンツを備えたプラットフォームたるJapanKnowledgeさんに搭載されてるからこそだろう、とも思います。人文系だろうが社会系だろうが世の学術研究は今後ますます学際化・国際化していきますところへ、日本の法制の歴史だけとか、この時代のこの地域の地誌だけとか確認してれば物事が理解できるというようなことはおそらくなく、分野や文献を横断して連想的・発想的な検索と発見ができるというのが、いまどきのビッグでウェブケールなディスカバリーということなんだろうと思います。そこまでの発見は、やっぱりどうしてもメタデータだけとか参考図書だけとかではかなわなかったスケールのことでしょう、本文がサーチャブルな『群書類従』で、分野・文献の壁をのりこえて、ディスカバリー・ジャパンの旅に出よう、ていう。
 でもじゃあ、それってGoogleでいいじゃんと、webのサーチエンジンでいいんじゃないのというと、そこがまたJapanKnowledgeさんのプラットフォームのありがたポイントで、適合度の高い、信頼できる。定番なコンテンツだけをあらかじめセレクトして載せてくれている、そうでなくてもあるいは指定・しぼりこみができるわけなので、無法地帯への無謀な旅というわけではなくて、的確な文献・本文を的確に参照できる、という安心感&効率の良さもここにはあるわけです。これが、単にググれば済むというようなwebサーチとはまた違うところっていう。

 そんなJapanKnowledgeが、みなさんのいきいき『群書類従』ライフを豊かですこやかなものにしてくれますよ、という。
 それは例えば、こんな感じじゃないでしょうか。

 京都府大枝町にお住まいの蛇班馴次さん・67歳(取材当時)は、大の歴史ファンです。
 週に一度の大河ドラマは欠かさず視聴。歴史上の人物について本や歴史資料を調べたり、図書館に通ったりしています。晴れた日には健康管理もかねて、奥さまとふたりで史跡めぐりがてらのウォーキング。楽しそうですね。
 そんな蛇班さんの最近のお気に入りは、大河ドラマでも大人気の黒田官兵衛。ところが、いつものように町の図書館を訪れた蛇斑さん、浮かない顔をしていますね。どうしたんでしょう。

 蛇班馴次さん・67歳(取材当時)
「若い頃は『群書類従』くらい気合いで端から端までめくって通し読みできたんですけどね。最近はだんだんつらくなって来て・・・」(※個人の感想です)

 なぜ黒田官兵衛をわざわざ群書類従で調べなきゃいけないかという無理矢理な設定はともかくとして、そんな蛇斑さんにこれ、JapanKnowledgeのweb版群書類従を試していただきました!
 蛇斑さん、さっそく本文を黒田官兵衛で検索。

 蛇班馴次さん・67歳(取材当時)
「あー、あったあった、いくつかありますね。・・・でも多分これで全部じゃないですよね、彼には別の名前があったから、その名前で出ているかもしれないね、えーっと、なんていったかな?」(※個人の感想です)

 歴史ファンならそれくらい知ってるだろうというツッコミは、「物忘れにも効く!?JapanKnowledge」という字幕で覆い隠しつつ、今度はJapanKnowledge全体を黒田官兵衛で見出し検索します。そう、JapanKnowledgeには『国史大辞典』、『日本人名大辞典』、『日本大百科全書』など、40を越える参考図書やコンテンツが成分として含まれているのです! 

 黒田官兵衛でJapanKnowledgeを検索して、ヒットしたのは『日本人名大辞典』。官兵衛の名前が「黒田孝高」だとようやく思い出せた蛇斑さん、ここであらためて『国史大辞典』の「黒田孝高」記事を読みにいきました。
 別名がヒットしやすいのは『日本人名大辞典』。記事が充実しているのは『国史大辞典』。この2つの異なる成分をたった1つのデータベースで摂取できるのも、JapanKnowledgeならではのおトクさですね!(※効果には個人差があります)

 画面
 「[参考文献]『大日本史料』一二ノ二 慶長九年三月二十日条、『寛政重修諸家譜』四二五、貝原篤信『黒田家譜』(『益軒全集』五)、金子堅太郎『黒田如水伝』」

 蛇班馴次さん・67歳(取材当時)
 「参考文献がたくさん書いてありますね、なるほどなるほど。ところで、『群書類従』はどうなんだろう?」

 あくまでも『群書類従』にこだわる不自然な設定の蛇斑さん、今度は『国史大辞典』で「黒田孝高」や「如水」で「群書類従」を全文検索してみました。そう、『群書類従』だけでなく『国史大辞典』の記事も全文検索できるのがJapanKnowledgeのスゴイところ! 『国史大辞典』の記事の中に「群書類従」と「黒田孝高」が同時に書いてあれば、目指す文献名が書いてある可能性が高いですね。
 検索の結果、『神屋宗湛日記』という日記が『群書類従』に収録されていて、そこに黒田孝高が登場するということ。それから『玄与日記』という『群書類従』日記部の文献にも黒田如水の名前で登場していることがわかりました。

 蛇班馴次さん・67歳(取材当時)
 「これまでだと、1冊1冊本棚から手にとって、1ページ1ページめくってじっと読んでいかなきゃ見つからなかったから、とてもつらかったんです(※個人の感想です)。それがweb版群書類従の全文検索だと、ウソみたいに簡単に見つかるんですね(※個人の感想です)。しかも、わからない人名や地名が出てきたらその場で検索できるからとても楽ですし(※個人の感想です)、いままで想像もしなかったような(※個人の感s)気づきもしなかったような(※個人の)ところに探している人名が書いてあったりして(※たまにはそういうこともあります)、毎日が発見の連続ですね(※毎日というのは一種の比喩表現です)。おかげさまで最近ではなんだか足腰の調子もよくなって、若返ったような気がしてね、はははっ(※おそらく気のせいです)」

 そんなJapanKnowledge搭載のweb版群書類従が、いまならナント無料でお試し頂けます!
 というのが↓こちら!
 https://twitter.com/yagisyoten/status/519315586388463616
 東京は神保町の八木書店さん古書部にて、「お試し機」が利用できるんです!
 カレーでも食べるついでにぜひ検索しに来てみてください! 

 さらに!
 2014年度の図書館総合展を訪れてくださった方だけの特典として!
 企業展示会場にて「Web版 群書類従」特別展示ブースをごらんいただけます!

 さらにさらに!!
 11月7日金曜日、午後3時から45分間だけ限定で!!
 特別イベントにご参加いただけます!!
 第一部:ミニレクチャー「群書類従を活用して戦国の社会と地域を学ぶ(仮)」
 第二部:討論「群書類従×図書館でできること」
 (株式会社ネットアドバンス)
 ・丸島和洋(国文学研究資料館研究部特任助教)
 ・福島幸宏(京都府立総合資料館新館担当副主査)
 ・恋塚嘉(八木書店古書出版部)


 まああれです、調子に乗っていろいろふざけたまま終わるのもあれなんで、ざっくりとまとめると。

 『群書類従』は、個々に所蔵され公開されなかった書物を、叢書・出版によって公開し、書物と人との間の障壁をとりのぞいてアクセスを可能にした。
 加えて『JapanKnowledgeの群書類従』は、個々に閲読・検索するしかなかった書物を、同一プラットフォーム上に載せ、書物と人との間の障壁だけでなく、書物と書物との間の障壁をとりのぞいて、アクセスを容易にした。

 という感じのフリップでも出しておけばかたちになるのかな、という感じです。

 あくまで感じです。
 効果・効能には個人差があります。


posted by egamiday3 at 08:07| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする