2017年11月03日

201709eu オスロ日記その3 : オスロを喰らう・食関係のメモ

 まさかの、「食関連」だけ別記事。
 つまり、ほとんど用務だったので、食くらいしか想い出がないパターンのやつです。

●物価
・とにかく物価が高い。コーラを買えば3-400円、パンを買えば7-800円。聞いてはいたけど、こんなするのかと。キッチン付き宿を選んでスーパーで買い出しするパターンでも、何買ってもどれも高いってなると、朝食付きや外食メインだとどんなことになってたんだと、そらおそろしい。
・スーパーにて、出来合い系は高い。野菜はまあ安そう。肉は高い。魚も高い。魚高いの? 漁業国じゃなかったの?
・海外の楽しみなんか「酒が(日本に比べて)安い」が心のベストテン第2位くらいなんだけど、スーパーでちょっと缶ビール買うだけで500円くらいするんだもの・・・。

●ビール
・某オスロ本によれば、クラフトビールの豊富な土地柄であるということもだいたいわかった。でも、日本で輸入物として割高で呑む時の値段と、たいして変わんないくらいの値段するから、あんま意味ないんだよ・・・。

・前半行きつけかけたビアパブが「アムンゼン」。
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・後半行きつけたビアパブ「ROOR」
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・ROORは、壁一面に60枚近いボードが貼ってあって、こんなに選べるの!?といううれしさもさることながら、ひとつひとつ短く説明もついてるから、選びやすいし、選びたくてたまらないし、結果として杯を重ねざるを得ないという、あれ、ここ天国かな?と思うようなところ。
・旅行中のビール全体を総合して、最後の晩にROORでいただいたアンフィルタードのが一番良かったので、今後はアンフィルターがあれば優先して選ぶことにすると学習した。ちなみにセゾンIPAは2晩続けて飲みそびれており、不幸にも遺恨を残すかたちとなった。次にオスロに来たら真っ先にこの店に足を運ぶでありましょう。
・というような感じで、クラフトビール飲むのを楽しみにオスロに来る、っていうのは充分ありですよ(但し物価)。

●パン
・行きつけた宿近くのパン屋「Apent Bakeri」。某オスロ本紹介のおすすめパン屋が宿から歩いてすぐのとこにあるので、ふらっと行ってみたら、ふつーのご近所のパン屋さん然としたところで、めちゃめちゃ美味かった。”美味いご飯”みたいなパンで、パンとしてぐいぐい食べれるパン。これは通わざるを得なかった。
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・バニラカスタードのパン。しっとりしたシナモンロール。クロワッサンのチーズサンド。どれも美味しうございました。

・グルーネルロッカでたまたま見つけた良さげパン屋(Godt Brd in Oslo)が、やっぱりアタリ。
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 シナモンロールにカスタードクリームがのったやつだけど、シナモンががっつりきいてるのと、パン生地がしっとり以上にジューシーなのと、カスタードがフレッシュなのとで、相当やばい。

・まず、パンが美味くパン屋が美味い土地柄なんだな、というのがよくわかった。どのパン屋に入ってもだいたい美味くてハズレがなかったし、パン屋以外で出されたパン食べてもだいたい美味かった。決して”パン派”というわけではない自分でも、美味いパンだと飽きることはまったくなく、米食が恋しくてたまらなくなる感じのがほとんど出ない。出されたパンを機嫌良くいただき、また次にパン屋行こうって思えるくらい。っていうか、帰国後に「オスロで美味いパンを食べてる」夢を見てしまったくらい(命名「オスロパンロス」)。パン食べるのを楽しみにオスロに来る、っていうのは充分ありですよ(但し物価)。

・結論。オスロに行きつけのパンカフェとビアバーができたので、この旅は成功。

●その他
・もう一つ、ノルウェーはコーヒーどころでもあるらしく。どこにいってもコーヒーがあるし、まあ美味いし、あと街にスターバックスが無い(探すと市内に2-3軒はあるらしいというくらい)ので、あ、マジのコーヒーどころなんだなとわかる。
・もう一つ、実はノルウェーはジャガイモへのこだわりが強いらしく、種類が半端なく、この料理にはこの種類のジャガイモ、この調理法にはこのジャガイモ、というこだわりがあり、その様はさながら日本人にとっての米と同じようなものらしい。のですが、残念ながらそのような豊富なジャガイモ料理にあたることは今回はありませんでした。次回に期待。
・ブラウンチーズなるものも、それとわかるようには出会えなかったので、次回に期待。

●昼食まとめ
・EAJRS日程中の昼食がすべて支給されたパターンのやつで、1日目がオープンサンド、2日目がラップ、3日目がお皿に盛ったおかずとパン、4日目がサンドイッチだったんだけど、3日目の皿のおかずを見たところで、あれ、これおそらく炭水化物側の形態が異なるだけで、おかず素材の構成としては4日間通して同じなんだな、と気付いたっていう。でも、それでも結構美味くてOKだったので、食事についてはわりと奥が深い謎な土地柄だと思っている。
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●夕食まとめ
・1日目夜。EAJRSレセプションで出された、ノルウェー産の日本酒。
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・1日目夜。レセプション後にアムンゼンに流れる。
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・2日目夜。トラディショナルディナー(Christiania Cafe)。魚のスープの、魚ダシ加減+塩加減が身体を癒やす感じ。あと鶏肉。
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・あと寝てた。ていうか、トラディショナルディナーでは毎年だいたい寝てしまうというか、スケジュール(日程×時間帯)的に寝ざるを得ない状況にほぼ追い込まれるので、鬼門。
・3日目夜。中華で、パネルの成功を祝う。点心一口目で思わず漏れるため息と笑みは、豚脂か、ニンニク香か、ラー油か、どれが引き金なんだろう。
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・3日目夜その2。宿近のワインバーで、クールダウン。寒い(ゆえのクールダウン)。
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・4日目夜。ノルウェー・シーフード料理の店(Rorbua)@ウォーターフロント。
「Nordnorsk fjol」という名前の、なるほど要は北ノルウェーの名産食品をミックスプレートにしたパターンのやつですよね、っていうの。いかにもノルウェー料理でっせ!みたいなんをいただいたのはたぶんこれがピークじゃないかと。
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 板で出たぞおいw。
 鯨(と言われるもの)、ムース(と言われるもの)のような大物以外は、鮭か鱈か何かの魚なんだけど、どれも燻製かマリネかとかなんで、とりあえずすべて塩っぱい。鱈に至っては干し鱈の水戻しなので、やっぱりほんのり塩っぱい。パンが進まざるを得ないけども、パンはそんなに盛られてない、ていうなかなかの状態でした。土地柄、保存食になりがちなんだろうなという感想。
・4日目夜。ビール@ROORで、再合流したEAJRSの愉快な仲間たちと名残のビールを味わう。

●自炊まとめ
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・カブのスープ
・カブの葉っぱとツナ缶の炒めたの
・がっつりトマトパスタ
・キャベツと豚肉の焼きそばソース炒め
・醤油とこんぶダシでできるだけ和風に近づけたパスタ

●スーパー雑感。
・トマトとチーズとニンニクとオリーブ的な瓶詰め万能ペーストが、万能に使える。あれこそ日本で欲しい。
・サバのトマト煮缶がポピュラーらしく、山のように積んであって(オスロにしては)わりかし安い。
・チューブ入りサバのペースト。味がぼんやりしている。
・あとはまあ、何買うにもとにかく高くてどうしようもない。

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201709eu オスロ日記その2 : オスロ旅情のあれこれ・メモ

 アーカイブサミット京都(http://archivesj.net/summit2017top/)の興奮も覚めやらぬうち(というより疲れも取れぬうち)のノルウェー渡航でしたので、予習も不十分(てんぱって、読んだことあるはずの本を重複購入した)、旅行事務も不十分(カード不正被害の遠因か)、滞在中の朝夜や休憩時間もわりとままならない感じでしたが、それでも、端々節々で隙を見つけてはとらまえて積み積みしてきた旅情の、あれこれ。

●この記事の要約
・オスロは物価が高い
・オスロは高低差に富む。
・オスロは街ぶらに吉(ただし夏季限定)。

●オスロ/ノルウェー雑感
・ヘルシンキ空港上空から見たヘルシンキの様子(上)と、オスロ空港上空から見たオスロの様子(下)。
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・ヘルシンキ空港上空から見たヘルシンキは、家の屋根が茶色でかわいい、ずっと平坦な土地、ずっと木が植わってて樹林の中に家や建物がある感、その樹も草も北国の様。ていう感じ。
・オスロ空港上空から見たオスロの様子は、平坦さはなく山がちな感じ、国土を削って人の手をかなり入れてる感がする。

とにかく物価が高い。たぶんこのブログ内で何度か同じこと書くと思われる。
・で、結局2日目の朝にして早々にこのような悟りを開いたという。「0804 (´-`).。oO(もうこの街にいる限り物価のことは"気にしない"という処理をすることにしました。気にしてたら旅を楽しめない。凹むのは来月カードの明細見る時だけでいい)」
・そういえばオスロ空港に到着して入国する前に、ふつーのスーパーみたいな感じの店があって、みんな列なして買い物してるから、なんでこんなところでそんな躍起になって買い物するんだろうって思ってたら、入国後の物価でその理由がよくよく思い知らされましたよねっていう。

・パブでビール飲んでたら、うしろで呑んでた若い娘さんに「トイレ行くから荷物見てて」って言われたんだけど、スマホもブランド店の紙バッグもテーブルに広げて置いたまま、旅のアジア人にそんなこと言ってすいーっと行っちゃうので、あ、安心しきってる土地柄なんだな、って思たです。
・夜歩いても(トラムとかまだ走ってて人がたくさん往来してるあたりであれば)特に危険を感じない。
・どこに行っても、確かに家具がオシャレで整ってる。一部は木造で癒やされる。壁や内装の色調が明るい。そりゃ、外画くらい冬場はこうじゃないとやってけないんだろうな、というあたりが北欧だなって思うし、北欧じゃなくてもこうしたらいいんじゃないかなって思う。
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・バス停で路線図を見てたら、学生女子がどこへ行くかと(心配してか)きいてくるので、いや番号とかはわかってるんで大丈夫、ってこたえるんだけど、それでもしつこく(=親切に)何度もきいてくるもんだから、この辺なんだよと地図を示すと、んーわからんから運転士に聞け、って言うから、もういいよって思うんだけど、やってきたお目当てのバスに乗ろうとするとまたもしつこく、運転士に聞くために前から乗れ前から乗れ、って強いてくるから、しょうがなく前から乗らざるを得ず、かと言って運転士にきくことも特にないから、とりあえず「これはこっち(進行方向を指す)行きのバス?」って聞く。なにこれ(笑)。
・っていうのに象徴されるかどうかわかりませんが、ノルウェーのみなさん、お心意気としてはすごく親切なんだけど、それがきびきびてきぱきではなくぼんやりしてる感があって、あーこれ、アイルランドとそっくりな人あたりだな、と思いました。実際、店での接客とかその他で接する時に、イラッとしたりイヤな思いをした覚えがちょっと無い。
・そんなノルウェーっ子気質を指したポンチ絵。
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●オスロ街歩き
・オスロ中央駅の市交通局オフィス的なところで、当初の予定通り「7日間パス」のICカードを入手できたので、移動が楽すぎてしょうがなかった。バスもトラムも張り巡らされてて、しかも結構な朝早くや夜遅くも運行しており、これが北欧の社会インフラかと思った。但し、デポジットが高い。デポジット50クローネ、7日パス240クローネ、この値段が割高か割安かは判定しがたいものの、パッと乗れてパッと降りれて気軽に乗り継ぎできるのは、不慣れで時間の少ない旅先ではやはりプライスレスだなとあらためて。
・とは言え、ほんとに小さい街なので、歩いたところでどこもたいした距離じゃない、静かだしちんまりしてるし歩いて過ごすのに吉な土地柄。但し冬じゃなければの話。
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・あと、高低差が激しい土地柄であることもよくわかった。フィヨルド関係あるんだろうか? 梅林さんが欲しい。バスやトラムに乗っていても、坂を登ったり下ったり、あとわりとカーブが多い印象。街を歩いてても地図(特にGoogleマップ)では予想もしてなかった、高低差由来の通りの外観に、あ、ここってこんな見え方のする(こんな見晴らしのする、等)通りだったんだ、と思ったりする。
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・街中の国鉄駅へアクセスするためのわりと長い地下道が整備されてたの、高低差対策だけでなく冬期の雪対策の意味があるのかしらとか思う。
・あと、ウォーターフロントな土地柄なんだということは、意外だったというか知らなかった。港があって舟が停まってるの見て、あれ、オスロって半島からちょっと内側になかったっけ? と地図を思い返すんだけど、これこそがたぶんフィヨルド、相当内陸なはずなのに入江があるという。あと、キャナルシティ博多みたいなエリアがあるので、こういうのはどこも似たような感じになるな、と。
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・EAJRS3日目は第2会場だっただけど、その会場に行くにもGoogleマップで地元バスを乗り継ぎ乗り継ぎして地元ルートで地元人よろしく乗り付けることに成功したので、この旅は成功。
・ただし4日目朝は、オスロシティマラソンがあるためトラム運休・バス減便ということを遅くまで知らず、わりと苦労したので、トラブル堪能にも成功。

・オスロ大学(街中キャンパス)
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・オスロ大学(郊外キャンパス)
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・オスロ大学図書館
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グルーネルロッカという、カジュアルな人気エリア的なところが街の東のほうにあって、観光とは無縁で過ごしてきた自分にも最終日に空港へ向かう前の朝っぱら、コーヒー屋とパン屋くらいなら開いてるだろう時間帯に余裕ができたので、朝食あさりがてらの朝散歩に行ったら、わりとがっつり気に入る感じの街歩きに吉なエリアだった、ていう話。(しかも、宿とは街の対局地方にあるから無縁と思ってたら、よく調べると宿前からバス一本で行けるエリアだったので、もっと早くからちょいちょい行ってればよかったという後悔。)
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・休日でも夜でも、だらっとふらついて過ごすには良さそうな、気軽で居やすい雰囲気のところ。お店も豊富。
・ちょっと別方向に足を向けると、新しくしつらえた感じの人工的水路サイドエリアもある。なお、その水路が想像以上に激流で、何が起こってるのかは俄には飲み込めない。
・たまたま良さげパン屋(Godt Brd in Oslo)を見つけて入ると、アタリだったりするので、街の評価が上がる感じ。
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・結論: 寒くなくて、物価を気にしなくて済むのであれば、住むように過ごすには吉な街。

●宿
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・安定の、キッチン付き。
・近所にスーパー各種あり。カフェあり、パン屋あり、バーありの軽い商業地域。ということは、Googleマップやストリートビューで事前に確認できてたので、安心でした。
・ただし、フロントが無人なスタイル(チェックインも半自動?)で、ちょっとした頼み事(印刷とか)ができなかった。

●旅程・旅行事務
・この時期のあるある、渡航先の暑い寒いが読めないのに加えて、京都もちょうど急に涼しくなったりするので、厚着めで正解の模様。
・関空のwifi受け取り、長蛇の列で少しだけ焦るも、実際に並んでみればそうでもない模様。自宅受け取りとどっちがよいかはまだ保留。

・初搭乗のFinnairについていくつか。
・ネットでの座席指定が1回しかできなかった(1回決めたらもう変えられない)のがつらい。
・ネットチェックイン済み者のバゲッジドロップが、関空でもオスロでも大幅に有利だったパターンで、吉。(ぜんぜん変わらないところも多く・・・)
・機内wifi完備で行きのデスクワークが捗る(その是非はともかく)。ただし、1アカウント1デバイス。帰りの便ではwifiつながらず結局ノーサービスだった(離陸直前に「機械の不調」とかで出発がやや遅れたの、関係してるかも)
・機内食は、全体的に給食感が漂う感じ。それでも、朝食が(つまんないパンとオムレツとかではなく)鮭ごはんだったのはうれしかったです。
・非常口横座席が、↓のような感じ、あまり見たことない?
 空AB
 ABC
・ヘルシンキ空港は、アジア方面へ/からの旅客でごった返している、わりには手狭感が半端なく、これ器が足りてないだろうと思った。通路が手狭なだけでなく、どこのベンチも人がいっぱいで座ることすらままならない、結局しばらく立って待ってなきゃだった。改装が2017年?2016年?に云々というポスターあった気がするけど、あれが改装前や改装中でなく改装後だとしたら、正直、いくら日本からのフライト時間が多少短いとは言えできれば避けたい。(でも来年も北なんだよな・・・)
・パスポートコントロールがまたさらに長蛇の列で、しかも新学期シーズンのためか留学生らしき若者が長時間審査されてる例が多く、かなり待たされる感じ。出国時にもパスポートコントロールで相当並ばされた。
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・やっぱりあの空港はできれば避けたい。ボケかと思われるくらい歩かされてもスキポールのほうがまだマシ感ある。
・オスロの空港−市内の鉄道は、専用特急と在来線の2つがあるけど、時間5分しか違わず値段が数倍違うのあれなんだろうっていう。専用特急の存在自体がビジネスクラス感。でもまちがえて行き帰り両方そっちに乗っちゃったっていう。
・オスロ空港@復路は、例えばシアトルが長蛇の列で3時間前到着でぎりぎりOKだったのに比べ、がらがらでチェックインもなかなか始まらないくらい。

●その他
・時差ボケは、ややつらい感じ。3夜目にクスリに頼って無理やり6時間寝たな、という感じになったけど、身体は寝てても脳みそだけ起きてて、頭の中ではずっとその日のシンポジウム司会の段取りをしてた。あんなSFチックにつらい睡眠はマジで勘弁してほしいと思った、あんなんが連夜続いたら頭おかしくなる。睡眠は大事。
・実はこの旅行中に人生初の”クレジットカード不正使用”に遭遇。どっかでスキミングか何かされた疑惑がある(駅のATMか何かが原因か)。日本に帰国してから金額制限で使えなくなってて発覚した。北欧は治安良いイメージがあるものの、実はかつて同行者がスリ被害に遭ったのも北欧なので、北欧は実は要注意と思う。
posted by egamiday3 at 11:38| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月27日

201709eu オスロ日記その1 : EAJRS2017に行ってきました・メモ


 2017年9月、オスロで行われたEAJRS(European Association of Japanese Resource Specialists:日本資料専門家欧州協会)に行ってきましたので、その参加記録のメモ、いくつか。

●この記事のハイライト
・オスロ大学におけるストリーミング中継体制の本気。(https://www.youtube.com/playlist?list=PLEy8DN9V7foVa7eupCmXwNP84lYqli-aV
・さすが飯野さんが安定の人気。ウェブスケールディスカバリーが抱える、海外からの日本コンテンツアクセスの難点について。(https://www.youtube.com/watch?v=NPjnHxC8OSY
・羽生浩一「四カ国に散在する一次資料から史実を掘り起こす : ノーベル平和賞と日本についての研究から」。これは日本のMALUI関係者に届いてほしくもあり、そうでなくてもかなりおもろい現代史噺。(https://www.youtube.com/watch?v=sqOKe0wLPGw
スペシャル・パネル・セッション
 https://www.youtube.com/watch?v=sqOKe0wLPGw
 発表:布施さん@フィンランド、三竹さん@紀伊國屋バンコク
 パネリスト:飯野さん@佛大、後藤さん@歴博、田中さん@ネットアドバンス(ジャパンナレッジ)
 司会:egamiday氏

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 以下、記録。

●ストリーミング中継&録画公開について
・今回のEAJRSはほとんどすべてのターンが、ストリーミング中継&録画公開されてました。
 リンクは↓こちら。
 https://www.youtube.com/playlist?list=PLEy8DN9V7foVa7eupCmXwNP84lYqli-aV
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・中継は、オスロのIT部署(っていうかおそらく中継専門部隊)の全面バックアップによるもので、なんか江上とかがその場でやりそうなiPhoneとかwebカメラとかじゃなく、ごっついマジの機材を使ったやつ。
・登壇者は事前に専用のヘッドセットをつけさせられる。持ち込みPCも予告無しにちゃちゃっとつなげようとかすると、なぜかわりと揉める。それくらい本気のやつ。
・いや、そりゃ本気でオープンコースだなんだっつってやろうっていうなら、これくらいのちゃんとした人材と機材とをしっかりコストかけて用意したうえで、クォリティを確保しないとダメだよな、っていうのがよくわかりました。m(_ _)m


●中身的なハイライト
・ハーバード大学イェンチン図書館の雛形本デジタル化。OPACの書誌にデジタル化に関する注記があるっていうのと、御存知Mirador。(https://www.youtube.com/watch?v=7Pdct-eWCss
・コロンビア大学の牧野コレクション(映画史関係資料)。牧野氏のコレクションがコロンビア大学に寄贈された理由は、牧野氏によれば「日本の大学図書館は公開しないがアメリカの大学図書館なら公開してくれると思ったから」、だそうで、ぐうの音も出ない。(https://www.youtube.com/watch?v=BzZlxklyqmQ
・さすが飯野さんが安定の人気。ウェブスケールディスカバリーが抱える、海外からの日本コンテンツアクセスの難点について。(https://www.youtube.com/watch?v=NPjnHxC8OSY
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・杉山ゆかり・中村治子「WorldCat Search APIから取得したデータによるコレクション分析:日本語漫画資料の場合」は、OCLC的にじっくり再視聴の必要あり。(https://www.youtube.com/watch?v=NPjnHxC8OSY
・羽生浩一「四カ国に散在する一次資料から史実を掘り起こす : ノーベル平和賞と日本についての研究から」。これは日本のMALUI関係者に届いてほしくもあり、そうでなくてもかなりおもろい現代史噺だった。(https://www.youtube.com/watch?v=sqOKe0wLPGw
・津田眞弓「研究成果発表としてのデータベース作り : 絵と文が混在する日本古典籍資料のために」は、デジタルアーカイブ的にもう一回再視聴の必要あり。(https://www.youtube.com/watch?v=sqOKe0wLPGw
・古橋さんのNIIワークショップは、話中身の事務堅さに比べて雰囲気のポップさが楽しかったのに、録画されてないらしいのが残念。
フィンランド・Tampere大学の布施さんからの発表で、いかに日本製リソースが入手できないか、アクセスしづらいかという話。なんですが、この手の話はこれまでもたくさん聞いてきたはずの自分であるにもかかわらず、今回の話はもうひと段階新鮮味をもって拝聴した感じになりました。北米サイドから「自分たちが10年前にたどった道だ」的なコメントは出てたんだけど、いや、これはそこまで単純にとらえていい話でもないと思う、アメリカのような大国とこの話とを同じ受け皿で受け止めちゃいけない気がする。(https://www.youtube.com/watch?v=sqOKe0wLPGw


●スペシャルパネルセッション
 https://www.youtube.com/watch?v=sqOKe0wLPGw
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・3日目(金曜日)の午後は、前半がパネルセッション、後半がワークショップという2段構え。
・後半のワークショップでは日本から来た企業・ベンダーそして公的機関・団体など(総称してリソース・プロバイダー)がブースを出して、参加者の皆さんに自由に見て回ってもらっては、ああだこうだと営業・交流・議論しあうという。で、その後半のワークショップに入る前に、いったんみんなで集まって、日本からのパネリストを壇上に挙げつつやいのやいのパネルディスカッションのかたちでトークできたらおもしろいんじゃないかな、っていうような発想で、今年初めて組み込まれたのがこの「スペシャルパネルセッション」(前半発表→後半パネル)企画なわけです。
・発表者は、布施さん@フィンランド、三竹さん@紀伊國屋バンコク。
・パネリストは、飯野さん@佛大、後藤さん@歴博、田中さん@ネットアドバンス(ジャパンナレッジ)という、極めて安定安心間違いなしの3人。
・そして、なぜかここでも自分が司会をしてるっていう。

・写真は、なぜかちょっとづつ関係者が集まってくるという、ふんわりした感じのランチミーティングの想い出。
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・そしてやはりここでも圧倒的人気&話題沸騰の「ジャパンサーチ」さん。後藤さんがその概要を紹介するやいなや、俄かには信じがたい、ほんとにそんなものが実現するのか、という、あれは不思議なもので、ある種の”憤り”にも似た”期待感”が噴出してるのを感じました。終わんないんだもの、話が、延々。司会から2-3回止めましたけど。
・そして実はもう一つ大事な気付きは、要するにあそこで紹介されるまで「ジャパンサーチ」知られてなかったんだよな、ていう。届いてませんでしたよ、ていう。
・司会進行的なことで言えば、どうしても発言者が偏ってしまう、決まった人しか発言しようとしないので、ほんとはもっと時間があれば「こちらから当てにいく」作戦を発動すべきだったんだけどやっぱり難しかったということ。
・特にEAJRSでは、英語で発言したい人からの発言が出づらそうなので、そこをどう促すのかがポイントかと思われる。
・しかも、あのパネルセッションがどのくらい後半ワークショップに(有機的に)つなげられただろうか、というのもやはり疑問。そのへんの全体設計、というか、何のためにこの企画をやるのか、だからこれをやることが必要だ、ということが企画として問われねばならんな、という感じでした。
・フロアからの発言があっち行きこっち行きしたにもかかわらず、どの玉もこぼさず打ち返す”安定すぎるパネリスト”3人に、何の不安感も抱く余地なく司会席でぼーっとつっ立ってたegamiday氏。
・いずれにしろよく盛り上がったので、来年もやったらいいのでは。ていうか、最終日の総会で、great successだったから来年もsame featuresでって言ってたので、まあ、そう言ってもらえる企画で貢献できたなら、これまでお世話になってきたみなさんへの恩返しになるかなって思いますね。


●アトラクション的なハイライト
・エクスカーションで、博物館(Museum of Cultural History)と美術館(the National gallery)に行きました。
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・最終日エクスカーションの、バイキング船博物館。正直、思ってたよりもわりと小さく簡単な造りで、これに集団が大荷物で乗り込んで長々と航海するの、めっちゃハードなんちゃうかと思わざるを得ない。ようこれでシチリアまで行ったなノルマン人。
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・ちなみにすぐ隣の野外民俗博物館は素通り・・・スターヴ教会見たかった・・・。

・ちょっと苦手な謎の彫刻公園・・・。
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・スキージャンプ台も想像以上に小さく狭かった・・・。
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・ごらんあれがフィヨルドと見知らぬ人が指をさすけど、どれをもってフィヨルドだと認識したらいいのかがよくわかってない・・・。
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●雑感
・造語「EAJRS友達」。毎年EAJRSの場でだけ会う機会のある関係の人。
・ブースの地図は圧巻。あと、ブースは手狭感あっても全員が集まれるフロアプランがいい。お祭り感ないと”営業”にならない。
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 来年は、リトアニア・カウナスで開催の予定だそうです。


posted by egamiday3 at 21:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月03日

期待の行方 : 『ポストデジタル時代の公共図書館』(勉誠出版, 2017)を読みながら考えたことのいくつか


 図書館って、なんだかんだ言っても、世間様から大なり小なりの”期待”を寄せていただいてるんだなって、そういう様子をちょいちょい見かけます。もちろんそれは、この業界に浸かってる者のひいき目なんだろうとは思うんだけど、それを若干さっぴいても、まあ、”期待”的な何かをちょいちょい目撃するかな、という感じです。「ボードゲームで地域交流」だの「3Dプリンタのあるラボラトリ」だのっていう話題が出ると、昔気質の従来型の図書館の姿とは一見似ても似つかぬようなものが期待されてるんだなって、それは「図書館というものは、こうあるべき」という期待のされ方というよりは、「まあ図書館がやるならそれもありじゃね?」とか逆に「それの持って行き場は図書館でどうか?」とかいう、”図書館ならその受け皿になってくれるんじゃないか”的期待。それを、寛容さとか懐の深さというような言葉で言っちゃっていいのかはわかんないけど、例えば、夏休み明けの小学生に居場所はここにあるよと呼びかけるツイートが賛同されたのも、”図書館なら”期待、みたいなもんじゃないかなと思うんですね。
 こないだなんかNHKで、終業後まっすぐ帰宅したくないサラリーマン、などという(個人的には知らねえよ勝手にしろよてかさっさと帰れよ的な)ものが紹介されておったりもしたわけですが、そこでのコメント曰く、「夜も開いている図書館がほしい」と。そんな(個人的にはどうでもいいよ的な)ところからも需要があると、図書館はあらゆる者を寛容に受け入れてくれるところだというかたちの期待がされてるんだな、って思たです。
 なんですけど、ただ、あれヘンだな?と思ったのは、夜も開いてる図書館くらいいまどきふつーにあるだろうっていう疑問で、これなんだろう、実際には開いてる図書館あるのにこのコメント主のところまでそれが知られていなかったアピール不足パターンなのか、あるいはそのコメント主の界隈の図書館さんは開けれてないっていうリソース不足パターンなのかですね。いくら寛容さや受け皿を期待されるだけされたところで、図書館だってその他の公共機関だってそのリソースは無限なわけじゃないので、何かしらの制限がどうしたって出る。で、例えば制限無く開館したろうといろいろと模索した結果、例えばじゃあツの付くレンタル業者と手を組んでのキラキラ図書館でアピールする、客寄せする、というような選択をする自治体さんだって、まあ、出てくるわけですよね。そしたら今度はそれが、そんなものは自分たちの理想の図書館像と違うぞ、自分たちサイドの期待を裏切られたぞって、炎上しちゃうっていう。
 あちこちからいろんな期待をされることは、それはもちろんありがたい話ではあるものの、あの期待もこの期待もとぶつかりあったり、あっちサイドの顔もこっちサイドの顔もうかがったり、キャパオーバーな期待に応えられるほど、果たして図書館は無限に”寛容”で”受け皿広く”いられるかっていうのは、理念上はともかくリソース上はどうなんでしょうねっていう感じです。

 期待するだけはタダなのか。
 期待するだけ無駄なのか。

 えっとなんだっけ、前置きが長くなりましたけど、ちょっと機会があって『ポストデジタル時代の公共図書館』っていう本を読んでいろいろ考えることがありましたので、そのことをささっと書き残しておこうっていうあれです。

ポストデジタル時代の公共図書館 (ライブラリーぶっくす) -
ポストデジタル時代の公共図書館 (ライブラリーぶっくす) -

 ていうのも、「期待に応えきれていない」という意味でいま現在の日本の図書館にとって最大最弱最頭痛的な課題は、デジタル対応ですよね、っていう話です。まあこの9月だけでも、京都のアーカイブサミットと言い、オスロのEAJRSと言い、もはや悲鳴です。なんとかならんのかと。ていうかこの本自体でも「古色蒼然として、変革を前に思考停止している」(まえがき)とか、「デジタル情報環境に対する「消極性」への危機感」(あとがき)とか、まああちらこちらで悲鳴があがってるという感じです。
 この本で言う「ポストデジタル時代」っていうのは、どうやら「2010年以降のポスト電子書籍であり、ナショナルアーカイブ構想の進むネオ・デジタル時代」(まえがき)なる時代を指すそうなんですけども、なんていうかな、もう21世紀も5分の1が経とうかというこのご時世になって、いまだに公共図書館で電子書籍ひとつ満足に読めやしないとか、想像した以上にしょぼい未来だったなって思いますね。別に自動車が空飛んでなくてもアンドロイドがお茶くみしてなくてもいいから、電子書籍くらいどうにかなってろよ、っていう。

 どんな内容の本かっていうのはまあざっと読んでいただければだいたいわかると思うんですけど、ざっくり言うと、前半が「電子書籍」の話で後半が「デジタルアーカイブ」の話だったな、という感じです。この本が出る以前のそもそもの企画が「公共図書館と電子図書館」だったらしいので、それを聞くとああまあたしかにこういう構成の本になるだろうなとは思うんですが、ただ、それ無しでフラットに『ポストデジタル時代の公共図書館』というタイトルだけ見ると、あれ、ちょっと期待してた内容と少し違ったな、とは思いますね。
 ひとつには「ポストデジタル時代の公共図書館」と言えば、おっ、じゃあまずはウィキペディアタウンの話題なんかから始まりますか?っていう期待をしちゃう。でもさにあらず、電子書籍やデジタルアーカイブのような”コンテンツ提供”に特化した話だったなというところ。
 もうひとつは、例えば前半の「電子書籍」パートのところなんですけど、章を追いながら読んでたら、出版事情から見る電子書籍、アメリカの電子書籍事情、日本の大学図書館の電子書籍事情・・・、ん? 日本の公共図書館の電子書籍事情が丁寧に解説されているというよりも、むしろよそではどうか、周辺ではどうか、っていう話がずいぶん丁寧じゃないかしら、って思うんですね。だからこれって多分、「”ポストデジタル時代の公共図書館”について論じた本」というよりは、「ポストデジタル時代の公共図書館”を実現させるために、公共図書館関係者に読ませる本」ということなんだろうな、って、あたしは手前勝手に理解したわけです。
 でもって後半、「デジタルアーカイブ」に話の重点が移ってくるといよよますます、”公共図書館”だの”図書館”だのの枠組みに閉じこもったところでそんなもの意味無いわけであって、ありとあらゆる業界・界隈・機関種の各事情が入り混じりという感じになってくるわけですよね。だから「共存・連携することが、公共図書館の新しい可能性を開いていく」(第7章)ということを、まず、大前提の基本理念としてもらわなきゃいけないわけなので、やっぱり「ポストデジタル時代の公共図書館”を実現させるために、公共図書館関係者に読ませる本」なんだな、っていう感じがします。

 みたいなことを言うと、ていうか言いすぎると、例えばあたしさっき「図書館はデジタル対応という期待に応えられていない」とみたいなこと書いたような気がするんですが、そうすると一方で、「いや、利用者の多くは図書館にデジタルを求めているわけじゃないんだ、そういう期待の対象じゃないんだ」的な、本気なのか逆張りなのか牧歌的なのかわからない反論を耳にすることも、まあ無くはないわけです。本書でも、デジタル対応が進まない要因のひとつは「図書館員という「人の壁」」(第7章)だとおっしゃる、それがどこまで当たってるのか当たってないのかは公共図書館業界に身を置かないあたしには実のところわかりませんけども、例えばその無言の表れのひとつが、「文学部生にしか司書課程を履修させないような大学がある」ってことじゃないかなと思いますね。いや、そんなことやってる限り、この業界に未来なんかないだろう、と。じゃあ仮に、仮にですよ、本当に「図書館にデジタルは期待されてない」んだとしたら、だとしたら、っていうかだからこそ、最大の問題は「なぜ世間は図書館にデジタルを期待しないのか」ってことじゃないですか。仮にも資料・情報・メディアといったものを長い年月かけて抱え込んできた公共機関が、これから先のご時世においてデジタル面で期待されなくなったら、それこそ終わりじゃないですかね。
 というようなことを日々自己反省の材料にもしながら、寄席(大学)で高座(司書科目)にあがって学生さんの前で噺(講義)をしてる、というような状態ではあります。さっき「文学部生しか」なんて失礼な物言いしましたが、いまどき文系理系を問わず学生さんたちはスマホファーストなわけで、じゃあその学生さんたちの手元のスマホに充分に資料なり教材なり届けてあげられるか、って問われると、まあそこについては、司書としても講師としても忸怩たる想いがありますよね。そこ、やってかなきゃっていう。

 この本を読んでて、まあこれも自分の勝手な期待ではあったものの、その期待に応えてくれなかった点があるとするなら、ですが。ちょっと前の話に戻りますけど、ほとんどが電子書籍やデジタルアーカイブといった、コンテンツ提供の話に終始してたのかな、ってところですね。タイトルだけから見れば、ウィキペディアタウンに1章浸かってたっていいくらいのタイトルの本だったんじゃないかと思うんだけど、そうじゃなかったっていう。
 だってそもそも、いやさっきこの口で電子書籍ひとつ満足に云々って言ってはいましたけど、別に最終的には電子書籍が読める読めないで終わる問題じゃおそらくないわけですよね、ポストデジタル時代の図書館、ていうか社会、っていうのは。そもそも、「本」っていうのはなんですか、ただ単に消費者の読書活動を満たすだけのものですか、もしそうなんだとしたら伊藤さんが第2章でおっしゃってるように、いまのこのネット社会においては「出版者、書店、図書館という仲介は、必ずしも必要ではな」いわけですよね、作家と読者をダイレクトに結んでコンテンツを届ける仕組みなんてものは、いまネット上にとっくに整備されてます、だから電子書籍が図書館で読めなくったって誰も何も不便不自由に感じてない、という意味ではそりゃたしかに期待はされてないでしょうよ、と。
 でもそうじゃない、このポストデジタル時代の社会において、個々人の知的活動というものにパワーがあると信じるのなら、そのパワーが真に発揮されるのは、読書によるインプットによってだけでなく、アウトプット・活用によってこそでしょう、と。そっちに期待しましょうよ、と。そのパワーの源泉を掘り起こし、畑を耕すために必要なのは何ですかって言ったら、潤沢な素材にアクセスする機会を提供すること、だけじゃなくそれに加え、適切なスキルとリテラシーを育む場を提供すること。それこそが、ポストデジタル時代(もうだんだん「ポストデジタル時代」って言いたいだけになってきてますが)の図書館に、税金使って公共に奉仕する機関に期待されてる役目なんじゃないかなって。ていうか実際期待されてなかったとしたら首根っこひっつかんででもそういうことを期待してくれって説得すべきところなんじゃないかな、って思うんです。だからこその、いま現在ならウィキペディアタウンが議論の端緒にできたのでは、っていう。
 そういった意味で、やはり伊藤さんが第2章で紹介してたアメリカの「紙のない図書館」。そうですよね、よく考えたら物理的に紙の本をもたない図書館が2館も3館も建てられるのって理にかなってないじゃないかと思うんですけど、その「紙のない図書館」が「地域の利用者の学習と交流の場を目指している」というあたり、ははあんなるほど、”紙の無い図書館”のほうがよっぽど”紙に固執する図書館”よりも何が”図書館的”かってこと本質的にわかってはるやん、って思うわけですね。つまり、ポストデジタル時代の我々に突きつけられているのは、デジタルを採るのか採らないのかという問いではない、そもそも図書館とは何のためにあり何をするところなのか、という問いだったんだ、ていう。
 そういう意味では、図書館はなぜ資料情報を無料で公共圏に提供するのか、と、なぜそれがデジタルである必要があるのか、とは、ニアリーイコールだよなって思います。

 最後に。では、この本のデジタル化はどうなの?という話です。
 ひととおりざっと読んだところ、第2章の伊藤さんの論考、あの『情報管理』に燦然と輝く名論文「電子書籍貸出サービスの現状と課題 米国公共図書館の経験から」(http://doi.org/10.1241/johokanri.58.28)を、あろうことかさらにパワーアップさせた代物で、前半・電子書籍パートの間違いなく中心的存在、論拠となる統計も参考文献も豊富だし、逐一URLも書いてくれてるわけで、こういうのをこそ大学での講義でぜひとも教材に採用したいわけです。ですが、じゃあこの章を学生さんたちに電子で、かつオンラインで、お手元のスマホにどうお届けできるか、っていう話になるとこれが途端に難しくなると。そういう現実に、悔しいことなので二度言いますが、司書としても講師としても忸怩たる想いがありますよねっていう。
 本書は、これは勉誠出版さんが独自に構築してるのかな、E-booksというサイトでPDFを購入できる仕組みになってるわけなんですけど、えっとじゃあ、学生1人1人に買わせなきゃいけないですかね。大学図書館さんで提供できませんかね。え、もうあたしが勝手に配信しちゃっていいですか? これ著作権法に認められた範囲なのかどうですかね。じゃなかったら個別に許諾をとりにいかないとですかね。うーん。
いや、PDFでもダメじゃないんですけど、あたしこのPDF実際に自分のスマホで読んでみようとはしたんですけど、やっぱりかなり読みづらい。あと、これはアプリやデバイスの都合なんでしょうけど、せっかくの豊富な参考文献のURLにタッチしてもリンクしてくれない。ダメかー、ってなっちゃう。こういうときどうしたらいいんだろう、この著作自体がアプリになってくれるといいのかしら。あるいは、そういう学校教材を提供するのに適したアプリの類いがあるんだったら、この本のPDFがそれに対応してくれてたらいいのかしら。
 というような、一筋縄でも二筋縄でもいかないようなことが次々と起こるわけなんで、結局は、まあおそらくこれ紙でコピーして配ることになるんだろうなあ、っていう。

 そもそも図書館とは何のためにあり何をするところなのか、という大きな問い。
この本の第2章を学生に電子的にばらまいてスマホで読ませられるか、という小さな問い。
 これらの問いの解が、いわゆる従来型の姿としての図書館とはまったく似ても似つかないような別の仕組みに期待できるというんだったら、あたしはそれはそれで一向に構わんよなと思うてます。

 あとは、このご時世でもますます繁盛してるような大衆居酒屋にふらっと入ったところ、お店のねえさんから「こないだ図書館行ってみたけど、読みたくなるような本が何も無かった」って言われるような、そういうふつーの人のふつーの期待ハズレも地道になんとかしていかなあきませんが。


posted by egamiday3 at 19:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

「アーカイブサミット2017 in 京都」の極私的ふりかえり #アーカイブサミット


 2017年9月9日・10日におこなわれた、アーカイブサミット2017 in 京都についての、ふりかえり記事です。
 とはいえ、江上はこの催しに司会&運営、いわゆる”中の人”サイドでかかわっていました関係上、内容のことに触れることはほぼありません。準備期間から当日まで、具体的な内容にがっつり手を染める余裕はほぼ持てなかったし、そうするつもりもなかった(立場上ある程度距離を置いてた)かなという。
 おおむね、”中の人”による外枠的なことのふりかえりと感想、考えたこと、という感じです。

●各種リンク
 事務局によるオフィシャルな報告書や当日録画が、追ってオフィシャルサイトでオフィシャルに公開されることになると思いますが、まあ零細グループがほそぼそと活動してるあれなので気長にお待ちいただければという感じで、いまのところ下記のものがあるかなっていう。

○公式
・アーカイブサミット2017 in 京都 | 文化資源戦略会議
 http://archivesj.net/summit2017top/

○Togetter
・#アーカイブサミット 2017 in Kyoto 9/9(土) 1日目 〜ファシグラ、ジャパンサーチ、トレンド〜 - Togetterまとめ
 https://togetter.com/li/1149122
・#アーカイブサミット 2017 in Kyoto 9/10(日) 2日目 〜ユーザとクリエイターの間で〜 - Togetterまとめ
 https://togetter.com/li/1149479

○参加者のレポート
 下記3点、もうほぼ公式記録でもいいんじゃないかっていう。
・アーカイブサミット2017に参加しました(前編:1日目)
 http://www.gojo-partners.com/column-ps/2252/
・アーカイブサミット2017に参加しました(後編:2日目)
 http://www.gojo-partners.com/column-ps/2275/
・[DHM074]人文情報学月報 イベントレポート「アーカイブサミット2017 初日参加記」
 http://archives.mag2.com/0001316391/ (なおおそらくこのURLは後日別の記事に書き換わる)

 ていうかあれなんですよ、自分が”中の人”サイドであることの一番の難点は、自分自身でツイートしたり記録したりブログ書いたりほぼできないっていうことで、こんなおもろいイベント自分らで企画しといて自分でツイートできないのつらい・・・。

○京都新聞の記事
・(開催前)「眠る文化資源、連携でネット検索容易に 京都、9月サミット開催」
 http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20170826000035
・(開催後)「活用できるアーカイブへ 京都でサミット」
 https://twitter.com/archivist_kyoto/status/909663198390841344

○録画
 これは参加者さんによる私的録画の投稿です。
 事務局によるオフィシャルな録画の公開も近日中にアップロードされるはずです、たぶん。
https://www.facebook.com/michiko.yamakawa.737/videos/1345817035537460/
https://www.facebook.com/michiko.yamakawa.737/videos/vb.100003275296119/1343356822450148/
https://www.facebook.com/michiko.yamakawa.737/videos/vb.100003275296119/1344163752369455/

○グラフィックレコード
 1日目セッション(分科会)の各議論をリアルタイムで図示していくというもの、一見の価値あり。
 これも事務局によるオフィシャルな画像は追って。
http://twitter.com/egamiday/status/906408195941216257
http://twitter.com/egamiday/status/906408441253552128
http://twitter.com/egamiday/status/906408876559392768
http://twitter.com/egamiday/status/906409146479607808
http://twitter.com/egamiday/status/906409263521685504
http://twitter.com/egamiday/status/906504322199851010
http://twitter.com/egamiday/status/906504765114163205
http://twitter.com/egamiday/status/906505037051920394



●この催しの趣旨的なこと
 この催し(アーカイブサミット)は過去2回東京でおこなわれていたものを、今年は京都でやろうということになったとかで、あたしはその過去2回に参加したわけでもかかわったわけでもなくYoutubeの録画をふんわり見たくらいなので、たいしてその趣旨的なことを理解しているわけでもないです。
 ないですが、少なくとも「わざわざ京都でやる」と言ってこちらにお鉢が回ってくるからにはそれなりの意義というものを設定してしかるべきだと思うんで、それは決して、東京でやってたのをなんとなく場所を変えてみたとか、河岸を変えてみたとか、誰それが言ったからとかいう以上のことは無いとおかしかろう、と。それは単に、古都だから古い資料がのこされている、というような意味にとどまらず、多業種多分野の専門家・専門組織が顔を突き合わせているところであり、国内外各地のハブ的な位置づけであり、大学と寺社と町衆と産業と現場の実践と理論とが入り混じって隣り合わさってるような装いの土地柄で、そういう人たちがフラットに集まってフラットに話し合えたらなんかいいよね、っていう感じがするなって。
 古い資料がのこされてるから、イコール、アーカイブ、というわけではなく、なんというか、アーカイブやデジタルアーカイブの話を議論するっていうことは、中身自体の話をするというよりかは、ツールや仕組みを議論するっていうことなわけで。(余談ですが、7月岐阜のデジタルアーカイブ学会に参加したある人が「何をする集まりなのかよくわからなかった」という感想を言ってたという話をきいたんですが、その反応はある意味正しくて、それ自体が何であるかが重要なのではなく、それによって各業種各分野に何がどうもたらされるかのほうが重要な、そういう位置づけだろうと。) なんで、ツールや仕組みの議論が有効にはたらくには、やっぱり多業種多分野の人たちの、多角的横断的な口出しが、遠慮会釈なくフラットに飛び交うようでないとあかんと思うので、それはたとえて言うならば、近畿地区MALUIの”名刺交換会”が”ひと言もの申し交換会”みたいになるような、そういう議論と共有のためのひとつの「広場」が提供できればいいんじゃないかな、って、これあくまで極々私的にですが、そう思ってました。(過去2回がそうだったかどうかは知らないです、ていうかたぶん違うんでしょう、もしそうなら”サミット”って名称にはならないんじゃないかな)


●状況レビュー(1日目)
 ウォーミングアップですよね。特に古賀先生の現場的具体例のヒットパレード的なのが、吉見/生貝の話を強力に繋ぎ止める綱のようで、頼もしかったなという印象です。


●セッション(1日目)
 6つの分科会(3併行×2ターン)では、ファシリテーション・グラフィックとかグラフィック・レコーディングとか呼ばれるものを導入しました。
 議論の様子をリアルタイムで、下記のように模造紙に図示していく、というものです。

http://twitter.com/egamiday/status/906408195941216257
http://twitter.com/egamiday/status/906408441253552128
http://twitter.com/egamiday/status/906408876559392768
http://twitter.com/egamiday/status/906409146479607808
http://twitter.com/egamiday/status/906409263521685504
http://twitter.com/egamiday/status/906504322199851010
http://twitter.com/egamiday/status/906504765114163205
http://twitter.com/egamiday/status/906505037051920394

 こういうことを専門にやってくれる人(グラフィッカー)がいらっしゃるというので、どこからか探し出してきて、お金払ってやってもらう、ていうことをしたわけです。
 しかも今回はそのリアルタイムで描くのを、教室の壇上の黒板で、参加者全員の目の前で見えるようにやってもらいました。グラフィッカーの人たちに聴いたところによると、ふだんは参加者の見えるような場所で描くということはほとんどやらないらしく、だいたいは会場の脇のほうで気付かれるか気付かれないかみたいな雰囲気でやることが多い(場合によってはふわっとスルーされる感じ)とかで、いやでもそれっておかしくないか、参加者がリアルタイムに図示を目の当たりにできてこそ、議論がさらに進むという相乗効果が期待できるって感じのシステムなんじゃないの、って思うんで、いやこれは、多少スペース的に無理が生じたとしても教室前方で衆人環視のもとでやってもらいましょうとお願いし、グラフィッカーの人たちもふだんそんなふうに見られながら描くことないから緊張する、みたいに言ってはりましたけど、それでよかったし成功だったと思いますね。
 ただ意外だったというか勘違いしてたのが、でっかい模造紙1枚に収まるように描く、のかと思ってたら、中くらいの模造紙に何枚も連続して描く、という感じで、スペース的にも事前準備的にもちょっと無理させてしまったなという感じでしたので、これよそさんで導入する時は事前の打ち合わせはあったほうがいいよなって思いました、今回は結果オーライでしたが、養生テープの可不可とかあると思うんで。(ペンの裏写りは、「まったく大丈夫」らしいです)
 あと、さすがにジャパンサーチや情報技術のような話題は相当苦労してはったように思います、内容的にも事前打ち合わせが必要なのは、同時通訳と同じですね。


●セッション・レビュー(1日目)
 少人数で密な議論ができる仕組みの「分科会」というものに、かねがね不満があったとするならば、その会に参加しなかった人たちに共有されない、ということで、それはそもそもの趣旨に合ってないだろう、という意味で、もう一回集まり直してのこういうレビューはいい仕組みだなあって思いました。しかもその共有がスムーズに可能なツールとしてのグラフィックレコードであり、それがあるから各分科会のコーディネーターによるふりかえりが容易になり、壇上で掛け合いをかますという意味で、視覚的な効果が生まれてたな、という感じです。
 つまり1日目午後は、状況レビュー+セッション+セッション・レビューの3構成がしっかり連結してこそ意味のある催しだったな、といまとなっては思います。

●懇親会(1日目)
 片付けしてたのであんま参加してないのですが、考えたこと。
・いやほんとは、この会場にグラフィックレコードを掲示できればよかった。
・ここでもっとじっくり協賛・展示企業さんにスポットが当たればよかった。
・ここでいろんな企業の専門家さんとお話しすると、お酒の勢いもあってかすごく饒舌にいろんなことをしゃべらはるんだけど、翌日のシンポでそれ発言してもらえませんかと水を向けると、おおむねすうっと引かれるのがちょっと残念だった。いや、それごもっともだから、もっとたくさんの人に伝えましょうよ、って思うんですけど、そういう文化な業界とそうでない業界とあるのかな、とちょっと思いました。(ただ、実際にはシンポジウムで時間がなくなってしまい、コメントしていただけなかったみなさんには本当に申し訳ありませんでした、と)

●ミニシンポ(2日目)
 ほとんど目撃せず、進行役・登壇者・スタッフのみなさんにおまかせしてました。
 後日録画で確認します(そんな状態)。

●挨拶〜基調講演(2日目)
 壇上で進行してはいましたが、まあ形式通りにやってたという感じで、あまりこれといった印象はなく。
 ただ、御厨先生のようにスライド(視覚情報)なしで言葉一本で人を惹きつけるような噺ができるまでには、まだまだ修行が足りないなと思たです。

●シンポジウム(2日目)
 当日直前打ち合わせを、やるやらない、どのようにやる、を直前まで明確に決めきれていなかったのが一番の反省点。打ち合わせじゃなくて顔合わせでいい、適当な駄弁りで構わないから、ウォーミングアップとして大事。
 コメント募集について。挙手はもってのほか(あれは危険)。紙のコメント票回収は、スタッフ数が足りなくてできそうにない。で、前からやりたかった「Twitter・LINE・メールで受け取り」を実現しました。ただ、どうだろう、あのやり方でコメント引き出すの難しかったのかもしれないですね。ほんとは、参加者リストからの指名、が一番やりたかったディスカッションのかたちなのですが、時間の問題で実現せずじまいという。
 自分自身による2日間のレビューについて、ここでもやっぱりファシリテーション・グラフィックが役に立ちました。あれがなかったら一晩でパワポなんて作れなかったですよねという。
 進行としては、1人10分発話×4人、で、あとはフロアとのディスカッションを1時間弱、という心づもりだったのですが。難しいもんですね、前の講演が10分押し、自分の冒頭レビューが10分押し、みなさんの発話を聴きつつフロアからのコメント反応を見ているうちに、あ、これはもうパネリストのみなさんたちにたっぷりしゃべってもらうほうに需要がありそうだな、と判断し、そちらの方針に切り替えました。なので、先述のように本来はフロアにたんまりといる各分野各業界の専門家のみなさんにもの申してもらいたかったのですが、今回はそれがほぼ実現せず、という感じです。そのかわり竹宮先生のお話をみなさんしっかり堪能してくださったようで、それでよかったのだな、とも思いますし、うん、だからこそ、ディスカッションもっと欲しかったなとも思うんです。二兎は追えないものですね。
 なお、少しの時間ではありましたが設けることのできたディスカッションのターンについて。司会の立場としてその場でいろいろ進行していた、ように見えていたかと思いますが、実はパネリストの回答についてはほとんど自分の耳には入ってきませんでした。というよりそもそも各パネリストの発話自体も、話半分どころか1割くらいしか把握してなかったと思います。白状すると、意識的にそうしてたという感じです。各者の主張内容そのものを”自分ごと”として理解しようとする、その距離まで近づこうとすると、司会進行としてはおそらくパニクって何もできなくなる。あくまである程度の距離をとって、壇上のパネリストとフロアのオーディエンスのどちらの立場に立つわけでもなく、会場全体(賛同者もいれば反対者もいるし理解できてない人や興味ない人もいる場所)を俯瞰するところに立っておかないと、その後の進行ってたぶんできなくなるので、できるだけ”他人ごと”として捉える、主張内容を理解するのではなく流れや雰囲気を理解する、賛同か否定かではなくポジティブかネガティブかを、言葉ではなくベクトルを、議論ではなく反応を、因果関係や論理構成ではなく時間の流れと話の切れ目を意識する、というような感じで、どうかするとあの会場内でいっちばん話を聴いてなかったのは自分じゃないかな、って思ってます。えっと、後日公開されたら録画を見ます(笑)。

●全体を通して
 シンポジウムの最後に、質問コメントをほとんど紹介できなくてすみませんでした的なエクスキューズをしつつ、この続きはみなさんが各業界各職場に帰ってからそれぞれの同僚のみなさんと議論してくださいとお願いしました。この類の催しの真の”本番”は、そこにあると思います。このお祭りで、多業種多分野からの多角的横断的な議論と刺激が共有された、そのあとは、おのおのの現場で日常的にそれをどう反映していくのか、実践していけるのか、ていうかそのためにこそこういうことをやってるわけなんで。
 そういった意味でTwitterを拝見しててありがたかったのが、最初のうち #アーカイブサミット のハッシュタグを付けていろいろコメントしてはった人たちが、そのうちすうっと、ハッシュタグをはずしながら自分自身の考えや思いめぐらしをつぶやく、という流れに展開していってくれてはるという様子を目にしたことで、うん、そういうのが増えるのがほんとの成功、タグがはずれてからが本番、だなと思いました。
 だから、2日目のシンポジウムにしろ1日目のセッションにしろ、議論に結論を出す必要はないし、シャンシャンと手を打つような終わり方をするつもりも毛頭なかったし、何をする集まりなのかがわからなくていっこうにかまわない、ただただ引っかき回して終わったところでかまわない、そのもやもやこそが翌日からの現場の日常をまわしていく栄養分となるんだったらそれでいいんじゃないかな、って思います。
 そういう、もやもや製造広場、みたいなところを”中の人”としては”場”として提供しただけなのですが、みなさんがそこに熱意と協力意識と知見とをたんまりと持ち寄り、好き勝手議論して交流してくださって帰っていってくださったの、なんか奇跡みたいな催しだったな、っていまとなっては思います。
 惜しむらくは、司会業としての自分がそういう場で具体的に言いたいことも言えず、歯噛みすることも多いのですが、そのかわり自分の伝えたいことをパネリストやフロア参加者にかわって言わせる、という芸当ができるのもこの立場ならではなので、まあそれはそれでいいかな、っていうふうに呑み込んでます。


●その他
・一度は言ってみたかった、「許可のない写真撮影・録音・録画は、すべて自由です」。
・参加者リストを見てたら、まだ会ったことのないけど名前は存じ上げてるたくさんの人がいたんだけど、ばたばたしててほとんどご挨拶もできなかったのが、とても残念でした。よかったらまたぜひお声掛けください。
・とにかく全体を通して「ジャパンサーチ」への熱が冷めやらずという状態で、容赦なく降り注ぐ矢を臆することなく受け止めに向かうNDL・Tさんの勇姿を見れたのがひとつのハイライトだったんじゃないかと思いますね。
・セッション2-2でスケッチブック大喜利をやってはったのですが、ほんとは2日目シンポジウムでもそれがやりたかったのだな。
・議論の様子について「京都ならではの関係性」に言及してるコメントがありましたが、これについては思わなくはないものの、即断は避けます、中に身を置いていると客観的には考えられそうにないので。
・こういう催しをやっててコーヒー&スイーツを提供できていないのは、やっぱりかなり痛いという気がする。デジタルアーカイブ学会ではそれをちゃんとやってて、企業展示フロアにコーヒー持ち込んでたから、こちらでもやるべきだった。

 とりあえずはこんな感じです。オフィシャルな記録が公開されれば追記するかもです。

 おつかれちゃん。
posted by egamiday3 at 11:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする